大橋みつるの平和ト-ク・・世直しご一緒に!

世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

北朝鮮の武器庫に劣らず、自分たちの武器庫に積まれていく先端兵器も顧みる知恵が、韓米日に求められている。

2022-01-31 | 朝鮮民主主義人民共和国

[寄稿]北朝鮮はなぜ次々とミサイルを発射するのか

登録:2022-01-28 05:50 修正:2022-01-31 07:10
 
米国の関心を引くためでも、韓国の大統領選への介入でもない 
韓米日の兵器庫に積まれていく先端兵器にも注目すべき 

チョン・ウクシク | ハンギョレ平和研究所長
 
 
                                                       出典:朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮が今年に入って、矢継ぎ早にミサイル発射実験を行っている。5日と11日の極超音速ミサイルを皮切りに、14日には線路上の列車から「北朝鮮版イスカンデル」(KN23)を、17日には短距離戦術ミサイルを発射した。

 いったい北朝鮮はなぜこのような動きを続けるのか。アントニー・ブリンケン米国務長官は「我々の関心を引くために、ミサイル発射実験を繰り返している」とし、「以前もそうしてきたし、これからもそうするだろう」と述べた。これは、バラク・オバマ政府時代、国務長官だったヒラリー・クリントン氏が好んで使った表現だ。

 ところが、どうも腑に落ちない点がある。オバマ政権の対北朝鮮政策は「戦略的忍耐」だった。米国側は当時、対話と関連し北朝鮮に難しい条件を掲げ、朝米対話の敷居を高めた。そのため、北朝鮮が米国を対話のテーブルにつかせるためにミサイル発射で関心を引こうとしたという診断は一理あった。一方、バイデン政権は「戦略的忍耐」との決別を宣言し、北朝鮮に条件なしの対話を提案している。「いつどこでもあらゆる問題について話し合う用意がある」とし、「対話の扉は開かれている」と強調している。北朝鮮のミサイル発射実験を「米国の関心を引きつけるため」と規定したブリンケン長官は状況判断を誤っているのではないかと思われるのもそのためだ。

 一方、韓国政府と与党では、北朝鮮の相次ぐミサイル発射実験が3月9日の大統領選挙に及ぼす影響に神経を尖らせている。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は北朝鮮のミサイル発射に対して「懸念」を表明した理由の一つに「大統領選を控えた時期」という点を挙げた。共に民主党のイ・ジェミョン大統領候補は「韓国側の政治地形に影響を与えており、特定陣営の利益になるのは明らかだという点を明確に指摘する」と糾弾の声を高めた。

 これもいまいち腑に落ちない。確かに、北朝鮮のミサイル発射で安保危機が高まった場合、得をするのは国民の力のユン・ソクヨル大統領候補かもしれない。ならば北朝鮮は、韓国側の(南北関係において)保守的かつ強硬なスタンスの大統領選候補を助けるため、ミサイル発射実験を続けているのだろうか?うなずく人はそう多くないだろう。

 米国の関心を引こうとするわけでもなく、韓国の大統領選挙に影響を及ぼそうとしているわけでもないなら、北朝鮮の意図は何だろうか。北朝鮮が昨年から強調してきた二つの表現から、その答えを見つけることができる。「軍事力のバランス」と「戦争抑止力」がそれだ。すなわち、軍事的敵対関係にある韓米日を相手に最大限の軍事力バランスを取って戦争を抑制するのが北朝鮮の根本的な意図であり、目標であるという意味だ。

 これは「知彼知己(彼を知り己れを知る)」を通して優に推測できる。韓米日は北朝鮮の核とミサイル能力だけに注目するが、韓米同盟と米日同盟の軍事力は北朝鮮を圧倒する。ここのところ韓国と日本の軍事力も飛躍的な成長を遂げている。2017年に世界12位と評価された韓国の軍事力は、最近世界6位に跳ね上がった。特に「キルチェーン-韓国型ミサイル防御体制-大量報復」で構成された3軸システムが強化された。専守防衛の原則を掲げ攻撃用兵器の導入を控えてきた日本も、「敵基地攻撃論」を既成事実化するなど、変化を見せている。

 これに対抗して、北朝鮮は核とミサイルに「選択と集中」をしながら、新型ミサイルを保有することで軍事力のバランスと戦争抑止力を維持しようとしている。北朝鮮が最近発射しているミサイルの特性からも、これを確認することができる。極超音速ミサイルは韓米日のミサイル防衛体制(MD)を無力化しようという意図を、潜水艦や列車から発射するミサイルは発射プラットフォームを多様化し、2次攻撃能力を確保するという目的を持っている。

 では、北朝鮮の暴走を止める方法は何だろうか。対北朝鮮制裁の強化や先制攻撃論では阻止できない。終戦宣言や対北朝鮮支援の意思表明でも不十分だ。ならば、ほかに何が必要だろうか。北朝鮮の武器庫に劣らず、自分たちの武器庫に積まれていく先端兵器も顧みる知恵が、韓米日に求められている。

チョン・ウクシク | ハンギョレ平和研究所長(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本政府は今もその国際約束の実行を怠っており、昨年の世界遺産委員会では、日本に対し「強い遺憾の意」を示し、犠牲者を記憶する適切な措置などを重ねて求める決定が採択されている。

2022-01-30 | 自民党の常識は、国民の非常識

日本政府は、戦時の朝鮮人強制労働の事実を

認めるべきである

――佐渡金山の世界遺産推薦について

志位和夫委員長が談話

 政府が「佐渡島(さど)の金山」(新潟県)を世界文化遺産の候補として推薦する方針を決めたことについて、日本共産党の志位和夫委員長は29日、次の談話を発表しました。


写真

(写真)志位和夫委員長

 一、岸田文雄首相は28日、「佐渡島の金山」(佐渡金山)を世界文化遺産の候補として国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦すると表明した。わが党は、佐渡金山は世界文化遺産として推薦に値するものだと考えるが、日本政府が、登録推薦を行うならば、戦時中の朝鮮人強制労働の歴史を認める必要がある。

