英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

アジア大会 女子10000m ~1位を狙うのなら~

2014-09-28 12:01:23 | スポーツ
 アジア大会での長距離レースを見ていて、いつも思うことがある。
「なぜ、日本選手は一番勝ちやすいレース戦略を取らないのだろうか?」と。

 解説の金氏によると、参加選手中、シーズンベストのトップは西原(シーズンベストは不明)、2番目が萩原31分52秒。ただ、これが強さを100%反映しているわけではない。それは、現在のパフォーマンスやコンディションの方が重要ということもあるが、中東、あるいは南方アジアのレースの展開自体が、日本のそれと違うからである。
 日本はレース当初からハイペースでそれを最後まで維持しようとする。もちろん、タイトルが欲しくて勝利を重視する場合は、スローペースで終盤スパート合戦になることもある。で、「ハイペース維持型」の練習をすることが多いはずだ。
 これに対し、中東・南方アジアはスローペース基調で、アップダウンが激しい「ゆさぶり型」、あるいは、後半にペースを上げる「後半型」、最後に猛烈なスパート合戦になる「ラストスパート型」が多いのではないだろうか。
 こういう展開の場合、タイム自体は遅くなり、持ちタイムは当てにならない。33分ジャストの実力なら、32分10秒ぐらい、いや、32分を切る走力があると考えた方がいい。
 さらに、ラスト1000m、あるいはラスト1周のスパートに関すると、前半スローペースで展開した場合は、持ちタイムは関係なく、いかに、ロングスパート力、ラストスパート力があるか、それに精神力が関わってくる。

 よって、日本選手が有利に展開するには、序盤からハイペースで負荷を掛け、余力と精神力(やる気)を消耗させ、「ラストだけ強い選手」を振り落とす。また、トップレベル選手にも負荷を与えつづけることで、ラスト1周のスパートの力をそぎ落としてしまう。できれば、6000~8000mのうちに、差を広げておきたい。
 「ハイペース維持型」の日本選手得意の展開でレースを支配するのが一番勝ちやすい戦略なのである。とにかく、スパート力のない日本選手は、ラスト1周のみのスパート合戦は避けなければならないのだ。



 昨日の女子10000mは、最初の1周が80秒で始まる最も避けたい展開。しかし、ふたりの日本選手はこれに追従。
 ≪何を考えているのだろうか?≫
 これでは、10000走ではなく、「8000m走」になってしまう。下手をすると「3000m走」。それに、本番レースをスローペースで走ることは、接触も多くなるので小柄な日本人選手にとってリスクが大きい。それに、スローペースで走れば余力が残るかというと、単純にそうではなく、却って走りが窮屈になりストレスが蓄積してしまうことも多い。

 レースは後半、UAEのムハンマドが引っ張りペースが上がった。7200mで西原は遅れだし、先頭集団は萩原を含む5人となった。
 7950mでウズベキスタンのハミドバ、8000mでバーレーンのチュンバが遅れだし、先頭集団はムハンマド、中国の鄭、そして萩原に絞られた。ムハンマドは自己記録が32分39秒、鄭は32分44秒(モスクワ世界選手権マラソン19位)と萩原より50秒ほど遅いが、残り3000mを、1000m3分6秒前後のハイペースで引っ張る。持ちタイムを大きく上回るパフォーマンス。萩原の方がタイムは上だが、“よく離されず、付いていっている”という印象だ。
 ラスト1周67秒(その前の1周が73秒、のスパートをかけたムハンマドが31分51秒86で優勝、鄭も最後まで追いすがり31分53秒09で2位、萩原は残り360mで置いていかれ31分55秒67の3位だった。西原は32分41秒49で8位に終わった。

 3位銅メダルの萩原は、レース後国旗を掲げ、はしゃぎ、インタビューもハイテンションだった。
 でも、≪トップを狙っていた≫らしい。
 「あそこまで行ったら金だ」という言葉も出たが、≪それは違うだろう!≫
 金氏はレース序盤から「もっとハイペースで走り、ラスト勝負に持ち込まない方がよい」と解説していた。また、高橋尚子氏も、「序盤からもっと前に出ていれば、メダルの色も違っていたのでは」と語っていた。

 コーチや選手自身、一体どういう戦略(レースプラン)を立てていたのだろうか?
 今回、後半をムハンマドがペースを上げてくれたので、ハイペース能力のない選手が落ちてくれた。これが、スローペースで終始し、ラストスパートだけの勝負になったら、中位入賞も危うかったのではないだろうか。
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『HERO』 第11話(最終話)

2014-09-24 19:25:25 | ドラマ・映画
 今シリーズ(特にここ数回)のゴタゴタ振りを観て、最終回に期待していなかったので、「がっかり感」はない。
 しかし、釈然としない点が多く、やはり残念な最終回と言いたくなった。


★確かに、裁判中の久利生の演説には説得力はあった
(意訳です)
「無実かどうかの裁定の場合、罪を犯した者が心神喪失状態になっていなかったら、その者は確実に真実を知っている。
 しかし、被告(犯人だとは限らない)の言っていることが、真実なのかウソなのかは第三者には分からない。
 そこで、弁護人や検察が証拠や証言などを示して案件に光を当て浮かび上がった像を、裁判官が見極めて判断する。
 その時に、証拠や証言が誤りがあり光が曲がってしまっては、間違った像が浮かび上がり適正な判決を下せない。
 だから、法廷にいる人全て絶対に正直でなければならない」


このブログでも、裁判の仕組みについて議論したことがあり、
「裁判は真実を明らかにする場ではなく、弁護人と検察が、一方は被告を擁護するため、一方は断罪するために、全力で綱を引きあい、その到達点で判決を下す場」であるらしい……
 なるほど、これだとかなりの客観性が見込まれる。
 しかし、この方式にも限界がある。弁護人も検察も不利な証拠、証言(証人)は採用しない。なので、光量不足や照らされない箇所が生じてしまうことがあり得る。
 やはり、久利生の信念のひとつ、「真実を明らかにする姿勢」が必要なのではないかと私は考える。


