英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『ダンダリン 労働基準監督官』 第9話

2013-11-29 22:31:42 | ドラマ・映画
賃金報酬……似ている言葉だが………

  派遣労働請負い
  派遣社員個人事業主


「派遣会社とではなく、うちの会社と直接契約しませんか。
 そうすれば、派遣会社に払っているマージンをあなたの報酬に上乗せできます。
 あなたが受け取っているのは、時給1100円だと思いますが、
 私は派遣会社に1450円、お支払しています。
 つまり、その差額の350円をあなたに還元します。
 あなたは今まで通り、9時から夕方5時まで働くだけです。
 どうです、お互いにいい話だと思いませんか?」


おいしそうな話だが、請負契約を結んだため個人事業主となってしまった
 個人事業主は、残業代も有給もつかない。依頼された業務に対して報酬を受ける。
 休んだり、業務を果たせなかった分だけ減額される。


 土手山の元妻の場合
1「ホテル全館のロビー、廊下の清掃を午後5時までに終了させる」
2「午後3時までに1階2階の30部屋の清掃を終了させる」
3「午後5時までに全ての部屋の清掃を終了させる」
となっていた。

 「今まで通り、9時から夕方5時まで働くだけ」と説明されていたので、従来通りの業務を果たしていたが、2番目の項目が完了されておらず、その分が減額されたらしい。
 その上、“報酬”の中から交通費や税金を自分で支払わなければならないため、手取りが減ってしまったのだ。

 社長の言葉(同僚の言葉)を鵜呑みにした土手山の元妻(同僚たち)も迂闊だ。また、それにつけ込んだ社長が一番悪い(それにしてもセコイ)。
 でも、自分の迂闊さを棚に上げ、自分の苦境を人のせいのようにしてキレる元妻に、凜が「馬鹿」と言い切ったのは、すっきりした。


 上述した「残業代、有給なし」「必要経費などは報酬から」などの個人事業主の特性のほか、
個人事業主は働いているのに法律上は「労働者」ではなく、労働基準法には守られない!
のである。
 私も以前、監督官との議論で、それを実感した事がある。それに、有給って羨ましい……。それから………
 理解していたが、改めてドラマで「労働者ではない」と言い切られると……。


 そんなわけで、法律上はどうすることができない……
 「監督官は働く人を守るのが仕事」と息子に言っていた土手山は、何もできないことに落ち込む。

 そこで、凜たちは一計を案じた。
 個人事業者の特性の一つ
「契約した仕事を完遂すれば、その過程を契約相手があれこれ言う権利はない」を利用して、監督官たちがボランティアで助っ人となり、契約終了時間に一気に清掃を完了させようとした。その状況ではホテルの機能が果たせなくなり、焦った社長が「今まで通り9時から5時まで働け」という指揮命令を引き出させ、「給料カットするぞ」と脅させた。
 「それは契約違反だ」「彼女たちが貰うのは報酬でありカットはできない」「給料という言葉を使うこと自体おかしい」と横槍……云々かんぬん…………

 と言う訳で、個人事業主の特質を利用して解決したが、確かに仕事さえすれば文句は言われないが、そういう態度で仕事をすると、絶対に次期の契約や仕事はもらえないぞ。
  それに、完全に監督官の仕事を逸脱しており、かなり強引な解決法であったが、土手山と元妻や息子との関係が改善され、土手山が嬉しそうで、こちらも嬉しくなってしまった。(餅巾着を思う存分食べてほしい)
 まあ、本人たちも「証拠がなければ作ればいい」「法律の裏をかく相手の更にその裏をかく戦術」とか開き直っているので、今回の強引さは目を瞑ろう。

 土手山も離婚前は「仕事をして出世するのが家族の幸せにつながる」と考えていてそれは間違いだったととわかった。そのことを元妻も理解してくれた。
 また、怒っている元妻の同僚たちに、「人を騙すようなことできる人間ではありません」と言い切っていたし。


 多少疑問に感じるのが、2の「3時までに……」という条件は守れないモノなのだろうか?
 これが果たせれば、うまくいくと思うのだが……

 あと、派遣会社との契約を解除する際、その派遣会社としてもマイナスになるだろうし、彼女たちに忠告(助言)すると思う。

【ストーリー】
休暇を取っていた南三条(松坂桃李)が何か吹っ切れた様子で職場に復帰し、西東京労働基準監督署にいつも通りの朝がやってきた。そんな折、土手山(北村一輝)に昇進の話が持ち上がる。しかし、転勤を伴う昇格人事を、土手山は素直に喜ぶことができない。

時を同じくして、監督課に土手山の息子・雄一(渡辺哲史)がやってきた。母のみどり(西田尚美)が、社長に騙されて給料が激減してしまったらしいのだ。話を聞いた凛(竹内結子)は、土手山と共にみどりの働くホテルへ。そこで社長の梶川(松田悟志)から、みどりたちが派遣社員ではなく“個人事業主”としてホテルから業務を請け負う形で契約を結びなおしたことを聞かされる。契約書にはこれまで以上に厳しい条件で業務を請け負うことが記されてあり、その上“個人事業主”である以上は受け取った“報酬”の中から交通費や税金を自分で支払わなければならないため、手取りが減ってしまったのだ。経費削減に悩む梶川に入れ知恵したのは、社会労務士の胡桃沢(風間俊介)。“個人事業主”には労働基準法が適用されないという盲点に注目した胡桃沢は、この仕事を成功させて他のホテルにも自分を売り込もうとしていたのだ。

100%合法な契約書を前に諦めモードの土手山を、一喝する凛。瑠璃子(トリンドル玲奈)たちも、落ち込んでいる土手山のためにひと肌脱ごうと決意し、課の全員が一丸となって凛が立てた作戦を実行に移すことに。果たして彼らは、みどりと土手山を救うことができるのか!?
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『相棒season12』 第7話「目撃証言」

2013-11-28 19:30:45 | ドラマ・映画
「いいですか?」2発と、久々の≪ぷるぷる≫

いいですか?
 人が不当な目に遭った時、最もしてはいけないのが、不当な方法による復讐です
 なぜ、してはいけないか分かりますか?
 それは、あなたが最初に受けた不当を、誰も不当だと思わなくなってしまうからです
 それどころか、“やっぱりそういう人間だったんだ”とあなた自身が思われてしまうからです

いいですか?
 我々警察官は、自らの過ちによって簡単に人の人生を狂わせることがあるんですよ
 そんなことも分からない警察官と、ほかの警察官を、一緒にしないでもらいたい!


