2023年5月16日(火)
タイ 民主化勢力が勝利
総選挙 2野党合計で過半数
【ハノイ=面川誠】タイで14日に投開票された下院総選挙(定数500、任期4年)は、民主化を訴えた二つの野党が合わせて過半数を獲得することが確実になり、国民の民主化要求を反映した結果になりました。
暫定開票結果によると、王政改革や財閥による産業独占の打破など「根本的な改革」を訴えた前進党が議席を3倍に増やす151議席を獲得し第1党。2014年のクーデターで政権の座を追われたタイ貢献党が141議席で第2党です。
これに対し、軍政後継政権の最大与党だった国民国家の力党は40議席で第4党に後退し、クーデターの首謀者だったプラユット首相(69)のタイ団結国家建設党は36議席で第5党に沈みました。
前進党のピタ党首(42)は15日、「前進党は進歩的な政策を推進し、私たちが一緒に夢見たタイをつくり上げる」と宣言しました。同党は王室批判を犯罪とする不敬罪の見直し、軍の政治的中立、徴兵制の廃止も公約しています。
ピタ氏は「首相になる準備はできている」と述べ、タイ貢献党との連立政権を樹立する意向を表明しました。首相選出には軍政下で任命された250人の上院議員も加わるため、上下両院の過半数376人の支持を得る必要があります。