井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

北海道の花・ウラシマツツジ

2021年02月10日 | 日記

ウラシマツツジ1。ツツジ科ウラシマツツジ属。

高山の乾いた礫地や風衝地の生える落葉小低木。葉は厚手で倒卵形、先は丸く基部は次第に柄となる。そんな細部もさることながら、しわしわの特徴からウラシマツツジを見分けられる。

果実は球形の液果(径8~9mm)で、最初は緑色、熟すにつれ赤から黒く色を変える。「クマコケモモ」の別名はコケモモ(径6mmほど)より大型であることからの命名。

この株は大雪山・黒岳産。

ウラシマツツジ2。

ウラシマツツジは高山植物としては開花が早く、大雪山一般の登山シーズン(8月)に花は既に終わっている。この株は樽前山のもの。樽前山は標高(1041m)の割には高山植物の多い山として知られていて、ウラシマツツジの花にも出会いやすい。

ウラシマツツジ3。

ウラシマツツジは地下茎を伸ばして大きな群落をつくる。

高山に生えるツツジ科の小低木の多くは常緑性であるが、ウラシマツツジは落葉性。秋には紅葉して群落全体を燃えるような赤に染める。高山植物の紅葉では最も見事と言われる。

葉腋に越冬牙(冬芽)を用意している。この株は大雪山・赤岳産。

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