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今やプーチンを脅かし始めたことを示した。プーチンの権力が直ちに崩れることはないだろうが、ロシア人たちは窮地に追い込まれたプーチンの脆弱な姿を目撃しており、「無敵の指導者」神話は崩れた。

2023-06-30 | プーチンはやめた方がよい

[コラム]

プリゴジンが暴露した「多極体制」の実状

登録:2023-06-30 01:41 修正:2023-06-30 10:02
 
 
中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領/ロイター・聯合ニュース資料写真

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の23年間にわたる鉄拳支配の秘訣は、特権層の権力と金、安全を守る「強い指導者」であることを証明してきたことにある。情報機関と軍部出身の側近である「シロビキ」がエネルギーや軍需産業などを掌握し、莫大な利権を独占したまま国民の上に君臨できるよう、プーチンは暗殺や戦争、核脅威、フェイクニュースなど手段と方法を選ばない残酷な統治を行ってきた。利権から排除された大多数の国民には「ロシア帝国の偉大な復活」を約束し支持を引き出した。「帝国の復活」の証拠を示すため、旧ソ連諸国を「属国化」する試みを繰り返してきた。

 先週末、傭兵部隊「ワグネル」の首長、プリゴジンによる「36時間反乱」は、一週間で簡単に親ロ操り人形の政権を樹立できるという誤った判断から始まったウクライナ侵攻が、今やプーチンを脅かし始めたことを示した。プーチンの権力が直ちに崩れることはないだろうが、ロシア人たちは窮地に追い込まれたプーチンの脆弱な姿を目撃しており、「無敵の指導者」神話は崩れた。

 プーチン大統領は北大西洋条約機構(NATO)が東進し、ロシアの安保を脅かしたため、ウクライナで「特殊軍事作戦」に乗り出したと宣伝してきた。プリゴジンは「それは偽りの名目であり、ロシア軍内の特権層の利害関係のために侵攻した」と暴露した。国連安保理常任理事国ロシアが主権国家であるウクライナを侵略して属国化しようとした帝国主義的本質、そしてプーチンが「ツァーリ」のふりをしたことで、ロシアが軍閥化した傭兵集団が拠する中世国家に退行した現実は今や明白になった。

 プリゴジンの反乱はプーチン大統領と「無制限の協力」で「米国の覇権に対抗する多極体制」を作ると約束してきた中国の習近平国家主席を困惑させた。

 
 
中国の習近平国家主席(右)とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2019年11月13日(現地時間)、ブラジルの首都ブラジリアで開幕したブリックス(BRICs:ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国の新興経済5カ国)第11回

 プリゴジンとワグネルがモスクワに向かって破竹の勢いで進撃する間、中国政府と官営メディアは静かだったが、中国人の関心は高かった。「プーチン万歳」を叫ぶ愛国主義者の間で、プリゴジンを8世紀の唐朝廷に反乱を起こし、結局唐を滅亡の道に追い込んだ安 禄山に例える文が掲載され、「中国人民解放軍が今のように党の軍隊であるべきか」という論争があちこちで巻き起こった。プライベートなチャットルームでは検閲を避けて「台湾を武力で統一しようとすれば、中国が危険に陥りかねない。台湾政策を変えなければならない」というひそひそ話が続いた。

 最近まで中国は、米国など西側の経済制裁にもロシアが大きな打撃を受けず、世界秩序がもはや米国の思い通りにはならないという自信を得ており、ウクライナ戦況を綿密に見極めながら台湾戦争状況に備えた様々なシナリオを研究してきたと、中国専門家たちは言う。ウクライナ戦争の長期化が中国に有利だと判断したのだ。

 だが、今回の事件で中国は「プーチンの戦略的価値」を再評価せざるを得なくなり、反乱軍がモスクワに向かって行く間にほとんど何の抵抗も受けなかったことがプーチンの統制力の弱体化を意味するのかを注視している。習近平主席はプーチン体制が崩壊しないよう支援しながらも、中国の利益を極大化する対策を講じているだろう。

 ロシアのウクライナ侵攻について多くの論争を繰り広げてきた韓国の「革新陣営」も、今回の事件を重要な省察の契機にする必要がある。これまでロシアの主張に同調し、中国とロシアが米国の覇権に挑戦する「多極体制」を作っていると期待する人も少なくなく、これは野党「共に民主党」の外交にも影響を及ぼした。

 昨年2月の大統領選挙討論会で、当時民主党のイ・ジェミョン候補が「初心者政治家(ウクライナ大統領)」が「ロシアを刺激して結果的に戦争が勃発した」と述べた。今月初め、民主党革新委員長に任命され辞任したイ・レギョン異なる百年名誉理事長は「プーチンに対する国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状発行は無効」だとし、「戦争責任は西側とウクライナのエリートにある」、「中国の新疆ウイグル弾圧は米国の捏造」などと主張をしてきた。チベットを訪問してきた民主党議員による「人権弾圧は70年前のことだ」という発言は大きな反発を呼んだ。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「韓日米一辺倒」外交で中国との緊張を高め、反中感情を刺激し、国内政治に利用する危険な外交をしてきたことは明らかだ。検察を前面に出して暴走しながら民主と自由の「価値観外交」を主張することも説得力に欠ける。

 ところが、尹大統領の「価値観外交」に対する批判が「無価値観外交」に流れてはならない。革新が「バランスの取れた価値観外交」でより良い代案を示し、世論の同意を得てこそ変化の希望が生まれる。世界の混乱と不平等を収拾する新たな国際秩序を作る上で重要な役割を果たすためには、国際情勢の変化をより正確に把握し、「進歩外交」の全体像を再確立しなければならない。

 「米国の覇権」に対する批判がすなわち中国とロシアに対する無条件の支持を意味するわけではない。中国やロシアと関係を管理し対話することも重要だが、同時に両国の問題にも背を向けてはならない。黒人差別、難民問題、警察暴力を直視してこそ米国の現実をきちんと把握できるように、侵略、少数民族弾圧、人権問題をきちんと認識してこそロシアと中国の現在を正しく理解し、それに合う外交原則を立てることができる。この問題に背を向けることで、韓国の革新が独裁と立ち向かって戦った歴史さえ消えてしまうのではないか心配だ。

 
首脳会議に出席する前に握手を交わしている/聯合ニュース
パク・ミンヒ論説委員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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声明は、雇用、ケアの役割分担、暴力への対応、性と生殖に関する権利、意思決定への女性の参加などの分野で、完全なジェンダー平等に向けた努力を加速させることを再確認しました。

2023-06-29 | なるほど、その通り

G7とジェンダー

日本の立ち遅れ一段と際立つ

 主要7カ国(G7)のジェンダー平等担当相会合が24、25日、栃木県日光市で開催されました。同会合は2017年以来、G7首脳会議に合わせて開かれています。今回は日本が初めて議長国を務めました。ジェンダー平等をめぐる日本の立ち遅れがここでも改めて浮き彫りになりました。

議長国の責任が問われる

 日光会合は(1)コロナ禍の経験を生かす(2)女性の経済的自立―が主要テーマでした。採択された「日光声明」は、戦争や紛争、気候変動、格差拡大、コロナ禍の長期的影響などで「ジェンダー平等社会の実現に向けた課題はより一層困難さを増している」と指摘し、コロナ禍が女性に深刻な影響を与えてジェンダー不平等を悪化させた経験を学ぶことを強調しました。

 声明は、雇用、ケアの役割分担、暴力への対応、性と生殖に関する権利、意思決定への女性の参加などの分野で、完全なジェンダー平等に向けた努力を加速させることを再確認しました。またLGBTQなど性的少数者の人権と尊厳の尊重と、ジェンダー平等に対するバックラッシュ(逆流)とたたかうことも明記しました。

 議長を務めた小倉将信女性活躍担当相は「大きな成果を出せた」と強調しましたが、いずれの課題も日本政府が女性や当事者の願いに背を向けてきたものばかりです。議長国として合意内容を真剣に実行する責任が問われます。

 21日公表の世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数で日本は最低クラスの125位でした。G7が取りまとめた指標でも日本の到達は深刻です。経済的自立に深く関わる賃金の男女格差の幅は、G7各国平均で14・4%、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均で11・7%に縮小しました。一方、日本は22・1%の差を残したままです(21年)。大手上場企業の取締役の女性割合は、G7平均35・5%、OECD平均29・6%ですが、日本は15・5%です。