大いに共感できる右京の言葉であったが、今週も登場人物の言動に不可解な点が多かった。

★恋人?の美久……自分本位で“その場しのぎ”の女
・死にそうな恋人(友人)を(119番通報したとは言え)置き去り!
・目撃証言が曖昧な女
 確かに刑事に尋ねられたら曖昧な証言や思い込み(思い込まされた)証言をしてしまうかもしれないが、「わからない」とか「断言はできない」と言うのが通常であろう。この美久の場合は、よく分からないのに「この人だったような気がする」と通常とは逆のパターン。しかも、聞かれるたびに、そう答えていた。
 ≪その場さえ凌げれば≫という無責任な自分本位さが見受けられる。
・ふたりの関係、実は千倉は“貢ぐ君”
 店長も気づくほどの二人の仲だったが、美久には20万円もの金を貸すほどの男友達がおり、額の大きさを考えると貸した男のほうが本命。しかも、その20万円は千倉から借りたというおまけ付き。
 千倉は自費出版のことも美久に話していたようだが、美久は少しも千倉の死を悲しんでいないようだ。
・「私が千倉さんを殺すわけないじゃないですか!」と涙ながらに訴えたが……
 この場面だけを見れば、≪あんなに愛していた千倉さんを殺すはずがない≫と涙ながらに訴えているように思えるシーンだった。女性の涙は恐ろしい……
 しかし、≪たった20万円で、しかも、あんな男達のために殺人なんてするはずないじゃないの!≫というような「殺すわけないじゃないですか!」であった。

★被害者の千倉……自己満足の男
・倒れた年配女性と去っていく赤い自転車を視ただけなのに、事故の目撃証言をしたが…
 刑事やブログ訪問者に乗せられ、(無自覚で)“事故の目撃”証言をしてしまった、その重大性を考えずに。
・自分の迂闊さに気づき、周囲に惑わされないように双方向ではなく一方通行の書籍形式で証言の顛末を振り返ろうとしたが…
 「自費出版の目途が付いた」と言うが、まだ完結していなかった。それも肝心な年配女性死亡事件の犯人の話を聞いていなかったという中途半端さ。
 確かに、真相を訊くのも、自分が有罪に追いやった佐野に面と向かうのは怖いだろう。しかし、それでも、会おうという試みや下調べをするなどするのではないだろうか?それさえもしないモノだから、逆に佐野に会いに来られて「あんた誰?」と言ってしまい、佐野に逆上されて殺されてしまった。
・ブログに一喜一憂していたが…
 初期のつまらなそうなブログであったが、そんなブログに批判的とはいえ数多くコメントが付くのだろうか?
 また、目撃証言をしたという行為がそんなに讃えられるものとは思えない。

★年配女性死亡事件……杜撰な捜査 
 解決を焦っていた刑事課の刑事も相当な罪の重さ(一番悪い)だが、佐野の証言(おそらく真実)によると、年配女性が立ちくらみのように倒れた。佐野は直前で停止し跳ねていない。
 その後、佐野が遠ざかり、もう一度、女性が倒れた(この場面を千倉が目撃)。
 死因は脳出血だったが、自転車に撥ねられた痕跡があったのだろうか?佐野の自転車をきちんと調べたのだろうか?……杜撰としか言えない。

★「ぷるぷる」はしたが……右京も変
 事件解決を焦り証言を誘導した刑事、こいつが一番悪いというか、元凶そのものだった。
 右京は彼に激昂したが、ただそれだけ。
 その晩、「花の里」で一杯引っ掛けて、
「おや、僕もお茶漬け頼んだはずですがね」「あら?ごめんなさい、私としたことが……」「杉下さん、頼んでないですよ」「お召し上がりになりますか?」「いや、けっこう」「良かったら、俺の分、半分食べます?」「いや、ホントにけっこう」「(もぐもぐ)旨っ」
 右京、むかむか。幸子、にこにこ……って、そんなことしていて良いの?


【ストーリー】番組サイトより
 カフェのアルバイト店員・千倉(藤間宇宙)の撲殺体が発見された。遺体のそばには自らの血で書かれた「H22」のダイイング・メッセージ。書きかけのようで、どうやら途中で力尽きたらしい。

 千倉のブログを遡って調べると、5年前は就活に失敗した愚痴ばかりが書き込まれていたが、3年前にカフェの店長になってからは明るい内容に一変。
 千倉は同じく3年前の平成22年に自転車による老女ひき逃げ事件を目撃。千倉の証言によって佐野(小松和重)という男が逮捕され、実刑判決を受けていることがわかった。刑期を終え、すでに出所していた佐野に話を聞くと、あくまでも冤罪だと主張。右京(水谷豊)と享(成宮寛貴)に、目撃者は本当に自分がひき逃げするところを見たのか聞いてみたい、と言葉を荒げる。

 今回の殺人事件と3年前のひき逃げ事件に関係があるのか? なぜ千倉は殺されなければならなかったのか? 右京と享が絡み合った謎を紐解いていく。

ゲスト:小松和重、井田國彦、菅野莉央、ヨシダ朝

脚本:飯田武
監督:東伸児
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『八重の桜』 第47話 「残された時間」

2013-11-25 10:45:16 | ドラマ・映画
命懸けの演説(番組サイトの表現)であるが、今一つさえない演説だった
 同志社大学設立の募金集会で、名だたる財界人を前に熱弁を振るう襄。伝えたい思いはただひとつ「この国の柱となる人々を育成するため、大学をつくりたい」
 襄らしい誠実な演説であったが、今一つ鬼気迫るものがなかった
 と視聴時には物足りなさを感じたが、今話を通して見ると、脚本家の意図というか、苦心の演出であったと考えられる。
 襄の演説の後、大隈重信の誘導により参加者の寄付が集まったが、これは虚栄心などの利己的な思惑によるものであった。実際、この後の宴席では、ビジネスや政治の話に花が咲くだけで、教育の話題は出なかった(大隈を除く)。このことは勝海舟との会話で補足されていた
 この時、襄の演説が心を打つものであっては、この流れが明確なものとはならない。


 また、襄の主張の「国の柱となる人材を育成したい」というものには偽りはないが、ここであまり強調すると、後で語られる襄の思い(大学の設立が第一)とは矛盾してしまう。
 余命が幾ばくもないと知った襄は、命を失うことよりも八重との生活を失うことよりも、大学の設立を成し遂げる時間がないことを嘆く。
 医師から“襄が長くない”ことを告げられ、それを気取られまいと気丈に振る舞う八重の心を察知し、
「可哀そうに、驚いたでしょう。ひとりでそんな話を聞いて」
と気遣う優しい襄ゆえ、時間の無さを嘆く襄の叫びが際立っていた

 「八重は大学なんてできなくてもいい。二人で一緒に過ごせることが一番だ」と訴えるが、襄の強い思いを知り大学設立を支えることを決意する。

「私がいなくなっても、その後に続く人が作り上げてくれる、私もそう信じます。
 けれど、そのためには誰かが種を蒔かなければ…。一粒の麦を地に落とさなければ……
 私がやらなければならないのです」
これは八重を説得した言葉である。
 普通は“種”は徳冨蘇峰などの教え子でしっかり種が蒔かれ育ってきていると考えられるのだが、今回のストーリーを考えると、種をまくことは資金を集めることで、それができていないから、“私がやらねばならない”と解釈しないと、文脈がおかしくなってしまう。

『同志社大学設立の旨意』
 蘇峰はこれを資金集めの宣伝文ではなく、日本の将来に心を砕いた「新生日本の檄文」と評価したが、やはり、本心は「大学設立が第一」であった。


 今年の『八重の桜』は、(もしかすると大河ドラマ一般に共通することかもしれないが)
「人物を描かずエピソードを描く、一話でのハイライトシーンを描くために登場人物を動かす」のが、制作の精神のようだ。

 人物を描くのであれば、前半の「命がけの演説」が鬼気迫るものであるはずである。そして、そうであったなら、「新生日本の檄文」であるという蘇峰の評価も納得できるのである。

【最近、ずっと感じているツッコミ】
襄は教育功労者ではあるが、教育者としてはどうか?