 最終話では、久利生は裁判の原理を説いていたが、被告の罪を断罪するのに懸命で、真実を明らかにしようとする意志が弱かった。(久利生の姿勢を学んだ特捜部は、「真実追及の精神」に目覚めていたが)
 過去の未解決の通り魔事件(最初の冤罪案件も含む)が、場所が近くで、後ろから狙う犯行手口が似ているからと言って、それが同一犯だと結論付けるのは、参考人に名前が挙がっていたとしても短絡的ではないだろうか?(前話の段階では、参考人の名前まではつかめていなかったと思う)
 最終話では、現場まで足を運び調書を見ながら検証はしていたが、簡単に南雲の犯行と特定できる確信(証拠)が得られるとは考えられない。
 さらに、今回の殺人事件は屋台での口論が昂じての犯行で正面から刺しており、競馬の負けの腹いせによる“通り魔”的な過去の犯行とかなり性質が異なっている。
 たとえ、冤罪事件の真犯人が南雲だったと立証できたとしても、今回の犯行が南雲の犯行であると立証したことにはならない。
 確かに、今回の殺人事件で、「殺意があった」「いや正当防衛だ」と水掛け論の傾向はあったが、これまでの久利生なら、まず、今回の事件の検証を丹念に行い、新証言や新証拠を見つけ出そうとするのではないだろうか?


★理解しがたい元検事・国分
・たったそれだけ?……南雲ではなく、大友を起訴した理由

 ふたりとも、犯行当時現場近くにいて、被害者の証言した背格好が似ていた。違いは、大友と被害者とには金銭トラブルがあったということで、それを根拠に大友を起訴したという。
 金銭トラブルがあったということだけで犯人にしてしまう………まさに「たったそれだけの理由」である。当時の南雲の背格好は不明だが、現在の姿からだと「似た背格好」の該当者は多数居そうだ。
 「あの時の起訴は正しかったと言い切れますか?」と問う馬場検事に「君たちは迷いながら起訴するのか?確信なく起訴を決める検事がいるのかっ!」と一喝したが、金銭トラブルだけで確信を持って起訴するのか?と問いたい。

 国分の件で引っ張ったので、南雲には何か動かしがたい無実の証拠があって起訴を断念し、久利生がその証拠をひっくり返すのかと期待したが……

・入れ代わり立ち代わり訪れる城西支部のメンバーを無視して、弁護側の証人に?
 これはこれで“HEROらしい”とは思うが、やや冗長感があった。それでも、末次事務官の叫びには感じさせられた。(でも、これ、先週聞きたかったな)
「国分さん!
もしあのときの起訴が間違ってたとしたら、無実の人が罰せられて、真犯人は犯行を重ねて、とうとう27歳の若者が殺されちゃったんですよ?
自分は関係ないなんて、そんな道理が通りますか!?」

法律がどうとかじゃないでしょう!
人としてどうなんだって話なんですよこれは!


 それはともかく、何を思って弁護側の証人になったのか?
「懺悔の為」というようなことを言ったが、それなら検察側に立つべきだ。
 久利生が南雲が検事をやめた理由を問いただした時にとぼけたのは矛盾している。

 初めから告白するつもりなら、久利生の裁判の原理の演説は必要ない。
 あのシーン、どう見ても、久利生に心を動かされた感じだったよね。

★意外と突き上げが緩かった検察とマスコミ
 検察は、川尻部長が上層部から吊し上げられたが、それ以外は具体的な動きはなかった。
 マスコミも、八木記者が扇動しただけで、冤罪疑惑についても、それを検察自らが暴いたことについても、それほど厳しく追及したようには思えなかった。
 “前代未聞”と称したが、これは傍観者的見地で、実際に検察内部から冤罪暴露(告発)があったら、マスコミがどういう動きをするのか興味があったが、やや拍子抜け。

 この八木記者、最終回でいきなり登場。中立の立場で城南支部の行為を評するのかと思ったが、単に「権力が嫌い」「正義感ぶった検察が嫌い」という幼稚な感覚的な動機で動いていただけだった。
 そのうえ、弁護士に国分の様子を伝えるなど、脚本家の便利な道具扱いだった。

【その他の突っ込み・感想】
・前話のおさらいのシーンで登場しただけで、あと出番なしの江上検事(勝村政信)……
・これは、巷でも指摘されていたが、線香に息を吹きかけるのってどうなのかなぁ
・久利生が若かった時、荒れてた時に彼を救い、影響を与えた沼田検事の方が、鍋島次席より気になる。



【ストーリー】番組サイトより
 特捜部の捜査から外された久利生公平(木村拓哉)が、麻木千佳(北川景子)と戻った城西支部は揺れている。殺人容疑で送致された南雲尊之(加藤虎ノ助)が過去にも同じような傷害事件を犯していた可能性が浮上したからだ。そのうち1件では、別の被疑者が逮捕、起訴され、刑罰が確定した直後、病気で他界している。もし、南雲の犯罪であれば、検察は冤罪を自ら認めることになってしまうからだ。
 そんな中、南雲の第1回公判が開かれる。検察側からは久利生が立った。罪状を読み上げ、求刑する久利生に南雲は無罪を訴える。南雲の弁護人、松平一臣(羽場裕一)も正当防衛を主張。すると、久利生は南雲が関与したと思われる過去の事件を追求し始めた。
 この異例の展開に、マスコミも検察も騒然とする。特に、東京地検本庁は川尻健三郎(松重豊)を呼び出して事情説明を迫った。しかし、川尻は南雲が犯した過去の犯罪の起訴には自信があると突っぱねる。牛丸豊(角野卓造)は本庁と城西支部に挟まれ、胃がいたくなるばかり。
 一方、城西支部のメンバーは手分けして、過去の事件を検証。同時に冤罪起訴した疑いのある当時の検事、国分秀雄(井上順)を訪ねて捜査への協力を求める。しかし、国分は頑として応じようとしない。

 過去の事件を含めた南雲の裁判が始まる。未だ決め手を欠くままの久利生たちに対し、松平は驚くべき手段をこうじてくる。
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羽生四冠の過密日程……もう少し考慮してほしいものである

