英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「不滅のあなたへ」Season2 (アニメ)

2023-04-30 18:44:01 | アニメ
《今記事で、いろいろ疑問点を述べますが、アニメのSeason2までを視聴した時点でのものです。
 「現代編」もあるようなので、そこで、改名されることも多いと思いますが、私は放送される「現代編」(アニメ)を待つつもりですので、コメントをくださる場合は、その点に留意していただけると有難いです》

 (参考:Season1の記事2021年9月1日)

 昨年秋(2022年秋)から放送された「不滅のあなたへ ~Season2~」をようやく視聴。
 Season1が終了し「Season2は来年秋放送」と聞いた時は、《なんだ、そんな間が空くのか》と思ったものだった。しかし、月日が経つのは早く、昨年(2022年)10月に放送が始まった時には、《もうそんなに経ったのか》と。
 しかも、実際に始まっても、なかなか観る気が起きなかった。《主人公のフシは、自分と関わった人の死によって成長する》というストーリーの根幹があるので、視聴する身にとっても、けっこうしんどい。
 それで、視聴に二の足を踏んでいた。実生活で、寒いのが嫌い、雪かきは嫌……なので、春になってから一気に観ようと思っていた。一気に観れば、しんどい期間も短い。


 やはり、多くの登場人物が死んで、敵であるノッカーとの戦いは過酷なものだったが……面白かった。
 面白かったが、Season1の方がおもしろかったかな。スケールや劇的な展開自体はSeason2が上回っていた。しかし、ストーリーの緻密さはSeason1の方があった。
 もちろん、Season1は未完で、不明な部分を先送りしたので、矛盾や疑問がはっきりした形にはならなかったということもある。
 その点を差し引いてもSeason2はストーリー展開をしっかり構築せずに、話を進めたように感じた。それで、疑問点が多くなった……


 
ノッカーについての謎、疑問
 ノッカーの存在や、目的が謎だった。
 Season1では、フシの敵、フシと相反する存在で、《フシを葬る》のが目的、《人間を襲う》のが手段(目的かも)という感じだった。
 人間に寄生(侵入)し意識を乗っ取り、ゾンビ化して人間を襲う。人間に寄生するという点では『寄生獣』に似ているが、寄生獣は人間を乗っ取った状態で生きる、生きのびようとするので、目的が違う。ただし、寄生獣を生み出した存在は、《自然界からはみ出てしまった人間を駆逐する》のが目的だったようなので、寄生獣も本来はノッカーとよく似た存在と言える。
 それが、Season2では、守護団のカハクの左腕に寄生しているノッカーから、ある程度のノッカーの目的を知ることができた。(『寄生獣』のミギーと酷似)
 ノッカーは、《肉体(人間)はファイ(魂)を閉じ込める忌むべき存在》で、《人間を襲うのはファイ(魂)を開放するため》らしい。
 なので、Season2ではノッカーはフシが関与しないところでも人間を襲っていた。Season2では最優先事項が《フシを葬る》ではなく《人間のせん滅(魂の解放)》になっていたように思う。

 そもそも、観察者は《世界の情報を記録・保存する》ためにフシを創った。(そのため、フシは記録したものを再現できる能力を持っている)
 では、ノッカーは誰が作ったのか?……
 フシ側の人間には、“黒い人“と呼ばれていたが、番組キャラクター名は“観察者”。その呼び名からすると、フシを創る一方で、それと相反する存在のノッカーを創り、両者の戦いを観察すると考えたが、作者(番組制作サイド?)は明らかにしない。
(“現生編”もあるようなので、そこで、いろいろなことが明らかにされるのかもしれない)

ストーリーの設定に関する疑問・謎
①パロナは、なぜ復活しなかったのか?
 Season2の後半で《使者を再現、復活させることができる》というフシの能力が明らかになった。
 その顕著な例が“不滅の三戦士”のカイ、ハイロ、メサール。彼らは、フシによって何度もよみがえり、ノッカーと戦った。
 蘇った者は、人形やロボットのようではなく、人格、記憶、能力がそのまま再現され、生前の本人そのものであった。
 ただし、蘇らせることができる条件があって
・フシが対象人物の健康体を再生できること(対象人物が健康であった時に会っていなければならない)
・対象者が厳正に未練がなく、昇天してしまっていたら蘇らせることはできない

 (ノッカーに寄生されてしまったらダメなのかと思ったが、トナリは復活した)
 この2つが条件だとしたら、パロナは未練がなく昇天したということになるが、ハヤセに殺された(かなりの惨殺)らしいので、昇天したとしたら不思議。
 同じようなことがアルメについても言える。彼女はメサールが好きだったが、その思いを遂げることができなかった。ノッカーに寄生されて死亡したが、その前に、メサールとは兄妹であったことを知ってしまった。この事実に絶望して、現生を去ってしまったのだろうか?(昇天してしまったのだろうか?)