 国会議員の女性比率(日本は衆議院)もG7平均は30%、OECD平均は33・8%に対し、日本は10%です。日光会合の出席者も海外の閣僚らは9人全員が女性でしたが、日本だけは男性閣僚です。世界から引き離される日本政治の姿を象徴的に示しました。

 G7広島サミットや日光会合に向けて、日本婦人団体連合会や女性差別撤廃条約実現アクションなどは、女性差別撤廃条約の選択議定書の批准、選択的夫婦別姓制度の導入、同性婚の法制化などを岸田文雄政権に要望しました。いずれも日本以外のG7各国でほとんど実現している課題(米国は女性差別撤廃条約自体を未批准)ですが、日本政府は日光会合のテーマに取り上げませんでした。

本気で取り組む政治を

 G7担当相らと市民社会との対話集会(26日、都内で開催)では、DV被害者支援、性的少数者の権利、安全な避妊・中絶、女性議員を増やす課題などをめぐりNGOから日本の遅れた実態と政府の姿勢を問う発言が続きました。この声に向き合う政治が必要です。

 出席した欧州連合(EU)平等担当委員は、ジェンダー平等の前進へ公約を立法化し、到達状況を常につかみ市民社会と共同し説明責任を果たす必要性を指摘しました。こうした本気の取り組みを日本政府に求めていきましょう。

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政治史上、大統領制は比較的最近の1787年、米国で作られた。米国の建国とともに生まれた新しい政治制度は全世界に広がり、今や60カ国以上が原型あるいは若干変形された形の大統領制を採用している。

2023-06-28 | 韓国あれこれ・・・

初代李承晩大統領時代から韓国の「大統領制」は歪曲され始めた

登録:2023-06-28 06:22 修正:2023-06-28 09:33
 
 
1948年8月15日、中央庁広場で大韓民国政府の樹立を宣言する李承晩初代大統領=出所:李承晩建国大統領記念事業会//ハンギョレ新聞社

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韓国大統領制100年、決定的な場面_02

 なぜ「大統領」(President)なのか。政治史上、大統領制は比較的最近の1787年、米国で作られた。米国の建国とともに生まれた新しい政治制度は全世界に広がり、今や60カ国以上が原型あるいは若干変形された形の大統領制を採用している。

 「大統領」という単語そのものが多少曖昧ではあるが、当初から帝王感を漂わせていたわけではない。240年余り前に英国と戦争をして独立した米国は、英国王ジョージ3世の専制統治を二度と経験したくなかった。新大陸に渡ってきた彼らは、欧州の王政とは全く異なる、市民が支配する新しい政治体制を望んでいた。彼らはローマの共和政に注目した。貴族の代表機関である元老院にならって上院を作り、ローマ市民の利益を代弁した民会にならって下院を作る両院制を採用した。これに加え、ローマで軍事と行政を総括した執政官(consul)に当たる行政府の首班としてプレジデント(president)という役職を作った。

 大統領と訳される「プレジデント」(President)は、「前に(prae)に座る(sidere)」という意味のラテン語「praesidere」に由来する。言語学者のベン・ジンマーは、米国の公共放送(NPR)のインタビューで、「プレジデントとは聴衆の一番前に座って会議を導く人を意味していた。15世紀からオックスフォードやケンブリッジ大学の総長または学長はプレジデントと呼ばれた」と説明した。

 1787年、フィラデルフィアで開かれた憲法制定会議の上院は、会議の主宰者を意味する「プレジデント」が行政府の首班を指す言葉にしては平凡すぎると考えた。一方、下院は「陛下」または「閣下」のような修飾語の付く呼称が、行政府の首班にヨーロッパ君主のような強大な権限を与えることになるのではないかと懸念していた。3週間にわたる議論の末、上院と下院は行政府を率いる人を「プレジデント」と呼ぶことで合意した。民主主義時代の国家指導者を指す「プレジデント」という歴史的な呼称はこうやって生まれた。この言葉を総統または主席ではなく「大統領」と訳したのは1860年代の日本である。韓国も1881年に日本に行った紳士遊覧団の報告書には「新聞を見ると、米大統領(国王)が銃撃を受けたという」という記録が残っている。

 呼称とは別に、行政の首班である大統領にどれだけの権限を与えるかが憲法制定会議のもう一つの論争の種だった。米国建国の父の一人であるアレクサンダー・ハミルトンは、大統領がヨーロッパの王にもっと近い存在になることを望んでいた。一方、ジェームズ・マディソンは議会の支配を受ける首相に近い大統領を思い描いていた。このような対立は、大統領の憲法上の権限を非常に曖昧にした。テキサス大学のジェレミー・スリ教授(政治学)は著書『不可能な大統領制(The Impossible Presidency: The Rise and Fall of America's Highest Office)』で、ジョージ・ワシントンが初代大統領の座に就いた時、誰も彼に何を期待すべきか正確に知らなかったと指摘した。

 ローマには2人の執政官がいた。一人に権力が集中することを防ぐために設けられた制度だった。ローマ共和政に憧れていた憲法制定会議が、王のような権限を持つことになるかもしれない政府首脳をたった一人だけ置くことにしたのは、ジョージ・ワシントン初代大統領と関連がある。フィラデルフィアの憲法制定会議が閉幕した後、サウスカロライナ代表のピアース・バトラーは「多数の代表が(米国独立戦争を率いた)ジョージ・ワシントン将軍を大統領として念頭に置いたため、彼の美徳に合わせて大統領の権限を想定し、大統領の権限がさらに強くなった」と振り返った。

 幸いなことにジョージ・ワシントンは「建国大統領」の意味を理解していた。憲法ではなく、自分の行動が大統領という地位の責任と権限を規定することをしっかり認識していた。1789年4月30日、初代大統領に就任した後、ジェームズ・マディソンに送った手紙で、彼は「すべてのことの最初として、現在の状況で先例を作るために奉仕する。私が本当に望んでいるのは、このような先例が真の原則の上に成り立つことだ」と書いた。支持者たちの強い要請にもかかわらず、3期目の大統領選挙への出馬を断ったことや、退任後も国の統合のために尽力したのはそのためだった。

 その点で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が「建国大統領」と崇めようとする大韓民国の初代大統領、李承晩(イ・スンマン)の歩みは深い遺憾の念を抱かせる。李承晩大統領が韓国に大統領制を導入する上で重要な役割を果たしたことは否めない。しかし、ジョージ・ワシントンが残した肯定的なレガシーは、1948年の政府樹立以後、大韓民国ではあまり見られない。ワシントンは終身在職の誘惑に陥りやすい大統領を抑制するため、自ら3期目への挑戦を拒んだ。李承晩は大統領を2期までと定められていた憲法を無理やり改正した。国会で憲法改正案が一票差で否決されたにもかかわらず、いわゆる「四捨五入」を適用して可決されたと宣言した。李承晩の長期執権の夢は流血事態を招いた不正選挙にまで発展した。韓国の大統領制は、王になろうとする彼の欲望のせいで、最初から深い傷を負った。李承晩はまた、大統領制の核心である「抑制と均衡」の原則をないがしろにした。これにより、大韓民国政府樹立の直後から大統領と国会は鋭い対立に陥った。

 1948年8月15日の政府樹立を控えて憲法基礎委員会で採択された政治形態の草案は、議員内閣制だった。国会で選出する大統領には象徴的な権限のみ与え、行政府の実質的な運営は国会の多数党の代表が兼任する首相に任せる考えだった。これには大衆の支持が高い李承晩に形式的な大統領職を与え、首相職は韓民党が持とうとする政治的思惑が働いていた。米国にはない国務会議という制度を作ったのも、首相が国務会議を主宰し、行政省庁を指揮するようにするための構想だった。しかし李承晩は「大統領任期中は政府が安定した状態にあるべきであり、国会がこれを変更する権限を持ってはならない」と強く反対した。大統領制でなければ、自分はいかなる役職も引き受けず、民間に残って国民運動を繰り広げると宣言した。議院内閣制では政府樹立初期の混乱を防げないという李承晩の主張は、国会議員たちを説得するのに成功した。結局、制憲国会は1948年7月17日、大統領中心制の憲法を議決し、李承晩は国会で初代大統領に選出された。大統領制はこのように韓国政治に根を下ろした。しかし、その過程は順調ではなかった。大統領の権限と行政府や立法府の関係において曖昧なところが少なくなかった。

