井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

ズミとエゾノコリンゴの見分け方

2018年11月19日 | 日記
ミッキーさんの質問にお答えします。

ズミはバラ科リンゴ属の樹、樹皮から黄色の染料がとれるので、「染み」から「ずみ」の名がついたといい、実に酸味があるので「酸実」から「ずみ」の名がついたともいう。
ズミにはリンゴを小型にしたような実がなるので「コリンゴ」の別名もある。
エゾノコリンゴはコリンゴ(ズミ)に似て、北海道に生育するというのでその名がついたという。
ということで、エゾノコリンゴとズミとは大変よく似ている。

ズミとエゾノコリンゴとで、はっきりした違いは次の2点。
①葉
 ズミには葉の中に3~5裂するものが混じる。エゾノコリンゴにはそういう3~5裂の葉はつかない。
 1枚でも3~5裂の葉が見つかればズミとしてもいいが、見つからない場合、探し方が悪いのかも知れないの
 で、エゾノコリンゴと断定していいかどうか、迷う。(1枚でも裂葉があればズミ)



  ズミの3~5裂する葉。



  エゾノコリンゴの裂けない葉。

②展開時の若葉
 ズミの若葉は、二つ折りの状態ででてくる。
 エゾノコリンゴの若葉は両端から中央に巻きこむ形ででてくる。
 展開時の若葉うぃ観察できれば判別できるが、それが出来るのは1年にうちのほんの一時である。



 ズミの若葉



  エゾノコリンゴのの若葉

<果実について>エゾノコリンゴの方がズミより果柄が長いといいますが、見分けるポイントにはならないようです。

ということで、両者を見分けるには、3~5裂する葉を良く探すこと。それ以外に確実な方法はなさそうです。
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2 コメント

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有難うございました (ミッキー)
2018-11-19 06:59:03
有難うございました。
仰る通りエゾノコリンゴは裂葉が無いのに実は
ズミと同じなんですね。

でも実の大きめな(ヒメリンゴより小さい)物を
見受けます。
花の違いや葉の違いについて書かれた物は多いが
実の違いについて書かれたものが少なく

ネット上での画像情報も実の比較された物も
ズミとエゾノコリンゴは見分け出来ないほど
酷似してます。

明らかに実の形状が違う物は別品種なのでしょうか?
そもそもエゾノコリンゴとズミは専門家でも
判定に苦慮するのに分類上分けるのが不思議に
感じますね。

色々と有難うございました。
また疑問の問い合わせ、お願いしたく
宜しくお願い申し上げます。



ズミとエゾノコリンゴ (竹)
2021-02-13 14:53:58
メシベオシベノの長さが違う

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