②守護団の目的がよく理解できない
 初代?ヒサメはフシと敵対したが、同時に支配したいという欲望もあったようだ。
 その欲望を代々引き継いだと考えられるが、“勝手に押しかけ応援助力段”のようで、親衛隊的団体と思えばよいのだろうか?
 なぜ、“寄生獣ミギー状態”(実際は左腕だが)を保てるのかは、不明。


個人的な不満点
①マーチの2度目の死は悲しすぎる
 人間としてのフシを失った大きな悲しみで、今後の人生を否定して何も受け付けずに死んでいった(実際は、薬による安楽死)。
 もっと生きて欲しかった

②グーグーの安楽死
 あれだけ勇気があって真っすぐなグーグー、半死半生になったとしても安楽死を選んでほしくなかった。

③トナリの一度目の死
 フシがノッカーに対抗できるため、自ら毒耐性を獲得したトナリ。
 なのに、フシと再会してすぐノッカーに寄生されて死亡……悲しかった(後に復活したけれど)。

④エコの存在意義
 土器人。自分の意思を伝えるのが困難。
 ノッカーや自然などの異変に敏感で、活躍したが、カハクの左腕のノッカーに寄生され(←確信なし)、死を選ぶが…ノッカーがそれを許さず逃亡を図る。
 結局、カハクが左腕ノッカーを取り戻し、エコは仲間のもとに帰ったが、衰弱して死亡。
 フシはエコを救えたはずだが、そのまま死なせた。なぜ?
 現代編で、エコはフシに大きく関わると予感。

⑤フシの比重が大き過ぎ
 不滅の三戦士やボンやカハクや兵士たち、更にグーグーら復活者も奮戦したが、結局、フシの力に負う部分が大き過ぎ。
 「ノッカーは、人間の数が減らない(←フシの復活させる能力による)ことに、意気消沈?」という説明はあったが、最終的にはフシは人間離れした存在になってしまった。
 ストーリー的にもう少し人間の力を示してほしかった。


………ボンは阿保王子だと思ったが、思慮深く、信念の人だった。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

期待の星、ようやく輝く ~佐々木大地七段~

2023-04-29 19:52:27 | 将棋
 佐々木大地七段
 棋士で佐々木姓と言えば、佐々木勇気八段の名を挙げる人が多いだろう。(佐々木慎七段も強い。B級2組、竜王戦2組。430勝326敗 .569)
 2010年10月1日に16歳で四段になった俊英で、藤井六冠のデビュー後無敗の連勝を「29」でストップさせたことでも有名。
 順位戦昇級もほぼ順調で、昨年度A級昇級を決めている。。スイスのジュネーヴ生まれ生まれというのも格好いい(連盟のデータベースの出身地は埼玉県三郷市となっている)
 勇気八段とは6年半遅れて、2016年4月1日四段になった佐々木大地七段だが、それでも20歳なので早い方だ。佐々木勇気八段が早いのである(三段リーグ入りは藤井六冠が破るまでの最年少記録、三段リーグ発足後の四段昇段も三番目の早さ)。

 佐々木大七段の印象は、《この佐々木も相当強いぞ》だった。
 実際、2016年度 25勝10敗 .714、2017年度 36勝20敗 .643、2018年度 46勝13敗 .780、2019年度 45勝22敗 .672、2020年度 37勝15敗 .712、2021年度 34勝14敗 .708、2022年度 32勝14敗 .632、20年度 6勝1敗 .857……通算 261勝109敗 .705。370局指して勝率7割以上というのは、無茶苦茶好成績だ。(2018年度は最多勝利賞、2019年度は最多対局賞)
 なのに、竜王戦はまだ4組、順位戦に至ってはC級2組から上がれないままである。前期も8勝2敗で次点……敗れたのが豊川七段(成績は2勝8敗)と富岡八段(2勝8敗)。(「ちょっとぉぉ~」と声を上げたくなる)
 上記の年度ごとの成績は、将棋連盟のホームページで調べたのだが、これだけの高勝率なのに、昇段が遅いので、たくさんスクロールしないと確認できない。2016年度、2017年度が163番目、その後、153番目→154番目→154番目→136番目→109番目→109番目(2023年度)。←数え間違いしているかもしれない。
 この連盟のデータの順番は段位順(同段位の時は棋士番号順)。実際の強さや成績を反映していないので、不便である。例えば、菅井八段の今期の順番は60番。豊島九段も2020年度は2番目だったが、無冠になった2021年度は34番目に転落。羽生九段も2018年度は7番目まで下がった(この年度はタイトル保持者が6人)。その後、タイトル保持者が淘汰され(藤井君が次々に…)3名になり、4番目まで回復したが、谷川九段が十七世名人を就位したので、現在は5番目となっている。

 佐々木大七段と言えば、王位戦挑戦者リーグ。
第59期(2017年度末~2018年度初め) 1勝4敗 陥落
第60期(2018年度末~2019年度初め) 3勝2敗 陥落
第61期(2019年度末~2020年度初め) 3勝2敗 陥落
第62期(2020年度末~2021年度初め) 3勝2敗 2位残留
第63期(2021年度末~2022年度初め) 3勝2敗 2位残留
第64期(2022年度末~2023年度初め) 現在4勝0敗
 リーグ最終局を負けても4勝1敗。他のメンバーで1敗以下なのは渡辺名人(2勝1敗)のみで、渡辺名人が残り2局ともに勝たないと同星決戦とはならない。佐々木大七段が挑戦者決定戦に進出するのが濃厚な状況。(最終局敗れて、渡辺名人が連勝し、同星決戦で敗れた場合のみ決定戦進出ならず。確率は1/16で6%強。
 5期連続3勝2敗以上。陥落しても予選を勝ち抜き復活。ちょっとやそっとの地力ではない。