2014-09-23 23:38:08 | 将棋
 『週刊将棋』9月17日号は、“表”表紙、“裏”表紙(王位戦第6局、竜王戦挑戦者決定戦第3局)のダブルパンチの傷心の号であった。木村八段、糸谷六段(現七段)の会心の笑みの写真を見ると、やはり悔しい。取り返しの利く王位戦はともかく、竜王戦の敗退は痛い。
 負けたから言うのではないが、この時期は特に羽生四冠の日程が過密になっているような気がする。(ここで、断っておきますが、「過密だ、ああだこうだ」と言うのは私であって、羽生四冠が負け惜しみや言い訳や愚痴や文句を言っているわけではありません)
 今年度の場合、4月3局(3勝0敗、名人戦2局を含む)、5月3局(3勝0敗、名人戦2局)、6月4局(4勝0敗、棋聖戦2局)、7月5局(3勝2敗、棋聖戦1局、王位戦2局)、8月6局(4勝1持将棋1敗、王位戦3局、竜王挑決1局)、そして9月は20日現在6局(4勝2敗、王位戦1局、王座戦2局、竜王挑決2局)で、この後3局(タイトル戦2局)が組まれていて月間9局(番勝負が7局)。
 特に、8月15日以降の1か月半で13局(タイトル戦8局、竜王挑決を含めると11局)というハードスケジュールである。

8月15日 対糸谷六段 竜王戦 挑戦者決定戦 第1局  関西将棋会館
8月20・21日 対木村八段 王位戦 第4局  福岡市
8月27・28日 対木村八段 王位戦 第5局  神戸市
8月30日 対行方八段 将棋日本シリーズ 二回戦  札幌市
9月 2日 対糸谷六段 竜王戦 挑戦者決定戦 第2局  東京将棋会館
9月 4日 対豊島七段 王座戦 第1局  大阪市
9月 7日 イベント(トークショー)  東京
9月 8日 対糸谷六段 竜王戦 挑戦者決定戦 第3局  東京将棋会館
9月10・11日 対木村八段 王位戦 第6局  神奈川県秦野市
9月14日 イベント(チェス)  東京
9月15日 対村田顕五段 棋王戦 本戦3回戦  東京将棋会館
9月18日 対豊島七段 王座戦 第2局  神奈川県箱根町
9月22日 対高橋九段 NHK杯戦 2回戦  東京
9月24・25日 対木村八段 王位戦 第7局  神奈川県秦野市
9月27日 講演会(セミナー)  東京
9月30日 対豊島七段 王座戦 第3局  宮城県仙台市
       太字…公式戦 赤字…地方(遠征)

 タイトル戦の他、日本シリーズは札幌での対局、またNHK杯戦も通常の対局状況ではない。タイトル戦や地方での対局は前夜祭や移動日があり2日制のタイトル戦だと1局で4日間要する。なので、8月15日~9月30日の47日間の実働日数は35日に及ぶ。
 これに加えて、分かっているだけでイベントが3日ある。で、私が納得がいかないのは9月7日のイベントである。
 翌8日に竜王戦挑戦者決定戦第3局を控えているのに、なぜ?
 おそらく、イベントの方が先に決定していたと思うが、この時期、羽生四冠の日程が密なのは例年のことだし、竜王戦挑戦者決定戦がこの時期にあるのは分かっていたはずである。このイベントのコーディネーターとして名を載せている島九段、「コーディネーター」を名乗るならもう少し考慮してほしいものだ。
 しかも、このイベントの参加条件に「両国将棋学術会員の方と、会員よりご紹介のあった方(ビジター)に限る」とある。しかも、会場の都合上、定員70名と少人数。さらに「現在会員でない方も、8月29日までに入会手続きをしていただいた方につきましては、ご参加いただけます。女性・小中学生は年会費が割引になります。この機会に是非ご入会ください!」とある。
言葉は不適切かもしれないが、羽生名人をエサ扱いである。
 主催紙の都合もあるかもしれないし、複数タイトルを保持している羽生四冠では調整が難しいかもしれないが、将棋連盟ももう少し考慮してほしいものである。達人戦も外してほしい。羽生四冠は多大に連盟に貢献しているし、連盟もイベントなどに羽生四冠を酷使しているはずである。

 竜王戦挑戦者決定戦第3局、そして、この2日後の王座戦第6局と、終盤に崩れてしまったのは、多少なりとも過密スケジュールが影響しているのではないだろうか?
 

 ちなみに、羽生四冠の過密スケジュールは例年のことで、二年前の同時期にもこういった記事を書いている。

8月14日 対郷田棋王    A級順位戦   東京将棋会館
8月29日 対渡辺竜王・王座 王座戦第1局  仙台市
9月 1日 対森内名人    達人戦(非公式)有楽町・朝日ホールマリオン
9月 5日 対渡辺竜王・王座 王座戦第2局  横浜市
9月14日 対谷川九段    A級順位戦   将棋会館
9月17日 チェスイベント          神戸市
9月19日 対渡辺竜王・王座 王座戦第3局  盛岡市
9月22日 チェスイベント          東京スカイツリー併設施設
9月24日 対橋本八段    NHK杯    東京(将棋会館?NHK?)
9月27日 対木村八段    棋王戦     将棋会館
9月29日 対深浦九段    日本シリーズ  仙台市
9月30日 チェスイベント          渋谷ヒカリエ
10月3日 対渡辺竜王・王座 王座戦第4局  秦野市(神奈川県)
       太字…公式戦 赤字…地方(遠征)

 この時もハードスケジュールだが、今年はこれを上回っている。名人位を奪還しておいて本当に良かった(順位戦を戦わないで済む)。

 また、昨年の七月にも同様の記事を書いている。
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『軍師官兵衛』 第38話「追い込まれる軍師」

2014-09-22 21:17:37 | ドラマ・映画
今年の大河で一番面白かったような気がする。

官兵衛の決断
 前話、長政は“泥をかぶる”覚悟で、鎮房を謀殺した。
 官兵衛はその行為を知り、鎮房の嫡男・朝房を討った。
 光によると、「もしあの時、自分(官兵衛)が中津にいたら、長政と同じことをした」らしい。
 
