田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

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映画 レスラー №307

2021-04-28 16:49:07 | 映画観賞・感想

 映画評論家の芝山幹郎氏が「本気で泣ける映画」に推薦した映画の1本である。本作「レスラー」は先日観賞した「ミリオンダラー・ベイビー」とずいぶん重なるところがある映画だなぁ、と思いながら観た映画だった…。

          

 雑誌「文藝春秋」5月号で、「『コロナ自粛』を吹っ飛ばせ!」という特集記事が載っていた。その特集の一つに映画評論家の芝山幹郎氏「本気で笑える映画、泣ける映画」と題する記事を寄稿し、それぞれ5本ずつ、計10本を推薦している。

 その中の「泣ける映画」の5本とは、4月18日にレポした①「ミリオンダラー・ベイビー」、②「自転車泥棒」、③「レスラー」、④「ビーチ・バム」、そして邦画から⑤「二十四の瞳」だった。そこで早速レンタル店に行ったところ「ミリオンダラー・ベイビー」と「レスラー」は借りることができたが、「自転車泥棒」はレンタル中、「二十四の瞳」は在庫がなくレンタル対象となっていなかった。そして「ビーチ・バム」は今年の4月30日封切という新作だった。

 さて映画「レスラー」であるが、2008年公開の映画であるが、主人公のランディ・ロビンソン(ミッキー・ローク)は1980年代、プロレス界の人気レスラーだった。年老いてもリングに上がり続けたものの、長年のステロイド剤の使用が祟りリング上で心臓発作を起こし倒れてしまう。そこでランディは人生を立て直そうと長年疎遠となっていた娘との仲を取り戻そうとするものの上手くいかなかった。さらなる不運にも彼は襲われ、半ばやけばちとなったランディは危険な体をおしてリングに還っていくのだった。そこに待っていたこととは??

   

 リード文でこの映画が「ミリオンダラー・ベイビー」と共通点が多いと記したが、それは主人公の二人は若い時は家庭を顧みずに奔放に生きてきて、両者ともに離婚して独り身である。自らの老いを感じ始めた時、肉親である娘との仲を取り戻そうとするが上手くいかない、という共通点があった。

 これはいったい「泣ける映画」なのだろうか?という率直な感想である。別に芝山氏の見解に異議を申そうとは思わないが、この二つの映画においては主人公の放埓な生き方が招いたある種当然の帰結のようにも思うのだが…。「ミリオンダラー・ベイビー」においては主人公の過去ついては詳細には語られていないが、観る者にそう想像させるものがあったし、一方の「レスラー」においては、明らかに妻や娘がついていくことのできない生き方をしてきた。

 しかし、男は年老いた時に身寄りがいない、頼る人がいない、という侘しさを女性以上に感ずるのかもしれない。男は強くて、弱い存在なのかもしれない…。う~ん。こんなことを書くと、ジェンダーフリー論者から突っ込まれるかもしれないなぁ…。

   

 さて、残りの「本気で泣ける映画」だが、「自転車泥棒」はぜひともゴールデンウイーク中に観ることができたらと思っている。「二十四の瞳」は過去に観た記憶があるのでレンタルできないこともありパスする。また「ピーチ・バム」は映画館で観る勇気がないので、しばらく様子を見たい。

 「本気で笑える映画」の方は、1本観てみたのだがどうも私には合わないような気がしたので、こちらはパスすることにする。