2時間10分もかけ、疲労困憊の末に辿り着いた北海道最高峰の旭岳(2291m)だったが、まったく眺望はきかなかった。湿気を含んだ強風が吹き付け休むのもままならない。私たちは早々に次の間宮岳、中岳目ざして出発した。そこに疲労した私を助ける思わぬ助け舟が待っていた…。
何一つ見えない頂上だった。
湿気をたっぷり含んだ強風が吹き付け、休むのもままならない。達成感を味わう余裕もない。しかし、これも登山の一つの姿である。貴重な経験をさせてもらったと解釈しよう。
旭岳山頂で15分休んだだけで9時05分、間宮岳に向かって下山を開始した。
かなりの急斜面の下りである。私の前を往く女性二人が「こんなに急角度とは思ってもいなかった」と云いながら、慎重に慎重に下っていく。私たちのパーティの中で女性たちを追いこさないことが不文律となっていたため、疲労していた私には助かるペースであった。
※ 旭岳から間宮岳に向かって恐る恐るの下りが続いた。
かなり高度が下がったところには雪渓も待っていた。雪渓への入り口と出口ではリーダーがしっかりとサポートしてくれる。
30分も下ったろうか?少し平坦なところに出ると、いろいろな高山植物の花が目に入ってきた。メアカンキンバイ、イワブクロ、エゾノツガザクラ、チングルマ、等など…。(高山植物の写真も同時掲載しようと思ったが、写真が多くなるため後日掲載することにした)
※ そして雪渓の下りである。左でサポートするのが女性リーダー
※ 2000m級の高山にいたトンボですが、すでに死んでいた。
※ 雪渓の下部にはこのような水の流れも…。
旭岳山頂出発から50分後、腰を下ろせる岩場のあるところで休憩を取った。
確かその休憩を取り、間宮岳を目ざしての登りに入ったときだったと思う。私たちのリーダーが私の様子を見ていたのか「ポール(ストック)を使いませんか?」と云って、ポールを渡してくれた。
私は今までポールを使うのを良しとしてこなかったところがあった。しかし最近はかなりの人たちがポールを使用して登山をしているのを見て、どんな効果があるのだろうと思っていた。そんなこともあり、素直に好意に甘えることにした。
使ってみて、これが予想していた以上に効果を発揮してくれ、それ以降の私を助けてくれた。上りにおいては体の前傾を助けてくれ、下りにおいては体を支えてくれ、敢えて云えば二本足歩行から四本足歩行に変わったような感覚である。ポールの効用を実感し、帰ったら早速ポールを購入したいと思った。
休憩後、私たちは間宮岳の上りに取り付いた。休憩から20分後、間宮岳分岐に到達した。分岐に取り付いたということは大雪の御鉢平のヘリに辿りついたということである。しかし御鉢平は何も見えなかった。
※ 間宮分岐の標識。旭岳から2km移動したことになる。
間宮分岐からほどなく5分ほど横へ移動したようなところに間宮岳山頂(2185m)の標識があった。これもまたあっけなく、といった感じだった。
間宮岳では写真を撮るくらいで休むことなく通過し、中岳を目ざした。
※ 間宮岳山頂標識です。と言っても縦走路の途中にという感じだった。
※ 依然として雲の中を突き進む私たちです。
間宮岳、中岳などは御鉢平カルデラの外輪山となっているため、その間の移動には大きな高低差はないので比較的楽な山行となった。
10時50分、中岳分岐に到達した。すると誰からともなく弁当のおにぎりを頬張りはじめた。見るとリーダーも頬張っている。空腹感はあまりなかったが、私も周りに倣うことにした。
中岳分岐からは中岳温泉という野趣豊かな温泉に至る道が続いているということだ。
※ 昼食を摂った中岳分岐の標識。
中岳分岐で昼食を摂り、雲間が晴れたときには目前に見える中岳目ざしての上りが始まった。
※ 雲間から目ざす中岳山頂が見えました。
※ 御鉢平もちらっと顔を見せてくれました。
下りや平坦なところではホッと一息つきながら行くものの、上りとなるとやはり辛い。それでも旭岳を登っていた時に比べると、その辛さにも耐性が出来てきた(?)のか、それとも前の女性のペースが遅いのに助けられたのか、はたまたポールが私を後押ししてくれたのか、なんとかパーティのペースを乱すことなく行動することができた。
※ 中岳山頂はもう直ぐ! 登る、登る、登る。
中岳分岐から上ること20分、11時25分に中岳山頂(2113m)に到達した。