・大成した教え子は“熊本バンド”の連中ばかり。彼らは転入者で、転入時、既に学問に秀でていた。
・授業放棄した生徒の罪を自分の罪だ考え、自ら杖で打撃し罰したエピソード以外は、教育のエピソードの印象が残っていない
・結局、外国人宣教師には、自分や八重の教育方針を理解してもらえなかった
・ここ最近は授業せず、資金集めばかりしている

【今話のツッコミ】
・前話で蘇峰の弟・健次郎と八重の姪・久栄の駆け落ち騒動があったが、ふたりが普通に会話しているのは、なんだかなあ……


【ストーリー】番組サイトより
 同志社の大学設立に奔走する襄(オダギリジョー)は、大隈邸で行われた募金集会で多くの寄付を集める。しかし、心臓を患っていた襄の体調はさらに悪化し、鎌倉でしばらく静養することに。それでも資金集めのために動き回ろうとする襄を、八重(綾瀬はるか)は必死になって制止するが、襄は一向に聞き入れない。そしてついに、八重は主治医から襄の命が長くないことを告げられる。
 そんななか、徳富蘇峰(=猪一郎・中村蒼)の計らいで、襄の『同志社大学設立の旨意』が全国誌に掲載され援助が集まり出すと、襄は再び不調な体にむちを打って募金活動に向かおうとする。八重が心配するなか、襄は募金活動のため単身関東へと向かうのだった。
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『ダンダリン 労働基準監督官』 第8話

2013-11-23 15:39:50 | ドラマ・映画
今回は理想を求める努力がテーマ。

 仕事への信念が未熟だと凜に指摘され、仕事を休み相葉のもとを尋ねる。
 自分を必要だと言う相葉に、その理由を尋ねる。自分のどこを認めてくれたのか?
 そんな南三条に相葉は
「一個200円のリンゴと200円、どちらが偉いのか?その理由は?」
と問いかける。

 ………謎かけ?なぞなぞ?…難しい問題だ。
①200円はそのリンゴを買うことができるし、他のものを買うことができる。200円のリンゴで物々交換の交渉が成立すれば別だが、通常は買えない。よって200円のほうが偉い
②200円のリンゴは、需要などの状況によってもっと高額の価値を持つこともある。よって200円のリンゴのほうが偉い。(価値が下がる場合もある)
③仕入れ値は200円未満のはず。よって200円のほうが偉い
④天候、生産ルート、流通ルートが確立、連携して初めて200円のリンゴが成立している。よってリンゴのほうが偉い

 いろいろな考え方ができ、難しい……

 結局、宿題が加えられただけで、南三条の落ち込みは解消されず、引きこもり状態になる。
 署員は「段田ストレス」によるものだと心配するが、前話の遺族の役に立てなかった無力さ自分の未熟さ落ち込んでいるということを全く理解していない。

 それはともかく、南三条が欠勤しているので、他のメンバーがちゃんと働いたのは良かった。
 
☆小宮の特殊能力発動
・凜の物まね
・休暇を申請した田中を「田中さんがいないと寂しいです」攻撃
    あまり、仕事と関係ないか………。
☆凛と温田のコンビもなかなか良い
☆田中の道化ぶりも面白い
☆土手山の部下思い
南三条家に突撃?同僚に説得させる
恩田「南三条君がいないと、僕が段田さんの指導係をやらせられちゃうんだよ!」
小宮「南三条さんがいないと、職場に華がなくて寂しいです!」
田中「キミの年休はあっさり認められたのに、ぼくの年休申請は課長に怒鳴られただけでおしまいだよ」
土手山「お前が休んでからずっと、微妙に段田の機嫌が悪いんだ」
 土手山は、凛の励ましも期待している南三条の気持ちを見抜き、凜の伝言も伝えた。

 それはさておき、今回の敵は手強かった。
・「向上心」という便利な精神的足枷による表向きには自発的な研修(超過勤務)を強いる
・過酷さを耐え抜いたものだけが残る。精神的強さや能力、会社への従順さを持った社員だけが残ればよい
・向上心による「自発的」という名目。強要に限りなく近い要請は口頭で、法的に問題になるようなことは絶対に書面やメールに残させない巧妙さ


★労働者(現実)と監督官(理想)の主張
社長が“白だ”と言ったら、“黒い鴉も白”なんです!
 それが嫌なら、もう辞めるしかないんですよ!」

世界中の人間が“白だ”と言っても、鴉はやっぱり“黒い”です!

「会社が嫌なら、辞めればいいのに」
「辞めれるもんなら辞めてるよ。でも、現実はそんなに簡単にいかないんだよ。先も見えないし」

「日本人の悪い所だ。従順に会社にしがみつく」
「公務員には分かんねぇ」



 さて、手強い社長に対して、凜が考えた策は……中間管理職(店長)を説得することだった。
「うちの会社の研修は、あくまで個人の自由な時間に、自由な意思で、それぞれの向上心の為に受けている。企業が研修中に賃金を払う必要はない」
「最終的に研修に参加するかどうかは、あくまで個人に意思です」
「(本人の意思に反する行為を社長が強要するということは)もちろんありません。
 私は社員の意思を常に尊重する男です」

という社長の主張を逆手にとって
 全店長が社内規定に反したと告白し、研修を希望すると申請した。
 全店長が一斉に研修を受けて欠勤したら、営業に支障が起こる。

「研修は、勤務時間外に受けろといつも言ってあるだろう!」
凜は、これが指揮命令と認めるか?認めるなら、賃金が発生すると詰め寄る。

店長は、社長をやり込めるのが目的ではなく、説得するのが目的だった。
「若い連中が可愛いんです。潰してほしくないんです。
 スキルアップが大事なことは分かるんです。でも、大事に育ててやりたいんです」


ついに、社長が「研修は強制だった」と認めた(賃金を支払う)