 2019年度の棋王戦でも、挑戦者決定戦まで進出したが、本田奎五段に敗れ、挑戦を逃している。

 将棋は正攻法。多少、危険(失敗)を感じても、踏み込んでいく。
 投げ方がきれい(潔い)。


 そんな佐々木大七段が、勝ちまくっている。4月28日に高野智史六段に敗れ、15連勝で終わったが、上記の王位戦、そして、棋聖戦本戦トーナメントでも大橋七段、糸谷八段、渡辺名人、永瀬王座を破り、挑戦権獲得!
 渡辺名人には王位リーグに続いて連勝(通算3勝0敗)、永瀬王座には通算2勝2敗、豊島九段には1勝4敗(2017-2020年にかけて4連敗していたが、昨年初勝利)、羽生九段には1勝3敗。
 藤井六冠とは最近対戦がなく、2017~2021年に2勝2敗。

 藤井六冠はこれまで、豊島九段、渡辺名人、永瀬王座、羽生九段、木村九段、広瀬八段、出口六段を降してきた。現在、名人戦で渡辺名人(2勝0敗)、叡王戦で菅井八段(1勝1敗)と対戦中だが、佐々木大七段が最も勝つ確率が高い気がする。と言っても、佐々木大七段が有利と言う訳ではない。でも、《もしかしたら》という気がしている
 菅井八段も、王位戦で羽生王位をボコボコにした強さを発揮すれば、面白そうだ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新型コロナウイルス その152「5類移行について」

2023-04-28 23:04:46 | 時事
 新型コロナウイルス感染症が、5月8日から「5類」に移行される。

 感染状況
・28日に東京都内で新たに1613人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。1週間前の金曜日より172人増えた。前の週の同じ曜日を上回るのは12日連続
・NHKが全国の1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめたところ、
  ▽~今月13日の1週間 前週の1.10倍
  ▽~今月20日の1週間 前週の1.09倍
  ▽~今月27日の1週間 前週の1.15倍
 このように増加傾向が続き、5週連続で前の週を上回っている。


 不安を感じるデータである。
 でも、規制を緩和するのは仕方がないとは思う。
………仕方がないとは思うが、「全数把握」をやめて「定点把握」にするのは、まだ早いと考える。
 法的に《“5類”は全数把握はできない》という縛りがあるのかもしれないが、増加傾向が見られるにも拘らず、行動制限・規制を緩めるのなら、せめて、感染状況をきっちり把握して、迅速で正しい判断ができる体制は維持しておくべきだ。

 もう一点!
 定点把握でもある程度、感染状況を把握できるとは思うが、そのデータをまとめるスピードが緩慢すぎる。

どういうシステムかと云うと、
《指定された全国5000の医療機関が、1週間分の感染者数を翌週にまとめて報告するもので、1つの医療機関当たりの患者数の増減を見ながら感染状況を把握する》
《報告されたデータを厚生労働省が集計し、毎週金曜日に発表するということで、初回は5月8日から14日までの感染者数が5月19日の金曜日に発表される予定》


 このシステムだと、5月8日に感染数急増しても、それが発表されるのは11日後になってしまう。
 ………いいのだろうか?

参考記事:NHK NEWS WEB 「コロナ「5類」で医療はどうなる?感染者数発表は?」
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おとなりに銀河

2023-04-27 23:46:51 | ドラマ・映画


 月~木曜日の午後10時45分~11時までの15分枠で放送されている。
 テレビをつけていて、たまたま観たドラマ……なかなか面白い。

 どういう話かというと……説明しにくいなあ…………と言う訳で、番組サイトを活用(手抜き?)
この番組について
 久我一郎(佐野勇斗)は売れない漫画家。親を亡くし、幼い妹・まち(小山紗愛)と弟・ふみお(石塚陸翔)を養うため、必死に漫画を描く日々を送っている。
 ある日、一郎の漫画に憧れてやってきた臨時のアシスタント、五色しおり(八木莉可子)。彼女の助けで一郎は締め切りぎりぎりの危機を脱するが、疲れて眠っているしおりの体の一部からとげのようなものが出ていることに一郎が気づき、確かめようとそのとげにふれた瞬間、狭い仕事部屋が宇宙に変わった! とある島の王族の姫だというしおりは、「とげにふれたことでふたりの婚姻関係の契りが結ばれました」と理解不能なことを一郎に告げる。さらに、「まずは恋愛から始めるべきなのでは?」と言うしおり。
 不思議な力によって離れていることが困難になったふたりは、同じアパートに住むことに。お互いの魅力を発見していく時間が始まる。恋愛初心者のふたりは、これからいったいどんな関係を育てていくのか? ふたりの恋の行き着く先は?


