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世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

米国のドナルド・トランプ前大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を「非常に賢くタフな人物」と描写しながらも、自身とは関係が良く、北朝鮮核問題を管理することは容易だったと自評した。

2024-01-16 | 米朝対話
 

トランプ前大統領

「金正恩が私を気に入っていたから米国も安全だった」

登録:2024-01-16 06:12 修正:2024-01-16 06:43
 
 
米国のドナルド・トランプ前大統領兼共和党大統領候補が14日(現地時間)、米国アイオワ州シンプソンカレッジの講堂で遊説の途中に踊っている/ロイター・聯合ニュース

 米国のドナルド・トランプ前大統領が、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を「非常に賢くタフな人物」と描写しながらも、自身とは関係が良く、北朝鮮核問題を管理することは容易だったと自評した。共和党大統領選候補の予備選挙の開始を控え、党内のライバルと自身を差別化し、北朝鮮核問題に対する解決策を見出すことができないジョー・バイデン大統領を攻撃しようとする意図と思われる。

 トランプ前大統領は、共和党大統領候補の最初の選挙戦となるアイオワ州のコーカス(党員集会)を前日に控えた14日(現地時間)、アイオワ州インディアノーラのシンプソンカレッジでの遊説で「金正恩は非常に賢くてタフだが、私を気に入っていた」として「彼と本当に良い関係で過ごし、おかげで(米国は)安全だった」と述べた。トランプ前大統領は就任1年目の2017年、金委員長と「老いぼれ狂人」「気が狂った奴」などの激しい言葉を交わしたが、翌年の2018年初めに朝米間の直接対話が始まった後は「蜜月関係」を維持していた。

 特に両首脳は、2018~2019年に3回の首脳会談を行い、27回も親書を交換した。トランプ前大統領は、昨年4月に出版した著書『トランプに送った手紙』で、金委員長を「非常に賢く、狡猾だ」「(前回の大統領選で勝利していたら)金正恩と核兵器に関する合意を結んでいただろう」という見解を明らかにした。トランプ前大統領は退任後、自身が北朝鮮との核戦争を阻止する役目を果たしたという認識を繰り返し表明している。

 トランプ前大統領の金委員長に関する発言は、主なライバルであるニッキー・ヘイリー元国連大使とフロリダ州のロン・デサンティス知事をこき下ろす過程で出てきた。トランプ前大統領は「ヘイリーは立派な仕事をしたが、大統領になる資格はない」としたうえで、「誤った考え方と政策(だけでなく)、率直に言うと十分に強くない」と指摘した。続けて「私たちは世界で最もタフな人たち、つまり皆さんは見たこともないレベルの試合をする人たちを相手にしている」として、中国の習近平主席やロシアのウラジーミル・プーチン大統領とともに金委員長に言及した。

 さらに「私たちは彼ら(北朝鮮)と戦争しようとしたが、北朝鮮はどの国にも劣らないかなりの規模の核を保有していた」として、「私たちは(外交を通じて核の安全を確保した)立派な仕事をした」と述べた。北朝鮮の核を管理する問題について、デサンティス知事は「当時、信じられないほど不誠実な態度を示した」と述べ、攻撃の矛先を向けた。

 こうした大言壮語にもかかわらず、トランプ前大統領の対北朝鮮外交が、朝鮮半島情勢の安定にどれほど寄与したのかについては、様々な評価が出ざるをえない。金委員長は、2019年2月末の「ハノイ決裂」とその年夏の韓米合同軍事演習の再開後、朝米・南北対話をあきらめたかのような態度を示している。トランプ前大統領の失敗が、今に至る核危機を作りだしたという評価も可能だ。

ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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米国務副長官が北朝鮮政策特別代表にソン・キム・インドネシア大使を任命したことについて「(米国が)北朝鮮と対話(dialogue)をする準備ができているというもう一つのシグナルだった」

2021-06-04 | 米朝対話

米国務副長官

「ソン・キム特別代表の任命は北朝鮮に対する対話のシグナル」

登録:2021-06-03 06:45 修正:2021-06-03 08:04

 

ウェンディ・シャーマン米国務副長官、東南アジア歴訪のテレビ電話会見で 
「北朝鮮が対話の可能性を受け入れることを望む」
 
 
ウェンディ・シャーマン米国務副長官が先月31日、インドネシアのジャカルタで米‐インドネシア外務次官会議後の記者会見で質問に答えている=インドネシア外交部提供/ロイター・聯合ニュース

 ウェンディ・シャーマン米国務副長官が北朝鮮政策特別代表にソン・キム・インドネシア大使を任命したことについて「(米国が)北朝鮮と対話(dialogue)をする準備ができているというもう一つのシグナルだった」とし、「(北朝鮮が)その可能性を受け入れることを望んでいる」と述べた。

 東南アジア歴訪の最後の日程としてタイのバンコクを訪問中のシャーマン副長官は2日、アジア太平洋地域の記者団とのテレビ電話会見で、米国の北朝鮮政策を説明するための朝米接触があったかどうかを問う質問に、このように答えた。シャーマン副長官はバイデン政権が日本や韓国および世界のパートナーたちと非常に緊密な協議の下で政策の見直しを進めたとし、「我々は北朝鮮との関与を望むという点に同意した」と明らかにした。また米国が「朝鮮半島の非核化という究極的な目標に向けた進展を果たすため、調整された対応」を取ると説明した。

 シャーマン副長官は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が先月21日(現地時間)に米ワシントンを訪問した当時、ジョー・バイデン大統領がソン・キム大使を北朝鮮政策特別代表に任命した事実に触れ、「それが我々が北朝鮮と対話する準備(ready and prepared)ができているというもう一つのシグナルだった」と述べた。また「彼ら(北朝鮮)がその可能性を受け入れることを望んでいる」と付け加えた。シャーマン副長官がどのような“可能性”について言及したかは明らかでないが、文脈からして対話の再開による外交的解決策の模索を意味するものとみられる。バイデン政府は、北朝鮮政策の見直しを完了し、実用的かつ調整され外交的アプローチを取る方向を示しながらも、具体的なことは北朝鮮と向かい合って説明するという立場を明らかにしてきた。同日、朝米接触の有無を問う質問に対し、シャーマン副長官が“北朝鮮の前向きな反応”に言及したのは、まだ北朝鮮からこれといった反応がないことを遠回しに示したものと見られる。

 シャーマン副長官は質問に答える間、北朝鮮を公式国号である「朝鮮民主主義人民共和国」の英文略称「DPRK」と称し、注目を集めた。バイデン政権は公式文書には北朝鮮の公式国号を書いてきたが、米高官らは「North Korea」(北朝鮮)を混用して使ってきた。第2次クリントン政権で国務省北朝鮮政策調整官(1999~2001年)を務めたシャーマン副長官は朝米関係に深く関わった人物で、朝鮮半島問題の専門家として知られる。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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北朝鮮は「ちゃんと受け付けた」と反応したという。米政府は、対北朝鮮政策のさらに具体的な内容を公開する際には、まず北朝鮮に説明してから行う方針だという。