ここで凜が演説。
「辞めるか我慢するかの二つの選択肢しかないのではなく、
 言うべきことは言い、自分たちの会社は自分たちの手でより良いものに変えていくという選択肢がある」


労働基準法第1章第1条
「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を満たすべきものでなければならない。
 労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない」



★南三条が出した答
「200円は、“それはもうその価値がない”と世界中の人に言われたら、それはもうお金ではない。
 リンゴは、世界中の人が“それはリンゴじゃない”と言っても、リンゴなんです。
 つまり、他人を気にしなくてはいけないのがお金。自分ひとりだけでも前に進めるのがリンゴ。
 だから、リンゴのほうが偉い」


 非常に面白かった。しかし、不満な点もあった。
 南三条が落ち込んだのは自分が未熟だったことの他に、前回の事故死した労働者の遺族の役に立てず、傷つけてしまったという悔いがあったはず。その点について、全く忘れてしまったかのような南三条に疑問を感じた(凜は会社の労働条件の整備怠慢を正したが)。



【ストーリー】
 仕事への態度が未熟だと凛(竹内結子さん)に一喝され、これからどうしたらいいかわからなくなってしまった南三条(松坂桃李さん)は、相葉(賀来千香子さん)のもとへ。途方に暮れた様子の南三条に相葉が出した宿題は「1個200円のリンゴと200円、どちらが偉いか」という問い。その意味も答えもわからないまま、南三条は年次休暇で一時職場を離れることに。

 瑠璃子(トリンドル玲奈さん)をはじめとする同僚たちは「ダンダストレス」で倒れた南三条を心配するが、当の凛はどこ吹く風。
 そんな中、南三条の同級生の母・照美(かとうかず子さん)が労働基準監督署にやってきた。ブラック企業に勤める息子・航(石田卓也さん)のことを相談したいというのだ。
 話を聞いた凛が早速調査すると、確かに航が勤務する「メキシカンファミレスチェーン・アディオス」では社員に研修を強制しておきながら、その分の賃金を支払っていない可能性が浮上してきた。
 土手山(北村一輝さん)の許可を得て、凛は臨時指導係の温田(水橋研二さん)とともに「アディオス」の社長・七富(升毅さん)の元へ。

 しかし、「研修参加はすべて社員の自主性と向上心の賜物」と主張する七富と凛の話し合いは平行線。
航が働く店舗を訪れて会社側の違法性を直感した凛は、周辺店舗での調査を進めようとするが、その矢先、航が過労で倒れてしまった!
 航をお見舞いに来た上司の島根(石井正則さん)から話を聞いた凛は、研修は会社側の強制と言えるものだが、以前に別の労基署が調査に入った時も是正勧告には至らなかったと聞かされる。

 その頃、航から連絡を受けた南三条は、これまで労基署で働いていて疑問に思っていたことを友人として航にぶつける。
 同じ頃、正攻法で当たっても「アディオス」を攻め落とすことはできないと察した凛は、従業員を救うためのある方法を思いつく。
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ワールドグランドチャンピオンズカップ2013 その2「新戦術“MB1”と日本チームの実力」

2013-11-22 17:16:44 | スポーツ
新戦術の“MB1”
 驚くべき新戦術だった。
 小学生の頃、「なぜ、センタープレイヤー(ミドルブロッカー)が2人もいるんやろ?アタッカーを増やして、いろんな所からもっとバンバンスパイクを決めた方が点が入るやないやろか」(なぜか関西弁?)
 当時はセンターのブロックの重要性を理解していなかったのだ。しかし、それからしばらくして、クイックをビシッと決めるシーンを見て、今度は「あんなに鮮やかに決まるんなら、もっと、クイックを使えばいいのに。いっそ、センターをもっと増やせばいいのに」と、現金な見方。
 それはともかく、今回の“MB1”、そんな漫画的発想である。

“MB1”とは?
 速攻やブロックを主な仕事にするミドルブロッカー(MB)を従来の2人から1人に減らし、空いたポジションに得点能力の高いウイングスパイカー(WS)を配した新フォーメーション。

木村沙織は次のように述べている
「初めて聞いたときはビックリ。でも、相手から点数を取ることをシンプルに考えれば『こういうフォーメーションになるのか』と感じました」
「いくらトスを速くしても、攻撃のパターンをこれ以上増やすのは難しい。アメリカやブラジルも速いバレーをしているし、同じことをしていてもいつかは相手に読まれてしまいます。日本が世界に勝つためには、いろんな工夫をしなければいけません。選手としてもチームとしても初めての挑戦だけど、たくさんの可能性があるフォーメーションです」
(記事元:『THE PAGE』の「<女子バレーボール>ベールを脱いだ「MB1」 五輪にむけ進化へ」

 正直言うと、最初は「おお!」と感心したが、何戦か観戦しているうち、それほど有効な戦術ではないように思えてきた。
☆長所
・従来とは異なる攻撃パターンを使える。その1例として、ミドルブロッカーのポジションに入った迫田の「スコーピオン」。「スコーピオン」とは、迫田がバックコートまで下がり、そこから助走を取ってセンターの位置でオープントスをスパイクする。簡単に言えば、バックセンターのポジションからバックアタックを撃つような形。ただ、もともと前衛なので、ラインを踏んでも(踏み越えても)よい
・ローテーションして後衛に下がっても、リベロと交代せずバックアタックを打つ攻撃もできる。
・MBポジションに入ったウイングスパイカーが前衛にいる時は、MBより動きがよくレシーブも得意なので、ラリー中のつなぎが良くなる

☆短所
・ミドルブロッカーと比べて身長が低いのでブロック力が落ちる
・身長が高くないので、スタンディングジャンプでの攻撃が不得意。なので、クイック攻撃が減る。また、ブロード攻撃も横移動をしての片足ジャンプなのでやはり不向き
・MBポジションに入ったウイングスパイカーが後衛に下がった時、リベロと交代しない場合がある。この場合、守備力が落ちる。

☆長所、短所を合わせて考えると、
・やはりブロック力の低下が大きい。ブロックは試合の流れを変えたり、チームの勢いを増すので、単に1点ではなく、重みが違う。
・攻撃のバリエーションは減るように思える。“MB1”へ慣れてくると効果は薄くなる
となり、有効とは思えない