 上記の紹介文だが、スマホで入力しただけのような、改行なしで、文がズラズラ並ぶだけのモノ。
 漫画が原作(雨隠ギド氏)。アニメも始まっている。

 ヒロインの五色しおりは、漫画大好きで久我一郎の漫画も大好き。(一郎の幼なじみで人気漫画家の護国桃香の作品も好き)
 アシスタントとして一郎のもとにやってきた。彼女の助けで一郎は締め切りぎりぎりの危機を脱するが、疲れて眠っているしおりの体の一部からとげのようなものが出ていることに一郎が気づき、確かめようとそのとげにふれた瞬間、狭い仕事部屋が宇宙に変わった!(←番組サイトの紹介文)……

 そんな不思議な力が働き、婚姻関係が結ばれてしまったという状況は理解できたが……
《とげのようなものが何なのか?》
《とげのようなものは、他の島民にあるのか?》
《しおりの祖母がこの不思議力の始まりというが、その島民と彼女の一族との絆がどういうものなのか?》(テレパシーのようなもので通じ合っているらしい)
《婚姻関係によるしおりの支配力が、いろいろ一郎に悪影響を及ぼす》
………一郎に及ぼす悪影響については、実生活に影響があるので、二人がいろいろ実験したり、症状を把握しようとするが、それ以外については、ほとんど明らかにならない。二人の恋の進展は進むのだが……

 まあ、そういう謎は《まあ、いいや》と思うほど、二人の恋がいい感じ。(次週は、いろいろ明らかになるようだ)

 ドラマの中で、一郎が描く絵がよい。(原作の絵も良い)

 原作者の雨隠ギド氏が描いているのだろうか?
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ちょっとこわかった話…『将棋論考』真部一男八段(当時) 『将棋世界』 2001年2月号

2023-04-26 22:13:52 | 将棋
 自室の本の整理をしています。
 『将棋世界』は、30年以上分溜めこんでいます。家のあちこちに散在していて、目についたモノから紐で縛っています。
 本当は捨てたくないのですが、家人の冷たい視線には抗えません。それでも、ざっと読んで、残す物を選別しています。羽生将棋で《これは!(残しておこう)》というモノはそっと隅に避難させています。

 羽生将棋以外で心に残るものは真部八段(当時)の『将棋論考』。
 今日、ご紹介するのは、『将棋世界』 2001年2月号掲載の「ちょっとこわかった話」
 2001年2月号なので、執筆したのは氏が48歳の頃。
 タイトルの「ちょっとこわかった話」というのは、落語で言う“まくら”。真部九段が“四段になりたて”の21歳の頃の話です。
 『論考』の本題は、第7期九段戦七番勝負第一局 升田幸三王将-塚田正夫九段戦(塚田九段の“九段”は“名人”、“王将”と並ぶタイトル)。当然本題も面白いのですが、“まくら”も面白いです。
 本来は引用は良くないと思いますが、お見逃し下さい。
(句読点や仮名表記が多いなど気になる点があるのですが、格調の高い文章だと思います)


「ちょっとこわかった話」
 私が四段になりたての頃、新宿は歌舞伎町で地元の町会の有志が提案して、「歌舞伎町祭り」というのが開かれた。
 地域の振興を考えた催しで、今風に言えば町おこしのようなもの。
 その一環として将棋大会が加わった。音頭を取ったのは当地で将棋道場も経営している実業家のF氏。
 F氏本人が大変な将棋好きであったから実現した企画であろう。
 その道場の正師範は芹沢博文九段で、私は副師範であった。
 そんな御縁で将棋大会の審判長に私が任命されることになる。
 審判長といっても副審がひとりもいないのだから、いってみれば社員のいない会社の社長のようなものだ。
 コマ劇場前の広い通りに盤が20面ほど並べられ、通行人の誰でもが参加できる気楽な会である。
 私の役割は中央に置かれていた事務用のイスに腰かけて、何となく全体を見わたしていればいいといった呑気なもので、手持ちぶさたで眠気を払うのが苦労といえば苦労であった。
 こういった時は指導対局でもしていた方が刺激があって、よほどいいのだが、参加者のほとんどが縁台将棋クラスであったから、そもそもプロという存在があるということすら認識されていないようだった。

 そんな、のんびりムードが一変する。
 少し前から何者かの視線が額に突き刺さるようだ。
 ただならぬ気配に顔を上げてあたりをうかがうと、2時の方角に男が立ち、背を丸めるようにしてこちらを睨んでいる。
 ひと目見てそのスジのお兄いさんだと感じさせる雰囲気だ。
 からまれる理由はありはしないのだが反射的に目をそらし、会の世話役の人達を見つけようとしたのだが、彼らは緊急避難をしてしまったようで、見当たらぬ。
 男はズボンのポケットに手を突っ込みずちゃらずちゃらと、こちらに近づいてくる。
 逃げ出すわけにもいかないから腹をくくった。
 なるようになれだ。
 私から、3mほどの距離を置いて男は立ち止まり、声をかけてきた。
「あんた、どこの組の者だい」
 きた!と思った。
 その日、私は黒の三つぞろいのスーツを着ており、エラそうに座っていたのだろう、見知らぬ同業者と思われたのかもしれない。
 何か答えなければならぬ。
 咄嗟に「日本将棋連盟です」
 男は眉間にシワをよせ、首をやや傾げ、ムムッといった表情。
 やや間があり今度は「組長は誰だ」
 私は迷わず自信を持って云い切った。
「会長は塚田正夫です」
 男は一瞬たじろいだように見えた。
 何が何だか理解しかねるといった様子で、口の中で聞き取れないような声で何やらぶつぶつとつぶやいていたが、もうそれ以上は聞かず、やがて踵を返して去っていった。
 思うに、組よりは連盟の方がデカそうだし、組長よりは会長の方がエラそうな響きがある。
 そんなこんなで、男もそれ以上のインネンをつけるのはやめたのかもしれない。
 当時私は21歳。若造にとってはまさに冷や汗ものの一幕であった。