 気になるのは、前話で「黒田家が生きのびる術は、ただ一つ」と官兵衛は呟いたこと。
 この時点で腹を決めたと考えるのが妥当だが、それにしては、朝房を討つことを決断するのに悩み過ぎである。
 「豊前は引き続き黒田に任せる」という秀吉の沙汰を聞き、座っていた椅子を払い投げるのも、腹が決まっていなかった証のように思える。

半兵衛の軍配をじっと見て、官兵衛、何を思う?
“宇都宮成敗”の決断は
①天下泰平の為
②黒田家が生き残る為
③長政の決意の意を汲んで

「人は将棋の駒じゃ」(by 秀吉)
 長政が自分の思い通り動き、官兵衛も恭順を示したことに上機嫌の秀吉。
「三成、清正、正則、長政、皆このわしに認めてもらおうと懸命に競い合う。それが豊臣家の為にもなるのじゃ。
 “競い合わせて力を出すこと”…それをわしは信長様より教わった。うまいやり方じゃ。しかもそれが実に面白い
 人は将棋の駒じゃ。それをこのわしが自在に操る。まるで神のようにな。上様もそれを面白がっていたに違いない」

 信長化する秀吉だが、茶々に首ったけの分、タチが悪い。

長政
 炊事を放棄し「お鶴の助命」を迫る女子衆(光、糸を含む)
 「お鶴を助けた」のではなく「お鶴が勝手に逃げた」ということにした。
 「情けは受けぬ」という鶴に、又兵衛「何が何でも生きよ。生きてさえいれば、光も見えてくる」と説得。

「口を挟むな」(官兵衛 対 三成)
 明の征服(朝鮮出兵)の野望を聞き、官兵衛が秀吉を諌めようとした時、口を挟んだ三成に対して
「控えよっ!三成殿。今わしは、殿下に申しあげている。口を は・さ・む・な」
 官兵衛の貫禄勝ち

「耳の痛いことを言ってくれる御方がいるうちが華でございます」(「官兵衛 対 秀吉」での利休のアシスト
「なにとぞ、御考え直しくださいっ!」(官兵衛)
「お主、このわしの夢にケチをつける気か」(秀吉)
「そうではございません、なにとぞっ!」(官兵衛)
「これ以上申すなっ!」(秀吉)
「耳の痛いことを言ってくれる御方がいるうちが華でございます」(利休)
「利休よ、わしは…黒茶碗が嫌いじゃ」(豊臣)
「殿下にも、いずれその良さがお分かりになります」(利休)
秀吉、立ち上がり、黒茶碗を蹴飛ばそうとするが、寸でのところで踏みとどまり、場を去る。

おね茶々
廊下でばったり。茶々は道を譲るが、その際、勝ち誇ったような笑みを。

秀吉家康
 和やかな雰囲気の中、秀吉に帰順を示さない北条の件で≪さっさと始末をつけろ≫と圧力をかける秀吉。
 それを黙って聞く家康。

 赤で彩られた聚楽第。赤が鮮やかだった。

官兵衛家康
「名高き軍師殿に、是非一度お会いしたかった」
「それがしもお会いしとうございました。徳川様は戦で唯一、殿下を破ったお方。御尊顔を拝すことができ、光栄の至りでございます」
「長久手の戦でござるか。あの戦には官兵衛殿がおらず、まこと、ツイテおったわ。
 わしもお主のような軍師が欲しいものじゃ」
「そう遠くないうちに、戦のない世が訪れます。さすれば、軍師など“無用の長物”」
「太平の世が来ると思うか?」
「はっ、豊臣の天下を…奪い取ろうとする者が現れぬ限りは」
「ふはははは」「ははは」


なかなか、コクのある会話であった。

そして、秀吉が蹴ろうとした黒茶碗で茶を飲み
「秀吉の次に天下を取るのは誰か……官兵衛じゃ。次に天下を取るのは官兵衛に違いない」

 秀吉が官兵衛を警戒している様(さま)を、官兵衛に再確認させる家康。
 秀吉を安心させるため、家督を譲る決心をする官兵衛。
 秀吉の次の天下を狙っている家康が官兵衛を邪魔と考え、天下取りなど狙っていない官兵衛をそのことで暗に圧力を加える家康。やはり、タヌキだ。

 
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コスモス、蕎麦の花、そして「例の花」

2014-09-22 09:51:45 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。

 コスモス(ピンク系)もあちこちで咲きそろい、目や心を楽しませてくれるようになりました。
 そばの花もほぼ満開です。
 そして、例の花……えぶりほえや……セイタカアワダチソウも頭角を現し、徐々に色づき始めました。

 花水木や銀杏も紅葉(黄葉)の準備を始めたようです。
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ウィンブルドン2014 男子決勝 フェデラー×ジョコビッチ

2014-09-21 19:44:52 | スポーツ
 「今更」という言葉さえも通り過ぎてしまう程、時が経ってしまいましたが、当ブログに於いて「今更」は年中行事なので目を瞑っていただきます。

 実は、この試合を観たのはほんの数日前。4回戦ぐらいまでは、ほぼリアルタイムで見たのですが、おそらくワールドカップサッカーと重なってしまい、先延ばしになったような気がします。
 と、書くと、私の興味は「サッカー>テニス」と思われるかもしれませんが、逆で「テニス>サッカー」です。ただ、テニスの試合、特に男子の試合は長くて熱戦になると3時間を超え、4時間オーバーの試合も時にはあるので、観戦するのも気合が必要なのです。


