蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

今は消化不良、でも、いつかは・・・

2008-07-03 | お付き合い
ある、塾関係のお知り合いHさん。
すらっと背が高く、宝塚スターのような華やかな雰囲気を持つ
スタイリッシュなファッションがお似合いのHさんは、
シャキっと切れ味のいい美人だが、物怖じしない物言いが面白い。

我が家にも一度だけお越しいただいたが、
なにげなく放置していた絵画に、
「これって、柳谷さんの絵でしょう?」
と、目ざとく反応された。


柳谷さんは、弁護士であるご主人を突然亡くされ、
傷心の身から心機一転、50才を過ぎてカナダに渡り、
現在は、バンクーバーでB&Bを経営されている。

永住権を取得するのには、苦労されたようだ。
さすがに「未亡人」というだけの肩書きでは取得できない。
しかし柳谷さんはへこたれず、
作家であり、画家、とういう芸術家のキャリアと、並々ならぬ熱意をもって
見事、永住権を手に入れられた。

さらに、持ち前のバイタリティーで、カナダにおける三種の神器
B.C.州のDriver Licence, ID Card, Care Cardも取られた。

ブログはもちろんのこと、ホームページがまだ珍しい頃から、
膨大な容量のホームページを開設されていた。
パソコンにも滅法強い。

B&Bでも、ご自分でお食事を作り、ゲストをもてなされる。
活きのいい素材をダイナミックに扱う、
女傑にふさわしいようなお料理がお得意のようだ。

手作りランチ付き絵画教室も開かれ、
現地の方々とも積極的に交流されている。

絵画の額縁も手作り、家具までも作ってしまう。
本格派ガーデニングには、愛情をたっぷり注ぐ。
あのエネルギーはいったいどこから来るのだろう・・・・

彼女の小説を読んだことがあるが、
パッションがほとばしっていた。

柳谷さんのホームページをあれこれ見ていたら、
予期せぬところでHさんの写真をお見かけした。
なんらかのかたちで、どこかで誰かが、つながっている。

年に一度ほど、日本に帰国し、
日本のご自宅で個展を開かれ、販売もされている。
(最近は、されていないようだが)
その時に、私が購入した絵が、Hさんの目にとまったものである。


絵画としてはマニアックなチョイスではあったが、
その絵を購入して、一人で楽しんでいたところ、
意外な人から突然発見され、嬉いよりも、びっくりしたほうが大きかった。

その絵は、インナーテラスに無造作に置いていたが、
「知る人ぞ知る絵」ということがわかり
それ以来、応接間へと場所を変えた。

インナーテラスで日光があたると絵に悪いと思ったからなのだが、
いつも目にできるインナーテラスのほうが、
私は好きだった。
が、絵にとって良いほうを選んだ。

過激なまでの柳谷さんのエネルギーには、
さほど元気の抗体がない私は、
実のところ、元気を消化しきれないでいる。
私は、あまっちょろい人間なので、柳谷さんを知れば知るほど
熱過ぎてちょっとバテている。

いろんな思いがつまった、その絵は
「もうちょっと元気だせば?」
と言っているように見えるときもある。


「で、・・・おいくらでした?」
Hさんに、ズバリ聞かれた。
芸術を査定しようというスピリットは、さすが大阪人。
購入価格より、ぐっと高めの金額が、思わず私の口から滑り出た。

私も、決して人のことは言えない。。。