英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season20 第16話「ある晴れた日の殺人」

2022-02-26 15:32:45 | ドラマ・映画
オフィスビルの屋上で、中年男性の刺殺遺体が発見された。
被害者は、中松誠という広告会社の社員。複数の刺し傷があったことから、捜査一課は怨恨の可能性を視野に捜査を始める。
手掛かりは、凶器である刃渡り22センチのハサミと、ハサミの指紋を拭ったとみられる『T』の文字が入ったハンカチ。
関係者に聞き込むと、中松は出世争いに負け、閑職に追いやられていたことが判明。

(番組サイト:あらすじより)

★容疑者たち
1.中松とは同期でライバルだった田川浩(白畑真逸)クリエイティブ部部長
・中松との出世争いに勝ち、中松を閑職に追いやった
・中松は田川の多額の架空請求を告発しようとしていた
・告発をやめるよう中松に頼んでいた

2.中松の部下の山村拓也(成田瑛基)
・中松の左遷に巻き込まれ閑職に
・中松のパワハラまがいの態度にストレスを感じ、同僚に「死んでくれないかな」と漏らしていた
・凶器の長ばさみは、スクラップ用のはさみで山村のモノだった
・事件当日は早退したと言っていたが、総務の記録では早退していなかった

3.中松の妻、中松陽子(冨樫真)
・中松とは別居しており、離婚をしておりマンションを購入し、金が必要だった
・後に、経理部の天野と不倫をしていることが判明
・中松を邪魔と思った天野が殺害したという線も…

4.謎の男
・ドラマ冒頭の現場検証を眺めながら「俺が殺ってやった」と独白
・右京らの捜査を監視しながら、被害者中松の悪口などを言う

★中松が自殺だったと知った容疑者たちの懺悔
1.中松とは同期でライバルだった田川浩(白畑真逸)クリエイティブ部部長
 告発をやめるよう頼む際、上層部の中松への評価が非常に低いことを告げたが、仕事が生きがいの中松にとっては、言ってはいけない言葉だった

2.中松の部下の山村拓也(成田瑛基)
 自分を信頼していた中松を裏切り、告発を田川にリークした。中松はそのことに気づいていたようで、中松を傷つけてしまった

3.中松の妻、中松陽子(冨樫真)
 中松は仕事一筋だと思っていたが、退職後の夫婦生活を楽しみにしていた。
 中松を支えていたのは仕事ではなく、退職後の楽しみだったと知り、それを壊してしまったのは自分なのだと

★中松自身が自分を殺した理由
・田川が告発を止めるよう説得した際、「告発によってクリエイティブ部が解体されたら部下はどうなる?」と言った言葉に、《なんて部下思いなんだぁ、それに比べて、あの男(自分)は自分のことばかり…》
・裏切られると狼狽する…それだから。みんな去っていく(妻もそうだった)
・何十年もそうだった(嫌な奴だった)……誰も、自分さえも幸せにできない。生きていても何にもならない。死んで当然の男だ
  自分に嫌気がさすほどのダメさに人が去っていく……誰も自分を必要としないという孤独感……そして、自ら命を……

 結局、サブタイトルの「ある晴れた日の殺人」とか、「俺が殺ってやった」とか、殺人を印象付けるミスリードで、自殺だったというオチ。
 でも、聴取での回想シーンで中松本人の姿は映らないので、「謎の男=中松本人」だと気づく視聴者は多かったはず。その他にも、強引で無理があるミスリードが多かった(後述)。
 さらに、《殺人で、犯人は誰?》と思わせるストーリーで、(まあ、推理ドラマ、刑事ドラマは大抵そうなのだが…)、関係者を皆、妖しいと思わせるため、最初の頃は殺害動機のある状況や心理を示し、徐々に、中松に対するプラスの思いを提示させていた。
 そして、右京が《自殺だった》という真相を語ると、手のひらを返したように懺悔が始まった(笑)

 もしかしたら、《謎の男は実在していて、中松を刺したものの、とどめを刺した犯人が別にいる》というパターンも考えたが、会社で誰も中松に話しかけたり、目が合うこともなかった点、中松の回想シーンに本人の姿が映らない点から、やはり自殺だろうと。

★今話の教訓
中松は自己評価が低すぎ。そのせいで、自分は人から必要とされないと思い込んでしまった。また、自分を好きになれず、自己嫌悪に陥った。
 《必要とされていない》《自分は嫌な奴》という思い込みで、気持ち的に、他人を拒絶し、自ら遠ざかってしまった。その結果、孤独感に苛まれることになってしまった。
・やむを得ない事情があったとしても、自殺は人との縁(繋がり)を自ら断つという事。残されて、繋がりを切られてしまった人、自分を必要と感じている人に喪失感を与えることになってしまう。自殺はダメだと思う。
 せめて、残された者が悩み苦しまないよう、自殺に至った理由を書き残すべきであろう。



★強引で無理のあるミスリード
①Tのイニシャルのハンカチ
 結婚前(しかも、つき合うきっかけ)の彼女(妻)のハンカチは大切なものだが、年月の経った今、身に着けているものなのか?

②凶器のはさみ
 部下に罪を着せるつもりで彼のはさみを凶器に使用したのなら、指紋拭き取りも理解できるが……まあ、死の間際《ふと思った》のだから、納得しよう。
 でも、そこまで衝動的でなかったのだから、部下の持ち物で死ぬのはやめた方がいいと思う

③遺留物の水増し請求の企画書を破ったのは誰?
 確かに、告発をやめるよう説き伏せられた際、中松がくしゃくしゃに丸めていたが、破ったのは誰?
 あの時丸めた企画書を持ち帰り、その後、中松が改めて広げて破ったのだろうか?
 では、セロハンテープで張り合わせたのは誰?