 李承晩大統領の負の遺産の一つは、立法府を無視して国会を大統領の下に位置づけた点だ。政府樹立の初期なので、大統領と国会の関係がどうあるべきかについては、原則的な憲法条項以外には明確な規定やコンセンサスがなかった。ジョージ・ワシントン同様、初代大統領にはその空白を埋め、新しい伝統を作り上げる責務があった。

 李承晩は国会を大統領の国政運営を支える機構と認識し、国会を軽視する態度を示した。意見の隔たりがある場合も、国会と「妥協」するより「屈服」を求めた。端的な事例が反民族行為処罰法をめぐる論議だった。親日附逆派(親日派)を処罰するための同法は、1948年9月に国会で圧倒的な支持を得て可決されたが、李承晩大統領の反対に直面した。李大統領は法案に署名して公布したものの、「今はこのような問題で国論を離散させる時ではない」とし、「政権移譲期なので混乱を招きかねない」と反対意見を表明した。これを受け、国会は分裂した。3回にわたる法改正の末、反民族行為処罰法は結局形骸化した。同法に基づく反民族行為特別調査委員会(反民特委)は悲劇的な解体の道を歩んだ。

 李承晩大統領は、国会の意見を尊重しつつ政府と立法府の対立を解消しようとする努力をしなかった。その点で「議会の要求を尊重することが統合に役立つ」と語ったジョージ・ワシントンとは違っていた。ソ・ヒギョン博士(ソウル大学韓国政治研究所)は「大韓民国建国期の政府形態と運営に関する研究」という論文で、このように指摘した。「政府樹立初期に国会は主な国務からほとんど排除された。李承晩政権が国会の建議を繰り返し拒否したため、ユン・ジェウク制憲国会議員は『国会が一種の政府参考機関や大統領諮問機関として扱われている』と発言をするほどだった。特に反民族行為処罰法の制定と行政権の移譲過程を経て、国会に対する政府の圧力がさらに強くなった。ある意味、国会議員たちもそのような政治現実を次第に受け入れる方向に変わっていった」

 李承晩政権以降、大統領が国会と政党を軽視する風潮はこれまで根本的には変わっていない。最近、与党「国民の力」が初当選だけではなく重鎮でも大統領の顔色をうかがっているのには、このような長い歴史的経験がDNAに刻み込まれているのも、一つの理由ではないだろうか。

 
//ハンギョレ新聞社
パク・チャンス大記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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ロシアの民間軍事会社「ワグネル」を率いるエフゲニー・プリゴジン氏の24日の反乱によって、ウラジーミル・プーチン大統領の指導力が大きく損なわれ、ウクライナ戦争の状況にも変化が予想される。

2023-06-28 | ウクライナ情勢

ウクライナ住民、1700万人が「限界状況」…

国連機関の報告書、凄惨な現状明かす

登録:2023-06-28 06:22 修正:2023-06-28 15:43

 

ロシアによる「ウクライナ侵攻」1年4カ月、生活を妨げる砲煙 
人道支援が必要な人口、1700万人に急増 
児童の割合10%→23%…避難民は540万人
 
 
ウクライナ東部の都市リシチャンシクで定住する場所のない避難の道に出た母親と2人の子ども=リシチャンシク/AP・聯合ニュース

 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」を率いるエフゲニー・プリゴジン氏の24日の反乱によって、ウラジーミル・プーチン大統領の指導力が大きく損なわれ、ウクライナ戦争の状況にも変化が予想される。

 ロシア内部の混乱を機会を利用し、ウクライナが強力な反撃の機会を得ることもありうるが、プーチン大統領が政治生命をかけてさらに好戦的になるかもしれない。戦争がよりいっそう激しい対決局面に陥り、ウクライナ国民の生活は、ふたたび大きな危機に直面することになった。

 国連が把握しているウクライナ国民の状況は凄惨だ。現在受けている苦痛と同じくらい未来も暗い。国連開発計画(UNDP)、ユニセフ、国際移住機関(IOM)など12の国連機関が12日に出したウクライナ戦争に関する報告書「ヒューマン・インパクト・アセスメント(Human Impact Assessment)」では、多くの住民が限界状況に追い込まれていると警告した。

 報告書は「住民たちは、貯蓄していた資金や人道支援金、借金などで持ちこたえ、生活必需品の購入のために医療費の支出まで最小化しているが、もはやこれ以上は持ちこたえることは難しい」と伝えた。

 この報告では、昨年末から今年初めまで全国24州で3239世帯を対象に調査を行い、10回のフォーカスグループインタビューと23回の専門家による深層インタビューを行った後、過去の資料と比較した。

 
 
戦争開始から1年4カ月、ウクライナ国民の生活の変化 //ハンギョレ新聞社

■危機に陥った未来世代

 ロシアが昨年2月24日に侵攻する前から、ウクライナ国内に存在した都市と農村の貧富の格差は、1年あまりの間にさらに広がった。特に、主な戦闘地域である北部と南部の農村は、廃虚に変わっている。戦争前の2021年末には、人道支援が必要な人口は、東部の紛争地域の住民など合計290万人だったが、昨年末には1760万人と5倍以上増加した。

 さらに懸念されるのは、支援が必要な住民に占める児童の割合が10%から23%に急増したという点だ。人口の高齢化と若年層の国外移住などによって、今後30年間で人口が3分の1に減少する可能性もあるという予想が出ている状況を考慮すると、子どもたちが直面している現在の危機は、ウクライナの未来をよりいっそう暗鬱にさせる。

 教育危機も暗い未来を予告している。報告書は「ウクライナ西部の一部地域でのみ対面授業が完全に行われ、残りの地域ではオンライン授業に大きく依存している」としたうえで、「ザポリージャ州、ヘルソン州、ドネツク州ではインターネット接続が難しく、オンライン授業の大きな障害となっている」と指摘した。特にヘルソンとドネツクは、教師の77%が他の地域に避難して離れており、「教育不毛地」に転落した。

 未来世代の健康も深刻な状況だ。報告書は、支援団体ワールド・ビジョンの資料を引用し、「中南部のドニプロペトロウシク、北東部のハルキウ、南部のヘルソンで子どものケアを行う状況を評価した結果、子どもたちが低年齢から喫煙、中毒、物理的暴力にさらされるリスクが高いと指摘された」と明らかにした。

 ワールド・ビジョンの資料によると、青少年が感じる不安とストレスが強まり、9~13歳の少年と少女のそれぞれ39%と44%が、タバコのような中毒性物質に手を付けていることが明らかになった。14~17歳の少年と少女は、この割合がそれぞれ78%と55%に達した。学校の授業に出ない青少年の割合も36~50%だという調査結果が出ている。

 
 
ロシアのドローン攻撃で崩れ落ちたウクライナの首都キーウのマンションの建物=キーウ/AP・聯合ニュース

■低下する生活の質

 1年以上続く戦争によって、調査対象の世帯の13%が、爆撃や戦闘によって家が壊される経験をした。過去1年間に全国で損傷した家屋は140万軒程度と推算される。こうして生活基盤を失った住民の多数が、避難の道に進み、1月時点で故郷を離れて生活する人は、全体の15%の水準である540万人に達した。

 昨年秋にロシアがウクライナの発電所などの社会インフラを集中攻撃した後、飲料水や暖房など基本的な公共サービスまで十分に享受できない人たちも同様に急増した。特に、北部と南東部の住民の77%が、飲料水の中断などによって苛酷な冬を経験した。相対的に安全な西部も、戦争前には体験しなかった飲料水不足で苦しむなど、インフラ不足は全国的な現象だと報告書は指摘した。

 調査対象の世帯の22%は、所得の25%以上を保健・医療費に使っていると答えたが、家族が病気になっても医療機関に行かないと答えた世帯も38%に達した。全般的な保健危機のなか、階層別の医療格差も広がっていると推定される。

■自立不可能な人口が雪だるま式に増加

 ウクライナ経済は、戦争のために昨年は-29.2%のマイナス成長を記録した。これにより、自ら生計を立てる余力を失った世帯が急増した。報告書は、主な収入源が「有給労働」である世帯は全体の67%から53%に大幅に減少したと明らかにした。仕事がある世帯構成員が1人もいない世帯も26%に達した。