今回の日本チームの戦力
 メンバー個々の実力と新戦術“MB1”との相性を考える。
 今回の正セッターは中道
 経験も豊富で、トス回しも安定している。レシーブもサーブ力もある。ただ、レシーブ力は長年正セッターとしてチームをけん引していた竹下が凄すぎたので、その分のマイナスはやや大きい。
 竹下との比較はともかく、ブロック力が低下する“MB1”を考えた場合、身長が低いので相性が悪い。”MB1”を駆使したいのなら、身長がありブロック力がある宮下遥を起用すべきだろう。宮下はレシーブ力も秀でている。
 ワールドグランプリでも活躍したが、ゲームの後半スタミナ切れでトスが短くなる傾向があったが、彼女こそ、これからの「日本チームのセッター」だと思う。今回も全日本メンバーに入っていたはずだが、直前にメンバーから外れてしまった。何かあったのだろうか?
 スパイカーは、オポジット(セッター対角、スーパーエース、ライトプレーヤー)を含めると、木村石井新鍋
 石井が余力を感じさせるスパイクを放っていた。全力で打たなくても決められるスパイクを打てるのが魅力。時々、弱気になってフェイントやソフトアタックに逃げるのが欠点。ソフトアタックは厳しい審判ならロングコンタクト(ホールディング)を取られそうだ。
 石井が良い分、木村への依存度が低くなったのが良かった。木村のバックコートでのレシーブは素晴らしかった。サーブも良い所で決めていた。
 新鍋は不調だった。

 先発以外のスパイカーでは、長岡ポテンシャルの高さを発揮していた。
 本来、先発である江端は故障上がりで無理はさせられなかったようだ。
 MBのポジションで奮闘した迫田。ブロックでは何とかワンタッチしてレシーバーを助けようとし、慣れないポジションでの攻撃も、期待に答えていた。ただ、ブロックに跳び続けつつ、動き回らないといけないので大変そうだ。

 ミッドブロッカーは、最初の2戦は大竹、その後は岩坂。ブロック力が低下する“MB1”には、ブロック力がある岩坂の方が相性がよさそうだ。移動攻撃(ブロード)やクイック力は大竹の方があるが、ブロックが弱すぎる。

 リベロは佐藤。前全日本リベロの佐野は強打には非常に強いが、前後左右に動くレシーブは佐野より良いように思う。
 何より、アンダーパスや後衛からのトスアップが上手いのがラリー中、光る。(今回欠場の座安も、佐藤に負けないリベロ)

 そんなわけで、“MB1”の戦術的有効性に疑問を感じた。さらに、”MB1”を駆使する場合の、眞鍋監督の選手起用も疑問を感じた。
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『相棒season12』 第6話「右京の腕時計」

2013-11-21 19:49:00 | ドラマ・映画
時計にまつわる
 カノンの歪んだ旋律が、凶行による悲劇狂気を劇的に描写し、壊れた時計の歯車真実を発覚させ、時計のオルゴールの仕掛け真犯人を暴き時計の進みを遅らせた細工犯行を実現させた。
 復讐後、修復された時計が動き出し、カノンの美しい旋律を奏でる……
 見事な演出が、多重偶然のご都合主義や犯行の杜撰さを払拭した……と言っておこう。

事件の概要が何度も反転するのは面白い
①被害者・社長の自殺(なぜ他人の別荘でわざわざ自殺をしたのか? 関へのあてつけ?)
②関が社長を殺害した(しかし、関にはタイマーを設定するのが物理的に不可能)
③社長が関を殺害しようとしていた
④社長の計画を逆用した、津田の犯行だった


 一応、突っ込みます。
★幾重もの偶然
・右京の腕時計の故障
・津田が社長に殺人の協力を依頼されたこと
・関を殺害するための自動発生の細工をする際、偶然、社長の車庫で妻が殺害された時の時計の歯車を見つけた
・社長の腕時計も故障していた

★杜撰な犯行
・薬品を包んだオブラートがエアコンの風で落下して、別の薬品が入っている花瓶に入るというのは都合良すぎ。
 右京と享が2度試みただけで「誰がやっても、同じ所へ落ちますねえ」と断言してしまう右京、ありえない! 享も「ええ」と同意してしまうし……。普通なら、「ええ…って、そんなことあるかい!」と乗りツッコミするところだろう。
 「ピタゴラスイッチの見過ぎ」というツッコミが全国各地から聞こえてきそうだ。
・殺された社長も、硫化水素が発生することを知っているのだから、すぐに危険を察知して逃げるのでは?
・津田が、「現場でキーホルダーを落とした」と言って社長を現場に行かせたが、証拠を取り去るために仕方がないけれど、社長が席を殺害(予定)する時刻にアリバイがなくなってしまうので、計画を断念して、ガス発生の装置を回収すべきだろう。(そこまで頭の回る精神状態ではないが)


【ストーリー】番組サイトより
 右京(水谷豊)の腕時計が狂ってしまったようだ。右京の時計は精密な機械式時計。享(成宮寛貴)の時計は電池式のクオーツで右京にクオーツを勧めるのだが…。
 右京は享とともにいつも診てもらっている公認高級時計師(CMW)の津田(篠田三郎)に修理を依頼する。

 その日の夜、時計輸入販売会社社長・藤井(井上純一)の遺体が、アパレルのヒットメーカー社長・関(辰巳蒼生)の別荘で発見された。死亡した藤井の会社は、津田の勤務先でもある。遺書も発見されたことから、経営難を苦にした自殺と思われるが…。

 関が藤井の会社を買収しようとしており、その対応で藤井が苦しめられていたことがわかった。藤井は関への抗議の自殺をしたのだろうか!?
 さらに調べを進めると、関は有名な時計師である津田に設計図を描かせ、安い時計をファッションアイテムとして大量生産して売り出そうとしていたらしいのだが…。

 藤井の謎の死は自殺か、他殺か? 右京と享が巧みなトリックを明らかにしたとき、一人の男の悲しい半生が明らかに…!?

ゲスト:篠田三郎、井上純一、辰巳蒼生

脚本:徳永富彦
監督:近藤俊明
コメント (4)
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『特捜最前線2013』(9月29日放送)……仲秋の残念な2時間サスペンス、その3

2013-11-20 17:03:52 | ドラマ・映画
『事件救命医~IMATの奇跡~』……仲秋の残念な2時間サスペンス、その1
『信濃のコロンボ~死者の木霊~』……仲秋の残念な2時間サスペンス、その2
 に続く、第3弾です。(かなり、間が開いてしまいました)

 このドラマ、突っ込みどころが多く、その突っ込む程度も、「おいおい、あかんやろ」ではなく、「何してんねん!」バシッと頭を叩(はた)きたくなるぐらいのものであった。
 脚本は長坂秀佳氏。『特捜最前線』のメインライターとして全509話のうち、100話以上を執筆している。他のシリーズものは『刑事・野呂盆六』シリーズ、『西村京太郎サスペンス・十津川警部』(TBS・主演:渡瀬恒彦)シリーズ があるが、低年齢層向け活劇ドラマ(『刑事くん』『人造人間キカイダー』など)、や時代劇、ゲーム『弟切草』のシナリオなど幅広いジャンルで活躍している。
 このドラマ、「仲秋の残念なサスペンス」として先の2作と並べているが、確かにハチャメチャ度は超一級であったが、サービス精神過剰による陽性の破綻振りで、清々しささえ感じた。
 特捜メンバー7人、さらに麻薬対策班、警察犬、すべて際立たせ活躍させようとしたため、見せ場がてんこ盛りとなり、ストーリーは起伏に富み過ぎ、無理やり感が半端ではなかった。