 男が去った後、世話役の一人が寄ってきてこう云った。
「何があったんですか」
 今さら何をおっしゃいます、冷たいではないですかと、文句のひとつも云いたかったが、ぐっと胸にしまいこんだ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女流棋士考 その17(一応、終了) 「甲斐女流五段の引退について」

2023-04-25 23:20:44 | 将棋
将棋連盟:甲斐智美女流五段引退のお知らせ(3月7日)より引用】
この度、甲斐智美女流五段より、一身上の都合で、今年度参加中の女流棋戦を区切りとして現役を退きたいとして、本年1月に引退届が提出されました。
つきましては、開幕予定の「大山名人杯 第31期 倉敷藤花戦」には参加せず、進行中の対局すべてが終わった日付での引退となります。
《甲斐智美女流五段のコメント》
突然のご報告になりますが、この度一身上の理由によりまして、今年度棋戦をもって女流棋士を引退することに致しました。
長い間、勝負の世界に身を置き将棋を指す喜びのとき苦しみのときを通して、様々な体験をさせて頂けたことに感謝しています。
沢山の方にお世話になり、助けられて今日までこられたことを実感いたします。
暖かい応援を頂きましたファンの皆様、スポンサー各位様に心より感謝申し上げます。
残っております対局を精一杯努めますのでよろしくお願いいたします。


東京新聞:将棋の甲斐智美女流五段が引退へ 「マイナスの理由ではなく、前向きな気持ち」【一問一答】より、引用】
 日本将棋連盟は(3月)7日、女流棋士の強豪、甲斐智美女流五段(39)が一身上の都合により、今期限りで現役引退すると発表した。甲斐女流五段は4月に開幕するマイナビ女子オープン五番勝負の挑戦者。第34期女流王位戦(本紙主催)の挑戦者決定戦(17日)にも進んでいる(伊藤沙恵女流四段が挑戦権獲得)。現在参加中の棋戦は対局を継続する。
 甲斐女流五段は「個人的な理由で決断し、昨年10月ごろ引退を決意し、連盟に伝えていた。残りの対局は感謝の気持ちを込めて指したい。病気とか、マイナスな理由ではなく、とても前向きな気持ちです。自分としては明るい気持ちで、ここまでやってきて良かったなと」と語った。


補足情報として
 マイナビ女子オープンの五番勝負の出場を含め、進行中の棋戦には出場し、今後開幕する棋戦には出場しないとのこと。
 現在挑戦中のマイナビ女子オープン(女王)五番勝負に勝利しタイトルを獲得しても、次期は参加しない。(タイトル返上という形になる?)



 昨年度、今期の倉敷藤花戦のトーナメント表に甲斐女流五段の名がなかったので、《何かあったのだろうか?》と思われていた。
 体調不良によるものではないかと心配したが、そういう事ではないということ。良かった。

 連盟に引退の意向を伝えたのが昨年10月頃という事なので、連盟と話し合って、《進行中の棋戦には出場し、今後開幕する棋戦には出場しない》ということになったのだろう。
 でも、私は釈然としない気持ちがある。
 健康上や引退規定によって、《対局したい意思があるのに、対局できない》という状況なら、《進行中の棋戦には出場し、今後開幕する棋戦には出場しない》という措置は納得できるが、甲斐女流五段の場合は、自分の意思で引退するのだから、引退届を出した時点でその後の対局は不戦敗にするという形の方がすっきりする。
 もし、甲斐女流五段がマイナビ女子オープン(女王)五番勝負に勝利しタイトルを獲得したら、《タイトル返上→来期は本戦トーナメント決勝進出者で五番勝負》という形になるが、なんとなく欠如感を感じてしまいそうだ(私だけ?)。里見女流も奨励会との兼ね合いでタイトル返上したことがあるが、やはり、欠如感を感じた。



 甲斐女流五段の緻密な読みの入った将棋が見られないのは寂しいが、今後の彼女の人生を応援したい(私が応援しても、何のプラスにもならないが……)

その1「女流棋士独断ランキング」
その2「トーナメントにおける抽選の偏り① 清麗戦予選トーナメント」
その3「トーナメントにおける抽選の偏り② 女流名人戦予選トーナメント」
その4「トーナメントにおける抽選の偏り③ その他の棋戦」
その5「女流棋士の濫造?➀ 女流棋士になる条件(女流棋士でいられる条件)」
その6「女流棋士の濫造?② 女流棋士の降級点の検証(勝率、勝数)」
その7「女流棋士の濫造?③ 女流棋士の降級点の検証…年度終了時の勝率(勝数)」
その8「女流棋士の濫造?④ 女流棋士の降級点の検証…降級点の人数の妥当性」
その9「女流棋士の濫造?⑤ 降級点消去条件の検証」
その10「女流棋士の濫造?➅ 成績不振による過去の引退女流棋士」
その11「女流棋士の濫造?⑦ 成績不振による過去の引退女流棋士の補足」
その12「女流棋士の濫造?⑧ 新人、若手~中堅棋士」
その13「女流棋士の濫造?⑨ 中堅~ベテラン女流棋士と今期の降級点該当者(推定)」
その14「甘い昇級規定」
その15「女流棋士の濫造?⑩ 新女流棋士と降級点回避の難易度」
その16「改・女流棋士独断ランキング」
その17(一応、終了)「甲斐女流五段の引退について」
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【追記あり】合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明  の感想