 これにともない、人道支援金が主な所得源である世帯が、戦争前の1%から1年ほどで21%にまで大きく膨らんだ。さらに、全世帯の13%は、親戚や友人から経済的支援を受けていることが明らかになった。この割合は、戦争前より8ポイントも増えたものだ。生活が苦しく政府から一定の所得支援を受けている世帯の割合も、1年間で53%から60%に高まった。国際通貨基金(IMF)は、今年のウクライナの経済成長率を-3~1%程度と予想している。世帯所得がすぐに増加するよう期待することも難しい状況だ。

 6日にヘルソン州のカホウカダムが崩壊して浸水騒動となり、主要産業である農業生産が大きな打撃を受けると予想されている点も、今後の経済見通しを暗くする。報告書は「ウクライナは農産物の輸出大国であるため、これまで食糧安全保障問題はほとんどなかったが、戦争によって、食糧を十分に消費できない世帯が全体の10分の1の水準から3分の1にまで増えた」と明らかにした。戦争がさらに長引けば、食糧問題が住民たちの新たな心配事に浮上する可能性も排除できない。

 
 
ウクライナ東部ドネツク州クラマトルスクのある教会で、食事の配給を受けるため待っている住民たち=クラマトルスク/EPA・聯合ニュース

■対策なしで追い出される脆弱階層

 一人親家庭、高齢者、障害者、性的マイノリティ、ロマ民族のような少数民族の状況は、よりいっそう深刻だ。

 故郷を離れて慣れない土地に定着しようと努める「国内避難民」の境遇も、これらの人たちと大きな違いはない。報告書は「脆弱階層に属する人口は、1年間で全国民の34%から45%に増えた」としたうえで、「これらのなかでも、国内避難民が最も大きな困難に直面している」と指摘した。540万人程の国内避難民は、高齢者や障害者とともに最も所得が低い階層を形成しており、新たに定着しようとしている地域社会から排斥されることも多いと、報告書は付け加えた。

 ドニプロ地域に留まっているある避難民は、国連調査官に「私の履歴書には、国内避難民という表示がある。(そのため仕事を探すことができない)」としたうえで、「金銭関連の責任が伴う業務は、最初から(地域の)永住許可証を必須として要求する」と伝えた。黒海西部沿岸のオデーサ地域のある社会活動家も「地域社会には職はあるが、国内避難民が職に就くことは非常に難しいのが現実」だと述べた。

 女性や少数民族出身者なども、不利益を受けていることは同じだ。西南部地域のヴィーンヌィツャのジェンダー平等活動家は「女性たちは、男性より仕事をさらに必死になって探し、賃金が安い仕事も喜んで受けいれる」と伝えた。ハルキウの女性人権活動家は「子どもと老人の面倒をみなければならない負担のため、外での活動がまったくできない女性も多い」とし、「そのため、人道支援さえ受けられないことも起きている」と述べた。

 ウクライナ南部に主に集まって住んでいるロマ民族に対する差別は、はるかに深刻だった。オデーサ地域に住むあるロマ民族の住民は「戦争前も子どもたちを幼稚園や学校に行かせにくかったが、今はさらに難しくなった」とし、「結局、賄賂を渡して子どもを学校に登録させた」と打ち明けた。また別のロマ民族の女性は「仕事を見つけることが戦争後ははるかに難しくなった」と述べた。ウクライナには5万~26万人のロマ民族が暮らしていると推定される。

 報告書は、戦争の衝撃に苦しめられるすべての階層が権利を保護されるよう、国際社会の支援を求めた。特に、教育への投資と農業生産力の回復のための介入、女性と国内避難民の労働機会の拡大のための条件を設けなければならないと強調した。だが、戦争を終わらせる道を見つけることができない限り、ウクライナ住民たちの困難を画期的に改善させるのは難しいという点が、最も根本的な悩みだ。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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総会では60人が討論し、幹部会報告と特別決議案の内容を深め、具体化・実践に奮闘する決意を表明した。

2023-06-28 | 日本共産党の機関決定文書

第8回中央委員会総会について

2023年6月25日 中央委員会書記局

 一、日本共産党第8回中央委員会総会は6月24、25の両日、党本部で開催され、中央委員181人、准中央委員27人が出席した。

 一、志位和夫幹部会委員長が幹部会報告を行った。報告は、統一地方選挙の結果と教訓として、「政治対決の弁証法」の立場で到達点をつかむ大局的な政治情勢論とともに、党の自力の問題、今後に生かすべき選挙活動の新しい発展、中央の選挙指導上の反省点を明らかにした。

 総選挙躍進にむけては、通常国会のたたかいをふまえ、国民の世論と運動を発展させて岸田政権を解散・総選挙に追い込むとともに、総選挙の歴史的意義と目標、総選挙をたたかう政治姿勢((1)切実な願いと結びつけて、二つのゆがみを「もとから変える」綱領的値打ちを押し出す、(2)積極的支持者を増やす政治的大攻勢――綱領と組織のあり方に対する攻撃をうちやぶる)を提起し、比例代表での党の躍進を最優先におき、それに徹するたたかいをやりぬくことを強調した。

 また幹部会報告は、「第29回党大会成功、総選挙躍進をめざす党勢拡大・世代的継承の大運動」をよびかけ、毎月前進をはかる党勢拡大の独自追求と法則的活動の一体的追求をはじめとする「四つの力点」、第7回中央委員会総会の「手紙」の「返事」に学んだ法則的活動の開拓、党機関の成長・強化、ジェンダー平等とハラスメント根絶の課題、「数万の民青」と1万人の青年・学生党員を実現させるための「特別決議」の提案を行い、党勢拡大の飛躍的なうねりを起こして「大運動」の目標を総達成することを訴えた。

 一、総会では60人が討論し、幹部会報告と特別決議案の内容を深め、具体化・実践に奮闘する決意を表明した。

 一、志位和夫委員長が、幹部会を代表して討論の結語を行った。

 一、総会は、幹部会報告と結語、7中総の「手紙」の改定案、「特別決議」案を全員一致で採択した。

 一、総会は、「大運動」の成功に全力をあげることを誓い合って閉会した。

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福島第一原子力発電所の汚染水放出が迫る中、野党は国内での世論戦だけではそれを止めるのは難しいとみて、国際海洋法裁判所への提訴など、国際社会の世論に訴える方向へと行動を移している。

2023-06-28 | 世界の変化はすすむ
 

韓国野党、汚染水放出問題で国際世論戦強化へ…

与党「支離滅裂な扇動」

登録:2023-06-27 23:07 修正:2023-06-28 07:00

 

農海水委全体会議で単独議決
 
 
福島第一原発の汚染水放出が迫っている27日、仁川南洞区の蘇莱浦口総合魚市場が比較的閑散としている/聯合ニュース

 日本による福島第一原子力発電所の汚染水放出が迫る中、野党は国内での世論戦だけではそれを止めるのは難しいとみて、国際海洋法裁判所への提訴など、国際社会の世論に訴える方向へと行動を移している。

 国会農林海洋水産委員会は27日午前の全体会議で、野党「共に民主党」単独で「福島原発汚染水放出計画撤回および水産物の安全性と漁業者保護対策準備要求決議」をあげた。与党「国民の力」所属の農海水委員は、民主党所属のソ・ビョンフン委員長が法案審査中に議事日程を変更し、決議案を案件としたことに反発し、退場した。彼らは「緊急同意を得て奇襲的にねじ込むのは常識的でない」、「(国際海洋法裁判所への提訴は)文在寅(ムン・ジェイン)政権もできなかったではないか」と叫んだ。民主党は彼らが退場した後、在席議員11人全員の賛成で決議をあげた。

 民主党では、国連や日本に議員団を派遣し、国際社会の世論を作っていこうとの声が高まっている。民主党のウ・ウォンシク議員や正義党のイ・ジョンミ代表らが福島第一原発の汚染水放出阻止のためにハンガーストライキを行っているが、国内での反対闘争だけでは不十分だとの意見は少なくない。この日、民主党のユン・ジェガプ議員は「より大きく長い闘いを準備する」として、8日間続けていたハンストを中止した。

 民主党内のキム・グンテ系を主軸とした「経済民主化と平和統一のための国民連帯(民平連)」はこの日、記者会見を行い、「9月に開かれる国連の定期総会の案件に汚染水問題を指定するための国会決議を推進する」と述べた。彼らは国連に案件採択の必要性を訴える議員代表団を派遣しようと主張した。