2021-05-13 | 米朝対話
 

米「北朝鮮政策の説明のため会おう」との提案に、

北朝鮮「受け付けた」

登録:2021-05-12 02:01 修正:2021-05-12 07:56
 
バイデン政権が先週北朝鮮に提案 
韓国政府、中国けん制協議体「クアッド」への分野ごとの参加を検討 
大統領府関係者「米国からのクアッド参加要請はない」
 
米国のジョー・バイデン大統領/AFP・聯合ニュース

 対北朝鮮政策の検討結果を説明するのでコンタクトを取ろうという米国の提案に対し、北朝鮮が「受け付けた」との反応を示したことが10日(現地時間)に明らかになった。

 米国のジョー・バイデン政権は先週、北朝鮮側に「対北朝鮮政策の検討結果を説明するため会おう」と提案したという。これに対し北朝鮮は「ちゃんと受け付けた」と反応したという。ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は先月30日、「朝鮮半島の完全な非核化を目標として、外交に対して開かれた、調整された実用的なアプローチ」という対北朝鮮政策の枠組みを公開している。それから数日以内に米政府は外交チャンネルを通じて、北朝鮮への説明の機会を得るために打診したということだ。米政府は、対北朝鮮政策のさらに具体的な内容を公開する際には、まず北朝鮮に説明してから行う方針だという。

 これは今月5日に「ワシントン・ポスト」の外交安保専門コラムニスト、ジョシュ・ロギン氏が「バイデンの北朝鮮戦略:急げ、そして待て」と題するコラムで述べた内容とは異なる。ロギン氏は同コラムで、2人の政府高官の話として、バイデン政権は対北朝鮮政策の検討結果を伝えようとしたが、北朝鮮は回答しなかったと伝えた。しかし、10日に伝えられた内容が事実なら、北朝鮮は先週半ば以降に「受け付けた」との反応を示したことになる。これは、北朝鮮は米国の対北朝鮮政策の内容に否定的だとか、接触提案を最終的に拒否したと判断するのはまだ早いと解釈しうる。北朝鮮内部の判断がどのように下されるかは、もう少し見守らなければならないということだ。

 実際に北朝鮮は、米国の対北朝鮮政策の枠組みに向けては、公には意思表示をしていない。北朝鮮は今月2日に連続で掲載した談話を通じて米国を批判しているが、そこで問題にしたのは「北朝鮮とイランの核に対する外交と断固たる抑止力」を強調したバイデン大統領の議会での演説と、北朝鮮の人権状況を批判した国務省報道官の声明だった。

 いっぽう韓国政府は、中国をけん制する性格を持つ米日印豪4カ国の非公式協議体「クアッド」への参加問題と関連して、新型コロナウイルスワクチン、気候変動、新技術の3分野で進められるワーキンググループに分野ごとに参加することを慎重に検討しているという。ただし、米国は韓国政府にワーキンググループへの参加要請すらしていない状態だと大統領府関係者は述べている。この関係者は、3月に大統領府が「透明性、開放性、包容性、国際規範などを順守するのであれば、どの地域協力体の構想とも積極的に協力しうる」と明らかにしたことを想起させつつ、「今は(米国から)何らかの要請を受けて(参加を)検討しているわけではない」と述べた。

 これに関し、ホワイトハウス国家安保会議(NSC)のエド・ケーガン東アジア・オセアニア上級局長は7日、チェ・ジョンヒョン学術院が主催したオンライン討論会での演説で「クアッドはアジア版NATO(北大西洋条約機構)のような安保同盟ではなく、非常に柔軟な体制」だとの趣旨で発言している。同氏は「我々のビジョンは4カ国のみが参加する閉鎖的な構造ではない」とし「域内に対する実質的な脅威や課題となる諸問題を共に解決するという考えで、これらの懸案に関心のあるその他の国の参加を奨励するよう、開かれた構造を持ちたいと思う」と述べている。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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もう一度明確にするが、我々は米国人と向き合うつもりはない」と強調した。

2020-07-07 | 米朝対話
北朝鮮「米国と向き合うつもりはない…
韓国はおせっかいをやめよ」

登録:2020-07-07 09:45 修正:2020-07-07 10:26


北朝鮮外務省のクォン・ジョングン米国担当局長の談話

            

北朝鮮外務省のキム・ミョンギル巡回大使が2019年10月5日(現地時間)、ストックホルム郊外の北朝鮮大使館前で、同日の朝米実務交渉が決裂したと明らかにした。一番左が当時代表団の一員だったクォン・ジョングン外務省米国担当局長=ストックホルム/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮外務省のクォン・ジョングン米国担当局長が、3回目の朝米首脳会談の可能性を一蹴し、「もう一度明確にするが、我々は米国人と向き合うつもりはない」と述べた。3回目の朝米首脳会談の必要性を強調する韓国政府に対しては、「寝言のようなことを言っているから北南関係をさらに台無しにするばかりだ」と言い放った。

 クォン局長は7日、北朝鮮官営メディアの「朝鮮中央通信」を通じて自分の名義の談話を発表し、このように明らかにした。クォン局長は昨年10月、スウェーデンのストックホルムで開かれた朝米実務接触当時、次席代表として交渉に関与した人物。クォン局長は4日、チェ・ソンヒ外務省第1次官が出した談話を言及し、「わかりやすく理解できるよう明々白々に伝えた我々の立場だった」とし、にもかかわらず「今も南の方からは朝米首脳会談を仲裁するための自分たちの努力には変わりがないという寝ぼけた声が聞こえ続けている」と指摘した。当時チェ次官は「朝米対話を自分たちの政治的危機に対処するための道具としか考えていない米国とは向き合う必要はない」と述べた。

 クォン局長は、朝米首脳会談の必要性を強調した文在寅(ムン・ジェイン)大統領をはじめ、韓国政府関係者を遠回しに差しながら「時もわかっておらず」「おせっかい」だとし、特に「ある人らは、我が外務省第1次官の談話が『米国が行動せよというメッセージ』であり『もう少し譲歩せよという一種の要求』という我田引水の解釈まで明かしている」と批判した。「だんだん複雑に絡み合っっていくばかりの朝米関係を正すといって、まるで何かの『解決屋』のように自任し、自分の鼻も洗えないのに人の鼻を洗う心配をしているのだから、実に見苦しい」という指摘も続けた。

 クォン局長は、韓国政府が「そろそろおせっかいをやめる時がきたようだが、その癖を直す薬と処方がないようだ」とし、「しきりに時もわからずに寝言のようなことばかりを言っているから、北南関係をさらに台無しにするばかりだ」と述べた。そして「『仲裁者』になろうとする未練がそれほど強く、最後まで努力するのが願いだというならやってみろ」とし、「その努力の結果を見ることになるのか、それとも元も子もなく嘲笑を買うだけなのか、そのうち分かるだろう。もう一度明確にするが、我々は米国人と向き合うつもりはない」と強調した。
ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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大統領に就任した場合に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との会談を排除しない考えを示しました。