2023-04-24 23:18:57 | ドラマ・映画
 “合理的にあり得ない”と謳っているが、“あり得ない脚本”、“あり得ないストーリー”だ。
 「だったら観るな!」と叱られそうだが、実際、視聴離脱しようかと悩んでいる。
 主演の天海さんは好きなのだが、彼女の無敵キャラのせいで、主人公が無双過ぎて、ついていけないことが多々あり、今回はその傾向が特に強い。


【冷静になるため、番組サイトのイントロ文を引用】
 4月スタートのカンテレ・フジテレビ系“月10ドラマ”は、天海祐希が主演を務める『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』に決定した。
 本作は、頭脳明晰(めいせき)、そして変装を武器とする女探偵・上水流涼子(かみづるりょうこ)が、IQ140の相棒・貴山伸彦(たかやまのぶひこ)とタッグを組み、さまざまな依頼を、超大胆な方法で解決していく。不条理がまかり通る現代の“あり得ない”敵を、“あり得ない”手段で葬る、極上痛快エンターテインメントだ。


 第1話も観ていて「?」が飛び交う内容だったが、第2話は「イライラ」感が充満した内容だった………
………………《精神年齢、思考パターンが小学生以下の保護対象者》、《ギャンブル依存症で負けず嫌いの単純チャラ男》、《格闘バカ女》に手を焼く主人公。
 “手を焼く”と書いたが、《実際は用意周到な策略で手の平で躍らせていた》というのも、“天海ドラマ”によくあるパターンだ。
 初めから真面目に取り組めば、22分ぐらいで片が付くような相手だった。

《一旦、馬鹿コンビ&保護対象者を泳がせたが、シャブ(薬)漬けにされてしまう危険もあり、それでいいのか?》
《あのポーカー勝負は、チャラ男とディーラーのいかさまではなく、単に運が良かっただけ? “ストレートフラッシュ対ロイヤルストレートフラッシュ”なんて、あり得ない》

 で、小学生以下の“我が侭お嬢様”が助手?になる……
 《上水流涼子(天海祐希)が、なぜ、暴力を振るったのか?》…その真相が気になるが、ちょっと耐えられない。

 あと、1話観て、離脱か……真相が気になるので、最終回だけ観ようか……

【追記】
 上水流涼子の暴行を行うシーンの断片が映されるだけで、その他の情報(相手、場所、時間など)は全くなし。
 上水流も、その真相を探ろとせず、探偵業を楽しんで?いるだけ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女流棋士考 その16「改・女流棋士独断ランキング」

2023-04-23 23:58:02 | 将棋
以前、女流棋士考 その1「女流棋士独断ランキング」(2022年1月18日)で、勝手にランキングを作った。
Aランク           B1ランク
 里見女流五冠         清水女流七段
 西山女流二冠         鈴木女流三段
 加藤清麗           中井女流六段
 伊藤女流三段         石本女流二段
 上田女流四段         室谷女流三段
 香川女流四段         塚田女流初段
 加藤圭女流二段        千葉女流四段
 甲斐女流五段         中村真女流三段
 渡部愛女流三段        岩根女流三段
 山根女流二段
   野原女流初段、本田女流三段、山口恵女流二段にも注目

というモノだったが、少し前から多少変更しなければならないと思っていた
で、変更を加えたのが下図
Aランク           B1ランク
 里見女流五冠         清水女流七段
 西山女流二冠         塚田女流初段
 加藤桃女流三段        中井女流六段
 伊藤女流四段         石本女流二段
 甲斐女流五段         室谷女流三段
 上田女流四段         中村真女流三段
 山根女流二段         千葉女流四段
 香川女流四段         野原女流初段
 渡部愛女流三段        山口恵女流二段
 鈴木女流三段         岩根女流三段
                加藤圭女流二段


 Aランクは、里見、西山のツートップが他を引き離している現状は変わらない
 加藤桃、伊藤も他の女流棋士とは一線を画する実力だったが清麗、女流名人を失冠してしまった。
 その二名に迫ってきたのが甲斐女流五段。女王挑戦権を獲得、女流王位戦も挑戦者決定戦まで進出(伊藤女流四段に敗れて挑戦ならず)、清麗戦も本戦進出(ベスト4に該当)を決めている。
 甲斐女流五段の引退(本人の意思)は残念だ(引退意思表明後の、氏の棋戦参加継続はには言いたいことはある)
 昨年、Aランクにするか迷った鈴木女流三段。2022年度白玲順位戦はA級から陥落したが、女流名人戦リーグは3位、清麗戦も本戦進出を決め、女流王将もベスト4と活躍。“ランクA”入りは疑問の余地はない。
 ちなみに、2トップ(里見、西山)を除く対Aランク戦は6勝9敗(対加藤桃は2勝1敗、対伊藤は0勝3敗で、一般?Aランク戦は4勝5敗)
 加藤圭女流二段は残念ながら降格。2022年度成績が12勝22敗 .353では降格もやむなし。

 B1ランクでは、塚田女流初段が地力をつけてきた感じだ。2022年度は21勝15敗 .583。白玲B級(2022年)は6勝3敗の3位で惜しくも昇級を逃したが、今期は6連勝。
 昨年注目株とした野原女流初段と山口恵女流二段はB1ランク入り