 重鎮のアン・ミンソク議員はこの日、仏教放送(BBS)ラジオの番組のインタビューで、「国内闘争は汚染水の放出を止めるのにどれほど効果があるか」とし、「10~20人ほどの議員団が早く日本に行き、日本の国会や首相官邸前などで放出を阻止するための闘争を行い、韓国国民の意思を日本国民や日本のメディアに知らしめるべきだ」と述べた。

 国民の力は「民主党は福島第一原発の汚染水怪談を利用してマーケティングを展開している」と批判した。ユン・ジェオク院内代表は院内対策会議で、「数日の間に民主党の汚染水扇動は支離滅裂になりつつある」とし、「ハンスト(座り込み)も、専門家によって汚染水についての科学的真実が明らかになったことから、極端な方法を動員して真実を薄めようとの意図がある」と述べた。

オム・ジウォン、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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札幌市から参加した青年(21)は「札幌市のパレードには2回参加し、小樽は初めてです。観光客の反応もすごくて、とても楽しかった」と笑顔でした。

2023-06-27 | 市民のくらしのなかで

2023年6月27日(火)

性的少数者 権利や差別解消訴え

小樽でパレード 北海道

写真

(写真)商店街をパレードする人たち=25日、北海道小樽市

 「LGBTQ+(プラス)」などの性的少数者の権利や差別解消を訴える「第4回小樽プライド」(同実行委員会主催)が25日、北海道小樽市で開かれました。

 日差しが強い快晴の下、レインボーフラッグや虹色のマスク、バッジを身に着けた参加者200人が軽快な音楽に合わせて「ハッピープライド」とコールし、約1時間、元気よく市内をパレード。「憲法はみんなの平等を保障してるで」「LGBTQ+が生活している現実を知って」と思い思いのプラカードを掲げる参加者らに、観光客や店員が店から出てきて注目が集まりました。ベンチで休んでいた高齢の女性もリズムに合わせて思わず拍手。「頑張って」と声援を送りました。

 「何のお祭り」と尋ねた高齢男性。「LGBT、同性愛者などの権利を訴えています」との答えに「聞いたことある。そうか」と言い、しばらくパレードを見守っていました。札幌市から参加した青年(21)は「札幌市のパレードには2回参加し、小樽は初めてです。観光客の反応もすごくて、とても楽しかった」と笑顔でした。

 パレードに先立ち開かれた集会では、迫俊哉市長があいさつし、日本共産党から丸山はるみ道議、高野さくら市議、菊地葉子元道議が参加しました。

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「若い世代に私たちの事業を継承したい」――第28回党大会第二決議が提起した世代的継承の党づくりは、この間の国政選挙や地方選挙などをつうじて、全党がその必要性を痛切に実感している課題です。

2023-06-26 | 若者が自分の問題として考えだした。

《特別決議》

5年間で「数万の民青」「1万の青年・学生党員」実現へ党の総力をあげよう

第8回中央委員会総会

 日本共産党が24、25両日開いた第8回中央委員会総会で採択された特別決議「5年間で『数万の民青』『1万の青年・学生党員』実現へ党の総力をあげよう」は次のとおりです。


 「若い世代に私たちの事業を継承したい」――第28回党大会第二決議が提起した世代的継承の党づくりは、この間の国政選挙や地方選挙などをつうじて、全党がその必要性を痛切に実感している課題です。それはまた、今後の党自身の存続・発展にとっても絶対不可欠であり、先送りが許されない緊急・切実な歴史的課題となっています。

 第8回中央委員会総会は、“青年・学生分野から党の世代的継承をやり抜き、党の未来をつくっていく”という見地にたって、これからの5年間で民青同盟がめざしている「数万の民青」づくりと、「1万の青年・学生党員」づくりを実現することを、全党のみなさんに呼びかけます。そのために、すべての都道府県委員会と地区委員会が「青年・学生分野の5カ年計画」を策定し、実践にふみ出すことを訴えます。

いま若者のなかで大きな党と民青をつくる歴史的時期を迎えている

 いま若者のなかで大きな党と民青同盟をつくる歴史的時期を迎えています。

 第一に、強調したいのは、若者をとりまく客観的情勢が大きく変化していることです。

 この間の民青拡大のとりくみのなかでの青年・学生の反応の特徴には、(1)民青同盟が日本共産党を相談相手にしていることが加盟のさいの安心となっている、(2)「加盟呼びかけ文」が指摘する「アメリカいいなり」「財界のもうけ最優先」という日本の政治の「二つのゆがみ」に関心が示され、ここを変えれば日本の社会はよくなるということが希望として伝わる、(3)貧困と格差、気候危機、ジェンダー、人権などとのかかわりで、資本主義を乗り越えての未来社会論にも大きな関心が寄せられている、(4)運動にたちあがる同世代の姿にSNSやマスメディア、キャンパスなどで触れている――などの新しい特徴があります。

 この根底には、高学費、低賃金、不安定雇用、過度な競争教育、平和の危機など、自民党政治が若者に希望ある未来を何ら示せない行き詰まりを深めているという問題があります。さらに資本主義という体制そのものが深い矛盾を露呈しているという情勢の大きな歴史的変動があります。

 第二は、そういうもとで、民青同盟が、食料支援や若者憲法集会など、若い世代の切実な願いにこたえた運動にとりくむとともに、党綱領と科学的社会主義の学習を情熱的にすすめ、近年にない新しい仲間を迎え入れ、週1回の班会に力を入れてとりくむなど、元気いっぱいに新しい前進を開始していることです。

 若者をとりまく客観的条件の変化という点でも、それにこたえた民青同盟の主体的奮闘と前進という点でも、いままさに青年・学生のなかで大きな党と民青同盟をつくる歴史的チャンスを迎えているのです。

「数万の民青」と「1万の青年・学生党員」をどう実現するか

 それでは、「数万の民青」と「1万の青年・学生党員」をどう実現するか。

 第一は、すべての都道府県と地区委員会が、この目標にみあった「5カ年計画」をつくり、青年・学生分野への援助を具体化し、総力をあげた実践にふみだすことです。「民青新聞」や民青が発行している書籍・パンフレットをよく読み、民青を知る努力から始めることを、呼びかけます。

 第二に、青年・学生党支部と民青同盟への援助にあたっては、党綱領と科学的社会主義の学習の援助を最優先の中心課題にすえ、『科学的社会主義Q&A』『学生オンラインゼミ(綱領)』などを使っての学習をすすめることです。

 民青主催の食料支援、高等教育無償化と本格的な給付奨学金の実現、最低賃金の引き上げ、憲法9条を守るたたかいなど、青年・学生の要求実現のたたかいへの援助、民青の班会を週1回開催するなど民青班づくりへの援助、日常的に青年・学生党員と民青同盟員の相談相手となることと一体に、民青拡大と党員拡大への援助を抜本的に強めましょう。これらの援助をすすめる際に、青年・学生の組織と運動は、青年・学生自身が担うという「青年・学生が主人公」を貫くことが大切です。

 第三は、地域支部、職場支部、地方議員のもつ結びつきと力を生かすことです。地域支部がもっているつながり――党員、読者、後援会員の子どもや孫なども含めたつながり、職場支部がもっている青年労働者とのつながりを出しあい、青年・学生党員、民青同盟員といっしょになって可能なところから働きかけましょう。また、そのつながりを青年・学生党支部や民青班にも紹介しましょう。

 第四は、青年・学生分野への党機関としての援助体制を強化することです。この間、中央委員会は、都道府県委員会の青年・学生部と民青都道府県委員会の確立を特別に重視してきましたが、「数万の民青」と「1万の青年・学生党員」を実現するためには、都道府県委員会はもとより、地区委員会と市委員会(補助指導機関)に至るまで、青年・学生分野の担当者を配置することがどうしても必要です。その担当者には、青年にとどまらず、地方議員や年配の同志にも担ってもらいましょう。

 第五は、「5カ年計画」実現への突破口として、次期党大会までに党と民青の倍加の実現に総力をあげることです。民青拡大では、倍加とともに、民青自身の年間目標2千人を早期に達成し、これを大きく上回る拡大をすすめましょう。それを推進するうえでもとくに力をいれる必要があるのは、青年・学生党員の拡大です。民青同盟員への党中央委員会の「入党のよびかけ」を使っての同盟員への入党の働きかけを強力に推進しましょう。