④田川の水増し請求の件は不問?
 横領か詐欺か背任なのかは分からないが、不問だったよね。いいの?捜査一課も、特命係も。
 それに、田川が告発をやめるよう説き伏せた時、《部下思いなやつだ、それに比べて、俺は…》て中松は間抜けだよな。そんなの田川の苦し紛れの言葉に決まっているだろう。
 そのシーンを皆の前で堂々と回想し、《自殺したのは俺のせいだ》と臆面もなく語る田川、それを黙って聞くあの場の面々も面々だ。

⑤部下・山村の早退の真相
 山村の早退は嘘と思わせて疑惑を深め、山村のスクラップブックを右京が検証し《山村は本当に早退していた》と推理を披露させ、凶器のはさみは山村のものだったと確認させるため事象。早退したことに深い意味はなかった。
 あれだけ、まじめにスクラップを取っていた山村だが、有休が残っていないほど休んでいたのだろうか?

⑥妻の登場が遅い
 普通、遺体発見現場か警察で事情を聴取するシーンがあると思うが……実際に遺体確認の際、いろいろ聴取されたといっていたが、登場のタイミングが不自然。

 《実は自殺で、犯人と思われる男が本人の幽霊だった》というオチは、どこかで見たような気がする…気のせい。
 デジャブ感はともかく、早い段階で真相が見えてしまった。
 無理のあるミスリードも多く、残念な回だったと言わざるを得ない。特に、水増し請求不問の件は許せないなあ



第1話「復活~口封じの死」
第2話「復活~死者の反撃」
第3話「復活~最終決戦」
第4話「贈る言葉」
第5話「光射す」
第6話「マイルール」
第7話「かわおとこ」
第8話「操り人形」
第9話「生まれ変わった男」
第10話「紅茶のおいしい喫茶店」
第11話「二人」
第11話「二人」【追記】
第12話「お宝探し」
第13話「死者の結婚」
第14話「ディアボロス」
第15話「食わせもの」
 

【ストーリー】番組サイトより
晴天の屋上で発見された会社員の遺体
複数の容疑者から真犯人を特定せよ!


 オフィスビルの屋上で、中年男性の刺殺遺体が発見された。被害者は、中松誠という広告会社の社員。複数の刺し傷があったことから、捜査一課は怨恨の可能性を視野に捜査を始める。手掛かりは、凶器である刃渡り22センチのハサミと、ハサミの指紋を拭ったとみられる『T』の文字が入ったハンカチ。
 その現場にひょっこり現れた右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、いつものようにシレっと捜査に加わる。関係者に聞き込むと、中松は出世争いに負け、閑職に追いやられていたことが判明。
 容疑者として、ライバルだった同期の男や、中松の巻き添えで左遷された部下の男が浮上してくる。さらに、離婚を望んでいたという妻には、社内の男性との不倫疑惑が。怪しげな関係者たちが浮上してくるいっぽう、神出鬼没の“謎の男”(高橋和也)が、捜査の動きを注視していて…!?

出世のライバル、一蓮托生の後輩、不倫妻と交際相手…
次々に浮かんでくる疑惑の人物たち
二転三転の末、明かされる驚がくの真実とは!?


ゲスト:高橋和也

脚本:徳永富彦
監督:橋本一
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新型コロナウイルス その134「新型コロナワクチンの有効期限問題」

2022-02-25 15:47:09 | 時事
3回目ワクチン 配送後に期限3か月延長 手書きで修正のケースも
「 厚生労働省は去年、適切な保存方法で管理されている場合は品質が保たれていることが確認できたとして9か月までに延長されたと通知した」というが、いろいろ問題を感じた

①本当に品質が保たれるのか?
 《適切な保存方法が本当になされているのか?》……期限以前の大前提。これを疑うと、すべてが成り立たなくなってしまう。
 《適切な保存方法なら、有効期限が3か月過ぎても、品質が保たれるのか?有効なのか?安全なのか?》……そもそも、有効期限というのは適切な保存がなされているという条件下ではないのか?食品の消費期限や賞味期限もそういう前提だろう。
 本当に安全性や有効性が確認できたのだろうか?

②告知が十分でなく、周知されていない
 手書きというのも不安。《きちんとした手続きで修正した》という信頼感が皆無。だれでも、いつでも、改ざんできる。
 会場での告知作業も、会場によって異なるようだ。

③無計画な発送手配
 もし、《適切に管理すれば有効期限が3か月延ばしても問題ない》ことが確認されなければ、有効期限が過ぎたたくさんのワクチンが廃棄されていることになる
 3回目接種の前倒しの方針がブレたこともそうだし、注射器問題などのワクチン接種に纏わる多くのゴタゴタ、厚生省、政府、分科会はもっとしっかりしてほしい。
コメント (4)
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鎌倉殿の13人 第7話「敵か、あるいは」

2022-02-23 11:12:12 | ドラマ・映画
坂東の巨頭 上総広常(佐藤浩市)…………
……坂東武士団で最も頼りになり最も危険な男。二万騎ともいわれる大軍勢を率いており、頼朝が合流を切望するが、その去就は読めない(番組サイト:人物紹介より)

頼朝の今後を左右する人物で、如何に味方に引き入れるかが、今話の主題
【上総広常の問いかけ、自負の言葉】
 「“頼朝に味方したら、どんな得があるんだ?” 教えてくれよ」
 「この戦、俺(上総広常)がついた方が勝ちだ」
 「頼朝は担ぐだけの価値があるのか?」