内容は……私が説明するより、『ニコニコ大百科』の「特捜最前線2013〜7頭の警察犬」の説明ページが的確で面白いので、引用させていただきます。ストーリー紹介だけでなく、ドラマへの突っ込みなど、ドラマを見た人なら、思わず吹き出したり、ニヤリとしてしまうことでしょう。ぜひ、ご一読下さい。
以下引用==============================
あらすじ、というか大まかな流れ
1.とりあえず人が死ぬ。後述する組織について情報をくれるはずだった。
2.最近、首都圏でドラッグ絡みの事件が多発。なんか新興組織が暗躍しているようだ。
3.特捜刑事の上川隆也、警察犬を引き連れて捜査に乗り出す。
4.陣川警部補の弟が悪い奴で殺される。警察の仕事増えた。
5.古臭いアクション刑事みたいな演出をされた石黒賢とか、いろんな奴もがんばる。
6.どうも姿をくらました、元麻薬対策班の刑事・伊沢が怪しいらしい。実は上川の親友だった男。
7.麻薬捜査の責任者である小日向文世らと共に、敵の本拠地があると見られる京都へ。
8.伊沢の妹の原沙知絵、刑事犬カールのお姉さんみたいな役で登場。
9.「クラシキ」って奴が新ボスらしいよ。
10.良く分からないところで度々アクションシーンが入る上に、何か色々と強引過ぎる。
11.ともかく次々と悪い奴が消されていく。カツラの元教師の売人、内村完爾刑事部長、おっぱい女などが次々と死ぬ。
12.警察に内通者が!麻薬捜査をする刑事の一人、長谷川が怪しい。
13.特捜、ついに突き止めた真犯人の本拠地に乗り込む。だが真犯人に長谷川殺されてた!原さちえが重傷に!伊沢も凶弾に倒れる。
14.真犯人は小日向文世だった!追い詰められるも小日向逆上。
15.小日向無双状態に。2丁拳銃でメッチャ強い。警官は何十人で取り囲んで応戦するも、全然弾が当たらない。
16.おまけに爆弾をバンバン投げてくる小日向。京都府警どかーん!。
17.でも最後はわんわんの力で小日向逮捕。
18.笹野高史の歌。
======================引用終


以下は、私の感想(と言っても、先の引用ページとほぼ重複)
1.無理やり挿入のアクションシーン、無駄の多い過剰なアクション
 本記事冒頭にも書いたが、見せ場をてんこ盛りにしたのが原因。このスペシャルドラマ、東映の肝いり企画で視聴率15%取れたら、連続ドラマにという計画があったという事情のせいか。
 なので、メンバー大活躍、警察犬まで登場させ、多方面から視聴を稼ごうとした。(実際の視聴率は11.3%で、企画は流れた。記事元…エキサイトニュース
 アクションシーンは、片桐竜次(『相棒』の刑事部長)がバイクの後部座席に飛び乗るが、これが普通の乗り方ではなく、中国雑技団の曲乗りのよう、その後特捜刑事との追撃シーンも何故か太秦映画村の中を逃げ回る。
 敵キャラに女コマンドーがいて、特捜の肉体派刑事と唐突に肉弾戦。その上、やたら、敵キャラが勝手に殺されていく。
 長坂氏が乗り過ぎなのか、企画側のあまりの要請に、氏がやけくそになったのか……

2.サブタイトルに「7頭の警察犬」とあるけれど……
 視聴者取り込みのための警察犬投入であるが、活躍したのは上川隆也と原沙知絵が率いていた2頭だけで、あとは最終決戦場にワヤワヤ出現した警察犬たち。そのうち一頭が殉職した。なぜ「7頭」とタイトルに付けたのだろうか?
 そもそも、追跡ならともかく、犯人が潜んでいると思われ確保しに行く場に、多数の警察犬を投入するのか理解できない。

 警察犬は熱演だったが、サブタイトルに「7頭の警察犬」と付けた為、≪7頭の警察犬が活躍するドラマなのか≫と従来の特捜最前線ファンが逆に敬遠してしまったのではないだろうか?

3.無敵の小日向さん
 最終決戦の場で、お約束通り?悪の組織のボスという正体を現す。(今回も小日向さんは、いつもの「ひ弱さ」や「人の好さ」は感じさせず、渋い強面の刑事を演じていた)
 特捜メンバーや警官隊、警察犬に取り囲まれ、潔く自害するか、多少の抵抗を見せて射殺、あるいは確保されるか………と思っていたら、ここからが凄かった。
 強い、強すぎる! 二丁拳銃で連射、速射。特捜メンバーを寄せつけない。
 それでも、じりじり小日向さんを追い詰めていくが、小日向さんも頑強に抵抗。

 それにしても、すごい銃弾の雨嵐だが、子どもの鉄砲ごっこのようにほとんど当たらない。その外れっぷりと小日向さんの無敵ぶりは、突っ込みを入れるどころか、爽快感さえ感じてしまった。

【ストーリー】番組サイトより
 末端価格にして15億円にもなる違法ドラッグをある山中に隠匿している、という情報を元に、新興麻薬組織の足取りを追っていた椚谷評介(上川隆也)ら特捜課。手がかりは、情報提供者が息を引き取る直前に残した「きた」という言葉だけ…。麻薬対策班と協力して情報を集めた結果、ようやく幹部のひとりの居所をつかむ!
 だが追跡の最中、その人物は何者かによって刺殺。現場に残された遺留品の革ジャンと手袋のDNAから、それらの持ち主が捜査官の伊沢竜司(平山浩行)のものだということがわかる。この組織を追っていた伊沢は三ヶ月前から消息不明。警察内では、伊沢と組織の親密な関係が疑われていた。
 幹部が殺害され、その現場に伊沢の持ち物と思われるものがあったことで、特捜課は伊沢を重要人物として追うことに。さらに、解析していたデータから、その組織が拠点を京都に移していたことがわかり、評介らは京都へと向かう!

 ほどなくして組織のボスが“クラシキ”という人物だということが判明。だが評介の相棒である警察犬のブルカーン、そして京都府警の嘱託訓練士・朝水彩栞(原沙知絵)と見習い犬のハスティらが総力をあげて組織を追う中で、組織の幹部たちが相次いで殺されていく! 
 次第に浮かび上がってくる伊沢と麻薬組織との関連――。伊沢はなぜ姿を消したのか? そして事件との意外な関連とは?