中岳山頂は吹きつける風も強く、昼食休憩をとってからそれほど時間も経っていなかったためにそのまま通過し、黒岳を目ざすことにした。
(本日はここまで、続きは明日へ)
何一つ見えない頂上だった。
湿気をたっぷり含んだ強風が吹き付け、休むのもままならない。達成感を味わう余裕もない。しかし、これも登山の一つの姿である。貴重な経験をさせてもらったと解釈しよう。
旭岳山頂で15分休んだだけで9時05分、間宮岳に向かって下山を開始した。
かなりの急斜面の下りである。私の前を往く女性二人が「こんなに急角度とは思ってもいなかった」と云いながら、慎重に慎重に下っていく。私たちのパーティの中で女性たちを追いこさないことが不文律となっていたため、疲労していた私には助かるペースであった。
※ 旭岳から間宮岳に向かって恐る恐るの下りが続いた。
かなり高度が下がったところには雪渓も待っていた。雪渓への入り口と出口ではリーダーがしっかりとサポートしてくれる。
30分も下ったろうか?少し平坦なところに出ると、いろいろな高山植物の花が目に入ってきた。メアカンキンバイ、イワブクロ、エゾノツガザクラ、チングルマ、等など…。(高山植物の写真も同時掲載しようと思ったが、写真が多くなるため後日掲載することにした)
※ そして雪渓の下りである。左でサポートするのが女性リーダー
※ 2000m級の高山にいたトンボですが、すでに死んでいた。
※ 雪渓の下部にはこのような水の流れも…。
旭岳山頂出発から50分後、腰を下ろせる岩場のあるところで休憩を取った。
確かその休憩を取り、間宮岳を目ざしての登りに入ったときだったと思う。私たちのリーダーが私の様子を見ていたのか「ポール(ストック)を使いませんか?」と云って、ポールを渡してくれた。
私は今までポールを使うのを良しとしてこなかったところがあった。しかし最近はかなりの人たちがポールを使用して登山をしているのを見て、どんな効果があるのだろうと思っていた。そんなこともあり、素直に好意に甘えることにした。
使ってみて、これが予想していた以上に効果を発揮してくれ、それ以降の私を助けてくれた。上りにおいては体の前傾を助けてくれ、下りにおいては体を支えてくれ、敢えて云えば二本足歩行から四本足歩行に変わったような感覚である。ポールの効用を実感し、帰ったら早速ポールを購入したいと思った。
休憩後、私たちは間宮岳の上りに取り付いた。休憩から20分後、間宮岳分岐に到達した。分岐に取り付いたということは大雪の御鉢平のヘリに辿りついたということである。しかし御鉢平は何も見えなかった。
※ 間宮分岐の標識。旭岳から2km移動したことになる。
間宮分岐からほどなく5分ほど横へ移動したようなところに間宮岳山頂(2185m)の標識があった。これもまたあっけなく、といった感じだった。
間宮岳では写真を撮るくらいで休むことなく通過し、中岳を目ざした。
※ 間宮岳山頂標識です。と言っても縦走路の途中にという感じだった。
※ 依然として雲の中を突き進む私たちです。
間宮岳、中岳などは御鉢平カルデラの外輪山となっているため、その間の移動には大きな高低差はないので比較的楽な山行となった。
10時50分、中岳分岐に到達した。すると誰からともなく弁当のおにぎりを頬張りはじめた。見るとリーダーも頬張っている。空腹感はあまりなかったが、私も周りに倣うことにした。
中岳分岐からは中岳温泉という野趣豊かな温泉に至る道が続いているということだ。
※ 昼食を摂った中岳分岐の標識。
中岳分岐で昼食を摂り、雲間が晴れたときには目前に見える中岳目ざしての上りが始まった。
※ 雲間から目ざす中岳山頂が見えました。
※ 御鉢平もちらっと顔を見せてくれました。
下りや平坦なところではホッと一息つきながら行くものの、上りとなるとやはり辛い。それでも旭岳を登っていた時に比べると、その辛さにも耐性が出来てきた(?)のか、それとも前の女性のペースが遅いのに助けられたのか、はたまたポールが私を後押ししてくれたのか、なんとかパーティのペースを乱すことなく行動することができた。
※ 中岳山頂はもう直ぐ! 登る、登る、登る。
中岳分岐から上ること20分、11時25分に中岳山頂(2113m)に到達した。
中岳山頂は吹きつける風も強く、昼食休憩をとってからそれほど時間も経っていなかったためにそのまま通過し、黒岳を目ざすことにした。
(本日はここまで、続きは明日へ)