 私はフェデラーのファンだ。テニスの申し子のようなフェデラーを初めて見た時の衝撃は大きかった。サンプラスを超える選手は現れないだろうと思っていたが、またまく間に追いつき追い越してしまった。(グランドスラムと言われる4大大会の優勝回数はフェデラー17回、サンプラス14回)
 このフェデラーを凌ぐ選手が出来るとは思わなかったが、ナダルが出現。全仏9度の制覇を含め14回に到達してしまった。とは言え、『「クレーキング」と称されるほどクレーコートで圧倒的に強いが、他のサーフェスは今一つ』という評価もできる。ただ、「対フェデラーの対戦成績は23勝10敗(今年5月現在)とナダルが圧倒している」という事実も無視できない。さらにジョコビッチも現れて、今年のウインブルドンまで4大大会制覇は6度を数えてしまった。(ジョコビッチは対フェデラー戦、対ナダル戦は若干リードされているがほぼ互角まで追い上げてきている)
 このように、ナダルの台頭で「二強時代」、さらにジョコビッチが力をつけ「三強時代」となり、徐々に両者に押され始めてきた。その中で、一昨年のウィンブルドンでの優勝は感涙ものであった。
 最近は、アンディ・マレーを加えて「ビッグフォー」と称されているが、3番手あるいは4番手と言われてもきっぱり否定できない状況だった。

 そんな中での今年のウィンブルドン、フェデラーは、準々決勝で第5シードのワウリンカに1セット落としただけで、快調に勝ち進み、決勝に勝ち進んだ。準決勝も、4回戦で錦織を破ったビッグサーバーのラオニッチ(第8シード)もストレートで退けている。今年からステファン・エドバーグをコーチに迎えており、ネットプレーが増えた印象がある。
 一方のジョコビッチは、準々決勝でチリッチに1-2とリードされての逆転勝ち(6-1,3-6,6-7,6-2,6-2)、さらに準決勝でもディミトロフにセットカウントこそ3-1であったがギリギリの勝負を繰り広げての勝ち上がりであった。
 準決勝のディミトロフ(第11シード・ブルガリア)は“ベビーフェデラー”と言われるほど、フェデラーとプレースタイルが似ているオールラウンドプレーヤー。
 第1セットはジョコビッチがとったが、第2セットはディミトロフはゲームを支配し、第3セット、第4セットは大接戦となった。どちらがセットを取っても不思議でない内容だったが、どちらかと言うと、ディミトロフが押していたように感じた。お互いが信じられないコートカバーを見せ、スーパーショットの応酬を見せた。
 (残りビッグフォーは、第2シードのナダルが4回戦でモンフィス(第24シード・フランス)に1-3で敗れ、マレーは準々決勝でディミトロフに0-3で敗れている)

 決勝、第1セットは静かな立ち上がりで、ブレークポイントを取られることなく互いにサービスキープ、タイブレークに進んだ。
 タイブレークはまずフェデラーがミニブレーク、ジョコビッチが逆にミニブレークから6-5と逆転。そこで、フェデラーが集中力を高め、9-7でタイブレークを制し、セットを奪った。
 第2セットは、第3ゲームをジョコビッチがブレークし、そのままサービスゲームをキープして6-4でセットを取った。
 第3セット、互いにサービスゲームをキープし5-5。
 ここまでほぼ互角のゲーム展開にも思えたが、フェデラーはブレークポイントどころか相手のサービスの時、0-30とリードを奪えたことが一度もなかった。
 ストロークのラリーも押されていて、ジョコビッチの球足に押されてミスをするか、意を決してネットに出るがことごとくパッシングで抜かれるか、抜かれまいとアプローチショットを厳しく突こうとしてミスショットをするかのパターンを繰り返した。
 時折、厳しいコースを突くショットを放つが、ジョコビッチの守備力は素晴らしく返されるどころか、体勢を崩しながらもベースラインぎりぎりに返されるので、フェデラーはゲームを支配できないでいた。
 しかし、フェデラーも一度では決まらないならと、コースを突き何度もジョコビッチを左右に走らせて、浮き球を冷静にソフトボレーを決め対抗。また、サーブが好調で、サービスエースを数多く奪い、こちらもブレークポイントさえ与えない。


 とにかく、フェデラーのサーブの第11ゲーム、このゲームを取らないと厳しいぞと思っていたが、40-15とリードでなりほっとする。次のゲームが勝負と思っていた。
 ところが、フェデラーがダブルフォルト。この次のフェデラーのサーブがノータッチエースで決まったかと思えたが、ジョコビッチがチャレンジ(異議申し立て)した結果、フォルトの判定。結局、セカンドサービスの後ラリー戦を競り負け、デュースに持ち込また。
 さらに、次のポイントも取られ、初のブレークポイントを与えてしまった。と言うより、セットポイントを握られてしまった。
 ここで、フェデラーは強力サーブでピンチを跳ね返す。この後、ラリーを押され再度セットポイントを握られたが、3連続サービスエースを決めてピンチを脱した。

 結局、このセットはタイブレーク。
 “押されている”という印象は拭えず、このタイブレークを取らないと厳しいと観ていたが、正直、≪取れない≫とも感じていた。
 両者、1度ずつミニブレークをして、3-4でフェデラーのサーブ。強力なサーブでジョコビッチの返球が浮いたところをフェデラー、思い切り叩く。しかし、これが力が入り過ぎたのかサイドラインを割ってしまう。ジョコビッチがフェデラーの球筋の方にポジショニングを取っており、より厳しく強くと振り過ぎたのだ。
 7-4でジョコビッチがタイブレークを制し、このセットをジョコビッチが奪った。最後のポイントも、ストロークラリーで押されたフェデラーがミス。

 ゲーム内容もスコアもジョコビッチが優位となり、試合の流れは完全にジョコビッチと思われた。
 第4セット、第4ゲーム、ジョコビッチがブレークに成功、3-1とリード。

 ところが、フェデラーも続く第5ゲーム、この試合、初めて0-30とし、このゲームを奪い、初めてブレークを果たした。
 続く第6ゲームも15-15から、フェデラーがサーブアンドネットを試み、ジョコビッチを揺さぶり最後にスマッシュを叩き込み、フェデラーがペースをつかんだかに見えた。
 続くポイントも、ネットに出たフェデラー。しかし、ジョコビッチ、フェデラーの脇をパッシングショットで抜く。オンライン!……フェデラー、天を仰ぐ。
 このゲームを、ジョコビッチがブレークして4-2。
 ≪ああ、やっぱり…≫
という空気が漂う。