2020-02-25 | 米朝対話
米朝首脳会談排除せず
サンダース氏 ロシアやイランとも


 【ワシントン=池田晋】秋の米大統領選に向けた民主党候補者指名争いで優位に立つサンダース上院議員は23日放送の米CBSテレビで、「世界中の敵対国と膝を交えることに問題があるとは思わない」と述べ、大統領に就任した場合に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との会談を排除しない考えを示しました。

 サンダース氏は、トランプ大統領をありとあらゆる点で批判してきたとする一方、「敵対的な立場の人間と会談すること自体は、私にとって悪いことではない」と指摘。北朝鮮にとどまらず、ロシアやイランとの首脳会談も排除しない姿勢を示唆しました。

 トランプ氏が実現させた米朝首脳会談については、準備不足で臨んだため、成果を出すのに必要な外交上の作業がなされなかったと指摘しました。

 また、サンダース氏は、自らが大統領として軍事力の行使を検討するのは「米国民や同盟国に対して脅威がある場合」に限ると説明。「NATO(北大西洋条約機構)の必要性を信じている」とも付け加えました。
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トランプが以前より神経が鋭くなったことは事実だが、全体的に彼は「金正恩はすべてを失いつつあり、自分との関係を破る人ではない」として、対話しようという側に立っている。

2019-12-13 | 米朝対話

[特派員コラム]トランプの言うことは話半分に聞こう

登録:2019-12-12 21:48 修正:2019-12-13 07:43
 

 ドナルド・トランプ米大統領の発言を記事にすれば、後で困惑を越えて恥ずかしくなる時が多い。大統領の品格をかなぐり捨てた露骨な表現や、正反対に行ったり来たりする予測不能性のためばかりではない。最も堪え難いのは、普通の国家首脳に対して記者たちがするように、トランプの発言に何か大きな含意があるようだと報道すれば、その後は虚しくなる時が多いという点だ。朝米関係関連である時に特に激しい。自身の顔につばを吐くことを甘んじて受けいれ、最近3カ月を振り返って見る。

 トランプは9月18日、ジョン・ボルトン前ホワイトハウス国家安保補佐官が「リビア・モデル」に言及して朝米関係を難しくさせたと発言して「ことによると新しい方法(new method)が非常に良いだろう」と話した。この発言は、北朝鮮が要求する「新しい計算法」にトランプが応じる返事をしたのではないかというマスコミの解釈を生み、北朝鮮側の朝米交渉代表のキム・ミョンギル巡回大使は「トランプ大統領が新しい方法を主張したという報道を興味深く読んでみた」と引き上げた。だが数日後、韓米首脳会談とトランプの国連基調演説で「新しい方法」に対する話はなく、10月初めのストックホルム朝米実務交渉は合意なく終わった。振り返ってみれば「トランプの言う『新しい方法』は、他でもない自分自身」と言っていたある消息筋の寸評の方が正確だったわけだ。

 トランプは10月21日には「北朝鮮に関し非常に興味深い情報がある。ある時点では重大な事件になるだろう」と話したが、10日後に北朝鮮は超大型ロケット砲の試験発射をした。11月17日、彼はツイッターに金正恩北朝鮮国務委員長に向かって「あなたは早く行動して、合意を成し遂げるべきだ。近いうちに会おう!」と書いて、対話ムードを盛り上げるような印象を匂わせた。概してトランプの発言は、前任者のバラク・オバマと比較して自らの成果を強調し自身だけが解決者だと誇示する内容であり、北朝鮮もそのような脈絡で言及される時が多い。

 トランプの発言は、北朝鮮が期限として提示した12月に入ってからは、見た目には刺激的に変わった。彼は2年間使わなかった「ロケットマン」を口にして「必要ならば軍事力を使うだろう」と言い、金正恩(キム・ジョンウン)が敵対的に行動すれば「事実上、すべて」を失うだろうとも話した。北朝鮮は最高指導者の不快感を伝えながら「私たちはこれ以上失うものはない」と突き放した。だが、「ロケットマン」という発言は、記者たちが「あなたが金正恩に何度も会っても北朝鮮は核プログラムを進めているではないか」という趣旨で尋ねると、「彼はもちろんロケット発射が好きだ」とし防御するように答えたところから出た。「オバマの時期には米国の軍隊が弱かった→今は世界最強だ→使いたくはないが必要なら使うだろう」という三段論法もまた、特定国家と関係なくトランプが慣用句のように口にする言葉だ。トランプが以前より神経が鋭くなったことは事実だが、全体的に彼は「金正恩はすべてを失いつつあり、自分との関係を破る人ではない」として、対話しようという側に立っている。

 トランプは、自身の一言がマスコミにどのように映り、相手方はどのように受け取り、どんな波紋を起こすのかについて細かく気を遣う人ではない。彼が吐きだす発言ごとに奥深い意図や意味を見つけようとする必要はない。朝米交渉においても同様で、お互いの話に鼻をかけ公衆に向けてする口げんかは、消耗して不信を育てるだけだ。まだ2017年当時のような直接的な言葉の爆弾を自制しているトランプ-金正恩の二人は、今もなお解決の糸口を持っている。親書交換でも特使交換でも、電話ででも二人が直接疎通しなければならない。“クリスマスプレゼント”を長距離発射体から対話再開に変える機会はまだある。

//ハンギョレ新聞社
ファン・ジュンボム ワシントン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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中央委全員会議の時に公開するか  年末までに追加実験がある可能性も 

2019-12-10 | 米朝対話

北朝鮮、「重大実験」の内容明らかにせず、

対米交渉を念頭に置いた「戦略的曖昧さ」

登録:2019-12-10 06:47 修正:2019-12-10 07:35

労働新聞に実験の事実も報道せず 
米国と交渉余地など複数の思惑あるもよう 
 
専門家「交渉期限控えたメッセージ管理」 
「対外情勢、対内公開に負担を感じているもよう」

北朝鮮の「重大な実験」と関連し、ミドルベリー国際学研究所東アジア不拡散センターのジェフリー・ルイス所長が9日、ロケットエンジン実験の可能性を提起し、SNSに「プラネットラプス」の画面を掲載した=ジェフリー・ルイス氏のツイッターよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が7日午後、東倉里(トンチャン二)西海衛星発射場で「極めて重大な実験」を行ったと、官営「朝鮮中央通信」が8日付で報じたが、まだ当該試験の具体的な内容を含めた後続報道を出していない。北朝鮮の住民たちが毎日読む「労働新聞」に試験事実自体が載っていない点も注目される。韓国政府も、北朝鮮の試験の具体的な内容について発言を控えている。北朝鮮が「年末の時限」を強調し、米国と「破局か交渉か」をめぐる神経戦を繰り広げて緊張が高まる状況で、南北ともに慎重な姿勢だ。

 通常、北朝鮮は新型兵器などを実験した後、翌日に実験内容を写真や映像とともに「労働新聞」や「朝鮮中央放送」を通じて人民に詳しく伝えてきた。今年5月4日から11月28日まで計13回にわたって新型兵器を発射実験をするたびに、「労働新聞」1、2面にその内容を詳しく取り上げた。ところが、今回は「重大な試験」を行ったと意味づけしながらも、後続報道や対内公開を行わない背景に関心が集まっている。

