狸喰うモノ牛愛でるモノ

虐待放置、インチキ優先のやり方を信用出来るわけねーだろ

地位とルールと社会保障

2011-08-11 11:24:35 | Weblog
「共通のルールはこうあるべきだ」
これは実際には支配被支配関係の明文化だ。
「あなた方のルールはこうで、私達のルールはこうだ」
互いにこうある事が水平統合の前提。
「あなた方のルールはこういう部分が私達のよりも優れている」
これが認識の共有。
「優れていようといまいと私達は独自のルールを持ち続ける」
これが統合の拒否。

飛行機に四人の乗客に対しパラシュートが三つ。
ジョークなどでお馴染みの展開だが、これは最初から四人分の
パラシュートを用意するべきだと多くの人は言うだろう。
ではこれはどうか。
客船に浮き輪が200。
乗客は180人だがさらに密航者が30人。
乗客優先か早い者勝ちか、若い者を生かすべきか、または奪い合い。
乗客優先と多くの人は言うだろう、これが地位。
地位は保障のためにある。

次の場合はどうか。
核戦争の危機があったとする。
政府は全国民のためにシェルターを作った。
そこで地位の有る人が言う。
家の近くの他にも職場の近くにシェルターを作れと。
これはそれなりに妥当な発言だろう、だがそれを実現するために
必要となる場所と備蓄食料の量は倍近くになるだろう、
多くの人たちが職場や学校から離れた場所に住んでいるのだから。
さらに地位有る人が言う。
私は休暇に海や山に行く。
海にも山にもシェルターを作れと。
移動中に核戦争が起きるかもしれない。
道路沿い、線路沿いにも十分な数のシェルターを作れと。

人は死ぬ。
それを避けようとする費用は、想定すればするほど増えていく。

このくらいなら妥当だと判断し、国民の同意が得られたとしよう。
ではどこの、誰のためのシェルターから作るのか。
当然、人口密集地からだろう。
多くの人がそう判断するだろうからこれは妥当だとされると。

人口密集地とは都市部だ。
道路を作る。 当然都市部から。
貯水施設を作る。 当然都市部から。
勤労者住宅を建築する。 当然都市部から。
下水道整備をする。 当然都市部から。
小学校を作る。 当然都市部から。
病院を作る。 当然都市部から。
託児所を作る。 当然都市部から。
老人院を作る。 当然都市部から。
ある事業の都市部への適用が終わった段階で別の事業への必要性の
優越が出現する。
一万人の浄水の次は百人の浄水ではなく一万人の毛布だ。
人は言うだろう、医者も教育もすべて必要なのだと。
その発言はおそらく正しい、それらが人生のどこかで必要になる。
社会保障の要求は五月雨式に提示される。
では過疎地の、農村部の人間は都市部に完全な社会保障が完成する
まで何も持たずに過ごすべきなのか。
ここで判断が分かれる事になる。

都市部と農村部、より楽な暮らしをしているのはどちらか。
多くは都市部の人間だろう、そこには選択肢が多いから。
食料を供給しているのはどちらか。
過疎地の人間だ。
真っ二つに分かれた判断。
過疎地と都市部、いずれの要求が通る事になるのか。
多くの場合は人口密集地、つまり都市部のそれが通る事になる。
単純に都市部には人が多く、さらには優先項目がそれなりに統一が
取れているのに大して過疎地は地方毎産物毎に優先度が違い、
見解を統一するのが困難だ。
都市部の人間は主張するだろう、それで正しいのだと。
コメント
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