未来は青年のもの――この事業に成功すれば明るい洋々たる未来が開かれる

 未来は青年のもの――これはいつの時代にあっても変わらぬ真理です。

 歴史的前進を開始した民青同盟と力をあわせ、青年・学生分野のたたかいを発展させ、これと結んで強大な党と民青の建設に成功するならば、未来にむかってわが党の明るい洋々たる前途が開かれ、日本の政治の民主的改革にとっても、素晴らしい力となることは疑いありません。

 そのために、文字通り党の総力をかたむけて、この分野のとりくみを援助・推進しようではありませんか。

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7月23日告示(同30日投開票)が迫る同市議選(定数18、2減)で党6予定候補全員の勝利を訴えました。

2023-06-25 | ちょっと気になるマスコミ報道

2023年6月25日(日)

向日市の6人勝利必ず

世論と結び動かす 山添氏訴え

京都

写真

(写真)激励にこたえる(左から)ときわ、さとう、山田、西山、山添、たんの、北林、よねしげの各氏=24日、京都府向日市

 日本共産党の山添拓参院議員は24日、京都府向日(むこう)市の党演説会に駆け付け、7月23日告示(同30日投開票)が迫る同市議選(定数18、2減)で党6予定候補全員の勝利を訴えました。

 日本共産党の西山のぶひで衆院京都3区予定候補(前府議)が決意を表明しました。

 たんの直次、山田ちえ子、ときわゆかり、さとう新一、北林さとこ=以上現=、よねしげ健男=前=の6市議予定候補は、水道料金引き下げや、市民温水プールと健康増進センターを住民と力を合わせて存続させた党議員団の役割を強調。「住民本位のまちづくりを粘り強く求め、実現してきたのが党議員団だ。6人全員を議会に送ってほしい」と述べました。

 同市出身の山添議員は、国政をめぐる情勢と、二つのゆがみを正す日本共産党の躍進をよびかけ。JR向日町駅東口の開発に市が税金を投入する一方で、国民健康保険料は府内2番目に高いことなどを批判し、「一部の大企業の利益を優先し、市民に負担を押しつける市民不在のやり方だ」と批判。世論と結び政治を動かす党議員団の値打ちを語り「市議選で全員勝利し、解散・総選挙に追い込む夏にしよう」と語りました。

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「国民の信頼回復」を掲げるなら、先の国会で成立した改定マイナンバー法を見直し、保険証廃止をやめるべきです。

2023-06-24 | マイナンバーカードと健康保険証の合体やめろ

 

マイナカード混乱

保険証の廃止は断念しかない

 健康保険証を一体化したマイナンバーカードのトラブルは通常国会閉会後も次々に深刻さが明らかになっています。岸田文雄首相はマイナカードの総点検を行うと言いますが、2024年秋に保険証を廃止する方針は変えません。「国民の信頼回復」を掲げるなら、先の国会で成立した改定マイナンバー法を見直し、保険証廃止をやめるべきです。

立ち止まり運用停止せよ

 21日の記者会見で首相は保険証について「来年秋に廃止することを予定している」として、従来の方針に変わりがないことを表明しました。首相が立ち上げた「マイナンバー情報総点検本部」は、保険証廃止を前提としています。

 発行済みの保険証を25年秋まで使える「猶予期間」も使って、対策を講じると言います。逆立ちした考え方です。欠陥が明白なシステムは、被害を拡大しないよう、運用を停止するのが最初にとるべき対応です。

 マイナカードと保険証の一体化は、利用が少ない今の段階でも大混乱を引き起こしています。何の落ち度もない患者、医療機関に多大な負担をもたらし、保険診療の妨げとなっています。

 保険情報の誤登録や、保険資格が確認できないトラブルがあっても運用は続ける、問題は廃止期限までに何とかするというのが政府方針です。解決の見通しはありません。

 保険証で保険資格を確認して診療する仕組みに問題は起きていませんでした。政府が一方的に混乱を持ち込んでいるのが今の事態です。「保険証を存続させよ」「まず立ち止まれ」という声が噴出しているのは当然です。

 全国保険医団体連合会(保団連)が21日に発表した調査には、マイナカードによるオンラインの資格確認システムを運用する8437の医療施設が回答しました。トラブルがあったのは5493施設に上りました。

 転・退職、結婚などを機に加入する保険や個人情報が変わっても、何カ月も反映されていない事例が多発しています。後期高齢者の負担割合が間違っていた例や、顔認証ができず、患者が暗証番号を覚えていなかったので資格確認を断念した例も報告されています。

 オンライン資格確認のコールセンターに連絡してもつながらない、カードを読み込む機械が不具合、保険証を持ち合わせていなかったなどの理由で保険資格を確認できず、医療費の10割を患者に請求せざるをえなかった例は保団連の調査・推計で1291件に上りました。対処を押し付けられる医療関係者の苦痛を岸田首相は考えたことがあるのでしょうか。

耳貸さない政権は退場を

 これ以上混乱を広げないためには保険証廃止をやめるしかありません。岸田政権が廃止に固執するのは、保険診療が受けられなくなるかもしれないと脅し、マイナカードの取得を強制するためです。トラブルについて国会の閉会中審査などで徹底的に究明する必要があります。

 岸田首相は会見で、マイナカードを「デジタル社会のパスポート」と呼び、国民全員に持たせることを改めて強調しました。命にかかわる医療を人質に取り、問題が起きても立ち止まることすらしない政権は退場しかありません。

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バイデン氏はスピーチで、「日本は長期にわたり軍事費を増やしてこなかったが、私は日本の指導者に、広島(G7広島サミット)を含めて3回会い、彼を説得した。

2023-06-23 | ウクライナ支援いつまで続くのか?

日本の軍事費増「私が説得した」

バイデン米大統領

 バイデン米大統領は20日(現地時間)、米カリフォルニア州内での支持者の集会で、岸田政権による軍事費の大幅増額は、「私が彼(岸田文雄首相)を説得した」ことによるものだとアピールしました。米国は軍事費を国内総生産(GDP)比2%以上に増額するよう全ての同盟国に求めています。日本が従来の1%から一気に2倍化に踏み切ったのは、米側の要求に基づくものだったことを自ら明らかにした形です。

 バイデン氏はスピーチで、「日本は長期にわたり軍事費を増やしてこなかったが、私は日本の指導者に、広島(G7広島サミット)を含めて3回会い、彼を説得した。彼もそうすべきだと確信し、日本は急激に軍事費を増やした」と語りました。

 岸田・バイデン両氏は2022年5月に初めて対面で会談し、岸田氏は軍事費の「5年以内の相当な増額」を公約。安保3文書を決定した後の今年1月の会談では、バイデン氏が「果敢なリーダーシップを称賛する」と表明していました。

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今後の戦況を分ける最大の要因は、消耗戦に耐える資源であり、ウクライナにとっては西側の支援が死活問題だ。

2023-06-22 | ウクライナ支援いつまで続くのか?
 

ウクライナの反撃、減速へ…

NATO早期加盟も実現ならず

登録:2023-06-21 06:31 修正:2023-06-22 10:37

 

戦術見直しのため攻撃一時中止 
攻勢に必要な空軍力の欠如など戦力不足 
ウクライナのNATO早期加盟も実現ならず
 
 
ウクライナ軍が19日、激戦地である東部ドネツク州バフムト付近でロシア軍から鹵獲したT80戦車を利用し、砲撃を行っている=バフムト/ロイター・聯合ニュース

 ウクライナの2週間にわたる反転攻勢が減速に入る様相だ。

 米国の戦争研究所(ISW)は19日、ウクライナ軍が今後の作戦のための戦術を見直すため、反転攻勢を一時中断する可能性もあると、戦況報告書で明らかにした。同研究所は「ウクライナはまだ反転攻勢作戦に可用戦力の多くを投入しておらず、主要な活動を開始していない」とし、「作戦の中断は重要な攻撃遂行の一般的な様相であり、この中断がウクライナの反転攻勢の終了を意味するわけではない」という見解を示した。

 米国のウォール・ストリート・ジャーナル紙も同日「ウクライナの指揮官らは、攻撃の探索で困難に直面したことを受け、戦術を見直すため、ここ数日間多くの地域で進攻を止めた」と報じた。同紙は、ウクライナが現代戦の攻勢に欠かせない優勢な空軍力の支援がないうえ、ロシアの地雷などで防衛線を突破できずにいると指摘した。「ウクライナが直面した初期の難関は、攻勢が長期化し極度の消耗戦になるというシグナル」だとしたうえで、「疲労や士気などにおけるウクライナ軍の優位も、物理的な防衛線、空軍力、電子戦装備などロシアの持つ強みによって相殺される。地雷は特にロシアにとって効率的だ」という西側軍高官の話を伝えた。

 周期的に戦況情報をソーシャルメディアに掲載する英国防省も、ウクライナの反撃後、双方とも多くの人命被害が発生したと分析した。英国防省はウクライナ軍がザポリージャ、バフムトなどで攻勢を展開し「やや進攻」したが、ロシア軍も南部で「相対的に効果的な防衛作戦」を遂行していると評価した。これに先立ち、エストニア軍情報センターのマルゴ・グロスベルグ大佐は16日、ブリーフィングで「我々は今後7日間は攻勢を見られないだろう」と語った。エストニアのメディア「ERR」によると、グロスベルグ大佐はウクライナの作戦中断は「ロシアの防衛線における脆弱ポイントの把握が来週まで続くため」だとし、「古典的な攻勢作戦遂行では、攻撃する側に兵力と武器において3対1の優位性が必要だという教理があるが、残念ながらウクライナは現在そのような状況にない」と指摘した。また「戦力は1対1であり、このような理由で不要なリスクを冒さないために、ウクライナはより組織的かつ慎重に作戦にアプローチしている」と語った。そして、これまでの作戦の結果、西側が支援した兵器の10%を失ったとし、今後の作戦の過程でさらに多く失うだろうと指摘した。

 ウクライナのハンナ・マリャル国防次官は20日、テレグラムに「現在進めている作戦にはいくつかの目標があるが、軍はこのような課題を遂行しており、最大の攻撃はまだ行っていない」と主張した。しかし、「敵は簡単には自分たちの位置を諦めないだろう。我々は厳しい戦闘に備えなければならない」と作戦の難しさを認めた。マリャル次官は前日の19日には、ウクライナが今月初めに始めた反撃作戦を通じて、南部ザポリージャ州中部のペティハッキ村を奪還するなど、この2週間で113平方キロメートルに達する占領地を取り戻したと明らかにした。

 今後の戦況を分ける最大の要因は、消耗戦に耐える資源であり、ウクライナにとっては西側の支援が死活問題だ。北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は19日、ドイツのベルリンで開かれたある会議で、「ドイツだけでなくNATO全域の多くの国で兵器と弾薬在庫が底をつき、再び補充しなければならない」と懸念を示した。

 一方、ストルテンベルグ事務総長は19日、ドイツのオラフ・ショルツ首相と会談した後、来月リトアニアのビルニュスで開かれるNATO首脳会議および同会議の準備で(ウクライナに対する)公式招請については論議していないとし、「我々が議論するのは、いかにウクライナをNATOに近づけようとするかだ」と述べた。これに先立ち、ストルテンベルグ事務総長はウクライナをNATOに公式手続きを踏まず加盟させることを提案したが、ジョー・バイデン米大統領が反対した。

チョン・ウィギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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 18日昼に最高気温が35度を記録して猛暑となったが、19日も暑さが続いている。韓国だけでなく全世界が猛暑に苦しんでいる。インドは最高気温が45度に迫る猛暑となり、約100人が死亡した。

2023-06-21 | インドで45度・・日本の夏はどうなる!
 

「今年は一般的な猛暑とは違う」…

インド、気温45度で100人死亡

登録:2023-06-20 05:06 修正:2023-06-20 07:08

 

インドで死者続出…米テキサス州では体感温度48度 
「こんなに多くの人が暑さで死ぬのは見たことがない」
 
 
18日(現地時間)、インド北部のウッタル・プラデーシュ州バリア地域で、高齢者が病院に搬送されている/AP・聯合ニュース

 18日昼に最高気温が35度を記録して猛暑となったが、19日も暑さが続いている。韓国だけでなく全世界が猛暑に苦しんでいる。インドは最高気温が45度に迫る猛暑となり、約100人が死亡した。

 AP通信は18日(現地時間)、インドで猛暑により約100人が死亡したと報じた。インド政府当局は、北部ウッタル・プラデーシュ州と東部ビハール州で少なくとも96人が死亡したと発表した。この2地域はインドで人口が最も多く、54人が死亡したウッタル・プラデーシュ州は最高気温43度、42人が死亡したビハール州は44.7度を記録したという。

 
 
17日(現地時間)午後、インドのウッタル・プラデーシュ州ラリプールで、男性が火照った顔に水をかけて冷ましている/AP・聯合ニュース

 APによると、インド当局は、死者のほとんどは60歳以上の高齢者で、暑さで基礎疾患が悪化した可能性があるとみている。ウッタル・プラデーシュ州の保健相は、非常に多くの人が死亡したとして調査を開始したと述べた。

 猛暑で父親を失ったウッタル・プラデーシュ州バリア地域に住むパタクさんは「これほど多くの人が暑さのために死ぬのは見たことがない。道や市場は人通りが途絶えた」とAPとのインタビューで語った。

 バリアの医療担当官ヤダブさんは、暑さで悪化した様々な病気のせいで、この3日間で約300人の患者が地域の病院に入院したと説明した。状況が深刻化していることを受け、インド当局はバリアの医療スタッフの休暇を取り消したほか、患者を収容するために救急病棟に病床を追加したという。

 
18日(現地時間)、インド北部ウッタル・プラデーシュ州バリア地域のある病院で、親戚が担架に横たわっている患者の世話をしている/AP・聯合ニュース

 米国でも高温現象が続いている。米国気象庁はテキサス全域に猛暑警報・猛暑注意報を発令した。17日にAPが報じた。同州コーパスクリスティの16日の体感温度は48度、ヒューストンの体感温度は44度となった。ヒューストンは市立図書館などを猛暑避難所として活用する公衆保健猛暑非常計画を実行に移したという。

 ヒューストン気象庁の気象学者ティム・キャディーさんはAPに「今回の暑さの違いは一般的な猛暑より早いこと。この猛暑は米国中南部に張り出している高気圧によって発生している」と述べた。

 
 
全国各地に猛暑特報が出された18日午後、京畿道水原市の光教湖水公園の噴水を訪れた子どもたちが、冷たい水に打たれて体を冷ましている/聯合ニュース
 
 
18日(現地時間)、メキシコと米国の国境にあるリオ・ブラボー川で、メキシコの人々が水遊びをしている/ロイター・聯合ニュース
イ・ジュビン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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ポストベルク教授は、今回の発見は、液体の海があると推定される太陽系の他の天体にも、リン酸塩が豊富に存在する可能性があることを示唆していると述べた。

2023-06-20 | 科学最前線

土星の衛星で発見された生命の源…

6大元素の最後のパズルピース見つかる

登録:2023-06-19 05:31 修正:2023-06-19 07:53
 
探査機カッシーニによるエンセラダスからの収集データを解析 
地下の海から湧き出た水柱の氷の粒子から 
6つの必須元素のうち最後に残った「リン」を確認
 
 
エンセラダスの南極の地下の海から氷の表面層を突き抜け湧き上がる水柱。2009年に探査機カッシーニが撮影した写真=NASA提供//ハンギョレ新聞社

 「シムボァッタ!(神の心を見たという意味で、高麗人参の中でも特に効果の高い「山参」を見つけたとき仲間に知らせるために叫ぶ言葉)」

 森の中で山参を探す人たちが叫ぶこの歓声を連想させるほどの物質が、宇宙の観測資料の森から発見された。科学者たちが、土星の氷の衛星エンセラダスから、これまで必死に探していたリン酸塩の形態のリンを探しだしたのだ。

 ドイツのベルリン自由大学を中心とする国際研究チームは、エンセラダスの氷の表面層の下にある海から噴き上がった水柱のなかにある氷の微粒子に、リン酸塩が多数含まれていることを確認したと、国際学術誌「ネイチャー」に発表した。

 リンは生命体を構成する必須元素の一つで、人間の骨や歯、細胞膜を構成する主要成分であり、遺伝子の一次ユニットである核酸(DNA、RNA)や、生命活動のためのエネルギーを保存して運ぶために用いられるATP(アデノシン三リン酸)の中心となる元素だ。だが、地球上でもきわめて存在が少ない元素で、地球以外の天体でリンを発見したのは今回が初めて。

 太陽系には、エンセラダス以外にも地下に海がある天体が多数存在すると推定されるだけに、今回の発見は、今後の地球外生命体の探索によりいっそう関心が高まるものと期待される。