 9日、政府当局者や北朝鮮専門家らの分析を総合すると、その理由は大きく三つに分けられる。

 第一に、北朝鮮が8日の発表で明らかにしたように、今回の実験の結果が党中央委員会に報告され、今月末に開かれる全員会議で公開される予定であるため、事前に発表しなかったという指摘だ。第二に、北朝鮮が米国に「新たな計算法」を求めて提示した年末期限が残っている状況で、米国との交渉余地を残しているという分析もある。第三に、国防科学院報道官は、該当実験が「遠くない未来に」北朝鮮の「戦略的地位をもう一度変化させる上で、重要な役割をするだろう」と述べたが、年末まで追加の実験があり得るため、まだ公開していない可能性もある。米国との交渉可能性が残っていると判断しながら、様々な可能性を考慮した“戦略的曖昧さ”であり、“多目的布石”とも言える。イ・ジョンチョル崇実大学教授は「12月末まで交渉の余地が残っている状況で、メッセージ管理をしたものと見られる」とし、「戦略的地位と密接に関連する技術を具体的に公開した瞬間、全員会議の結果を事前に出すことになるため、シグナルだけを送って状況を見極め、全員会議の時までも米国の態度変化がなければ新しい道を公式化しようとするもの」だと話した。ある政府当局者も「対米圧力のために西海衛星発射場を強調したものとみられる」と語った。キム・インテ国家安保戦略研究院責任研究委員は「対外情勢を内部に詳しく伝えることには負担を感じるようだ」とし、「米国首脳と三回会った金正恩(キム・ジョンウン)の対外業績が損なわれる面があり、不利と判断した可能性もある」と分析した。

 韓国政府も、不必要に北朝鮮を刺激しないため、慎重な態度を示している。チェ・ヒョンス国防部報道官は9日の定例ブリーフィングで、軍当局が把握している北朝鮮の7日の実験について「韓米は緊密な協力のもとに綿密に監視し、注視している」とし、具体的内容は「韓米情報当局が精密分析中であるため、確認することはできない」と述べた。大統領府関係者は「7日、韓米首脳が電話会談を行っており、朝米間の問題もあるため、複合的な状況」だとし、「(立場を)表明する特別な理由がない」と述べた。

ノ・ジウォン、ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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「新たな道」を模索すると北朝鮮が予告した年末期限が迫る中、金正恩委員長が「新たな道」に進むのに必要な内部整備に拍車をかけているものと見られる。

2019-12-05 | 米朝対話

[ニュース分析]金委員長、

再び白頭山で「自力更生」強調…年末の重大決定を予告

登録:2019-12-05 00:46 修正:2019-12-05 07:45

「白頭山」構想で情勢を揺さぶる準備 
今月下旬に労働党中央委員会を召集 
「経済総力集中」路線を再確認し 
人工衛星カードで対米示威する可能性も

 
北朝鮮の金正恩国務委員長が軍幹部らと共に軍馬に乗って白頭山に登ったと、朝鮮中央通信が4日付で報道した。金委員長の右側に李雪主夫人も見える/朝鮮央通信・聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が白頭山(ペクトゥサン)の天池に登り、「自力更生の不屈の精神力」を呼びかけると共に、「自力富強、自力繁栄路線」を繰り返し強調した。さらに「重大な問題を討議決定」する朝鮮労働党中央委員会第7期第5回全員会議を12月下旬に開くと明らかにした。2018年から二年間にわたり続けてきた対米交渉路線に変化をもたらす“重大な決定”を予告したわけだ。

 米国が「新たな計算法」を提示せず、「制裁と圧迫」を固守するなら、「新たな道」を模索すると北朝鮮が予告した年末期限が迫る中、金正恩委員長が「新たな道」に進むのに必要な内部整備に拍車をかけているものと見られる。

 金委員長は「朝鮮革命の発展と変化した国内外の情勢に合わせ、重大な問題を討議決定するため」、今月下旬に労働党中央委員会全員会議を開くと述べた。北朝鮮が選択する「新たな道」の内容は、この全員会議や2020年の新年の辞を通じて具体的に示されるものと予想されるが、最近の金委員長の言動からその内容を類推してみることもできる。

 今月に入ってから金委員長の動きは大きく分けて二つの軸をなしている。一つめの軸は3日、白頭山の三池淵郡(サムジヨングン)の第2段階工事完成式と咸鏡北道鏡城郡(キョンソングン)の衆評野菜温室農場、養苗場操業式への出席で、民生分野の“成果”を宣伝することに焦点が当てられた。二つめの軸は、時期を明らかにしなかった「白頭山地区革命戦跡地」の訪問と天地登頂で、対米戦略を整えることに重点をおかれた。

 
北朝鮮の金正恩国務委員長が「白頭山地区革命戦跡地」を視察したと、朝鮮中央通信が4日付で報道した/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 この中で注目が集まるのは、金委員長の「白頭山構想」だ。朝鮮半島情勢の流れに重大な影響を与えるためだ。まず重要なのは「自力富強、自力繁栄路線」の再確認だ。もう一つは「白頭の革命伝統は朝鮮革命の唯一無二の伝統」だとし、「パルチザンの血に染まった歴史」を喚起した部分だ。金委員長は今回の白頭山訪問で、パク・ジョンチョン朝鮮人民軍総参謀長ら軍首脳部とともに、「軍馬に乗って白頭山大地を力強く走り、パルチザンの血に染まった歴史を熱く抱いた」と、「労働新聞」が報じた。内部的には今年の新年の辞で明らかにした「自力更生の旗印を高く掲げた社会主義建設」、対外的には「パルチザン精神」に基づき、武力誇示を交えた対米対応基調をほのめかしたものと見られる。

 金委員長が「自力富強、自力繁栄路線」を「生命線として固く握りしめて」と強調したのは、「新たな道」を歩いても、昨年朝鮮労働党中央委第7期第3回全員会議で決定した「社会主義経済建設総力集中」という国家発展戦略路線を変えないことを示唆したものと言える。「経済・核建設並進路線」への回帰を予想する専門家もいるが、その可能性は低い。「経済・核並進」から「経済集中」へと戦略路線を変える際に掲げた理由が、「国家核武力の完成」と「世界的な核強国」であることから、並進路線に戻るのは辻褄が会わないからだ。さらに、並進路線への回帰は「国家経済発展5カ年戦略」(2016~2020年)を揺さぶる結果となり、金委員長の統治基盤を損ねる恐れがある。金委員長は最近、「自力富強、自力繁栄」が「不変の発展針路」だと強調してきた。

 南北関係と北朝鮮核問題の外交経験が豊富な元高官らは、金委員長が適切な時期に「人工衛星の打ち上げ」で北東アジアの状況を揺さぶろうとする可能性があると見通している。「金委員長が核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射カードを使う可能性は相対的に低い。ただし、人工衛星打ち上げカードの使用は排除できない」と指摘する。核実験の際は中国とロシアの積極的な協力・支援を受けることが難しくなるためだ。人工衛星の打ち上げは、大陸間弾道ミサイルと基盤技術が同じであり、国連制裁の対象となるが、北朝鮮は「主権国の宇宙空間の平和的利用の権利を侵害する」と主張してきた。元高官は「金委員長の最近の行動は強力な対米示威だが、米国という国がこのようなやり方では動かないことに問題がある」とし、「危機指数が急速に高まっているのに、状況を変えるきっかけが見つからない」として、懸念を示した。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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来年の大統領選挙を控え、北朝鮮と対決局面に戻ることは、トランプ大統領にとっても得策ではない。

2019-12-05 | 米朝対話

トランプ大統領が「軍事力・ロケットマン」に言及した理由とは?