 第7ゲーム。最初のポイント、長いラリーをフェデラーがミス。
 ただ、このラリーは今までと少し違っていた。フェデラーの返球が強さを増し、ジョコビッチが返すだけになっていた。
 次のポイントは、ジョコビッチがイージーミス。
 次のポイントは、フェデラーがネットプレーを挑み、ボレーを叩き込む。フェデラーのアプローチショットが鋭く、余裕を持ってネットに出ることができた。30-15。
 次のポイント、ラリー中、フェデラーが回り込んでフォアの強打を狙うがネット。
 次のポイント、ジョコビッチのサーブを回り込んで返球。とにかく、積極的なフェデラー。
 長いラリーをジョコビッチが制し、40-30。
 ジョコビッチがサービスエースを決めて、このゲームを奪い、ゲームカウント5-2

 第8ゲーム、サーブアンドボレーなどを駆使する積極的なプレーで、1ポイント失っただけでフェデラーがサービスキープ。

 第9ゲーム、フェデラーのレシーブが浮いたのをジョコビッチが強打するも、アウト。
 次のポイント、ラリー中の回り込みが功を奏して、フェデラーポイント。
 ジョコビッチが2ポイント連取。
 30-30、ラリー中、バックのアプローチを振りぬき、これがエース。見事なバックのトップスピンだった。
 ブレークポイント、フェデラー。ジョコビッチの逆クロスを、バックでダウンザライン。これをかろうじてジョコビッチ返すも、フェデラーがクリーンヒットしてポイント。ブレークを果たす。ゲームカウント、4-5。

 第10ゲーム。ブレーク数では並んだものの、このゲームを落とすと終了。ゲームの流れはフェデラーにあるが、ブレーク合戦の様相を考えると、油断はできない。
 最初のポイント、ラリー中、フェデラーが回り込んでフォアの逆クロスでジョコビッチをコートの隅に誘い、返球をオープンコートに返してネットへダッシュ!しかし、これをジョコビッチは読んでいて、パッシングショット!。このゲーム、何度も見たシーンをまた見せつけられた。フェデラーのアプローチショットも甘かった。
 それでもひるまず、ストロークのタイミングを早め、体重を乗せる。これをジョコビッチがミス。15-15。
 セカンドサービスのリターンに対し、通常より回転を強くしたスライスボール。ネットすれすれを通過し、滑るようなバウンドに、ジョコビッチがミス。30-15。
 しかし、ここでダブルフォルト。30-30。
 さらに、ファーストサーブがフォルト。セカンドサーブをラリーに持ち込まれ、フェデラーがネットに掛け、30-40。マッチポイント……チャンピオンシップポイントだ。
【続く】

「続く」としていますが、続きは書いてないです。申し訳ありません。
 
 
 
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『ST 赤と白の捜査ファイル』 第10話(最終話)

2014-09-18 22:36:52 | ドラマ・映画
多彩な要素がてんこ盛りの最終回だったが……
その【多彩な要素】
・赤城の本質(対人恐怖症で口が悪く性格も腐っているので、人の役に立つためには謎を解くことしかないらしい)
・三枝の真意(おとり捜査云々)
・三枝の謎かけの答(『証拠を捏造してまで謎を解くような人間を赤城君は 絶対に許せない』……15年前レイプ殺人事件の犯人を逮捕するため証拠を捏造したのは湯原(石黒賢)だった)
・犯行グループに漂う“自殺願望”の理由(捏造がばれて、レイプ犯を野に放ち同僚が犠牲になってしまった)
・関本警部補(葛山信吾)の正体
・桃太郎伝説の解釈(「善と悪の戦い」ではなく「善と善との戦い」)
・チームSTの結束(実はメンバーは百合根に感謝していた)


 と、多種の要素が盛り込まれ、それぞれは面白かったが、五芒星に含まれていた犯行の規則性は先週既に赤城が解明していたし、三枝の真意も見え見えだったし、犯行グループは湯原の心の傷の“憂さ晴らし”に巻き込まれただけ。
 湯原の真の狙いに関する赤城の推理も回りくどかった。
 そんな訳で、最終回の“ダラダラ感”“ぐだぐだ感”が半端でなかった。
 さらに、ラストに赤城が逮捕されるという映画の宣伝を入れたので、“収束感”も消し飛んでしまった。ドラマ完結後に予告編として流すのなら許容できるが、本編のラストに組み込むのはあり得ない!非常に残念な最終回だった。

 登場人物のキャラが立っていただけに、今回の連続ドラマは残念な出来だった。

 残念ついでに書くと、
しょぼいカルトな犯行グループ
・桃太郎の新解釈云々であったが、結局は法で裁かれなかった者を私怨で殺害しただけ。特に主犯の湯原は思想も何もない。
・五芒星や陰陽五行説になぞらえ、「木、火、土、金、水」の字を含む悪人を殺害したが、これはどう考えても必然性がない。悪人に名前に「木、火、土、金、水」が含まれていなかったら天誅を下さないのだろうか?


【ストーリー】番組サイトより
 桃太郎の鬼退治と称して正義の味方を気取った連続殺人事件が発生する。被害者はいずれも世間的に悪人とされる人物であり、一連の事件は警察に代わって悪を裁こうとする組織が起こしたものだった。
 犯人グループの一人、三枝俊郎(渡部篤郎)は大胆にも赤城左門(藤原竜也)を呼び出し、「次に狙われるのは百合根友久(岡田将生)か赤城」と、ヒントを与える。赤城は次のターゲットが百合根だと推理し、焦り始める一方で自分の中で芽生え始めた“人を殺す気持ちが知りたい”という葛藤に悩み苦しむ——。
 ラボに戻り、青山翔(志田未来)にプロファイリングを聞くと、犯人グループは社会に正義をアピールしたいという一方で自殺願望があるという。また赤城は犯人グループが被害者を拉致した場所に残す“五芒星”の意味を推理し、名前のどこかに「土」「水」「火」「金」「木」が付く人物が順番に殺されていることを解き明かす。そして次は「木」が付く名前の人物。赤城は次のターゲットが百合根だと改めて確信し、三枝に接触を試みるが時すでに遅く、三枝は百合根を呼び出していた。
 カフェ3に行った百合根は拳銃を突きつけられ…そして悲劇は起きる―。果たして赤城は百合根を救うことは出来るのか!? そして赤城はもう一人の自分の暴走を止める事は出来るのか!? 最後にたどり着く答えとは―。
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『HERO』 第10話