1.頼朝に味方する得
 大庭郡の使者・梶原景時 (中村獅童)は高位の役職を約束し、上総広常も興味を示した。一方、和田義盛 (横田栄司)は戦で得た所領を与えると述べたが、「所領は間に合っている」と食指を動かさない。
 そこで、義時(小栗旬)は、《板東武士の為に挙兵し、平家に組する者を一掃し、板東武者の世を創る》と戦いの意義を語るが、「頼朝はお飾りか?」と突っ込まれてしまう(突っ込みはしたが、広常は興味を持った様子)

2.担ぐだけの価値が頼朝にあるのか?
①「頼朝は天に守られている。これまでも何度も窮地を逃れている」と語る義時。(義時の言葉に、思い当たる表情をする景時)
 ……折しも、“大庭軍が頼朝に夜襲を掛ける”という情報を得ていた広常は、頼朝が天に守られているか、確かめる
 頼朝が両氏の妻に手を出し、怒った夫が報復に来たのを察知し、身を隠し、大庭軍の夜襲から逃れた


②頼朝を担いで戦をする……大義《板東武士の世を創る》を為そうとするのは、面白い、愉快だ

3.棟梁の器か?
「帰れ!……遅~い!
 無礼にもほどがある……遅参するものなど戦場では役に立たん
 (お前の軍勢)敵に回ればこれほど恐ろしいことはない…しかし、だから、どうした!……礼儀を知らぬものとは、天下草創の志を同じう出来ん。
 焦らして己の値打ちを吊り上げようとしたな。笑わせるな、さっさと帰れぃ! 一線を所望なら受けて立とう」


上総介は頼朝の堂々とした態度に、威厳や器の大きさを感じ、味方に付くことを決意!
 でも、まあ……ずっと待たされて腹を立て、後先のことを考えずに自分のプライドを優先させただけの、我儘さを発揮しただけのような気も……
 逆のパターンも考えられるよね……2万の軍勢を率いる上総介にビビり、遅参を咎めず歓迎の意を示した場合、《遅参に腹を立てず迎え入れる⇒器の大きい》とか
 あと、皆の前で威厳を示したかったという見栄もあったと思われる。

4.義時と共に進むことを面白いと考えたのかも
「《必ず勝てる》と、ここで誓えるか」
「誓えます……ご自分でおっしゃったではないですか、『上総介殿が加わってくだされば、必ず勝てる』と」……ニヤリ(笑)


坂東の重鎮 千葉常胤(岡本信人)……
……再起を図る頼朝の求めに応じ、一族を率いて参陣した下総の大物。頼朝からは「父も同然」と感謝される坂東の重鎮(番組サイト:人物紹介より)
「よぉ~来てくれたぁ~」
「儂はこれより、そなたを父と思お~ぞ」

 ………いつもの “よお来てくれた”攻撃(笑)



梶原景時(中村獅童)の真意?
「(天に守られている)頼朝を殺しては、神罰が下る」
「刀は斬り手によって、“名刀”にも“なまくら”にもなる。決めるは斬り手の腕次第」

………頼朝の天の加護を感じ、それが真なのか見極めようと考えた。
   頼朝を刀と見立て、それを名刀(天下人)に仕立てるかは義時次第……義時への激励の言葉か?



父との決別を宣言する八重(新垣結衣)
 千鶴丸を命じたことを認めた伊東祐親(浅野和之)に対し、「もう、あなたを父とは呼びません」と宣言
 頼朝への情報漏れを危惧した祐親は、八重は軟禁(八重はこの場で頼朝の生存を知る)

コメディ担当の小池栄子&宮沢りえの一行
 メッセンジャー・仁田忠常(高岸宏行)によって、頼朝の無事を知る政子たち。
 頼朝の敗走の方に、出家を決意していた政子は、心を振り回されたと怒るが、頼朝の無事を喜ぶ。
頼朝の弟・全成(新納慎也)
 政子たちを捉えようとする兵曹に対し
陰陽修行20年の賜物で風を起こす……「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前! うおぉぉぉぉ~」
………………「今日は難しいようです。後は任せた」と政子たちを連れて逃亡
(笑)
義時の妹・実衣(宮澤エマ)
 「明日出家すると言ったのに、何と言えばいいの~!」と言う政子に対して、「“頼朝が生きていた”と言えばいいのです」……確かに(笑)


第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」

【ストーリー】番組サイトより
平家に幽閉された我が身を嘆く後白河法皇(西田敏行)。丹後局(鈴木京香)へ救出に名乗りを上げない源氏への不満をもらす中、平清盛(松平健)から挙兵した源頼朝(大泉洋)が石橋山で大敗したと知らされ悔しさで顔がゆがむ。その頃、房総半島で再起を図る頼朝は有力豪族を味方に付けようと、千葉常胤(岡本信人)のもとへ安達盛長(野添義弘)を、上総広常(佐藤浩市)のもとへ和田義盛(横田栄司)と北条義時(小栗旬)を送り込む……

脚本:三谷幸喜
演出:吉田照幸
コメント (4)
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鎌倉殿の13人 第6話「悪い知らせ」

2022-02-17 14:43:43 | ドラマ・映画
石橋山の戦いで大敗を喫し、散々な目に遭う頼朝一派……
★頼朝を見限ろうかと思うふたり(一応、頼朝に同行するふたり)
北条時政(坂東彌十郎)
 頼朝を見限り、「北条の為じゃ(北条が第一)」と武田信義(八嶋智人)にホイホイ従う。
 かと思えば、「心が折れた」と遠い地で家族で暮らすことを思う…
 《なるようになる》がモットーとも言えるが、行き当たりばったりの調子のよい人物と言うべきか。
 結局、安房国で頼朝と合流する。

三浦義村(山本耕史)
 沈着冷静な故、《頼朝の先行きが明るくない》と判断(まあ、義村でなくとも、普通はそう思うだろう)。
 頼朝を見限って、頼朝の首を差し出し、大庭や伊東に謝れば、三浦家は生きのびることができるかもと…