 一、世界遺産とは「人類の知的・精神的連帯に寄与し、平和と人権を尊重する普遍的な精神をつくる」というユネスコの理念に基づくもので、登録推薦物について調査・勧告を行う国際記念物遺跡会議(ICOMOS)は「より広い社会的、文化的、歴史的、自然的な文脈と背景に関連させなければならない」(「文化遺産の解説及び展示に関するICOMOS憲章」)との原則を示している。

 佐渡金山についても、戦国時代末から江戸時代にかけてだけでなく、明治以降、戦時の朝鮮人強制労働などを含む歴史全体が示されることが必要である。戦時中の歴史を「時代が違う。まったく別物」とする政府・自民党の中にある主張は、世界遺産の趣旨に反する。ユネスコやICOMOSが掲げる原則をふまえるならば、世界文化遺産の登録推薦にあたっては、負の歴史を含めて、歴史全体が示されなければならない。

 一、アジア・太平洋戦争の末期に、佐渡金山で当時日本の植民地支配の下にあった朝鮮人の強制労働が行われたことは、否定することのできない歴史的事実である。新潟県が編さんした『新潟県史 通史編8 近代3』は「朝鮮人を強制的に連行した事実」を指摘し、佐渡の旧相川町が編さんした『相川の歴史 通史編 近・現代』は、金山での朝鮮人労働者らの状況を詳述したうえで、「佐渡鉱山の異常な朝鮮人連行は、戦時産金国策にはじまって、敗戦でようやく終るのである」と書いている。この歴史を否定することも、無視することも許されない。

 一、日本政府自身、長崎の端島(通称・軍艦島)を含む「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録(2015年)の際、戦時の朝鮮人強制労働を含む「犠牲者を記憶にとどめる措置をとる」と、ユネスコ世界遺産委員会で表明している。にもかかわらず、日本政府は今もその国際約束の実行を怠っており、昨年の世界遺産委員会では、日本に対し「強い遺憾の意」を示し、犠牲者を記憶する適切な措置などを重ねて求める決定が採択されている。

 日本政府は、佐渡金山の世界文化遺産への登録推薦をするならば、これまでの態度をあらため、戦時の朝鮮人強制労働の事実を認め、自らの国際約束を果たすべきである。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5月の新潟県知事選挙や7月の参議院選挙に影響を及ぼしかねないとも考えたと見られる。

2022-01-29 | 東アジアの文化と歴史を学ぶ会

安倍元首相など保守派の圧力…

岸田首相「佐渡金山の世界遺産登録申請を推進」表明

登録:2022-01-28 20:32 修正:2022-01-29 07:54
 
安倍元首相など自民党保守派に白旗掲げた岸田首相 
登載可能性低く保留を考えたが立場変更 
韓国政府「強い遺憾を表明、中止せよ」要求 
 
 
新潟県の佐渡金山の象徴とされる金の採掘現場だったV字峰「道遊の割戸」=佐渡市ホームページより//ハンギョレ新聞社

 日本政府は、朝鮮人が大規模に強制動員された新潟県の佐渡金山のユネスコ世界遺産登載申請を強行することにした。韓国政府はこの日、外交部報道官名義の声明を発表し「度重なる警告にもかかわらず登録を推進することを決めたことに対し、強い遺憾を表明する」として「このような試みを中止することを厳重に求める」と明らかにした。

 岸田文雄首相は28日、東京の首相官邸で、佐渡島の金山をユネスコ世界遺産に推薦することを表明した。岸田首相は記者団に対し「本年申請し、早期に議論を開始することが登録実現への近道との結論に至った」とし、2月1日の閣議を経てユネスコに申請することにしたと述べた。2023年に世界遺産の登録審査を受けるためには、日本政府が来月1日までにユネスコに推薦書を出さなければならない。共同通信は「通例であれば、ユネスコ諮問機関が秋ごろに現地調査し、2023年5月ごろに登録の是非を勧告。その年の夏に世界遺産委員会の審査を受ける」として「(登載に反対する)韓国との2国間協議を促され、審査を棚上げされる可能性がある」と報じた。

 岸田政権が佐渡金山のユネスコ登載申請を強行することで、日本の強い要求で新たに設けたユネスコの手続きを自ら否定しているという国際社会の非難は避けがたいとみられる。小野日子外務報道官は26日、定例記者会見で「世界遺産委員会でも推薦前に(反対意見などがある場合)当事者間の対話を促す指針が昨年7月用意された」と話した。

 昨年4月、ユネスコ世界記録遺産登載を推進する時に会員国が反対すれば審査を中断した後に期限を定めずに当事国間の対話を継続するようにする制度が日本の強力な要求で導入されたが、世界遺産にも同様の趣旨の指針ができたという意味だ。こうした理由で岸田首相と日本外務省は佐渡金山のユネスコ世界遺産登載の可能性を低く見た。韓国政府は日本の佐渡金山の世界遺産搭載推進に対して「非常に嘆かわしい」として反対の立場を明確にしたことがある。

 だが、安倍元首相など自民党内の保守派が強く反発し、日本政府内の雰囲気が変わった。安倍元首相は26日、SNSに「歴史戦を挑まれている以上、避けることはできない」と書いた。2015年の「軍艦島」(端島)を含む「明治日本の産業革命遺産」のユネスコ世界遺産登載当時を取り上げ「その時も登載されない危険があったが、先送りしても事態が変わらないと判断した」と強調した。それに加えて岸田政権は登載を先送りする場合、5月の新潟県知事選挙や7月の参議院選挙に影響を及ぼしかねないとも考えたと見られる。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学校・教育施設では前週比317件増加の2315件、児童福祉施設では156件増加の1246件となっています。あわせて473件増、合計3561件となりました。

2022-01-28 | 市民のくらしのなかで

学校・児童福祉施設 クラスターが急増

 厚生労働省が26日に公表した17日以降1週間のクラスター発生件数の集計結果によると、学校・教育施設や児童福祉施設など子ども関連の施設でクラスターが急増しています。