 現在の注目株は脇田女流初段と渡辺弥生女流二段と加藤結李愛女流初段
 脇田女流初段は、2022年度は里見女流五冠(マイナビ本戦)をはじめ、清水女流六段、甲斐女流五段、中井女流六段を破るなど目覚ましい活躍を見せた。
 渡辺女流二段加藤結女流初段は、2022年度成績がそれぞれ19勝8敗 .704、21勝9敗 .700と見事。加藤結初段は昨年度の白玲順位戦でC級昇級を果たし、今期C級でも5連勝。渡辺二段も昨年度の白玲D級は後半4連勝し追い上げたものの5勝3敗の7位で昇級に届かなかったが(昇級枠は4)、今期は5連勝。

その1「女流棋士独断ランキング」
その2「トーナメントにおける抽選の偏り① 清麗戦予選トーナメント」
その3「トーナメントにおける抽選の偏り② 女流名人戦予選トーナメント」
その4「トーナメントにおける抽選の偏り③ その他の棋戦」
その5「女流棋士の濫造?➀ 女流棋士になる条件(女流棋士でいられる条件)」
その6「女流棋士の濫造?② 女流棋士の降級点の検証(勝率、勝数)」
その7「女流棋士の濫造?③ 女流棋士の降級点の検証…年度終了時の勝率(勝数)」
その8「女流棋士の濫造?④ 女流棋士の降級点の検証…降級点の人数の妥当性」
その9「女流棋士の濫造?⑤ 降級点消去条件の検証」
その10「女流棋士の濫造?➅ 成績不振による過去の引退女流棋士」
その11「女流棋士の濫造?⑦ 成績不振による過去の引退女流棋士の補足」
その12「女流棋士の濫造?⑧ 新人、若手~中堅棋士」
その13「女流棋士の濫造?⑨ 中堅~ベテラン女流棋士と今期の降級点該当者(推定)」
その14「甘い昇級規定」
その15「女流棋士の濫造?⑩ 新女流棋士と降級点回避の難易度」
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女流棋士考 その15「女流棋士の濫造?⑩ 新女流棋士と降級点回避の難易度」

2023-04-22 21:07:07 | 将棋
 降級点該当者数は、36人を基準数として1人降級点。36人を5人超えるにつき降級点がつく。5人に1人に降級点がつくということで、単純に考えると、5人のうち4位以上であれば降級点がつかない。5人リーグ戦と考えると、1勝3敗で4位になる。同率最下位になる可能性もあるが、単純に考えると《勝率.250で降級点には該当しない》……というようなことを、以前に書いた。(その8「女流棋士の濫造?④ 女流棋士の降級点の検証…降級点の人数の妥当性」
 これは、かなり大雑把な理屈だが、見当外れではないと思う。
 ただし、新女流棋士が降級点回避を争うレベルの場合には当てはまるが、新女流棋士のレベルがもっと高ければ、弱い女流棋士は淘汰されていくことになる
 例えば、年間10人の女流棋士が誕生する場合、その10人すべてが女流棋士の平均以上だとすると、降級点回避争いとは無縁であり、10人増加による降級点枠が2つ増えた分だけ、降級点回避争いが厳しくなる。

 それで問題になるのは、ここ数年で誕生した女流棋士のレベル。
まず、《研修会B2→女流2級》に制度が変わった2018年4月以降にプロ入りした女流棋士の2022年度の合計成績………205勝183敗 .528
次に、上記女流棋士の初参加年度の合計成績(初参加年度に5局以下の棋士は、その次の年度の成績を合わせて算出)……128勝138敗 .481
そして、2022年度のプロ入りした女流棋士7名の2022年度の合計成績………43勝38敗 .531 (負け越し棋士は4名)

 思ったより成績は良かった(←失礼しました)
 初参加年度より昨年度の成績の方が良いのは、プロの水になれたせいなのか、それとも、それほど強くない女流棋士が増えたからなのか?……

 まだ結論を出すのは早いが、女流棋士の濫造(そんなに強くないのに、プロになれる)と言う訳ではないようだ。
 ただし、《プロにはなったものの……》という女流棋士も少なくなさそうだ(最近プロ入りした女流棋士にもいるし、ベテラン、中堅棋士にも多くいる)


 それはさておき、昨年度の新女流棋士が7名というのは多いと思う。


その1「女流棋士独断ランキング」
その2「トーナメントにおける抽選の偏り① 清麗戦予選トーナメント」
その3「トーナメントにおける抽選の偏り② 女流名人戦予選トーナメント」
その4「トーナメントにおける抽選の偏り③ その他の棋戦」
その5「女流棋士の濫造?➀ 女流棋士になる条件(女流棋士でいられる条件)」
その6「女流棋士の濫造?② 女流棋士の降級点の検証(勝率、勝数)」
その7「女流棋士の濫造?③ 女流棋士の降級点の検証…年度終了時の勝率(勝数)」
その8「女流棋士の濫造?④ 女流棋士の降級点の検証…降級点の人数の妥当性」
その9「女流棋士の濫造?⑤ 降級点消去条件の検証」
その10「女流棋士の濫造?➅ 成績不振による過去の引退女流棋士」
その11「女流棋士の濫造?⑦ 成績不振による過去の引退女流棋士の補足」
その12「女流棋士の濫造?⑧ 新人、若手~中堅棋士」
その13「女流棋士の濫造?⑨ 中堅~ベテラン女流棋士と今期の降級点該当者(推定)」
その14「甘い昇級規定」
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スクリーンプレーについて (22-23 Wリーグ  ファイナル ENEOS vs トヨタ自動車)