2014-09-17 19:02:11 | ドラマ・映画
今回はレビューと言うより感想です。

「大事を成すために、小事を蔑ろにする」
・贈収賄を立証するために巻き込まれた者の気持ちなどどうでもよい
・真実を追求する意思はなく、立件で出来る証拠が得られればいい。小さな矛盾などは無視する。
・過ちを正そうとはしない(冤罪を明らかにせず、臭いものに蓋をする)

久利生の言葉
「事件の当事者は人生懸かってるんですよ。下手したら命懸かってるし。
 嘘、つけないでしょう!俺たち検察なんだから。
 やっぱ、事件には真正面に向き合っていかないとダメでしょう」


 同感だが、この言葉も生ぬるい。
 当事者の人生が懸かっていなくても、法を扱う者としていい加減な仕事をしてはいけないでしょう。

 そもそも、検察が自ら冤罪を暴くことになるとは言え、人を殺傷した者を起訴するのを躊躇するのが普通の検察官の反応なのだろうか? 「冤罪を暴いたら検察全体を敵に回し、検察官をやめなければならない」というのがこの世界の常識なのだろうか?
 もし、現実にそういう風潮であったとしたら、検察(警察)は信じられないな。
 自分たちの保身、検察の面子のために、正義を歪めてしまうことこそ、検察官失格なのではないだろうか?


 さらに、余罪が浮かび上がった容疑者に対して、“お手柄”的な感想。
 何回も暴行事件を繰り返した被疑者に怒りが湧かないのだろうか?
 検察官が怒りに左右されてはいけないが、この犯罪者を不起訴にして野に放つことの重大さを考えないのだろうか?


 ≪今さら、そんなことを言っているの?今期の序盤で検事の正義を何度も説いていたが、あれはなんだったのか?≫
 今話の最後で、メンバーが各々、正義に燃え上っている表情が映し出されたが、“正義ごっこ”をしているようにしか見えなかった。


 予告で、
「検察の信頼が問われているという自覚がおありですか?」
と、牛丸が記者から糾弾されているシーンがあったが、
 これは、城西支部の行動(冤罪の暴露)に対してのことなのだろうか?冤罪を起こしてしまったことに対してなのだろうか?
 もし前者なら、マスコミの姿勢としてはおかしい。



【ストーリー】番組サイトより
 久利生公平(木村拓哉)と麻木千佳(北川景子)は、川尻健三郎(松重豊)に東京地検特捜部のサポートを命じられる。特捜部は現職大臣と建設会社の贈収賄を裏付けるため、人手不足になっていたのだ。千佳は特捜部と色めき立つが、久利生は淡々と応じる。
 特捜部で、久利生たちを迎えたのは江上達夫(勝村政信)。早速、江上は久利生と千佳に仕事を説明する。だが、それは関係書類から事件と関係ありそうなものを探す地味な作業だった。久利生の活躍をサポート出来ると張り切っていた千佳は、がっかり。
 しかし、江上が胃潰瘍で入院。急遽、久利生は江上が担当していた建設会社運転手の取り調べを引き継ぐ。早速、久利生は運転手に事実確認。すると、運転手は現職大臣に金を運んだ日は休んでいて車の運転はしていないと主張。久利生は、もう一度運転手の行動を調べ直すことにする。
 一方、城西支部には南雲尊之(加藤虎ノ助)という被疑者が殺人容疑で送致された。田村雅史(杉本哲太)が担当するが、南雲は黙秘。また、南雲には大手事務所の弁護人、松平一臣(羽場裕一)がついていた。何か裏が…。遠藤賢司(八嶋智人)が警察の過去の捜査資料を調べると、南雲が容疑者として浮上した事件を見つける。傷害事件だが、今回の事件と地域が近接しているため城西支部は南雲の犯行を疑う。それらの事件はいずれも容疑者逮捕に至っていない。だが、1件だけ別の男が起訴され、判決直後に亡くなっていた。

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将棋雑感 ~8月を終えて~ その3

2014-09-16 17:39:04 | 将棋
サブタイトルに「8月を終えて」と付けたこと、後悔しています。
既に9月も半分過ぎてしまった…………

      将棋雑感 ~8月を終えて~
      将棋雑感 ~8月を終えて~ その2

順位戦 B級1組
 4勝0敗 山崎七段(6位) 佐藤天七段(12位)
 3勝1敗 橋本八段(7位) 木村八段(8位)
 2勝1敗 丸山九段(5位)
 2勝2敗 豊島七段(3位) 村山七段(13位)
 1勝2敗 屋敷九段(1位) 松尾七段(4位)
 1勝3敗 畠山七段(9位) 藤井九段(10位)
 0勝3敗 谷川九段(2位)
 0勝4敗 飯塚七段(11位)

