河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1082- 伊藤秋山 モツ27 ブル4 東響 2010.10.9

2010-10-12 13:45:08 | インポート

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2010-2011シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちら
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この日は、はしご。夜の部。
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2010年10月9日(土)6:00pm
サントリーホール
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モーツアルト ピアノ協奏曲第27番
 ピアノ、伊藤恵
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ブルックナー 交響曲第4番
 ホルン、ジョナサン・ハミル
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秋山和慶 指揮
東京交響楽団
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伊藤のピアノは本当に素晴らしいですね。感情移入と冷めたコントロールが極めて高度に融合している。微にいり細にいったピアノタッチのひとつの極限美。息を殺さなければ出来ないような羽毛のようなタッチが完全なコントロールの配下で見事に表現されている。第2楽章の左手はあまりすることがない曲なのに、この動きはどうだろう。何かを表しているのか、指揮をしているようには見えない。モーツアルトの見えない音を追いかけているのか。観て聴いてすばらしい。
伴奏に終始しているオーケストラもコントロールがいきとどいている。特にストリングが一本の糸のように歌うさまはピアノの方向性と一致するものであり、絶妙なピアニズムの絡み合いが最高。秋山のコントロール棒もお見事。27番生史上最高の演奏でした。
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東響の硬質で黄色いサウンド、この印象は昔から変わらない。ブルックナーにふさわしいものなのかどうかというのはある。でも秋山のスタイルは昔にも増して自然体になったのであろう。全ては音楽としてとらえる、音楽の僕、音楽ありき、いい感じだ。
硬質なサウンド、そして大上段に構えない解釈、これらがうまくミックスしてすっきりとした快演となった。
3個の主題へそれぞれ突入するときどうしても構えてしまうような演奏が多いが、そのようにしなくても主題の区分けは明確にできるのであり、秋山の演奏解釈はあっさりしているといえばそうかもしれないが、ブルックナーの形式感は完全に意識されておりクリアだ。
第2楽章はときとしてぎこちない第一主題の鳴りになったりしてしまうものだが、この日の演奏は滑らかで、ポイントとしてきっちり押さえたものが成果として出たものでしょう。粒立ちの良い爽快な演奏でこれまたお見事でした。
ブル4は生で観るとホルン協奏曲のような錯覚に陥ることがあるきわどい曲。この日のホルンはやや細く柔らか。森の中というよりも柳の林という感じではあるのだがこれはこれで。
今日の演奏会はプログラミング、内容ともにいい演奏会でした。
おわり

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