 学校・教育施設では前週比317件増加の2315件、児童福祉施設では156件増加の1246件となっています。あわせて473件増、合計3561件となりました。

 他方、最もクラスターの多いのが医療機関と福祉施設で、医療機関が前週比55件増の1553件、福祉施設は288件増の3886件で、合計5439件でした。福祉施設には前出の児童福祉施設が含まれます。

 福祉施設のうち高齢者福祉施設が112件増の2249件です。

 企業等でも前週比114件増の3142件とクラスターの多発が続いています。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夜7時15分、新大久保駅の線路に人が転落した。列車が駅に進入しはじめた瞬間、李さんと日本人写真家の関根史郎さん(当時47歳)はその人を助けようとして線路に飛び下りた。

2022-01-28 | 東アジアの文化と歴史を学ぶ会

[特派員コラム]新大久保駅の偉人、彼らが去って21年

登録:2022-01-28 02:33 修正:2022-01-28 07:21
 
 
2001年1月26日、韓国人留学生の李秀賢さんと日本人写真家の関根史郎さんが、東京の新大久保駅で線路に落ちた日本人を助けようとして列車にひかれ死亡した事件をモチーフにした日本映画『横道世之介』のポスター//ハンギョレ新聞社

 26日午後、コリアタウンがある東京の新大久保駅で「義人李秀賢(イ・スヒョン)さん」(1974~2001)の21回目の追悼式が行われた。新型コロナウイルスの感染拡散によって、参加は最小人数のみ。李さんの母親シン・ユンチャンさん(73)も、昨年に続き今年も映像であいさつを伝えた。シンさんは「毎年1月に新大久保に行けば息子に会えるような気がして、日本行きを指折り数えて待っていた」と語り、残念だと述べた。

 2001年1月26日。日本で留学生活を送っていた李さんは、アルバイトを終えて家に帰る途中だった。夜7時15分、新大久保駅の線路に人が転落した。列車が駅に進入しはじめた瞬間、李さんと日本人写真家の関根史郎さん(当時47歳)はその人を助けようとして線路に飛び下りた。彼らは列車を避けることができず、全員が犠牲になるという悲劇的な事件となった。不慣れな異国の地で人のために犠牲となった李さんの行動は、日本人の心を揺さぶった。追悼の波が日本全国に広がった。各界各層から寄付金が集まり、李さんの名を冠した「LSHアジア奨学会」が設立され、これまでに日本で留学生活を送るアジアのおよそ1千人の学生に奨学金が支給された。

 時が経っても彼を記憶している人は多い。2019年1月26日、東京で過ごしていた私は、駐日韓国文化院の行事に参加した。日本の中村柊斗監督が制作した李さんについてのドキュメンタリー映画『かけはし』を見るためだった。李さんの日本留学時代の足跡や事故の後日談などが語られている。映画を見ていると、あちこちからすすり泣きが聞こえた。上映会には300人あまりが参加し、大半が日本人だった。18年が過ぎていたが、依然として彼を記憶に刻もうとする温かい心が集っていたのだ。

 その日は李さんの母親のシンさんも参加していた。シンさんは映画を見に来た人たちに感謝の言葉を述べが、通訳が要らないほど日本語が達者だった。息子の死を無駄にしたくないとの思いから18年をどのように生きてきたのか、達者な日本語から察せられた。いつも一緒だった父親のイ・ソンデさんは健康上の理由で日本に来られず、結局2019年3月に持病のため亡くなった。

 李さんの人生を振り返っていると、ふとあの日共に犠牲になった関根さんはどんな人だったのかが知りたくなった。あちこち調べても情報は少なかった。関根さんは1953年、神奈川県川阪市に生まれ、大学で写真学を専攻し、写真作家として活動していた。彼の写真集には山や花、子どもが特に好きだと記されている。当時は70代の老母と共に暮らしていた。事故直後、シンさんが関根さんの母親に電話をかけ、哀悼の意を伝えたという新聞記事が残っている。

 日本で「新大久保の犠牲」をモチーフにした小説と映画があることを知った。韓国でも有名な作家、吉田修一の『横道世之介』と、これを原作として沖田修一監督が制作した同名の映画だ。内容は彼らの人生を直接扱った実話ではなく創作だが、関根さんはこのような人だったのではないかと想像させる部分が出てくる。「いまだに事故のことをよく想像するんです。あの子はなぜ線路に飛び下りたのだろうって。あの子はきっと助けられると思ったんでしょうね。『ダメだ、助けられない』じゃなくて、その瞬間『大丈夫、助けられる』と思ったはず」。小説に出てくる横道の母親の書いた手紙の内容だ。

 李さんと関根さんがどのような人だったのかは正確には分からないが、彼らの普段の暮らしに対する態度が危機の瞬間に本能的に出たのだろうと推測する。記憶すべき人を記憶し続けることは大切だ。彼らが去ってすでに21年が経っている。

 
//ハンギョレ新聞社

キム・ソヨン|東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1029081.html韓国語原文入力:2022-01-27 16:42
訳D.K
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

韓国蔓延!日本より先を進む、大統領も参謀会議で「オミクロン株対応体制の全国拡大と関連の準備を急いで進めよ」と・・・

2022-01-27 | コロナから命を守るために

韓国「2月に最大12万人」予想…

非常事態を防ぐシナリオはあるのか

登録:2022-01-27 08:00 修正:2022-01-27 08:41
 
疾病管理庁の短期予想の分析結果 
2月末に最小3万人・最大12万人 
政府省庁別に業務継続計画を準備 
「医療スタッフの隔離基準などに弾力運用が必要」
 
 
26日、新規感染者数が表示されている地下鉄ソウル駅のデジタル総合案内図には、この日発表された新規感染者数の13012人に対して、最後の「2」が抜けた「1301」人が表示されている。担当業者は、感染者が4桁の数まで表示されるようになっており、今後システムを修正する予定だと明らかにした/聯合ニュース