9月1日終了時点 括弧内は今年度のB級1組ランキング


 4回戦は8月28日に一斉対局の予定だったが、王位戦の関係で豊島×木村戦は9月1日に行われた。
 この対局者が、羽生王位、羽生王座への挑戦者同士で、注目していた。
 脇システムからねじり合いとなったが、木村八段が盤面全体を制圧する受けで局面を支配し、自玉の入玉を確定させた後、持将棋に望みを託した豊島七段の玉を捕まえ勝利した。終局は238手、終局は午前2時16分だった。
 木村八段の充実ぶりを示す一局だったが、対照的に豊島七段にはどこかひ弱さを感じてしまった。丸山九段との順位戦も大逆転負け、さらに王座戦挑戦者決定戦での同じく丸山九段との一局も、終盤ヨレヨレとなり、辛うじて丸山九段の頓死に救われた一局だった。
 豊島七段の今年度の成績は、11勝8敗。豊島七段にしては勝率が低いのは、対戦相手がきつくなってきた為で、敗れた相手は広瀬八段、千田四段、深浦九段、田中悠四段、阿久津八段、丸山九段、木村八段、羽生名人。破った相手も、村山七段、森内竜王、深浦九段、三浦九段、行方八段、屋敷九段、中村太六段、丸山九段、菅井五段というそうそうたるメンバー。
 実力十分で、調子も悪くなさそうだ。丸山九段には1勝4敗で、苦手意識があるのかもしれない。
 飯塚七段は4連敗。順位も悪いので苦しい。しかし、将棋の内容は対豊島、木村、佐藤天戦は、激闘死闘と言ってもおつりが来るほどの熱戦。4戦目の山崎戦も、“一手ばったり”の悪手で好局を不意にしている。大局を見誤ったのは3連敗が影響したのかもしれない。一勝を挙げれば持ち直してくると見ているが、次は丸山九段と大変な相手。
 飯塚七段より心配なのは、3連敗の谷川九段。≪この将棋を負けたら、勝つ将棋はないぞ≫という将棋を逆転負けしている。今期5連敗のあと3勝2敗と復調の気配を見せている。次の相手は屋敷九段。
 昇級争いは、ほぼ順当に昇級候補が顔を並べている。しかし、実力伯仲で総当たりのこの組は、まだまだ逆転の余地がある。個人的には、山崎七段と豊島七段にA級に上がってほしい。


山崎七段について
 上記のB級1組で4連勝と快調な山崎七段であるが、NHK杯戦は二回戦で敗れてしまった。山崎七段の時には“奇想天外”とも呼べる独特な感覚の将棋は魅力的で、2局で姿を消してしまったのは残念だ。2回戦も会心譜となるはずだったが、≪格調高く≫とか≪格好よく≫と余計なことを考える悪い癖が出てしまった。また、≪とりあえず安全に≫とか≪長引かそう≫という指し手を良しとしないのも山崎七段の魅力だが、それが成績の妨げになっているような気がする。持ち時間が長ければ、実利を優先すると思うが、短時間将棋だとポリシーに従ってしまうのだろう。特にテレビ将棋は、視聴者を意識しすぎるように思われる。


里見女流二冠、休場延長
2014年3月1日~2014年8月31日まで休場中の里見香奈女流王座・女流名人(さとみ かな、22歳、奨励会三段)より体調不良を理由に、さらに4ヶ月間の休場届が役員会に出され、役員会はこれを受理いたしました。(休場期間は2014年9月1日~2014年12月31日)【将棋連盟ホームペジより】
 非常に残念な知らせで、非常に心配です。
 延長期間が半年ではなく四か月であることに、「快方に向かっているが9月には間に合わなかった」という希望的観測をしたい。
コメント (6)
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『軍師官兵衛』 第37話「城井谷(きいだに)の悲劇」

2014-09-15 16:20:38 | ドラマ・映画
今回もいろいろ不満に感じることは多かったものの、
宇都宮鎮房謀殺のシーンは緊迫感があった


Ⅰ長政、待ち伏せに遭う
 鎮房の計略に嵌まり、待ち伏せに遭い、命からがら逃げかえった長政。
 筋としては妥当なのだが、あまりにも長政が浅はかなので、もう少し何とかならなかったのだろうか?
 たとえば、谷の入り口で狭い一本道を見て、待ち伏せの可能性を感じるのが普通であろう。
 そこで、参謀・又兵衛あたりが、用心の為、長政を最後尾に配置、それが効して難を逃れたぐらいにしないと、あまりにも無策で、逃げ延びたことも嘘っぽくなってしまう。

Ⅱ夫を信じる糸
 夫の窮地にも動ぜず、針仕事に励む糸。また、生還した長政を励ます糸。
 糸の肝の太さを表しているが、これとて、長政の才覚を信じてのことならともかく、そういうシーンはほとんどないので、現実味に乏しい。長政の才能とは言わず、せめて、糸が長政の人柄に惚れ込む描写がされていたのなら納得もできるのだが。

 少し言いにくいが、
 最近の大河は女性の優しさや芯の強さを描いて女性視聴者に媚びているような傾向があるように思えてならない。お鶴と侍女たちの和みのシーンもそう。
 さらに、子役を輝かせすぎる傾向も強い。この長政の少年期がまさにそれで、≪あの利発な松寿丸はどこに行ってしまったのか?≫と嘆きたくなるくらいである。

Ⅲあっという間の鎮房、和睦(服従)
 官兵衛対鎮房を描いて、軍師・官兵衛の恐ろしさを知った上での服従なら納得できるが、本編は≪えっ、もう降参しちゃうの?怒っていた割にはあっさりと屈するなぁ≫という感想しか持てなかった。余計な部分(秀吉出生の戯言も含む)を省いて、本腰を入れて描いてほしいものだ。

Ⅳ長政、鎮房を謀殺す
 部屋に案内された辺りから漂う不穏な雰囲気、酒を注ぐ家臣が緊張のあまりこぼしてしまう。
 冷たく乾いた表情の長政。
 この空気の中で、酒を勧められる鎮房……


   この緊迫感、まさに大河の醍醐味!


 それにしても、覚悟を決めて酒を飲んだ鎮房を斬り捨てるとは、非情すぎる!
 長政って、そこまで非道なのか?
 父の役に立ちたくて、猪突猛進で、酒のシーンそこそこに切りかかった方が長政っぽいと思うが。

 深く考えての謀殺なら、酒を飲むか飲まないかで鎮房への対処を決める。
 鎮房が酒を飲まなかったら斬り捨てるの方がスッキリするが、大河的には本編かなあ。
 ただ、本編のようにするなら、もう少し長政を何とかしてほしかった。



佐々成政について
 成政は私の地元にも縁のある武将。
 柴田勝家の家臣で、賤ヶ岳の戦いは消極的ではあったが勝家側に付いた(同じく勝家の家臣の前田利家はさっさと寝返った)。
 また、秀吉対家康の際には、家康側に付いたとある。
 秀吉が「成政は2度逆らった」と言ったのは、この2件のことであろう。もう少し説明してほしかった。
 最後の「おのれ猿め!」のセリフも浮いてしまっていた。
コメント (2)
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