★大切な人をなくしたことを悟るふたり
北条義時(小栗旬)
 仁田忠常(高岸宏行)から北条家に残されていた頼朝のご本尊を渡され、兄・宗時(片岡愛之助)の死を悟る。
 
八重(新垣結衣)
 伊豆山権現を尋ね、文陽房覚淵(諏訪太朗)に千鶴丸に会わせてくれと懇願したが、千鶴丸はすでに亡くなっていたことを知らされる。
 寺には遺体(溺死)で運ばれ、伊東祐親(浅野和之)の意向で手厚く弔われていた。

★張り合うふたり
八重政子(小池栄子)
 八重が伊豆山権現を訪れたのは、千鶴丸に会うためと、政子に会い、頼朝の消息を知るためだろう。
 おそらく、頼朝が夢枕に立ったというのは嘘。
 政子も張り合って、夢枕に立ったと言うが、これらのやり取りで、少なくとも、政子の元に頼朝が亡くなったという知らせが届いていないと、八重は思っただろう。

★今後の動静が気になるふたり 
八重
 千鶴丸の死を知らされなかったことについて……《娘の悲嘆を思いやっての祐親の親心》と考えるか、それとも、《祐親が殺害を命じたから》と考えるか……

梶原景時(中村獅童)
 頼朝たちが窟(いわや)に潜んでいるのを発見したが、何故か見て見ぬふり。その真意は?

★宗時の死を巡るふたりの思い
義時(小栗旬)……頼朝の行動に係わらず、自分たちは戦うと告げる。《この板東を俺たちだけのモノにする。坂東武者の世を作る。その天辺に北条が立つ》という兄の思いを頼朝にぶつけた。
頼朝(大泉洋)……義時の決意に、“ちゃらんぽらん”さを改める?
 自分のせいで宗時を死なせてしまったことを詫びる頼朝に、「戦上手の兄は、どこかに逃げ延びているかもしれない」と逆に気遣う義時。
 兄がご本尊を放り出して逃げるわけないと分かっているのに……


板東武者の気質
①前向きというか、楽観的と言うか…
 敵3000騎に対して、自軍は300騎。普通は勝とうと思うどころか、挙兵しない。
 《勝っていけば、板東武者の同志が雪だるま的に集結する》という胸算用はあるが、相当希望的観測だ。
 石橋山の戦いで大敗し敗走しても、安房の国に逃げれば何とかなると…
②大雑把
 頼りになりそうな三浦党とも、打ち合わせが不十分で、三浦の援軍が来るまでに壊滅。(三浦軍は荒天で川を渡れなかったという事情もあったが)
 それに、どうせなら、安房の安西景益と呼応して挙兵すればとも思ってしまう(安房は遠いので難しいかも)
③明るく前向きで男っぷりが良い(“男っぷり”と言う表現はジェンダーレスの考えに反する?)
 頼りなく我儘な頼朝に対して、文句も言わず従う。土肥実平 (阿南健治)はいい人だなあ
 安房の安西景益も、幼なじみとは言え敗軍の将の頼朝を快く受け入れる
 猪突猛進の和田義盛 (横田栄司)を筆頭に、《宣戦布告して正面から立ち向かう》を良しとする。和田本人は自覚はないが、畠山重忠 (中川大志)に対してだまし討ちの形になってしまったのは、ご愛敬か。


頼朝を旗頭とする意義
 頼りなく我儘な頼朝に従うのはバカバカしいと思われるが、由緒ある源氏の棟梁と目される頼朝を旗頭とすれば、単なる板東武士の野望の為よりも、正義や世の中の為という大義があれば、世の中の支持や神のご加護も得られそう。
 それに、自身の為よりも世の為という方が、気勢も上がるというものだろう。

 
 
【その他の感想】
・武田信義を演じているのが八嶋智人さんとは気がつかなかった
・仁田忠常(高岸宏行)はメッセンジャーだなあ……石橋山の戦いでの頼朝敗走を政子に伝えたり、今回のご本尊と言い…


坂東の巨頭・上総広常 (佐藤浩市)、登場!
 頼朝の書状を開きもせず握りつぶす……果たして?


第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」

【ストーリー】番組サイトより
大庭景親(國村隼)率いる平家方の前に大敗を喫した源頼朝(大泉洋)の一党。この合戦で、北条家を引っ張ってきた宗時(片岡愛之助)ら有力な坂東武者が戦死。敵の追撃から必死に逃れる頼朝は、信頼する従者・安達盛長(野添義弘)らとともに石橋山山中に身を潜める。一方、兄・宗時の熱い想おもいに決意を新たにした義時(小栗旬)は、再起を図るべく父・時政(坂東彌十郎)とともに甲斐を治める武田信義(八嶋智人)のもとへ向かった……

脚本:三谷幸喜
演出:吉田照幸
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相棒 season20 第15話「食わせもの」

2022-02-14 18:21:16 | ドラマ・映画
いろいろな事象が、次々と発生・確認・判明していく……
全く関係ないように思えることや、密接に関連していると思われることもある。
ざっと挙げてみると
……

①身元不明の刺殺死体(覚せい剤の仲卸と判明)
②マンションで転落死(身元不明→その後身元が判明し、休職中でふさぎ込んでいたらしい)
③その住人(認知症らしきの桜田親娘、自分本位で不平ばかり言うおばさん、迷惑なスケートボード少年)
④管理人・平井は元詐欺師
⑤そのマンションで、(空き室での)置き配を利用して覚せい剤の受け取りを画策したコンビ(コンビの小細工担当役と管理人とは旧知の詐欺仲間)
⑥(紛失した麻薬を詰めた)ぬいぐるみの付属のアクセサリーを桜田父が持っていた
⑦桜田の部屋でのボヤ騒ぎ
⑧年末で六本木で起きた闇カジノ偽装摘発事件の情報
⑨覚せい剤の仲卸は、刺殺された仲卸人と会っていた