 オミクロン株の感染拡大の余波で、新型コロナの新規感染者が初めて1万人を超えた。政府は、29日から全国単位でハイリスク群を中心にPCR検査が可能になるよう、オミクロン株対応体制に転換することにした。急激な感染拡大が予想される状況において、患者の管理だけではなく、保健医療や教育などの社会の必須機能が止まらないようにする対応策も、急いで整備しなければならない状況だ。

____________
防疫当局「来月の感染者は最大12万人」

 中央防疫対策本部(防対本)は、26日0時基準の新型コロナの新規感染者は1万3012人だと明らかにした。前日の8571人より4441人増え、わずか1週間で2.24倍に急増した。

 防疫当局は、このような感染者の急増傾向はしばらく続き、来月は最大12万人の1日の感染者が出る可能性があると予測した。疾病管理庁が21日に数理モデリングで出した「短期予測結果」の分析によると、デルタ株に対するオミクロン株の感染力を2.5倍と仮定する場合、1日の感染者は今月末は7000~8000人、2月中旬には1万5000~2万1000人、2月末は3万2000~5万2000人に増加する。オミクロン株のデルタ株に対する感染力を3倍と仮定する場合、1日の感染者は今月末は8000~1万人、2月中旬には2万7000~3万7000人、2月末は8万~12万人台になると予想される。

 感染者増加に政府は、29日からオミクロン株対応体制を全国に拡大すると明らかにした。光州(クァンジュ)、全羅南道、平沢(ピョンテク)、安城(アンソン)など4カ所で実施中の地域医療機関の迅速抗原検査(自主検査キット)を、29日からは全国に拡大するということだ。これを受け、29日には全国256カ所の選別診療所で迅速抗原検査が可能になる。来月3日からは、全国の呼吸器専門クリニック431カ所と、指定された町内病院・医院が検査と診療の役目を果たす。この日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領も参謀会議で「オミクロン株対応体制の全国拡大と関連の準備を急いで進めよ」と述べ、「町内病院・医院による新型コロナの検査と治療システムも初めて施行するものであるので、初期には足りない点もあるはずだ。医療界とよく協議し対処せよ」と指示した。

____________
町内病院が在宅治療も行う「ワンストップ在宅治療」検討

 政府は、オミクロン株対応体制への転換とともに、大韓医師協会などの医療団体とともに「ワンストップ在宅治療モデル」を協議している。これを受け、新型コロナの診療に参加する町内病院・医院を募集中だ。

 このモデルは、町内病院・医院が新型コロナの検査を行い、診療・在宅治療のモニタリングまですべて担当する「町内主治医」のような考えだ。現時点では現呼吸器専門クリニックが診断と治療を可能にしているが、町内病院も診断検査と在宅治療ができるように転換するというのが政府の計画だ。

 このモデルが施行されると、町内医院が閉まる午後6時から翌日午前9時まで、防疫当局と自治体が運営するセンターが、患者の管理を引き受けるものとみられる。ソウル市医師会のパク・ミョンハ会長は本紙の電話インタビューで、「町内医院が24時間体制をとるのは難しいと判断し、深夜応急コールに対応するセンターが設けられるようだ」とし、「まだ、補償や細かい運営体制をとる場合については、協議がさらに必要な点」だと述べた。ただし、空間的な限界により動線の分離や診断検査などに制約がある町内医院をどのようにして参加させるのかについては課題となっている。

____________
「社会の必須機能の麻痺」に備えシナリオ別の計画が必要

 感染者の急増を受け、社会の必須機能の麻痺に対する対策を急がなければならないという声も大きい。たとえば、保健医療界の集団感染などにより、病院医療機関の機能が麻痺したり、ケア・教育・治安・消防などでも、オミクロン株の感染者が続出し十分に機能できなくなることを防がなければならないという話だ。

 政府は、各省庁別に感染者急増の場合の業務継続計画(BCP)を作っている。中央防疫対策本部のコ・ジェヨン危機コミュニケーションチーム長は、「ガイドラインを提供し、各省庁で社会の必須機能の維持のために必要な重要業務を選定し、BCPを作るよう要請した」とし、「例えば、ケアや教育、治安などの分野で非常時の組織をどう構成しなければならないのか、優先順位となる重要業務が何なのか、在宅勤務の活性化など、非常時における計画を立て、期間内に感染病の拡大防止措置をとるよう提案した」と言及した。

 専門家らは、感染者の急増に備え、より具体化したBCPを準備しなければならないと指摘した。翰林大学医学部のキム・ドンヒョン教授(社会医学)は、「防疫状況にともなう確診者の発生規模に応じた非常時の計画がなければならない。感染者が3万、5万、10万になった場合のシナリオ別に準備しなければならない」と指摘した。

 特に、保険・医療スタッフの感染により保健所や病院の運営が困難になった場合の対応策が用意されなければならないという声も出ている。ソウル大学医学部のキム・ユン教授(医療管理学)は、「医療スタッフもこれまでの基準にしたがい隔離するが、(医療スタッフが)広範囲に感染した場合、症状がなく最小の隔離器間を経た医療スタッフは少し早く職場に出るなど、隔離基準を弾力的に運用する必要がある」と述べた。

パク・チュニョン、チャン・ヒョヌン、イム・ジェヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「各自が自分の命に責任を持つことを心がけるべき。家族同士でも離れているべきで、食事などが重ならないよう努めなければならないほど注意すべき」

2022-01-26 | コロナから命を守るために

迫りくるオミクロン…

感染したかなと思ったら、60歳未満はどうすべきか

登録:2022-01-26 02:36 修正:2022-01-26 07:57
 
[自分がかかった時の対処法]
 
 
25日午後、京畿道の安城市保健所で、関係者が26日から適用されるオミクロン株対応診断検査システムの案内を取り付けている/聯合ニュース

 今月26日から光州(クァンジュ)、全羅南道、平沢(ピョンテク)、安城(アンソン)の4地域はオミクロン対応システムへと本格的に転換される。保健所の選別診療所はPCR検査を高危険群に集中し、その他の対象者に対しては選別診療所や呼吸器専門クリニックなどで迅速抗原検査を実施することを骨子とする。4地域以外の地域では当面、現行どおり誰でも選別診療所と臨時選別検査所でPCR診断検査が受けられる。しかし感染者数がPCR検査の力量(検査を1日に85万件にまで拡大すれば感染者数は1万人まで)を超えれば、全国の検査システムも近く重症化のリスクが高く迅速な治療が必要な60歳以上などの高危険群の早期診断に集中せざるを得なくなる。感染者の増加によってPCR検査の結果の確認に1日以上かかるようになれば、高危険群が適切な時期に飲む(経口用)治療薬の処方が受けられなくなることもありうるからだ。本紙は中央事故収拾本部(中収本)および中央防疫対策本部(防対本)の発表、新型コロナウイルス関連指針、専門家の助言などにもとづき、オミクロン対応システム転換後の対処法をまとめた。

韓国で認可されている自己検査キットは3種類

 高危険群に該当する人は、現在と同じく選別診療所ですぐにPCR検査が受けられる。60歳以上と保健所からPCR検査要請案内を受け取った疫学的な関連者、医師の所見を所持している人、感染脆弱施設の従事者、迅速抗原検査の陽性者などがこれに当たる。

 60歳未満などの高危険群ではない対象者に与えられた選択肢は大きく次の3つ。選別診療所訪問▽呼吸器専門クリニック受診▽自己検査キットの使用だ。保健所の選別診療所を訪問すれば、PCR検査の対象者でない人には迅速抗原検査(自己検査キット)でまず検査が行われる。防対本は、症状のある人に対しては呼吸器専門クリニックなどの指定医療機関で診療と専門家の扱う迅速抗原検査を受けることを勧めている。保健福祉部の資料「呼吸器専門クリニックの現況」サイトで住居地近くのクリニックが探せる。高危険群ではない対象者は、抗原方式の自己検査キットを薬局などで購入し、家庭で検査することもできる。食品医薬品安全処が国内向けに認可している製品はラピジェン(BIOCREDIT COVID-19 Ag Home Test Nasal)▽SDバイオセンサー(STANDARD^TM Q COVID-19 Ag Home Test)▽ヒューマシス(ヒューマシス・コビッド-19ホームテスト)の3社の製品だ。

「感染確認」最終的な基準は今もPCR

 オミクロン株の流行においても、感染者かどうかを判断する最終的な基準はPCR検査の結果だ。迅速抗原検査で陽性と出たら優先検査対象者となり、選別診療所でPCR検査が受けられる。独自に検体を採取できる呼吸器専門クリニックは、再度検体を採取してPCR検査機関に検査を依頼できる。専門家は、陽性と確認されれば、なるべく自家用車などの他人との接触を最小化できる手段を用いて選別診療所に行くことを勧めている。

 問題は、迅速抗原検査で陰性と出た時だ。国内で認可されている3つの製品は、概して特異度は99%以上だが、敏感度は90%以上だ。敏感度とは、その検査キットが実際の感染者に対してどれだけ正確に陽性を示せるかを表す指標。実際にはコロナ感染者の100人に10人が「陰性」となる可能性があるということだ。専門家は、迅速抗原検査で陰性と示されも、発熱や呼吸器の症状の有無を検討し、症状が見られた場合には2~3日以内に改めて医療機関を受診する一方、その間は個人防疫を徹底し、不必要な外出などの接触は避けるよう勧めている。

接種完了者が感染確認された際には7日間隔離

 防対本は隔離に関して、予防接種完了者を3次接種完了者または2次接種後14~90日以内の人と規定し、26日から全国に新たな隔離基準を適用した。予防接種完了者は感染が確認されても最短隔離期間は7日で、未接種者など接種完了者でない人は10日間。在宅治療者も隔離期間が7日間の健康管理に短縮され、予防接種未完了者に対しては7日間の隔離後に、特に管理はされないが外出ができない3日間の「自主隔離」が適用される。

 従来は10日だった濃厚接触者の隔離期間も7日に短縮され、予防接種完了者はこれに代えて日常生活を送りつつ感染の疑われる症状が出れば検査を受ける手動監視にすることも可能にした。

自律的な防疫守則の順守が重要

 専門家は、オミクロン対応システムへと転換すれば個人の役割がより大きくなるだけに、市民の自律的な防疫守則の順守が重要だと診断する。高麗大学九老病院のキム・ウジュ教授(感染内科)は「各自が自分の命に責任を持つことを心がけるべき。家族同士でも離れているべきで、食事などが重ならないよう努めなければならないほど注意すべき」と述べた。嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学教室)は「慌てず、保健当局の指示をよく守り、自主隔離を順守することが最も重要だ。今の危険は私たちが十分に抑え込める危険なのだという認識も重要だろう」と述べた。

イム・ジェヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医療現場の抗原検査キット不足が深刻だと指摘。「薬局での販売を可能にしてきた」などと言う岸田首相に対し、「キットをどう確保するのかの話が昨年来やられてこなかった。

2022-01-26 | 自民党の常識は、国民の非常識

新自由主義 抜本転換こそ

格差・貧困広げた歴代自民政権

衆院予算委で宮本徹議員 首相は無反省

 日本共産党の宮本徹議員は25日の衆院予算委員会の基本的質疑で、新型コロナウイルスのオミクロン株急拡大でひっ迫する検査体制への支援を求めました。また、岸田文雄首相がいう「新自由主義の弊害を是正する仕組み」を壊してきたのが歴代自民党政権だと追及し、この間の政策への反省と抜本的転換を迫りました。岸田首相は、一つひとつの具体的な指摘に答えず、新自由主義的政策を見直す姿勢がないことが浮き彫りになりました。


写真

(写真)質問する宮本徹議員=25日、衆院予算委

 宮本氏は、オミクロン株急拡大で、発熱外来がひっ迫しているとして、「なぜ診療・検査体制の補助金を行わないのか」と追及しました。岸田首相が診療報酬上の「切り替えを行ったから」と答えたのに対し、宮本氏は昨年10月に行った加算を超えて昨年12月に検査の診療報酬削減が行われていると批判しました。