2023-04-21 16:48:19 | スポーツ
トヨタのオフェンスのスクリーンプレーで山本がフリーになり、要所で3Pシュートを決める……そんなシーンを何度も目の当たりにした。
ENEOS vs トヨタ自動車戦においても同様だったので、第2戦の記事で言及した。
そのせいもあって、第3戦では馬瓜のスクリーンプレーに注意が向いてしまった。
そして、第2戦で書いた手前、スクリーンプレーに関するルールも確認してみた……

  ………すると、新たに気がついたこと、気になったことがあったので、それについて書きます。


スクリーナーに関する主な制限ルール
(『考えるバスケットの会』「【保存版】バスケのスクリーンを徹底解説!一気に上達する為に必要な完全版練習メニューを教えます!」より)
①スクリーナーは止まってること
②両足が床についていること
③必要以上に手や足を広げない
④相手の視野の外(真後ろなどの完全な死角)にセットしてはいけない
⑤動いている相手に対しては、相手が避けられるだけの距離を置かなければならない


 ①~③については、中継で良く語られるルール。
①スクリーナーは止まってること
 ルール①に反して、スクリーナーが動いてしまうことを、「ムービングピック」や「ムービングスクリーン」や「イリーガルスクリーン」と言われている。(「イリーガルスクリーン」は“ムービングピック”のみを言うのではなく、正規でないスクリーンすべてに対して言うと私は解釈している……私は今回記事を書くのに調べてみて、《へえ~、“イリーガルスクリーン”と言うのか》というレベルである)
 ディフェンダーの動きを妨げる意思が強いと、スクリーナーはつい、上半身(肩など)をデディフェンダーの方に寄せてしまう(当然、上半身だけでなく、身体ごと動くのもダメ)。スクリーンプレーに関して、一番、ファールを取られる行為であろう。

②両足が床についていること
 ルール①があるので当然で、このルールは言及しなくてもいいような気がする。
 ①であっても②ではない例はないことはない……《片足で立って止まっている》《逆立ちして止まっている》など考えられるが、意味のない動作である。
 あと、考えられるのは、片足で静止していて、オフェンス側の選手に衝突され、倒された場合、それが、不当なオフェンスのアタックによるものなのか、片足で立っていることが原因なのか特定されない。つまり、仮に、片足でスクリーンを掛けた場合、オフェンス選手の不当な衝突であっても、正規のスクリーンではないので、オフェンスファールにはならない……という事なのだろうか?
 そもそも、しっかり両足を床に付けないと、衝突が起こった時、危ない。

③必要以上に手や足を広げない
 《プレーヤーがコート上で普通に立ったとき、そのプレーヤーが占めている位置とその真上の“筒状の空間”》から手や肘などを突き出してはいけない。
 下腹部付近で腕を組んでスクリーン態勢を取るが、肘が肩幅より突出しているとファール。
 あと、①にも抵触するが、相手ディフェンダーがすり抜けようとした時、ススっと肘を出す行為でファールを取られるのも良く目撃する。
 脚も突出してはいけない。ファイナルで渡嘉敷がスクリーンプレーでファールを取られていた。(渡嘉敷が足を大きく広げ、これに、トヨタの選手の足が引っ掛かった)

④相手の視野の外(真後ろなどの完全な死角)にセットしてはいけない
 ”完全な死角”の判断が難しいが、“真後ろ”と考えればよいのだろう。スクリーンの標的の相手ディフェンダーはマークする相手に正対しており、スクリーナーは真横に位置することが通常。なので、相手ディフェンダーがマークする相手に集中するあまり、スクリーナーが“心理的に死角”になるのはOKか。
 まあ、上記のような状況(スクリーナーと相手ディフェンダーの位置)を考えると通常なら真後ろにセットすることはないと思う。漫画などで、相手を痛めつけるために死角にセットすることは、あるかもしれない(←アニメの見過ぎ)

⑤動いている相手に対しては、相手が避けられるだけの距離を置かなければならない
 止まっている相手に対しては、すぐ近くにセットしてもOK。
 動いている選手は、障害物(スクリーナー)をよけにくいし、運動エネルギーも大きいのでぶつかった時の衝撃も大きい。

 ④⑤についてあまり意識していなかったが、なるほどと思う。とにかく、危険度の高いプレーはダメだという事なのだろう。


 ……で、トヨタ自動車の馬瓜選手のスクリーンプレーについて
ア.上半身を動かすことが割と多い……スッという感じで緩やかに動く
イ.ぶつかった相手選手を抱きかかえることも多い……衝突のショックを和らげたり、相手選手の転倒を防ぐという意図もあるかもしれないが、相手の動きを抑制する意図が強いように感じた
ウ.相手選手と軽い接触があった場合、さり気なく腕をつかんで相手プレーヤーの動きを阻害することが多かった

エ.第2戦の記事で書いた「パターン2」のケース
   ……相手ディフェンダーとスクリーナーの馬瓜との距離が短いが、衝突を回避できる距離はある。そもそも、馬瓜の方がずっとその位置にいるので、問題とはならないと考える。山本&馬瓜の絶妙なコンビと考える

 ファールもある程度の許容はあるだろうが、ア~ウは「ファールじゃないのか!」と思うことが多かった。エネオスファンなので、欲目かもしれない。 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする