クルマバソウの越冬葉と芽出し。アカネ科クルマバソウ属。
クルマバソウは多年草、葉の多くは冬を前に枯れるが、一部はそのまま越冬し、新葉が伸び出すまで光合成の援助する。
クルマバソウの葉。
アカネ科の葉は対生とされるが、クルマバソウは8枚の葉が輪生しているように見える、「車葉草」の名前もそこから来ている。
対生する葉が輪生状になるのは「偽輪生(ぎりんせい)」という。ヒトリシズカの場合は対生する葉の節間が詰まって輪生状となるのに対して、クルマバソウの場合は2枚が本葉で残りの6枚は托葉が発達して本葉と同形・同大になったもの。本葉とそれ以外の葉との見分け方、腋部に芽を持つのが本葉で、托葉の変化したものの腋部には芽を持たない。
クルマバソウの群落。
クルマバソウは地下茎を長く伸ばし、しばしば大きな群落をつくる。
地上茎は直立して枝分かれしない。茎には4稜がある。
学名(種名)のオドラータは「香りの良い」の意味で、クマリンを含んでいて葉を乾燥したものは芳香がある。ヨーロッパではワインの香り付けに利用されることがあるという。ちなみにクマリンは桜餅に使われる葉の香りである。