登録:2019-12-05 00:43 修正:2019-12-05 07:56

 
今月3~4日(現地時間)、英ロンドンで開かれる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席した米国のドナルド・トランプ大統領/EPA・聯合ニュース

 北朝鮮が米国に「新たな計算法」の期限として提示した年末が迫る中、朝米が神経戦を繰り広げている。北朝鮮の相次ぐミサイル・放射砲の発射と対米談話に続き、ドナルド・トランプ大統領が軍事力使用の可能性まで言及し、緊張が高まるのではないかという懸念の声もあがっている。

 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するため、英国のロンドンを訪問したトランプ大統領は3日(現地時間)、北朝鮮と関連した記者団の質問に答え、最近2年間自粛してきた言葉を口にした。トランプ大統領は、「金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員と数回会ったにもかかわらず、北朝鮮はなぜ核開発計画を続けるのか」という質問に対し、「我々は良い関係を保っている」としたうえで、「彼はもちろんロケットを発射することが好きだ。私が彼を『ロケットマン』と呼ぶのも、そのためだ」と答えた。トランプ大統領は「今、我々はいつになく強力な軍隊を持っている。それを使う必要がないことを望んでいるが、使わなければならないなら、使う」と述べた。

 こうした発言は、金委員長との“良好な関係”を強調し、非核化の約束の順守を促す過程で出た。トランプ大統領としては、年末が近づくにもかかわらず非核化交渉に進展が見られず、北朝鮮の低いレベルの反発と攻撃的談話が相次ぐことへの不満を表わしたものと見られる。ホン・ミン統一研究院北朝鮮研究室長は、「トランプ大統領が計画的に行った発言ではないと思う」としたうえで、「北朝鮮がミサイル発射を続けており、対話に応じないことに対する苛立ちをぶつけたもの」だと分析した。キム・ジョン北韓大学院大学教授は、「(北朝鮮が)交渉の継続を困難にする状況をつくることを牽制するためと見られる。来年の選挙を控え、弾劾問題を鎮静化し、共和党内部を結集させる効果も狙ったかもしれない」と述べた。しかし、来年の大統領選挙を控え、北朝鮮と対決局面に戻ることは、トランプ大統領にとっても得策ではない。「世界最強の米軍」に言及することで、北朝鮮に弾道ミサイルや核実験などの“レッドライン”を超えないよう警告する意味もあるものと見られる。

 朝米の緊張がどこまで高まるかは、トランプ大統領の発言に対する北朝鮮の反応にかかっている。北朝鮮としては、軍事力の言及に刺激を受けるかもしれない。トランプ大統領が制裁解除などは示さず先に非核化すべきという態度を再確認したことにも失望した可能性もある。米国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表は、「(北朝鮮が)以前の挑発的な段階に戻る可能性がある」と述べた。ただし、トランプ大統領と金委員長いずれも、これまで築いてきた関係を壊し、破局に向かうことに危険を感じているため、年末か年明けに朝米接触が実現する可能性は残っている。

 ビーガン代表は同日、韓国国際交流財団ワシントン事務所の年末行事に出席し、「現時点では我々が希望したほどの進展はない」としながらも、「我々は諦めておらず、我々がやっていることを諦めるつもりはない」と述べた。トランプ政権は、北朝鮮の言う「年末期限」について、「それは北朝鮮のデッドラインであって、我々が設定したものではない」として、深刻に捉えない態度を示している。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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国連の北朝鮮人権決議案の採択を「米国が我々を孤立・圧殺するための敵視政策に依然として執着していることを裏付けている」

2019-11-18 | 米朝対話

北朝鮮「米国が敵視政策を撤回せねば、核問題協議できない」

登録:2019-11-18 03:36 修正:2019-11-18 08:15

北朝鮮、国連北朝鮮人権決議採択を非難 
外務省報道官談話を発表 
国連決議は「米国の敵視政策への執着を裏付けるもの」 
「朝米対話が開かれても敵視政策の撤回の問題が議題になるまで 
核問題の協議は絶対ないだろう」と主張

北朝鮮の金正恩国務委員長が元山葛麻飛行場で開かれた「朝鮮人民軍航空および反航空軍飛行指揮成員らの戦闘飛行術大会2019」を参観したと「労働新聞」が16日報道した。金正恩委員長は2014~17年は毎年この行事を「指導」したが、2018年には関連報道がなく、今回は「指導」ではなく「参観」へと関与の水準を調節した。朝米交渉などを念頭に置いた「強度の圧迫」の動きとみられる。写真は金委員長が大会を見ながら幹部たちと対話している様子/聯合ニュース

 北朝鮮外務省報道官は17日、「これから朝米対話が開かれるとしても、米国が敵視政策を撤回する問題が対話の議題になるまで、核問題が協議されることは絶対にないだろう」と述べた。裏を返せば「敵視政策の撤回と核問題の論議」が可能であるという意味でもある。

 北朝鮮外務省報道官は、「朝鮮中央通信」を通じて発表した談話で、国連の北朝鮮人権決議案の採択を「米国が我々を孤立・圧殺するための敵視政策に依然として執着していることを裏付けている」として、このように述べた。

 外務省報道官は、国連の北朝鮮人権決議案の採択をめぐり、「朝米関係が絶妙な曲がり角に差し掛かった現在のような敏感な時期に、米国が我々を再び刺激する政治的挑発を仕掛けてきたことに対して、我々は覚醒を持って対応している」と主張した。外務省報道官は、「我々にはこのような相手とこれ以上向かい合う意欲がない」としながらも、「朝米対話が開かれ、敵視政策の撤回問題が議題になるなら」という条件を付けることで、“対話の断絶”ではなく、本格的な朝米交渉を控えた神経戦を予告した。

 これに先立ち、14日(現地時間)に開かれた第74回国連総会第3委員会は、北朝鮮人権決議案を表決なしに「コンセンサス」(全員同意)で採択したが、欧州連合(EU)が草案を作成して米国や日本など61の加盟国が共同提案国に名を連ねた。韓国は2008年以降11年ぶりに共同提案国への参加を見送った。韓国政府は「現在の朝鮮半島情勢など諸般の状況を総合的に考慮した」と説明した。