上記事象を整理すると(判明した順)
1.覚せい剤売買関連………⑤⑥⑨①
   
2.マンションの住人や事件や騒動………②④⑤③⑦
 ②の転落死現場の動画を見て、青木が平井(風間杜夫)を発見し、特命係に動画を見せる。
 動画画面を凝視した右京が、興味を持ち捜査開始したが、凝視した画面の中央には平井ではなく、ある女性の姿が……
   
3.闇カジノ偽装摘発事件………⑧
 この情報は、不動産屋で聞き込みをした右京が、唐突に青木に偽装摘発事件を調べるよう指示した。

疑惑の桜田親娘についての情報
・娘はゴミの分別もきちんとやり、管理人への気遣いもできる優しい女性(平田はベタ惚れ)
・桜田父は娘の認識があやふや
・娘は、甲斐甲斐しく、父親の車椅子のクッションのずれを直していた

―真相―
・麻薬をネコババしたのは桜田親娘。覚せい剤は車椅子のクッションの下に隠していた
・桜田娘は、実の娘ではなく、闇カジノ偽装摘発事件の主犯で、身を隠すため、ボヤを起こした桜田父に目をつけ、娘に成りすましていた。


主題はタイトル通り『食わせもの』
食わせもの・その1……今回の主役、元詐欺師で現管理人の平田
 平田は詐欺を働いていたが、根本はお人よし。管理人の仕事も真面目にこなしていた
 旧知の詐欺仲間の悪事(覚せい剤売買)に巻き込まれるが、悪事をしたくない。しかし、前科をばらすと脅され、悩む。
 さらに、覚せい剤をネコババしたと怪しまれている桜田親娘の身を案じる。
 詐欺師なのに、成りすましに気づかず、しかも、手練れの女詐欺師であることには全く気がつかなかった。

食わせもの・その2……成りすましの桜田娘・梅田真知
 多種多彩な成りすましで、悪事を犯す詐欺師
 桜田ではなく梅田だった…

食わせもの・その3……桜田父
 もうろくを装って、梅田真知の成りすましを容認
 そのことに右京は気づいていなかったが、真知は気がついていた

 桜田父は娘の振りをして優しくしてくれる真知に情が湧き、彼女を庇う。
 真知も、正体が判明した後も、「おとうさん」と呼び、「(本当の)娘さんと仲直りして」と願う
 この偽親娘の情が、もう一つの主題

食わせもの・その4……元詐欺仲間・工藤丈治
 どこにでも良そうな風貌で人を騙す。
 肉体的に傷をつけることはしないが、嘘をつくこと、騙すことに罪の意識はなさそう。
 詐欺仲間の平田に対しても、自分を手伝ってくれるのが普通と思い、躊躇なく巻き込む。


迷惑過ぎな住人・その1……自分本位で文句ばかり言うおばさん
 当人は犯罪を犯さないかもしれないが、犯罪を呼ぶ(人に犯罪を犯させる)毒人間だ
 
迷惑過ぎな住人・その2……スケボー少年
 単に路上でスケボーに乗るだけではなく、故意に人をかすめて通り、脅かして楽しむ迷惑な奴
 そのうち、人にけがをさせて、自分も痛い目に遭うだろう
 


 脚本は山本むつみ氏
 山本むつみ氏らしい人間ドラマ。人間ドラマとしては面白かった。
   
 ただし、推理ドラマとしては疑問点が散見した

①元詐欺師・平井、女詐欺師・真知、覚せい剤コンビ、投身自殺者……集結しすぎ(ドラマを展開させるためには、ある程度の偶然は致し方ないが)
②闇カジノ偽装摘発事件が唐突に浮上
③投身自殺は、右京を動かせるためだけの事象だった
④置き配利用の覚せい剤受け取りはリスクが大きすぎ
⑤右京たちの前で、真知が娘であることがあやふやで、認知症ぽく振る舞っていたのは、脚本上の伏線だった。しかし、桜田父の立場の行為としては、右京たちに《本当の娘か?》という疑惑を持たせるので、不要な行為だろう

⑥スケ―ボー少年を装って、桜田親子を襲撃してきたのを、平井が立ちふさがったのは、危険すぎる。
 捜査一課が右京の策を知ってその場に配置したのなら、「お前ら(捜一トリオ)が助けろよ」と言いたい

あと、右京の「顔認証システムで特定できました」のセリフに、違和感というか、何となく残念というか……


第1話「復活~口封じの死」
第2話「復活~死者の反撃」
第3話「復活~最終決戦」
第4話「贈る言葉」
第5話「光射す」
第6話「マイルール」
第7話「かわおとこ」
第8話「操り人形」
第9話「生まれ変わった男」
第10話「紅茶のおいしい喫茶店」
第11話「二人」
第11話「二人」【追記】
第12話「お宝探し」
第13話「死者の結婚」
第14話「ディアボロス」
 

【ストーリー】番組サイトより
特命係を煙に巻いたあの詐欺師が再び!
麻薬絡みの事件に隠された真実とは!?