 特捜課の刑事たちと7頭の警察犬たちによる、決死の捜査が始まる…!
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ワールドグランドチャンピオンズカップ2013 その1「大会の意義や価値」

2013-11-19 18:06:07 | スポーツ
最終日、優勝の可能性があった日本は、ブラジルにストレートで敗れ、3勝2敗の3位だった。アジア選手権で連敗を喫したタイ、前回大会で敗れたドミニカ共和国(ドミニカ3位で、日本4位)、そして2010年世界選手権優勝のロシア(ロンドン五輪は不運な5位)を破っての3位は評価できる。日本のグラチャンバレーでのメダル獲得は、銅メダルを獲得した2001年大会以来、3大会ぶり2回目。

 ところで、「ワールドグランドチャンピオンズカップ」、世間の認知度は低いのではないだろうか?
 かく言う私も、「ワールドグランプリ」と混同しがちである。かろうじて、略称の「グラチャン」が頭に残り、両大会が別物であると認識はできている。そもそも、この略称の「グラチャン」て、語感が悪い……と言うより、「ワールドグランドチャンピオンズカップ」という名称が冴えない。サッカーのヨーロッパチャンピオンズリーグを意識したのかもしれないが、飾り言葉を重ねたため胡散臭くなってしまっている。だいたい、頭と最後をつなげたら「ワールドカップ」になってしまうじゃないか!
 ネーミングとしては「金鷲旗全国高等学校柔道大会」や「黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会‎」のほうが、はるかに洒落ている。

★「ワールドグランドチャンピオンズカップ」とは
国際バレーボール連盟(FIVB)公認の世界4大大会の一つ。オリンピックの翌年に開催され、この年に行われる大陸選手権で出場権を獲得した4チームと開催国・日本、および推薦国(ワイルドカード)の6チームで争う、4年に1度の世界一決定戦。1993年に第1回大会が開催され、1997年(第2回)、2001年(第3回)、2005年(第4回)、2009年(第5回)に続き、2013年大会で第6回を数える。

 4年に一度だったのか。2年に一度かと思っていた。
 精鋭6カ国と言えば聞こえがいいが、6カ国のリーグ戦(1回のみの総当たり)なので、1カ国につき5試合しか行われず、1週間の日程で消化してしまうため、盛り上がるまでもなく終了してしまう。
 各大陸の選手権と言っても、ヨーロッパ、アジア、北中米、南米の区分けで、アフリカ大陸は除外されているようだが、「前年に開催されたオリンピック最終順位の上位4大陸が大陸出場枠を獲得」という項目により、先述の4大陸が予選の対象となっている。
 この4大陸代表の他は、1カ国は主催者推薦で、もう1枠は開催国日本。「主催者推薦」には、大陸予選で落ちた五輪の上位国が選ばれるのが順当だと思うが、女子は1997年から2009年まで4開催連続で韓国が選出されていた。今年はドミニカ共和国(北中米2位、ロンドン五輪5位)。韓国はアジア3位、五輪4位だが、6チーム中アジア3チーム(タイ、日本、韓国)になってしまうためかもしれない。

 ちなみに、「ワールドグランプリ」も1993年から開催されている(こちらは毎年開催)。チームの当たり具合に偏りがあり、決勝進出が確保されている開催国も、予選リーグ(3クールある)から参加するという歪さはあるものの、大会としてはこちらの方が規模が大きいように思える。
 大陸予選を含めると、WGCCも規模は大きいかもしれないが、各大陸の選手権はWGCCの為の大会ではなく、2年に一度行われている。

【不合理な勝ち点方式】
 これは今大会に限らないが、3-0、3-1で勝てば勝点3、3-2ならば勝点2、2-3で負けた場合は勝点1、1-3、0-3での負けは勝点0という不合理な勝ち点方式が行われている。
 この方式だと、フルセットで3戦全勝すると勝点6、3-1か3-0で2勝し2-3で敗れた2勝1敗だと勝点7となり、2勝1敗が3勝0敗より上位になってしまう
 実際、ブラジルがこの不合理の犠牲となり順位が下がった大会がある。また、ロンドン五輪でも予選リーグでこの方式によってブラジルが予選4位(勝敗で劣る韓国が3位)となり、もう一組の1位のロシアがブラジルと準々決勝でぶつかる不運に見舞われ、5位に終わっている。(いずれ『女子バレーボール、日本の幸運銅メダル』という記事を書きたいと思います)
 いい加減に悪制度は改めるべきであろう。
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『八重の桜』 第46話 「駆け落ち」

2013-11-18 21:53:27 | ドラマ・映画
今回は八重、母となるがテーマ
 久栄の母となろうとする八重だが、久栄には母と認めてもらえない。
 まあ、前話の久栄と時栄の母娘の仲を取り持とうと、憎まれ役を演じたことが裏目に出ていることが要因ではあったが、久栄に「母を追い出した人に頼るわけにはいかへん」と言われるまで、自覚はなかったようだ。

みね、襄の父・民治が語る“母(親)となるための教え”
みねが出産、しかし、産後の肥立ちが悪く……。そして、襄の父・民治までも……
 回想シーン(久栄への形見としてペンを八重に託す)はあるものの今生の別れのシーンはなく、民治に至ってはナレーションのみ。
「平馬が生まれて、やっとこれからという時に……なじょしてぇ………
 あぁぁ…神様が居んのなら、私の命を持ってってくなんしょ……
 みねも…平馬も……久栄も…みんな、なじょして母親と別れねばなんねえんだぁ!

 悲痛な佐久の叫びだ。確かに佐久が一番、人生の別れの辛さを味わっている。
 夫・権八、次男・三郎も戦死、長男・覚馬とも長年生き別れのうえ、再会の際には覚馬も体を痛めていてたうえ、「うらと時栄の問題」、さらに「跳ねっ返り過ぎ」の娘・八重……心労が続くなあ。
「子は思うようにはならんと言うことを、心得ておくといい」
と、親の宿命(心構え)を教える。
言った後、襄の方を見やりにやっと笑う。味のあるシーンだ。
 さらに、
「断りもなくアメリカに渡ってくれてよかった。相談されたら、反対せねばならんところだった。
 子を信じ切るということは、親にとって一番難しい」

とも。これは、駆け落ちの前振りとも。

 また、みねからは、赤子の抱き方を指導される。
 しかし、弟、二人の姪がいるというのに、赤子の抱き方が下手とは……。
「久栄には好きなことをして欲しい」と八重に告げもした。

幼なじみ・ユキが語る“母となるための助言”
 久々登場のユキ、≪年、取ってねえ。若過ぎだろ≫と思ったが、意外と落ち着いた地味な和装が似合う。息子を叱る姿も悪くない≫と思った。
 母としての迷いを見せる八重に
「八重姉さまらしくねえなあ。
 壁にぶつかっても、自分の決めた道を行くのが八重姉さまだ。
 迷った時は、“母親らしく”ではなく、“八重姉さまらしく”やってみたらどうだべ」

 “八重らしく”というのが、“迷わずに進め”なのか“自分のやりたいようにやれ”なのかは、はっきりしないが、どちらにしても、自分の思うまま突き進んできた八重に、この言葉は危険なアドバイスだと思った。
 ユキの本意は「母親らしく」ということに囚われるなということだろうが。

 会津戦での回想シーンがあり、その後の生活苦や、薩摩人との結婚の際の苦労が語られたが、この辺りはお座なり的に流しただけに感じた。
 薩摩出身の夫を紹介する際、ユキが少しビクビクして八重の表情を窺っていたのは良い演技だった。
 八重がそれを知り、にっこりとして挨拶するのを見て、ほっとしていたユキだが、これはかなり残念な演出(脚本)だ。
 20年の年月が流れたとはいえ、八重のその後を知らないユキは、薩摩人である夫に対し、≪八重が鉄砲を取りだし撃たないか≫は大げさだが、夫に対し悪口を叩かないかぐらいの心配をしたはずで、その後の二人の会話で、八重の気持ちを問いただしそうなものである。



佐久が語る“母となるための助言”
 失恋の痛手に八重の前から走り去る久栄を追おうとする八重を
「さすけねえ(大丈夫だ)」
娘を信頼せよと制止する。


「自分が傷つくより、ずっと辛え」という八重に
「母親はみんなそうだ」と佐久。
さらに
「跳ねっ返りの娘を持つと、苦労すんべ」とチクリ。


上っ面の恋徳富健次郎の情熱
 母親を追い出され、母の汚名の為居心地の悪さを感じていた久栄と、優等生の猪一郎に劣等感を感じていた健次郎、相通じるものを感じた二人は惹かれあった。
 しかし、恋に逃げようとした久栄と、ならぬ恋で駆け落ちをするという設定に憧れを抱いただけの健次郎。二人の恋は上っ面のもののように感じた。

 八重もふたりに浮ついたものを感じ、ふたりを止めようとしたが、
小説家としてやっていく自信はない。情けない人間だと吐露し、
「兄貴が憎うて……………羨ましか。
 それが人間じゃなかですか。そぎゃん自分ば堪えて、まっとうな人間になろうと、みんな必死でもがいていとっとかなかですかっ。
 俺は…………俺はそぎゃん人間の本当ば書きたか。書かんと自分じゃおられん。
 食べるために小説ば書いとるんじゃなか、小説ば書くために食べるとっ!

と、熱い思いを訴える健次郎を認め
「応援する。ただ、駆け落ちは駄目だ。里帰りはできなくなる。
 苦労と不幸は違う。健次郎さん、久栄のこと、必ず幸せにしてくなんしょ」

とふたりの背中を押した。
 久栄も八重を母と認めたようだ。

八重の性格だと、「上っ面の恋だ」とか「お前と一緒にいると久栄が不幸になる」と、健次郎に金を持たせて東京に追っ払うのが、八重らしいと思うのだが……

 しかし、
健次郎はひとりで東京に行ってしまう。
 小説家としての自信はなく、東京に言っても苦労するだろう。
 そんな苦労を久栄にさせたくないということもあるが、≪久栄とふたりでいると、生活の為、執筆に専念できなくなる≫というのが本心であろう。


【その他の感想】
「近頃の若いもんは……」
「八重もそういうことを言う齢になったか。私も娘の頃は“近頃の若いもんは…”と言われたもんだ」
 佐久は自分の若い頃を例えて場を和ませたが、≪八重にそんなことを言われたくない≫と大多数の視聴者が思っただろう。

 それにしても、「近頃の若いもの」=「明治の生まれ」という図式に驚き、佐久でさえそんなことを言われたという事実……永遠に繰り返す「世代間の感覚や常識のズレ」かも。

【ストーリー】番組サイトより
 母・時栄(谷村美月)が覚馬と離縁し、山本家を出ていって以来、ふさぎ込む久栄(門脇麦)。八重(綾瀬はるか)は、母親代わりになろうと久栄を気遣うが、なかなか心を開いてくれない。
 そんななか、久栄がただひとり心を許したのが徳富猪一郎(中村蒼)の弟・健次郎(太賀)だった。優秀な兄といつも比較され肩身の狭い思いをしている健次郎と、山本家に居心地の悪さを感じている久栄。2人は悩みを打ち明け合ううちに、結婚を意識し合うようになる。しかし、その展開に八重が猛然と待ったをかける。
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羽生連敗、しかし、ここは例の言葉で…

2013-11-18 16:38:19 | 将棋
☆将棋日本シリーズ、久保九段 2連覇、羽生三冠2年連続準優勝に終わる
 2年連続の準優勝、しかも、その前は2連覇しているので、讃えられる成績である(この4年間で10勝2敗)。
 しかし、2年連続決勝で久保九段に負かされるのは悔しい。(あ!相手が久保九段であることへの不満ではなく、2年連続同一棋士に決勝で敗れたことが悔しいのです)
 決勝は大熱戦で、終盤、後手の攻め駒の△1六香を取り払い、同時に両者の玉の上部の厚みを逆転させた久保九段の▲1五金や、守り駒である2三の銀を先手の香の利き筋へ捨て、玉の逃げ道を開拓した△1四銀と、秘術を尽くした攻防だった。
 最後に玉の逃げ方を誤り、敗れてしまったが、敗局の遠因は相手の飛車の成り込みを防いだだけの△8四桂だったように思う。久保九段に争点を6筋から右に移され、打った桂馬が取り残されてしまった。(先手の飛車も8筋に居たままだったが、後手の飛車も6一に居たままなので相殺)

☆棋王戦、永瀬六段、羽生三冠を破って本戦決勝進出、羽生三冠、無敵の横歩取りで敗れる
 若手に圧倒的な勝率を誇る羽生三冠、棋王戦本戦準決勝の相手は永瀬六段。若手の有望棋士とは言え、(羽生三冠の)決勝進出は堅いだろうと見ていた。
 羽生三冠は、2011年5月の菅井四段に敗れて以来、C級2組棋士相手に敗局はない。と言っても、私が確認したところ4勝0敗と局数は少ない(下位棋士が羽生三冠と対局するのは難しい)。C級2組に限ると対局数は少ないが、若手や下位棋士には取りこぼしが最も少ない棋士と言えるだろう。某名人は……
 それに、菅井四段に敗れたのは大和証券杯で早指し将棋であった。(と言っても、羽生三冠はNHK杯戦はとんでもない高勝率で実に.844を誇っている)
 驚きなのは、今期先手番4勝0敗、後手番3勝0敗と無敵の横歩取り戦で、序盤から圧倒されての敗局だったこと。

 さて、久保九段には、今後A級順位戦7回戦と王将リーグ最終局で対局が組まれている。また、棋王戦の敗者復活戦を勝ち進めば、永瀬六段と顔が会う。
 となれば、今回の敗局……やられたら、やり返す。倍返しだ!
コメント (6)
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