 
2014年11月18日、国連総会第3委員会で北朝鮮人権決議案が採択される中、票決結果が会議場大画面に映し出されている//ハンギョレ新聞社
イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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4月12日、最高人民会議の施政演説で「年末まで待ってみる」として北朝鮮の非核化に相応する米国の見返り、特に北朝鮮に対する制裁の解除を念頭に置いた時限を定めた。

2019-10-28 | 米朝対話

金英哲氏、再び全面登場

「永遠の友人はいない」トランプ氏を圧迫

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.10.28 09:41
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金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長(対南担当)が27日「米国が時間を引き延ばしてこの年(今年)末を無難に越してみようと考えるなら愚かな妄想」と主張した。自身が担当している労働党統一戦線部外郭団体である朝鮮アジア太平洋平和委員会の委員長名義でまとめた談話でだ。

金英哲氏は「何度も脱線されよじれるところだった朝米関係がそれなりに維持されているのは金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とドナルド・トランプ米大統領間の親密な関係のおかげ」としながらも「すべてのことには限界があるもの」と話した。引き続き「(米朝首脳間)親密な関係は決して民心を無視することができず、朝米関係の悪化を防止したり補償したりするための担保ではない」として「米国が自国の大統領とわが(北朝鮮の)国務委員会委員長の個人的な親密な関係を前面に出して時間を引き延ばして今年末を無難に越してみようと考えるならそれは愚かな妄想」と明らかにした。同時に「永遠の敵も永遠の友もいないという外交的名句が永遠の敵はいても永遠の友人はいないという格言に変わらないことを願う」と強調した。「年末を賢明に越す姿が見たい」〔24日、金桂冠(キム・ゲグァン)外務省第1次官外務省顧問〕「永遠の友人はいない」と威嚇の度合いを高めたものだ。

今年初めまで党副委員長兼統一戦線部長資格で米朝交渉を率いてきた金英哲氏が対米関連活動に乗り出したのは2月、ベトナム・ハノイ第2次米朝首脳会談決裂以来8カ月ぶりだ。金正恩氏の特使としてトランプ大統領に2回会って首脳会談を確定し、「実力者」であり「陰の権力者」とされていた金英哲氏はハノイ会談決裂直後統一戦線部長から退く(4月)など権力核心から排除される雰囲気だった。そうした金英哲氏が22日、海外同胞事業国創立60周年報告会の出席に続き、米朝関係に言及して再登場したのは北朝鮮がハノイ衝撃から抜け出して「年末時限」を貫くために総攻勢に出たことを示唆する。

韓国政府当局者は「金委員長が時限として定めた年末が近づき、対南、対米総攻勢に出る模様」と話した。金正恩委員長は4月12日、最高人民会議の施政演説で「年末まで待ってみる」として北朝鮮の非核化に相応する米国の見返り、特に北朝鮮に対する制裁の解除を念頭に置いた時限を定めた。

高位北脱出者出身である韓国国家安保戦略研究院のキム・インテ責任研究委員は「北朝鮮が金桂冠外務省第1次官(外務省)顧問や金英哲アジア太平洋委員長を前面に出したが、談話は米国に向かった金正恩委員長の意向」と分析した。11月中旬以降始まる年末の評価総和と新年の辞の準備に必要な「成果」のために焦りを見せているということだ。

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朝米協議の北朝鮮側首席代表として知られる外務省のキム・ミョンギル巡回大使はこれについて、「実現可能なものから段階的に解決していくことが最上の選択」と述べた。

2019-09-23 | 米朝対話

[社説]文大統領訪米、北朝鮮の核「新たな解決策」見出す契機に

登録:2019-09-23 02:00 修正:2019-09-23 02:02
 
 
文在寅大統領とキム・ジョンスク女史が22日午後、ソウル空港で米国への出国を前に手を振っている/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が22日、国連総会出席とドナルド・トランプ米大統領との首脳会談のために米ニューヨークに向けて出国した。26日までの3泊5日の日程で行われる今回の訪米は朝米実務協議が迫るなかで行われるものであり、いつにもまして注目される。また韓日の対立が続いており、韓米防衛費分担金交渉がまもなく再開されるなど敏感な懸案事項が多い。文大統領が24日(現地時間23日)に予定されるトランプ大統領との首脳会談において、北朝鮮の核問題解決に向けた踏み込んだ案を模索することにより、朝米交渉が順調に進む契機を作ることを期待する。

 文大統領の訪米を控え、朝米はいわゆる北朝鮮核問題の解決に向けた「新たな方法」を云々して期待を高めている。トランプ大統領は最近、「3年間でこの国に起きた最も良い出来事は、私が金正恩と非常にいい関係にあるということ」と述べて、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に融和ジェスチャーを送っている。また、「リビア方式」を主張したジョン・ボルトン前国家安保担当大統領補佐官を批判しつつ、「ことによると新しい方法は非常に良いかもしれない」と述べている。トランプ大統領が述べた「新しい方法」が何なのかは明確ではないが、「先に核廃棄、後で補償」というリビア方式に対する北朝鮮の強い反発を意識したもののようだ。

 朝米が実際の交渉で「新しい方法」を模索するかどうかはまだ不透明だ。朝米協議の北朝鮮側首席代表として知られる外務省のキム・ミョンギル巡回大使はこれについて、「実現可能なものから段階的に解決していくことが最上の選択」と述べた。これは2月のハノイ会談の際、寧辺(ヨンビョン)核施設廃棄と対北朝鮮制裁の一部を交換しようとした北朝鮮の方式と同様である。米国は当時、最終段階を含むすべての核・ミサイル凍結などの包括的合意を要求し、交渉は物別れに終わった。まだ朝米が従来の方式を変えたと見るのは難しいが、新しい方法に言及していることには期待が持てる。

 朝米が新たな解決策に言及しているだけに、文大統領の「促進者」としての役割はさらに重要になっている。北朝鮮の非核化措置と米国の相応の措置が段階的に実現するにしても、非核化の包括的展望がより明確になるよう、文大統領は米国と北朝鮮を説得する必要がある。米国が段階的な解決策をもって一歩あゆみよってきたならば、北朝鮮は包括的なロードマップをより具体化すべきだ。韓米両首脳が今回の会談を通じて、北朝鮮核問題の創意的な解決策づくりにさらに一歩近づくことを期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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スミス所長は「一つの大きな障害物を除去したと見られる。前に進める信号が点ったと考える」と話した。

2019-09-17 | 米朝対話

「朝米実務交渉過程で非核化の明確な定義が重要」

登録:2019-09-16 20:45 修正:2019-09-17 07:34

ダン・スミスSIPRI所長 記者懇談会 
 
北非核化の真正性?「ひとまずイエス」と答弁 
「ビーガン‐チェ・ソンヒの9月の協議は肯定的 
必要ならば私たちの研究所も支援提供 
ボルトン更迭で大きな障害物除去」評価も

 
ストックホルム国際平和研究所のダン・スミス所長(右)が9月16日、ソウル市城北区の駐韓スウェーデン大使官邸で開かれた記者懇談会で、記者たちの質問に答えている=ノ・ジウォン記者//ハンギョレ新聞社

 「朝米首脳間で会談が成功するには“基礎作業(ground work)”が必須だ。実務交渉を通じて首脳会談に至ると予想する」

 ストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute=SIPRI)のダン・スミス所長は16日、ソウル市城北区(ソンブクク)の駐韓スウェーデン大使官邸で、ヤコブ・ハルグレン駐韓スウェーデン大使の司会で開かれた記者懇談会で、9月末に予想される朝米実務交渉に対して「昨年私たちが見た一連の発展過程の延長線で、重要な礎石となる実務交渉になるだろう」としてこのように話した。この研究所は、今年1月末にスウェーデン外交部とともにスウェーデンのストックホルムでスティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表とチェ・ソンヒ北朝鮮外務省第1次官、イ・ドフン外交部朝鮮半島平和交渉本部長など北朝鮮核交渉に関与する南北米の実務者の初の会合も取りまとめた。

 この日の懇談会でスミス所長は「今年起きる一連の事件が、果たして朝鮮半島が平和に向かう道の一部になるのか、多くの努力の中の一つに終わるのかは現時点では分からないが、南北米それぞれが会って対話をしたという点で転換点になる可能性が大きい時期だ」と見通した。特に9月末に予想される朝米交渉実務者の協議に対して「ビーガン代表とチェ次官が9月末に会うことは肯定的」だとして「鼓舞的なのは(対話しようとする)努力が続いていることだ。研究所もこの状況を注意深く見ている。必要ならば支援を提供する意志もある」と付け加えた。ただし、実務交渉が今年1月のようにスウェーデンで開かれる可能性については「どんなことでも起こりうるが、率直に言って話がどうなっているか分からない」と答えた。

 彼は北朝鮮核交渉で非核化について定義することの重要性を強調した。彼は、北朝鮮には非核化しようとする真正性があるのかを尋ねる記者の質問に「ひとまずイエス」と肯定しながらも「私たちが願う非核化や平和がどんな意味なのかについて考えなければならない。まだ(朝米交渉の過程で)最も重要な非核化の定義もできていない」と答えた。特にスミス所長は、朝米対話が実を結ぶためには“プロセス”が重要だという点を強調した。ドナルド・トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の信頼関係によりトップダウン形式で対話が進展してきた事実にも意味はあるが、実務者が具体的に意見をやり取りし、交渉を進展させていってこそ実を結ぶことができるということだ。彼は「前回のハノイ朝米首脳会談で、朝米は共同声明発表のための記者会見を準備しておいて取り消した」として「(ハノイ合意決裂を通じて)朝米は望む結果を得るためには多くの時間がかかる具体的な準備過程が必要だということを改めて知ることになった」と指摘した。

 一方、朝米交渉で議論される北朝鮮に対する安全保障が南側に駐留している在韓米軍などにどのような影響を及ぼしうるかについて、スミス所長は「(朝米が導出しうる)平和協定が南側に駐留する米軍の軍事力に制限を加えることもありうると考える」としつつも「ただし米軍は必ずしも北朝鮮のためだけでなく、中国やロシアなどこの地域で米国が持っている安保的関心事によって駐留している。日本、オーストラリア、ニュージーランドなど多様な国家が関わっていることなので、北東アジアの安保問題をどのように議論するかは注意を要する繊細な問題だ」と指摘した。米国が北朝鮮の非核化に対する相応の措置として、体制に対する安全保障を約束するということ自体が北朝鮮の人権侵害状況に米国が免罪符を与えることではないかという指摘に対しては「北朝鮮との平和交渉が、北朝鮮の道徳性を認めることだとは考えない。多くの国家がお互いの方式に同意しなくても平和協定が結ばれたケースがある。平和協定が人権問題の解決に進む段階だと考える」と答えた。

 最近、対北朝鮮強硬論者のジョン・ボルトン国家安保担当大統領補佐官が退いたことが、朝米交渉において良い兆しと見ることができるかと尋ねた記者の質問に、スミス所長は「一つの大きな障害物を除去したと見られる。前に進める信号が点ったと考える」と話した。北朝鮮が持続的に米国に要求している「新しい計算法」については、「レトリックだと考える。結局、北朝鮮は米国の態度の変化、アプローチ方式の変化を要求している」と話した。ストックホルム国際平和研究所は、国際安保、核拡散防止および葛藤・紛争研究のための独立的国際機関であり、1966年に設立された。この分野に関連した各種情報、分析資料、政策勧告事項を、政策立案者をはじめとする研究者、マスコミなどに提供している。スミス所長は、非核化をはじめ気候変動や安保脅威、中東地域の平和と安保、グローバル紛争のトレンドなどに焦点を置いて研究および著述活動をしている。研究所の所長を引き受ける前の2014~2017年には、国連平和構築基金の諮問機関の委員長および委員、英国の平和構築非営利団体であるインターナショナル・アラート(International Alert)事務総長、1999~2001年にはオスロ国際平和研究所長などを務めた。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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北朝鮮は、今回の訓練を「長距離打撃手段を動員した火力打撃訓練」と明らかにした。

2019-05-11 | 米朝対話

北朝鮮が亀城で発射したのも“イスカンデル”と推定

登録:2019-05-10 22:35 修正:2019-05-11 07:34

4日、虎島半島で発射した飛翔体と同一 
試験発射に続き信頼性と安定性を検証したもよう 
合同参謀「弾道ミサイルか否かは追加分析が必要」 
北朝鮮「長距離打撃手段を動員した火力打撃訓練」

北朝鮮が9日、金正恩国務委員長の指導の下に朝鮮人民軍前方および西部戦線防御部隊の火力打撃訓練をしたと「朝鮮中央通信」が10日報道した。「北朝鮮版イスカンデル」と推定される発射体が、移動式発射車両から空中に飛び立っている//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が9日、平安北道の亀城(クソン)で発射した飛翔体は、5日前に元山(ウォンサン)の虎島(ホド)半島で発射した戦術誘導兵器と、発射方式や弾体の形が同じであることが分かった。相当数の軍事専門家は、当時この発射体を「北朝鮮版イスカンデル」と呼ばれる短距離ミサイルと推定した。合同参謀本部は10日、この発射体に対する評価を短距離ミサイル“推定”から“判断”へ修正した。しかし、このミサイルが弾道ミサイルなのか否かについては、飛行特性と発射角度、射的距離、速度に対する追加分析が必要だとし、慎重な態度を見せた。

北朝鮮、短距離ミサイルを推定される飛翔体2発を発射=資料:合同参謀本部//ハンギョレ新聞社

■「北朝鮮版イスカンデル」の実戦能力を検証したか

 北朝鮮がこの日、朝鮮中央通信を通じて、9日に前方および西部戦線防御部隊の長距離打撃訓練を実施したと明らかにして公開したミサイルの写真を見れば、外形がロシアの短距離ミサイル「イスカンデル」と似ていた。北朝鮮が同じ種類のミサイルを4日に虎島半島で初めて発射し、9日には亀城でさらに2発を撃ったと見られる。北朝鮮は、概して東海(トンヘ)側でミサイルを試験発射した後に、西海(ソヘ)側から内陸部を横断する方式でミサイルの信頼性と安定性を検証しているという。