 繁華街のゴミ置き場で男性の刺殺死体が発見された。被害者の風体から、カタギでないと踏んだ警察は、暴力団絡みの事件を視野に捜査を始める。
 いっぽう、都内マンションの植え込みで、男性の転落死体が発見された。その映像を動画サイトで見つけた青木(浅利陽介)は、映像の中に、5年ほど前、特命係が詐欺で逮捕した平井(風間杜夫)という男が映り込んでいることに気付く。どうやら、刑期を終えた平井は現在、マンションの管理人に収まっているらしい。
 興味を持った右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、独自の捜査を開始。そんな中、平井が管理人を務めるマンションに、不審な2人組の男が姿を見せていた。男たちは麻薬の密売人で、1人は平井と面識のある詐欺師。空き部屋を密輸に利用したらしいが、問題の麻薬がマンション内で消えてしまったという。
 密売人が平井を脅して、ブツを探させようとする中、右京と亘がマンションにやってくる。無関係を装い、必死に取り繕う平井だったが、右京は早くも何かを見抜いている様子で…!?


相次いで起きた刺殺と転落死に繋がりが?
キーマンは右京と渡り合う食えない元詐欺師
知恵者同士の騙し合いが、再び事件を呼ぶ!


ゲスト:風間杜夫

脚本:山本むつみ
監督:橋本一
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鎌倉殿の13人 第5話「兄との約束」

2022-02-07 19:53:37 | ドラマ・映画
義時(小栗旬)の初陣
 標的は、伊豆の目代・山木兼隆とその後見役の堤信遠。
 まず、堤館を襲撃し、堤信遠を斬殺。けっこう生々しいシーンだったが、義時に《戦とはどういうモノなのか?》《人の命を奪うとはどういうモノなのか?》を身に染みらせる為か。
 地理的には、どちらかと言うと、北条館からは山木館の方が近いし、役職から考えると、山木→堤の襲撃順(山木が主標的)だろう。まあ、憎き堤なので…(笑)

石橋山の戦い……惨敗、敗走
 頼朝軍(北条軍)は300騎、対する大庭景親軍は3000騎。その上、伊東祐親軍の300騎が頼朝の背後を伺う。頼朝の援軍の三浦党は荒天で足止め状態だった。
 戦力、布陣で圧倒的不利の上、北条時政(坂東彌十郎)が景親の挑発にまんまと乗ってしまい、戦力差がそのまま反映する平地での戦いにおびき出されてしまう。
 「“挑発”なら任せておけぃ」と先陣に立った時政だったが、(挑発に)「(何ぃ~)それぇ~ぃ、掛かれぃ!」って…

宗時(片岡愛之助)の死……兄との約束
「実は、平家とか源氏とか、そんなこと、ど~うでもいいんだ。
 この板東を俺たちだけのモノにしたいんだ。坂東武者の世を作る。その天辺に北条が立つ。
 そのためには、源氏の力が…頼朝(大泉洋)の力が必要だ。だからそれまでは、辛抱しようぜ」

………“御本尊を取ってこい”という頼朝の我儘に、敵兵の中へ取りに行く兄・宗時が弟・義時に語った言葉である。


《夢を語る》……典型的な死亡フラグが立ってしまった……
 背後から善児(梶原善)に刺され、絶命。
 千鶴丸が殺害された河原で、あの時の画の再現だった。

(善児の小刀、刃渡りが短すぎるような気がする)


悪態をつく頼朝(大泉洋)
「(こんな目に遭うのは)お前たちのせいじゃ~!北条を頼ったのが間違いであったわ!
 時政、何とかせい!命に代えて、儂を守り抜けぃ!」

と、悪態をつく頼朝。さらに、
「御本尊を持ってくればよかった。だれか取ってこいっ!」
………そのせいで、そのせいで…


雨に打たれる八重(新垣 結衣)
 山木の情報を教えてくれた礼をお忍びで言いに来た頼朝。頼朝の訪問に喜ぶ八重。
 戦が始まり、伊東が頼朝陣の背後から襲撃する挟み撃ちの情報を、頼朝に知らせるため
「船を出しなさい。早くしなさい!いいから早くっ!」と八重
「私はあなたの夫だ。侮るなああ~」と叫ぶが、結局、舟を漕いでいる夫。

 しかし、北条館はもぬけの殻……知らせが間に合わず、頼朝の先行き(死)を悲しんでいるのか、頼朝が行ってしまったことを実感して悲しんでいるのか……………膝をつく八重を雨が打つ………

“謎の武将” 梶原景時(中村獅童)
 景親の傍らにて、怖い顔で冷徹に進言する“謎の武将”(←NHKサイトの紹介見出し)……気になる。



ところで、……今回の冒頭(戦の最中)に入った山口県知事と岐阜市長選の速報テロップ
この速報、要るの?

 
第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」

【ストーリー】番組サイトより
闇夜にまぎれ、堤館と山木館を立て続けに襲撃した源頼朝(大泉洋)の一党。見事に首級を挙げて勝利した頼朝は、北条義時(小栗旬)の知恵も借り、坂東での政まつりごとの第一歩として土地の分配を始める。だが、これを知った平家方が激怒。相模では、奉行を務める大庭景親(國村隼)が梶原景時(中村獅童)ら三千の兵を率いて出陣。伊豆でも、頼朝討伐に燃える伊東祐親(浅野和之)が動き出す。これに対する頼朝は全軍を率いて鎌倉を目指すが……

脚本:三谷幸喜
演出:吉田照幸
コメント (8)
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失礼な宮根キャスター、ミヤネ屋

2022-02-07 15:05:46 | 芸能
 本日(2月7日)の3時過ぎ、『情報ライブ ミヤネ屋』で、前日(2月6日)陵侑選手が金メダルを獲得したジャンプ男子個人ノーマルヒル決勝について、船木和喜氏が解説をしていたが、その解説の最中、フィギュアスケートの羽生結弦選手が公式練習を始め、その中継映像が入ってきたなるや、船木氏の解説をぶっ切って、村上佳菜子氏と話を始めた。船木氏の言葉のセンテンス(文)の途中、まさに、ぶつ切りだった。
 公式練習の映像とともに村上氏と宮根キャスターの会話は3~4分。その間、船木氏は放置、置き去り状態だった。
 で、公式練習の中継が終わって、一言、船木氏に詫びたが、やや低音で抑揚のない全く形式的な語調だった。


失礼だなぁ~~!
 
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羽生九段、A級から陥落 【追記あり】

2022-02-05 10:10:29 | 将棋
第80期A級順位戦8回戦で、永瀬拓矢王座に敗れて2勝6敗となり、B級1組への降級が決まった…


―来期、B級1組で戦うことになるが―  という問いに

「まだ特に何も考えてないので、次全力を尽くしたい」

 ………ちょっと微妙な言葉だ。
 えっ、これから考えるの? と思うこともできる…

 ニュースの映像を見ると、やや苦笑混じりに答えていた。フリークラス転出や引退については全く考えていなかったような印象だった。
 もちろん、それについては今後考えると思われるが、将棋が好きなのでやめるとは思えない。B級1組であろうが、こだわらずに指すだろう。

 ただ、最近、良いところなく(勝負所なく)敗れている。内容が悪いのが心配だ。


【追記】
 ただ、このままでは終わらない気もする。
 AI主導の研究により、定跡の精密化や新たな将棋の手法や考え方が開発されて、将棋のレベルがぐんと上がった。
 ただし、一部の棋士を除いては将棋の読みの能力は退化していくような気がする。
 羽生九段は、AIを参考程度に利用して、読みの深さを維持し、大局観を再構築していくべき。

 それよりも、AI主導の研究将棋の行く末の方が心配だ。このままだと、AIが誘導する将棋ばかりになってしまう?
コメント (6)
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相棒 season20 第14話「ディアボロス」

2022-02-04 16:45:09 | ドラマ・映画
フェイク……自分の仕事を奪われた氷室(渡部豪太)の才能を妬んだ一之瀬(冨田佳輔)が、氷室を潰すため、有明流家元で美術評論家の尾崎孝月(栗田芳宏)を脅して酷評させたり、栗原玲子(新実芹菜)に氷室と恋仲になったうえ失踪させ、ダメージを与え、それでもダメだったので、現婚約者の内田絵里奈(小池唯)を殺害した。

真相……氷室の才能に心酔した一之瀬が、悲哀や絶望の淵に突き落とすことで、氷室の創作を更なる高みに引き上げていた。
今回は一之瀬が絵里奈を痴情のもつれから殺害したと思わせ、裏切りと婚約者の喪失という二重の悲嘆を味わわせた。

 右京も指摘していたが、氷室を潰すための行為なら、創作に燃えることを予測して、ユリなどの花を用意しないので、真相は想像できる。

 ……芸術は理解不能だなあ。
 せめて、氷室の作品を見るための所業なら、まだ、分かるのだが、氷室を高みに引き上げるための行為。死んでしまっては、作品を観ることができない。
 自分の命を捨てて、自分を憎ませる嘘をつく……無償の愛?。


 絵里奈が本当に氷室を愛してしまったのも、一之瀬の筋書き通りで、彼女を殺害したのも、予定の行動だったのだろうか。

【その他の感想】
①「悪魔の仕業なんだ。奴はいつも、俺から大切なものを奪っていく……いつも、いつもなんだぁ」
 ……悲運、苦難、と言わず、“悪魔の仕業”と言うのが芸術家っぽいなあ。(若干、脚本家の作為を感じる)

②婚約者を失った後、創作意欲に駆られていたが、その後、家元の妻に刃物を向け、怒りと悲しみをぶつける……順番がおかしいのでは?

③氷室と婚約者が談笑している画像…婚約者はフィンガーズクロスを作っていた
 フィンガーズクロス……幸運を祈る意味を持つが、裏の意味で、心にもないことを口にする時にバチが当たらない為のおまじないの時もある

 右京は裏の意味でフィンガーズクロスを作っていたと解釈し、彼女の愛は偽りと推理したが、結婚式間近の画像で、この時には本当に氷室を愛していたはず。心にもない愛を語り合っていたというのには矛盾を感じる。
 
この“フィンガーズクロス”を説明するのに右京が
「青木君、僕は深く反省しています。
 これほど優秀な君をこき使って、僕は間違っていました。
 そうだ!今度お詫びに最高級のフレンチでもご馳走しましょう
 ………とまあ、こんなふうに心にもないことを口にする時に、バチが当たらない為のおまじないとしてフィンガーズクロスを背中に作ったりしますねえ」
と具体例を挙げ、青木がウガァとなったシーンは面白かった。

④家元の幼年者ヌード嗜好
 犯罪に近いが、周知の事実となっていたようだ(奥さんも知っていた)。脅しのネタになるのだろうか?

⑤印象的な言葉
「花を用いた芸術は、ある意味、罪なんです。
 植物にとって、一番自然なのは、誰にも摘まれることなく野山で命を全うする生き方です。
 なのに僕たちは、花の命を絶ち切り、既に完成された美を破壊して、新しい世界を再構築している」
「花から本来の命を奪うことで、芸術としての新たな命を吹き込んでいる」

⑥事情聴取中、右京が家元を怒らせてしまった時、「怒っちゃったじゃないですかっ!」
と出雲(篠原ゆき子)が起こる素振りが可愛らしかった。



第1話「復活~口封じの死」
第2話「復活~死者の反撃」
第3話「復活~最終決戦」
第4話「贈る言葉」
第5話「光射す」
第6話「マイルール」
第7話「かわおとこ」
第8話「操り人形」
第9話「生まれ変わった男」
第10話「紅茶のおいしい喫茶店」
第11話「二人」
第11話「二人」【追記】
第12話「お宝探し」
第13話「死者の結婚」
 

【ストーリー】番組サイトより
人気芸術家の婚約者に必ず訪れる不幸
事件の背後でうごめく悪魔の正体とは!?