 
 
2005年、探査機カッシーニがエンセラダスから6万1300~1万1100キロメートルの距離に近づいて撮影した写真=NASA提供//ハンギョレ新聞社

生命体の存在への期待が高まる

 直径500キロメートルで土星では6番目に大きな衛星であるエンセラダスは、23万キロメートルの距離で1.3日に1回土星を公転する。科学者たちは、2004年から2017年まで土星を探査した探査機「カッシーニ」の観測データを通じて、エンセラダスには厚さ30~40キロメートルの氷の表面層の下に、深さ約10キロメートルの液体の海があると推定している。カッシーニは当時、エンセラダスの南極で、氷の表面層を突き破り水柱が吹き上がる様子を観測した。科学者たちは最近、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による観測を通じて、水蒸気の柱の最大の長さは1万キロメートルに近いことを発見した。

 今回の発見は、カッシーニが土星の環の一つであるEリングを通過して収集した345個の氷の微粒子を、宇宙塵分析器(CDA)を通じて詳細に分析した結果だ。科学者たちは、氷の微粒子9個からリン酸塩分子を発見した。Eリングは、エンセラダスの表面に縞のように生じた亀裂を通じて噴出した水柱から宇宙に放出された粒子が作った輪だ。

 研究チームは2020年(発表は2022年)、地球化学的モデリング技法を活用し、エンセラダスにリンが存在することを予想したのに続き、今回の後続研究によって、実際にリンの存在を確認する成果を上げた。

 今回の発見は、炭素と水素、酸素、窒素、硫黄に続き、エンセラダスで生命体の6つの必須元素をすべて確認したという意味がある。6大元素は、原子記号を合わせて「CHONSP」とも記される。これを受け、生命体の存在に対する期待感がよりいっそう高まる見込みだ。

 科学者たちはこれまで、エンセラダスの氷の微粒子から、ナトリウム、カリウム、塩素および炭酸塩含有化合物を発見していた。さらに、コンピュータ・モデリングによって、地下の海が中間程度のアルカリ性であることも推定した。米航空宇宙局(NASA)は「このような要素はすべて、生命体の存在の可能性を高めること」だと明らかにした。

 
 
2006年に探査機カッシーニが観測した土星のEリングとエンセラダス。エンセラダスから210万キロメートルの距離で撮影した=NASA提供//ハンギョレ新聞社

予想よりありふれている太陽系の海

 研究チームの分析の結果、エンセラダスの氷の微粒子内のリンの濃度は、地球より100倍以上高かった。研究チームは「保守的にみても、エンセラダスの地下の海のリン酸塩の濃度は、地球の海より平均で数百倍高いと推定される」と明らかにした。

 研究を率いるポストベルク教授は、リンの濃度がこのように高いのは、エンセラダスの海で炭酸塩が豊富なことと関係があると述べた。ポストベルク教授は「エンセラダスの海は『ソーダ水の海』と呼ぶことができる」としたうえで、「ソーダ水は岩石に閉じ込められているリン酸塩を溶解させる効果がある」と述べた。

 研究チームは、過去25年間の惑星科学で最も興味深い発見の一つは、表面の氷の層の下に海がある世界が、私たちの太陽系ではありふれているということだと明らかにした。エンセラダスをはじめ、木星の衛星エウロパ、土星の衛星タイタン、冥王星などがそうした事例だ。

 地球のように表面に液体の海が存在するためには、エネルギーを供給する星から近くなければならないが、地下の海は、近くの天体との間の重力の摩擦力と回転エネルギーによってエネルギーを得るので、銀河系のどこにでも存在できる。特に、このエネルギーは、天体の奥深いところで生命体の誕生の化学作用を起こすエネルギー源の役目を果たすこともありうる。

 
 
科学者たちは、エンセラダス内部のアルカリ性の海が岩石の核と化学反応を起こしリン酸塩の溶解を促進すると推定している。リン酸塩の存在はエンセラダスの海に生命体が生きているという推論を強く後押しする=サウスウェスト研究所提供//ハンギョレ新聞社

 ポストベルク教授は、今回の発見は、液体の海があると推定される太陽系の他の天体にも、リン酸塩が豊富に存在する可能性があることを示唆していると述べた。

 共同著者である米国サウスウェスト研究所のクリストファー・グライン博士は、「今回の発見によって、エンセラダスの海は生命体の存在を可能にする最も厳格な要件を満たしているという事実が確認された」としたうえで、「次の段階は、その海に実際に生命体が生きているかどうかを調べること」だと述べた。

*論文情報 
doi:10.1038/s41586-023-05987-9
Detection of phosphates originating from Enceladus's ocean.

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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人類が予測不可能な危険を避けられるよう、日本政府は科学的で公開的、かつ透明で安全に汚染水問題を処理しなければならない」と強調した。

2023-06-19 | 中国をしらなければ世界はわからない
 

「海は日本の下水溝なのか」…

韓国政府が沈黙する間に世界各国の反対論激化

登録:2023-06-18 19:24 修正:2023-06-19 05:58
 
[ハンギョレ21] 
フィジー・中国など周辺当事国、汚染水の放出に明確な反対の声
 
 
        中国外交部の汪文斌報道官が定例会見を行っている/REUTERS

 「透明性に基づいて客観的かつ科学的な評価をした後に立場を決めることになるだろう」

 韓米日安保室長会議出席のため6月14日に東京を訪問したチョ・テヨン大統領室国家安保室長は、羽田空港で記者団に対しこのように述べた。東京電力が6月12日、福島原発の核汚染水の海洋放出のための試運転に入ったにもかかわらず、従来の立場から一歩も変わらない発言だ。

「それほど安全なら、なぜ汚染水を日本にとどめておかないのか」

 福島原発汚染水の海洋放出に明確な反対の意思を明らかにしない尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権とは異なり、周辺の当事国はますます声を高めている。6月3日、シンガポールで開かれた第20回アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で、日本の浜田靖一防衛相を前に「それほど安全なら、なぜ汚染水を日本国内にとどめておかないのか」と問い詰めたフィジーのティコドゥアドゥア内務長官が代表的だ。中国も、日本政府が海洋放出の方針を公にした2022年7月以後「太平洋は日本の下水溝ではない」という表現を用いて、機会あるごとに反対の立場を明確にした。

 「福島原発汚染水の海洋放出は、全世界の海洋環境と公衆保健に関する問題であり、日本だけに限った問題ではない。日本側が内外の強い反対にもかかわらず汚染水の海洋放出を強行するなら、これは非常に無責任な行為であり、世界の世論の支持を得ることはできないだろう」

 中国外交部の汪文斌報道官は、6月14日の定例会見で「福島原発汚染水の放出は『国連海洋法条約』が規定した海洋環境保護および保存義務に違反する行為」だと述べた。これまで中国外交部が強調してきた汚染水海洋放出の反対論理は大きく4つにまとめられる。

 第一に、原発事故で作られた汚染水を人為的に海洋に放出した前例はない。したがって、これによる危険性も予測が不可能だ。

 第二に、日本側は十分な研究と実証を通じて最も安全な汚染水処理方案を設ける意思がなく、ただ経済的側面だけを考慮して海洋放出を決定した。隣国はもちろん、全人類に汚染水による危険と費用を転嫁しようとするも同然だ。

 第三に、国際原子力機関(IAEA)評価団は日本政府の要請により構成され、職務範囲が制限されている。汚染水の海洋放出自体を見るだけで、その他の汚染水処理方案を検討する権限はない。したがって、IAEA評価団の報告書は汚染水海洋放出の「免罪符」にはなりえない。

 第四に、専門家らは、福島原発汚染水は溶け出した原子炉の炉心に直接触れたため、数十個の放射性核種を含有しており、これらの核種の相当数はまだ効果的な処理技術がないと指摘している。一部の半減期が長い核種は、海流と共に広がり生物に濃縮され、自然環境の放射性核種総量を追加で増やし、海洋環境はもちろん人体にも予測不可能な危険を加重させかねない。

 中国外交部の毛寧報道官は今年5月23日の定例ブリーフィングで「海洋放出以外の汚染水処理対策を用意するために周辺国を含む利害当事者と十分かつ意味ある協議が必要だ。人類が予測不可能な危険を避けられるよう、日本政府は科学的で公開的、かつ透明で安全に汚染水問題を処理しなければならない」と強調した。

チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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