 合同参謀は、ミサイルのうちの1発は420キロメートル、残りの1発は270キロメートルを飛行したと推定した。前日までミサイルの最高高度を50キロメートルと推定していたが、この日の国会報告を通じて45~50キロメートルに修正した。写真に現れた移動式発射車両(TEL)は軌道型で、4日に捉えられたタイヤ型ではなかった。軌道型の発射車両は、河川や山のような険しい所でも機動性に優れ、タイヤ型より進歩した型と評価される。

■「弾道ミサイルか否かは追加分析が必要」

 合同参謀は、このミサイルが弾道ミサイルか否かについては判断を留保した。弾道ミサイルは、発射後に大気圏内外まで上昇し弾道を描いて飛行するミサイルを指す。北朝鮮が今回発射したミサイルが弾道ミサイルならば国連決議案に違反したことになる。

北朝鮮が9日、金正恩国務委員長の指導の下に朝鮮人民軍前方および西部戦線防御部隊の火力打撃訓練をしたと、朝鮮中央通信が報道した。訓練には「北朝鮮版イスカンデル」と推定される発射体の他に、240ミリ放射砲と新型自走砲と見られる兵器も動員された/聯合ニュース

 北朝鮮が今回発射したミサイルは、射程距離が短く高度が低いため、弾道ミサイルと規定するには追加分析が必要だという。特に、最終段階で精密な誘導がなされた点は、目標を正確に打撃する戦術ミサイルの特徴に近いと伝えられた。軍関係者は「一般的に、弾道ミサイルは正確度が高くなく、大量破壊を目的に使われる」として「今回のミサイルがそれに符合するかは確かめてみる必要がある」と話した。国家情報院もこの日、国会報告で「今までの分析パターンになじまない新型兵器体系である可能性があり、分析に時間がかかっている」と明らかにしたと伝えられた。

 韓国軍当局は、米国防部が今回のミサイルを弾道ミサイルと規定したという外信に対しても「公式立場でないと理解している」として線引きした。韓国軍関係者は「北朝鮮が撃った発射体を、現時点では短距離ミサイルと見ている」として「これは韓米共同の評価」と強調した。

■ 打撃訓練なのか武力挑発なのか

 北朝鮮は、ミサイル発射の後、近隣地域で砲射撃も実施した。朝鮮中央通信が公開した写真には、240ミリ放射砲と152ミリ自走砲が登場する。北朝鮮が昨年9月の政権樹立70周年閲兵式で披露した152ミリ自走砲は、射程が40キロメートルを超えるという。北朝鮮が在来式戦力の改良にも力を注いでいることを示している。240ミリ放射砲は、西海側に向かったと国家情報院は報告した。

 北朝鮮は、今回の訓練を「長距離打撃手段を動員した火力打撃訓練」と明らかにした。4日に実施した訓練を、長距離大口径放射砲と戦略誘導兵器を動員した火力打撃訓練と呼んだことと類似している。ハノイでの朝米首脳会談以後、米国のアプローチを修正することを圧迫し、韓米合同演習への牽制、内部結束力の強化など多目的布石を念頭に置いたと分析される。

ユ・ガンムン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「ポンペオ長官とボルトン補佐官の対北朝鮮発言がますます強硬になっていることを受け、それに負けじと神経戦を繰り広げているものと見られる」

2019-04-21 | 米朝対話

北朝鮮、「ポンペオが入ると話がこじれる」

登録:2019-04-19 06:33 修正:2019-04-19 08:33

北朝鮮外務省米国局長  
「より円熟した人物を出してほしい」  
公式機関ではなく、個人の立場を借りて 
遠回しに交渉窓口の交代の必要性を提起  
米国の対北朝鮮強硬発言に対抗して神経戦繰り広げる

 
北朝鮮の金正恩国務委員長とドナルド・トランプ米大統領が2月27日、ベトナム・ハノイのメトロポルホテルで第2回首脳会談の「親交を深めるための晩餐」を行った。トランプ大統領の右から2番目がポンペオ国務長官//ハンギョレ新聞社ス

 北朝鮮が米国のマイク・ポンペオ国務長官とジョン・ボルトン国家安保補佐官の最近の対北朝鮮強硬発言に対抗し、米国の対北朝鮮「代表交渉窓口」の交代の必要性を遠まわしに提起した。

 北朝鮮外務省のクォン・ジョングン米国局長は「米国との対話が再開された場合でも、私はポンペオ(国務長官)ではなく、我々との意思疎通がより円満で、円熟した人物が対話の相手になることを望んでいる」と述べたと、「朝鮮中央通信」(中通)が18日付で報じた。クォン・ジョングン局長は中通の記者との問答形式を借りて、「うまく進んでいる場合でも、ポンペオが入ると話がこじれ、成果なしで終わったりする。私が憂慮するのは、ポンペオが会談に関与すると、またも状況がややこしくなり、話がこじれる恐れがあるということだ」とし、このように述べた。

 クォン局長の発言には、朝米交渉における米国の代表窓口を、ポンペオ長官ではなくほかの人に替えてほしいというメッセージが含まれている。ただし、北朝鮮側の対米交渉窓口の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長やチェ・ソンヒ外務省第1次官の実名談話や外務省報道官談話など、公式性の高い方式を避けたうえ、クォン局長が主張の主体を「共和国(北朝鮮)」でななく、「私」に限定したことから、「公式の交代要求」と見るのは難しい。しかし、北朝鮮側が今後「ポンペオ長官の交代要求」を公式化する場合、朝米交渉など朝鮮半島情勢への悪影響は必至だ。ポンペオ長官は米国の対外政策の総括責任者であるからだ。

 北朝鮮事情に詳しい元高官は「ポンペオ長官とボルトン補佐官の対北朝鮮発言がますます強硬になっていることを受け、それに負けじと神経戦を繰り広げているものと見られる」とし、「神経戦がさらに悪化し、実際の衝突に飛び火しないよう、韓国政府が積極的な役割を果たさなければならない」と述べた。これに先立ち、チェ・ソンヒ第1次官も3月15日、平壌(ピョンヤン)駐在の外国公館長らを対象にしたハノイでの第2回朝米首脳会談の説明会で、「米国務長官のポンペオやホワイトハウス国家安保補佐官のボルトンは、既存の敵対感と不信の感情から、両首脳間の建設的な交渉努力に障害を作った」と批判した。

 クォン局長は、金正恩国務委員長が12日の最高人民会議での施政方針演説で明らかにした「対米立場に込められた意味」が、「米国は我々を核保有国に追い込んだ根源、非核化を妨げる障害物を、自らの手で今年末まで片づけなければならないということ」だと説明した。「対北朝鮮敵視政策」を年末以前に変えるなど、米国が先に行動することを求めているということだ。

 ただし、クォン局長は「幸いなことは、我が(金正恩)委員長がトランプ大統領と親しくしていることを喜ばしく思っていることだ」と強調した。“トップダウン方式”の交渉に対する望みを示したものと言える。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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