デパートで見る沖ノ島

170727.thu,


藤原新也が、地球の肺内残気を感じるという島、沖ノ島。
4年ぶりに、彼はこの神聖なる島の土を踏んだ。
自ら禊をし、島を巡る映像を見ながら、
16年前の彼の交通事故のことをふと思い出した。
今、世界文化遺産となったこの島に再びレンズを向ける姿を見ながら、
他人事ながら巡り合わせというか、
しなくてはいけない仕事というものはあるのだと思った。
勝手な思惑だが。

　

沖ノ島は女人禁制の島。
裏を返せば島そのものが女であるわけで。
ここに女性を立たせて写真を撮るという荒技は彼にしかできないだろうな。
息を飲むほどに海と空と一体化した綺麗な姿だったけれど。

　

屏風のように繋ぎ合わせられた写真から発せられる島の樹々と風と空気。
デパートの中ではあったが、
この島の呼吸を感じた人は多かったのではないか。