 右京(水谷豊)は、小手鞠(森口瑤子)の誘いで、氷室聖矢(渡部豪太)というフラワーアーティストの展覧会を見学する。
 氷室は、婚約者の女性と仲睦まじい姿を見せていたが、その後、女性が氷室のオフィスで殺されているのが発見される。捜査一課が氷室を疑ういっぽう、右京と亘(反町隆史)は、氷室と十年来の仕事仲間だという生花の卸売業者・一之瀬(冨田佳輔)から話を聞く。ところが、取り憑かれたように仕事をする氷室に、聴取を遮られてしまう。
 小手鞠によると、氷室の前のパートナーは3年前に謎の失踪を遂げていて、氷室が婚約者を失うのは、これで二度目だという。そんな中、氷室が高名な美術評論家の家に押し入る事件を起こす。評論家には、かつて氷室の個展を酷評し、活動に水を差した因縁があったが、「恨まれる筋合いはない」と憤っていた。
 その頃、逮捕された氷室は、取り乱した様子で、婚約者の失踪と殺害は、「悪魔の仕業だ」とつぶやいていた。


天才アーティストに掛かる連続殺人の疑惑
フィアンセ失踪と殺害は悪魔の仕業!?
美しい花々と過去の事件が特命係を惑わせる!


ゲスト:渡部豪太

脚本:岩下悠子
監督:守下敏行
コメント (4)
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新型コロナウイルス その133「不満の多い政府、東京都の施策」

2022-02-04 09:53:38 | 時事
年末ごろ、
「オミクロン株が世界で急拡大しているが、日本はそこまで感染爆発しないだろう」というな希望的観測で、イベントや旅行(帰省を含む)や外食などを抑制しなかった。さらに、感染拡大に備えたワクチン接種態勢や検査試薬を準備しなかった。また、感染拡大が5波を超えた場合の、濃厚接触者数が膨大な数になることを想定していなかった。
 その結果、一日の新規感染者が10万人を超え、医療、介護、保育、学校、交通など多くの現場で齟齬が生じてきている。
 まん延防止措置や緊急事態宣言をすれば、感染拡大が押さえられたと言えないが、少しでも、感染拡大を押さえる必要があったはずだ。
 《宣言発出など社会活動を抑制したら、経済がストップしてしまう》《オミクロン株は無症状者も多く、重症化率も低いので、経済活動を抑制する方のマイナスの方が大きい》という主張は全否定できないが、社会活動そのものが機能しなくなったら、経済は勿論、生活そのものが壊れてしまう。

 小池都知事は「病床使用率が50%を超えたら、緊急事態宣言の要請を検討する」と言っていたが、《「重症用病床使用率」と「入院患者に対する酸素投与が必要な人の割合」のいずれかの指標が30~40%となった段階で、病床使用率などの参考指標等も用いてひっ迫度合いを判断》、《社会経済活動については、「欠勤者が都の就業人口の約1割に達する恐れがある水準」だとし、新規陽性者数の7日間平均が2万4000人となっていることを指標とする》とした。
 要するに、宣言要請の基準を高くして、宣言要請を先延ばしした。「医療体制がひっ迫している」のレベル4に引き上げたというのに、矛盾している。
 政府も、病床使用率が50%に迫ってきた段階で、「今のところ緊急事態宣言を発出する考えはない」とことを明らかにしている。

 経済が大打撃を受けることを避けたいのだろうが、その理由の他に、《そろそろ感染はピークアウトするだろう》と予測(期待)しているのではないだろうか?
 シンクタンク山猫総合研究所代表の三浦瑠麗氏ら「CATs(Collective Analysis Teams=リアルタイム社会診断システム)」と呼ばれる構想を共有する有志メンバーが開発した予測モデルによると、《東京都の新型コロナ新規感染者数(みなし陽性者除く)は、7日移動平均で2月上旬(1~9日)にピーク(1万7300~1万7800人)を迎える》という。
 その根拠として、《新規感染者数の上昇速度の減速が16日間続いて「上昇終盤」に入っており、ピークアウトは間近であるという。「接触機会の低下を示すSNS(交流サイト)などの行動変容インジケーター(指標)が第5波の(緊急事態)宣言時と同水準になっているほか、これまでと同様に病床使用率上昇が行動変容を促している状況にあるとみられる」》としているが、「行動変容インジケーター(指標)が第5波の(緊急事態)宣言時と同水準になっている」とは思えない(行動抑制が緩い)し、オミクロン株の感染力が増大しているので、安易に第5波のレベルで考えることはできないのではないだろうか。

 それはともかく、政府の発言には不満や疑問を感じる
 ワクチンの3回目接種が進まない現状について「接種を受けたがらない人が多い」という原因を上げているが、それは接種率が7割ぐらいになってからの話であろう。現状は接種を受けたい人が多数であるので、体制が整っていれば、順調に接種は進むはずだ。国民のせいにしてはいけない。
 感染拡大による医療機関や保健所の機能がひっ迫し、役所もコロナやその他の業務で手一杯。さらに、政府の方針がブレる……感染拡大を全く防止できなかった政府の責任であろう。

    ………さすがに「先手先手の対策」とは言わなくなった。

 それと、病床使用率が50%というデータは本当だろうか?
 自宅療養者の症状が悪化して救急搬送する際、搬送先が決まらず3~5時間後にようやく搬送されたという事例が多数あるという。
 第5波の時もそうだったが、計上されている病床数は見かけだけで、実際に機能できる病床はもっと少ないのではないだろうか?
 病床数だけ申告して、税金をせしめている病院はないのだろうか?
コメント (2)
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