 また、医療現場の抗原検査キット不足が深刻だと指摘。「薬局での販売を可能にしてきた」などと言う岸田首相に対し、「キットをどう確保するのかの話が昨年来やられてこなかった。あまりに後手後手だ」として、支援拡充を求めました。

 宮本氏は、新自由主義の弊害として低賃金の労働者が増える一方で企業の内部留保と配当が増えるなど「格差や貧困」が拡大したと指摘。「自民党政権のどの政策が日本社会に格差と貧困をもたらしたか」とただしました。

 ところが岸田首相は「90年代のバブル崩壊以降、低い経済成長と長引くデフレで停滞の時代を経験した」などとしか答えません。

 宮本氏は「貧困と格差を広げた新自由主義的な政策の最たるものが労働者派遣法と有料職業紹介の原則自由化だ」と指摘。1999年に労働者派遣が原則自由化され、派遣労働者が低賃金の雇用の調整弁として扱われ、コロナ禍でも多くが失業したとして「労働者派遣の原則自由化が、貧困と格差を広げた一因との認識と反省はあるか」とただしました。

 後藤茂之厚生労働相は答弁で、「待遇改善が必要となった面もあった」と弊害があったことを認めました。

 宮本氏は、岸田首相が資本主義の中に「弊害を是正する仕組みを埋め込む」というのであれば、「派遣労働を臨時的・一時的業務に限定し、1年を超えれば直接雇用に転換できる法改正を行い、非正規労働から正規雇用への転換を促進すべきだ」と追及。後藤厚労相は「派遣労働者の正社員化や待遇改善に取り組んできている」と無反省な姿勢に終始しました。

 宮本氏は「新しい資本主義」は財界のもうけ優先の自民党政治の継続だとして、新自由主義的な政策の抜本的な転換を求めました。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

その水量は琵琶湖の約5・5倍に相当するそうです。気候変動や核兵器、コロナ。過去最短が続くのは世界が危険な状況から抜け出せていないからだと。

2022-01-26 | 世界の変化はすすむ

しんぶん赤旗:きょうの潮流

 南米沖を漂っていた巨大な氷山がとけ、あたりの海洋生態系に大きな影響を及ぼした可能性がある―。英リーズ大学の発表を22日付の本紙社会面が伝えました

▼茨城県ほどの大きさの氷山は5年前に南極半島の棚氷から分離。英領南ジョージア島の周辺に大量の冷たい淡水と栄養分を放出したとされます。その水量は琵琶湖の約5・5倍に相当するそうです

▼南米の先端にむかってのびる半島は南極としては気温が高く、温暖化の影響も見えやすい。棚氷の表面で融解が進み、とけた水が氷のくぼみや割れ目に流れ込んでつくった水たまりが増大。これまでも大規模な崩壊が起きています

▼南極は日本のおよそ40倍もの氷の大陸。氷の厚さは平均で2000メートル弱にも。それがとければ海面上昇にとどまらず、大気循環や地殻変動といった地球規模の環境変化をもたらす。氷床研究者の杉山慎さんが『南極の氷に何が起きているか』に記しています

▼先の報道と同じ紙面には、海を汚染するプラスチックごみが2040年までに今の3倍に増える見込みがあるとの記事が並びました。国際環境NGOによるもので「地球規模の緊急事態」だと各国に警鐘を鳴らしています

▼二つの記事の横で報じられたのは、人類が滅亡するまでの「終末時計」が100秒まで迫っている現実。気候変動や核兵器、コロナ。過去最短が続くのは世界が危険な状況から抜け出せていないからだと。対立ではなく協力、格差ではなく平等。生き残る道はそこにしかないことを。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

予算委で金子総務相は、「入力ミスや、確認作業を怠っていた」と述べ「著しく緊張感に欠けていたと言わざるを得ず、申し開きできるものではない。心よりおわび申し上げる」と謝罪しました。

2022-01-25 | 自民党の常識は、国民の非常識

予算案の各目明細書 ミス13カ所

総務相陳謝「著しく緊張欠く」

 金子恭之総務相は24日の衆院予算委員会で、2022年度予算案の総務省所管の「各目明細書」に誤りがあったと明らかにし、陳謝しました。

 同明細書は予算の支出項目別の内訳などを記したもので、「統計委員会」とすべきところを「政策評価審議会」とするなど計13カ所のミスがあったといいます。立憲民主党の指摘をうけ、総務省が調査していました。

 予算委で金子総務相は、「入力ミスや、確認作業を怠っていた」と述べ「著しく緊張感に欠けていたと言わざるを得ず、申し開きできるものではない。心よりおわび申し上げる」と謝罪しました。鈴木俊一財務相は「予算書(本体)に影響はない」と述べ、各省庁の所管予算についても「再確認を依頼し、精査する」と述べました。

 これに先立つ衆院予算委理事会で、日本共産党の宮本徹議員は、財務相の指示で各省庁に再確認を行っている最中であり、「審議入りの前提を欠いている」と指摘しました。立憲民主党などは予算委集中審議を求め、与党側は受け止めると述べました。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

専門家は、複数の薬を組み合わせて使えば、耐性を持つウイルスの登場の防止に役立つと指摘する。

2022-01-24 | コロナから命を守るために

飲むコロナ治療薬は登場したものの…「カギは耐性の抑制」

登録:2022-01-24 02:05 修正:2022
 
米国の保健当局と研究者は方策に苦心 
「耐性の生じない抗ウイルス薬はない」 
複数の薬を組み合わた投与の効果について研究
 
 
飲むコロナ治療薬が本格的に供給されたことで、ウイルスが治療薬に対して耐性を持つのを防ぐことがカギとして浮上している。ファイザーのパクスロビドの生産工程=フライブルク/AFP・聯合ニュース

 米国などで飲む新型コロナウイルス感染症の治療薬の供給が本格的に開始された中、ウイルスがこの治療薬に対する耐性を持つのを防ぐことが新たな課題として浮上している。

 米国の経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は22日(現地時間)、米国の保健規制当局と研究者は、コロナウイルスに飲む治療薬に対する耐性が生じる可能性を懸念し、これを防ぐ方策について苦心していると報じた。現在までのところ、米国で承認を受けた飲む治療薬はファイザーのパクスロビドとメルクのモルヌピラビルの2種類。これらの治療薬はコロナ禍に対処するための画期的な手段として期待されているが、問題は耐性だと同紙は伝えた。専門家の指摘によると抗ウイルス薬は、単独で服用すればウイルスがそれに対する耐性を確保する可能性が高い。

 メリーランド大学ボルティモア・カウンティ校のキャサリン・セリラトキー教授(医薬化学)は「いつかはウイルスに耐性ができる余地があるということを、私たちは知っている」とし「(ウイルスが)コントロールを脱する前に機先を制し、芽のうちに摘み取らなければならない」と述べた。ピッツバーグ大学の感染症専門家、ジョン・メラス教授も「35年間、抗ウイルス分野で働いているが、耐性が生じない薬は見たことがない」と述べた。

 ただし、まだ治療薬に対する耐性が生じる徴候は現れていない。ファイザーとメルクの研究者は、薬の効果を評価するために実施した臨床試験では耐性は現れていないと明らかにしている。食品医薬品局(FDA)は両社に対し、耐性について観察を怠らず、毎月報告書を提出するよう求めている。FDAは「すべてのウイルスは耐性を確保する可能性があり、この点でコロナウイルスも例外ではない」と指摘した。

 専門家は、複数の薬を組み合わせて使えば、耐性を持つウイルスの登場の防止に役立つと指摘する。米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)エイズ研究室長のカール・ディーフェンバッハ博士は「スイスチーズには穴があるが、複数のチーズを重ねると何も通過できなくなることと似ている」と表現した。同氏は、国立衛生研究所が様々な種類の治療薬を確保すれば、これらを組み合わせた治療法を試みるつもりだと付け加えた。

 ファイザーも新たな抗ウイルス薬の開発作業を行っており、必要ならばどのような組み合わせに効果があるのか研究すると表明している。同社は昨年、国際学術誌「ネイチャー」に発表した論文で、パクスロビドを米国の別の製薬会社ギリアドの抗ウイルス薬「レムデシビル」と共に処方すればよく作用すると明らかにしている。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、メルクもモルヌピラビルをレムデシビルなどの別の薬と共に投与する研究を行っている。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の北朝鮮の動きなどを含む朝鮮半島情勢を考えると、終戦宣言など文大統領が任期末まで力を注いできた平和定着の努力が実を結んでいないという現実への複雑な心境を表したものとみられる。

2022-01-23 | 朝鮮民主主義人民共和国

朝鮮半島和平プロセス、水泡に帰すか…

文大統領にも「反転カード」なし

登録:2022-01-21 02:27 修正:2022-01-21 08:30
 
北朝鮮がICBM実験、核実験の再開を示唆
 
 
北朝鮮は2020年10月10日の労働党結党75周年記念軍事パレードで、米本土を狙える新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)を公開した。朝鮮中央テレビの報道画面を見ると、新型ICBMは火星15型より長く、直径も太い。22の車輪がついた移動式発射台(TEL)が新型ICBMを積んで登場した/聯合ニュース

 北朝鮮が20日に核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を再開する可能性を示唆したことについて、大統領府はひとまず状況を「綿密に検討している」との慎重な反応を示している。しかし、文在寅(ムン・ジェイン)政権の成果として掲げてきた「朝鮮半島平和プロセス」が水泡に帰すのではないかと懸念する雰囲気も感じられる。

 大統領府の高位関係者はこの日、朝鮮労働党政治局の会議の結果について公表しつつ、核実験とICBM発射の再開を検討するとの表明については具体的な言及なしに「最近の北朝鮮の一連の動向を綿密に注意深く検討している」と述べた。この関係者は続いて「今後の状況展開の可能性に備え、関連国と緊密に協議していく」と付け加えた。新年に入って相次いでいる北朝鮮の弾道ミサイル発射の際の反応と大きな違いはみられなかった。

 大統領府はひとまず、北朝鮮が米国のジョー・バイデン大統領就任1周年に合わせて、「労働新聞」に核実験やICBM発射実験のモラトリアム(一時中断)の中止の可能性を公表したことについて、米国へのメッセージと解釈している。大統領府は、北朝鮮が「言葉」を「行動」へと移さないよう状況管理に注力するとみられる。ある北朝鮮の専門家は「政府は原則論的なメッセージを発しつつ、状況管理を続けていくとみられる」と述べた。大統領府は、今年の北朝鮮による相次ぐミサイル発射に対しては「挑発」などの敵対的な表現ではなく「強い遺憾」などの表現を使用し、対応の水準を抑制する姿勢を示してきた。

 しかし大統領府内では、文在寅政権が力を注いできた「朝鮮半島平和プロセス」全体が揺らぎうると憂慮する声も少なくない。大統領府は2019年2月のハノイでの第2回朝米首脳会談の決裂後、南北米関係に進展がない中にあっても、朝鮮半島の状況が北朝鮮の核実験やICBM発射もなく安定的に維持、管理されているということを、それなりの成果として強調してきた。

 文在寅大統領も、状況管理の他には現在の状況を変化させるだけのカードを持っていない。エジプトを訪問中の文大統領は、この日公開されたエジプトの公営新聞「アル・アフラム」の書面インタビューで「現在の状況を見ると、平和構築は容易ではないようと思える」とし「平和へと向かう道はまだ制度化されていないから」だと述べた。北朝鮮の政治局会議の結果が公表される前に行われたインタビューだが、最近の北朝鮮の動きなどを含む朝鮮半島情勢を考えると、終戦宣言など文大統領が任期末まで力を注いできた平和定着の努力が実を結んでいないという現実への複雑な心境を表したものとみられる。

イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岸田首相は補正予算と本予算を合わせて軍事費を8%増額したことを伝達。バイデン氏は歓迎と支持を表明し、「防衛分野における投資を今後も持続させる」と述べる

2022-01-23 | 岸田総理の憲法違反がはじまった。

空前の軍拡 首相表明

日米首脳会談 バイデン氏が歓迎

 岸田文雄首相は21日夜、バイデン米大統領とテレビ会談を行いました。両首脳は日米同盟の抑止力・対処力を一層強化することで一致しました。岸田首相は、国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画を策定することで「日本の防衛力を抜本的に強化する」と表明。空前の大軍拡に前のめりの姿勢を示しました。

 ホワイトハウス担当官の記者説明によると、岸田首相は補正予算と本予算を合わせて軍事費を8%増額したことを伝達。バイデン氏は歓迎と支持を表明し、「防衛分野における投資を今後も持続させる」と述べるなど、歯止めのない軍拡の危険な動きが示されました。ホワイトハウス担当官は「日本にとって空前のことだ」と説明しました。

 会談では、東シナ海・南シナ海をめぐり覇権主義的な動きを強める中国に対し日米両国の緊密な連携の必要性を強調。台湾海峡の平和と安定の重要性を確認しました。また、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)試射の再開を示唆した北朝鮮への対応に関し、日米・日米韓の連携を強調しました。

 オーストラリア、インドを加えた日米豪印4カ国「クアッド」首脳会談を今年前半に日本で開催することで一致しました。バイデン大統領は就任以来、初来日となります。

 経済安全保障やインフラ投資などを外務・経済担当閣僚が協議する日米経済政策協議委員会(経済版「2プラス2」)を新設することで合意。「経済版2プラス2」は日本側が外相と経済産業相、米側は国務長官と商務長官がメンバーとなり、サプライチェーン(供給網)強化や先端技術の流出防止、脱炭素化などの課題をめぐり連携するとしました。

 在日米軍基地で新型コロナ感染が爆発的にまん延している問題で、両首脳は感染拡大防止での協力に言及しましたが、日本政府の権限下で米軍の出入国管理や検疫を可能にするための日米地位協定の改定は議題となりませんでした。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遺体を通じた伝播の憂慮はないと明らかにし「新型コロナ死亡者葬儀と関連して遺族の哀悼と追慕の機会を保障できるよう告示と指針を改正中」と予告した。

2022-01-23 | 韓国あれこれ・・・

韓国で新型コロナ死亡者も葬式は可能…

「臨終直後の火葬」せずとも可

登録:2022-01-21 20:11 修正:2022-01-22 06:25
 
WHO事例など遺体を媒介する伝播は確認されず 
防対本「27日から…哀悼が保障されるよう指針改正」
 
 
2020年12月26日、国立中央医療院の葬儀場前から棺が運ばれている=パク・スンファ記者//ハンギョレ新聞社

 27日から新型コロナによる死亡者も「葬儀の後に火葬」の方式に葬儀の手続きが変わる。韓国政府は新型コロナの流行初期からウイルスの拡散を防ぐために「火葬の後に葬儀」の方針を適用してきたが、遺体による伝播事例が確認されていないことに伴う措置だ。

 疾病管理庁は21日「新型コロナによる遺体に対する葬儀方法および手続の告示」改正案を行政予告した。疾病管理庁は今月26日までの行政予告を経て、27日から葬儀後の火葬を可能にする予定だ。

 中央防疫対策本部(防対本)は前日、これまでの新型コロナ死亡者葬儀指針は「火葬の後に葬儀」が原則だったが、遺体を通じた伝播の憂慮はないと明らかにし「新型コロナ死亡者葬儀と関連して遺族の哀悼と追慕の機会を保障できるよう告示と指針を改正中」と予告した。防対本は、遺体を通じて新型コロナが伝播した事例は世界保健機関(WHO)、米疾病管理予防センター(CDC)でもないことが把握されたと明らかにした。

 防対本は「当初、新型コロナ発生初期に死亡者の体液による感染可能性を排除しにくい状況があり、感染病拡散防止の目的で指針が用意された」として「世界保健機関でも新型コロナによる遺体との接触時に感染可能性があり、徹底した感染予防措置を推奨していた」と説明した。

イ・ジェホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愛国的な百万長者などの分析によると、資産100万ドル以上の富豪に2%、10億ドル以上の大富豪に5%の富裕税を導入した場合、毎年2兆5200億ドル(約287兆円)の税収確保が可能。

2022-01-22 | 世界の変化はすすむ

2022年1月22日(土)

「われらに課税を」

富豪102人 公開書簡

コロナ禍「公平でない」

 米英など9カ国の富豪100人以上が19日、政府代表や企業トップなどに対し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の下で広がり続ける富の格差と不公平を解決するため、「今こそわれら富裕層に課税せよ」と求める公開書簡を発表しました。

 書簡は、世界経済フォーラムのオンライン会合に合わせて、「愛国的な百万長者」や国際NGOの「オックスファム」などがウェブサイト上で公表。米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニー共同創業者の孫アビゲイル・ディズニー氏ら、米、カナダ、独、英、デンマーク、ノルウェー、オーストリア、オランダ、イランの富豪102人が名を連ねています。

 富豪らは書簡で、「パンデミック下でこの2年間、世界がとてつもない苦しみを味わう一方で、われわれの富は増加し、公平な税負担をしていると言える富豪はほとんどいない」と指摘。こうした不正義は国際課税制度に織り込まれたもので、諸国民と支配層の間の不信の源となっているとし、「制度の全面見直しが必要になる」と富裕税の導入を呼び掛けています。

 愛国的な百万長者などの分析によると、資産100万ドル以上の富豪に2%、10億ドル以上の大富豪に5%の富裕税を導入した場合、毎年2兆5200億ドル(約287兆円)の税収確保が可能。これにより▽23億人の貧困脱却▽世界中へのワクチン確保▽中低所得国の全市民(36億人)への医療保険・社会保障の提供―ができるとしています。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする