英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season17 第7話「うさぎとかめ」

2018-11-29 21:45:44 | ドラマ・映画
こじつけと言うか、強引と言うか……短歌に隠された郵便番号の郵便番号の暗号(句の最初の一文字が五十音の何行なのかで、現住所を知らせる)
 暗号のルールを知っていれば簡単だが、「選ばれて掲載されるかどうか分からない」「“詠み人知らず(ホームレス)”の正体が鮫島である事に気づくか」などの難関、そもそも、「鮫島(山中崇)が『毎朝新聞』を利用して通信してくる」と思いつくのだろうか?
 それに郵便番号は7桁、短歌の表す数字は5桁というのも苦しい暗号ルール。

証拠も苦しい……亀が首をひっこめた時、指が甲羅の裏に引っ掛かって皮膚片と血液が残留していた
 “甲羅の裏”…“こウラのウラ”というダジャレを披露したかったのか?
 “特命係の亀”というキーワードを使いたかったからなのか?

 まあ、犯人の杉原(松田賢二)の指が甲羅の裏に挟まり絆創膏を貼るのは良いとしても、谷川(関幸治)も包丁で切って指に絆創膏というのは、都合よすぎるフェイク。
 
何かとこき使われる青木(浅利陽介)……短歌が伝える郵便番号の住所について過去2年間の映像(防犯カメラ、監視カメラ)を調べるなんて
 “顔認証システム”を駆使したとしても、映像データが膨大過ぎる。


とまあ強引なストーリーであったが、私が気になったのは、
≪政権を守るために、官僚は自殺するのが既定路線≫という怖ろしい思想

 私には縁がない世界なのでよく分からないが、これって普通なの?

 冠城(反町隆史)の言葉も怖い
「なぜ、鮫島さんは自殺じゃなく、失踪を選んだんでしょう?」
 ≪(政権維持の為なら)自殺するのがふつう≫と考えているのだろうか?……まあ彼も元官僚で毒されているのかもしれない

 官僚ではないがゼネコン側の疑惑のカギをを握る社員も自殺していたが、その彼の妻も言葉は悲しい
「なんで主人だけ、死ななきゃいけなかったんでしょうか?
 会社を守るため、従業員の雇用を守るため、この国を守るため……
 でも私は、家族の為に、主人にも生きていてほしかった」


 鮫島自身も
「(談合)疑惑が表ざたになった時、自殺するしかないと覚悟を固めていたのに」
 自殺するつもりでいた。

 官僚としての立場や出世より、親友の命を大事と思った谷川はまともに思えるが
「あんな政治家の為に死ぬことはない!失踪しろ、鮫島。あとは俺が何とかする!」
と言っていたが、失踪するのも人生の一大事なのでは?
 あんな格好良い事を言って、新聞の短歌欄を読んで、鮫島の無事を確認してホッとしているだけとは。


脚本は森下直氏
 昨夜、今回の「うさぎとかめ」を視聴した後、2週間ほど前に放送された『遺留捜査SP』を視聴したが、偶然、森下氏の脚本だった。
 これまでの氏の脚本は、政府や有力政治家バックの組織が絡んだ大がかりな事件。そうでなければ、ストーリー展開や設定が複雑なストーリーが多いようだ。
 しかし、それが未成熟のまま展開されてしまい、視聴後、≪なんだかなあ≫といった残念感が伴う。
 『遺留捜査SP』では、≪有力政治家とそのパートナーの仮想通貨運営会社の女性社長は一体何がしたかったのか?≫≪紛失した仮想通貨700億円の被害者はどうでもいいのか?≫≪真犯人の村長のアリバイトリックって、死亡したと偽るのは良いとしても葬式していて、糸村はなぜか偽装葬式を何の根拠もなく見破っている≫……などなど疑問点が多々。

[森下直氏 脚本作品]
『相棒』 season13 第2話「14歳」season15 第6話「嘘吐き」season15 第17話「ラストワーク」
『刑事7人』 第6話


第1話「ボディ」第2話「ボディ ~二重の罠」第3話「辞書の神様」第4話「バクハン」第5話「計算違いな男」第6話「ブラックパールの女」


【ストーリー】番組サイトより
カメを“尾行”した右京が事件に遭遇
ホームレス襲撃の背景に権力の影が!?


 ある朝、オフィス街でリクガメを見掛けた右京(水谷豊)が、後をついていくと、公園のテントで血を流して意識を失ったホームレス男性(山中崇)を発見。彼のペットと思われるカメを保護した右京は、亘(反町隆史)とともに襲撃事件の背景を調べ始める。
 手掛かりは、テントにあった新聞。調べると、新聞は水曜日に発行されたものばかりで、そこには男性が『詠み人知らず』という筆名で投稿した短歌が、何度も掲載されていたことが分かる。さらに、その作風から、同じ人物がかつて、『うさぎ』という筆名を使っていたことも判明。右京たちは、ホームレス男性が、2年前に失踪した鮫島という国土交通省港湾局の官僚であることを突き止める。
 国交省に問い合わせると、鮫島の同期で人事課長という要職にある杉原(松田賢二)が対応。さらに、鮫島の同期で現在は総務課長を務める谷川(関幸治)からも事情を聞くが、いずれも冷淡に応じるばかり。そんな中、鮫島が意識を取り戻すが、襲われたときの記憶を失っていて……!?

事件の謎を解く鍵は“カメ”と“短歌”!?
背景には官僚が絡んだ2年前の談合疑惑が…
特命係が埋もれかけた日本の闇と対峙する!


ゲスト:山中崇 関幸治 松田賢二

脚本:森下直
監督:橋本一
コメント (2)
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【歳時メモ】 今年の紅葉

2018-11-29 11:43:39 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。

 満色状態は過ぎてきていますが、まだまだ、紅葉を楽しめるところが多いです。
 今秋は全体的に気温が高めで、色づき始めた時期も遅く、紅葉や落葉のペースも緩やかです。
 それに、強風も少ないので、色づいた葉も頑張って枝に残ってくれているようです。

 そのせいか、色づいている部分と落葉して枝だけの部分のみで、緑色の部分が少ないので、褐色や柿色が際立ち、今年は例年より赤っぽくて綺麗です。


 ただ、もう落葉してしまいましたが、桜や花水木の葉は、例年より赤みが少なく黒ずんでいたように見えました。今年の大雪や酷暑、台風で弱っていたのかもしれません。桜や花水木の色づいた時期が、冷え込みが緩かったせいかもしれませんが。
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法医学教室の事件ファイル 45

2018-11-27 17:07:05 | ドラマ・映画
二宮夫婦(名取裕子、宅麻伸)の息の合った掛け合い(痴話喧嘩など)や、遺体解剖の際の疑問解明は安定感はあったが………
事件関係者の行動が不可解過ぎて、サスペンスとしてはかなり残念な出来だった。

(放映日の11月18日から間が経ってしまいましたが、備忘録として)

被害者・北川直之(中村俊介)
 妻の野上恭子(中山忍)が金を無心に来た元恋人の笹岡稔と揉めているところに出くわし、もみ合っているうちに稔を殺害してしまう。
 正当防衛とは言え、店の評判を気にした二人は、死体を埋めて隠滅したが、責任を感じたのか、直之は姿をくらます(恭子は生活費として1000万円を渡すが、そのことで恭子の父(平泉成)は、≪直之は金を盗んで逃亡した≫と思い込んだ)

 死体を埋めたのなら、今までの生活を続けるのが普通?。逃亡する必然性はない。
 まあ、≪殺害現場のそばで生活するのは苦痛だった≫と解釈することはできるが……
 もっと疑問なのは笹岡稔に成りすましたこと
 稔はまともな奴ではなさそうなので、行方不明になってもそれほど追究されなさそう。そもそも他人に成りすますのは心理的にも実践的のも大変だし、成りすまし発覚の危険性も伴う。そこから、殺人にも辿り着かれてしまう可能性もある。
 本名で生活すると恭子の父に見つけられてしまう恐れがあるが、この際、父にだけは真相を打ち明けた方がよかったのでは?


本来の妻の野上恭子(中山忍)
 10年ぶりに再会した直之に「綾部千尋(星野真里)と一緒になりたい」と打ち明けられ、激怒して突き飛ばして頭部を強打させてしまう。
 ≪直之を他人に取られるのなら、いっそ…≫と意識不明の直之を燻製機に閉じ込め、笹岡裕一郎(住田隆)に殺害(とどめを刺させる)と偽装工作を依頼し、その後、そのことで強請る祐一郎を殺害。その罪を千尋になすりつけようとした。

 直接、稔を死に至らしめたのは直之だが、彼が店の金を持ち逃げしたという汚名を着せたまま10年間放置しておいて、「夫を取られた」と怒るのはあまりにも身勝手。
 さらに、意識不明状態の直之を放置するどころか、殺害しようとした。しかも、他人にやらせる!(偽装工作までも)……酷い女だ


 恭子と祐一郎は普段からやり取りがあったのだろうか?あの切羽詰まった状況で、あんなことを依頼するなんて!(でも、普段から付き合いがあったのなら、祐一郎は千尋を強請らず、恭子を強請るはず)
 そもそも、祐一郎に自分の弱みを握らせるなんて、自殺行為もいいところだ。


綾部千尋(星野真里)
 ドラマ冒頭で“直之のことは何でも知っている”感を押し出したが、実は深いことは知らず、疑念が一杯だった。
 疑念一杯だったからこその態度だと早紀(名取裕子)は良心的に解釈していたが、自分本位で周囲に当たり散らし、悲劇のヒロイン振る態度にはストレスが溜まった。


その他の疑問点
①署長・高岡早紀はどこ行った?
 前回、いきなり登場し活躍(大暴れ)したというのに……
②魔法の粉だけで繁盛するほど甘くはない
 まあ、他にもいろいろレシピを残してくれてはいたが……
 液体窒素って安くないと思うが、採算は取れるのか?
③早紀の解剖&捜査?で液体窒素の痕跡が手掛かりとなったが
 けっこう立派なロッジだったので、普通の捜査で突き止められるのでは?死体発見現場付近みたいだし発見は容易なのでは?
④あまりにも都合がよすぎるアレルゲンの存在
 その他の解剖関連の検証もキレがなかった


 脚本は前回から外村朋子氏が担当。
 前回も今回も残念な脚本に思えたが……


【ストーリー】番組サイトより
フレンチレストランの女性オーナーの夫が、遺体となって見つかった…!謎の所見だらけの遺体…そして被害者には2人の“妻”が…!?
あの二宮夫婦に、離婚の危機――!? シリーズ史上最も衝撃的なラストが、2人を待ち受ける…!


 二宮早紀(名取裕子)は、港南医大法医学教室の教授。夫の一馬(宅麻伸)は横浜東署の警部で、2人の間には新聞記者の息子・愛介(佐野和真)がいる。愛介は早紀の法医学教室の助教・伊吹南(中村静香)と交際しているが、なかなか進展がない様子。そんな状況を、一馬の叔母・七海(由紀さおり)が“心配”と称して引っかきまわすため、早紀は日々ヤキモキしている。

 雑木林で男性の遺体が発見され、早紀は現場に駆けつけた。死んでいたのはフレンチレストランのオーナーシェフ・綾部千尋(星野真里)のパートナー・笹岡稔(中村俊介)で、2人は6年前から事実婚関係にあったという。直前、雑木林に落雷があったため、雷に打たれたことによる事故死かと思われたが、早紀の検視により何らかの装置によって感電させられたことが判明。つまり事故死に見せかけた他殺であるとわかるが、千尋は「夫は殺されるような人じゃない」「私は夫のことをよくわかっている」と食ってかかる。
 その後、解剖を行った早紀は、意外な事実に驚く。頭部に打撲痕、左の掌と右足裏に熱傷、背中に圧迫痕、右腕に深く切られた古傷、のどには軽い凍傷…と、遺体には謎の所見が数多く残されていたのだ。しかも遺体発見直後、千尋が心臓マッサージを行ったため、骨や血管に圧力が加わり、死因も特定できなくなっていた。また、胃の中からはフレンチでよく使われる食材が多数検出されたが、ひとつだけフレンチとはかけ離れた、“日本三大珍味”の“コノワタ”が混じっていたのも謎だった。
 事件当日、稔は朝9時に店を出てから遺体となって発見された午後3時まで、計6時間の足取りが不明だった。空白の6時間に何があったのか、一馬たちは足取りを追う。
 そんな中、「夫のことはよくわかっている」と豪語した千尋と稔の夫婦仲が冷え切っており、千尋には別に恋人がいたという噂が浮上する。しかも、遺体の確認にやって来た稔の兄・裕一郎(住田隆)が「この遺体は弟ではない」「まったく知らない人物だ」と言い出して、早紀も一馬も驚愕する。 
 やがて、遺体の元妻と名乗る野上恭子(中山忍)やその父・耕造(平泉成)も現れ、事態が混乱を極める中、新たな殺人事件まで発生! 早紀と一馬は、さらなる謎に包まれた連続殺人の真相究明に向けて、衝突しながらも夫婦で突き進んでいく…!

キャスト:
二宮早紀 ・・・・ 名取裕子   二宮一馬 ・・・・ 宅麻 伸
望月七海 ・・・・ 由紀さおり  綾部千尋 ・・・・ 星野真里
野上耕造 ・・・・ 平泉 成   野上恭子 ・・・・ 中山 忍
笹岡 稔 ・・・・ 中村俊介   二宮愛介 ・・・・ 佐野和真
伊吹 南 ・・・・ 中村静香   気象研究家 ・・・ 依田 司(気象予報士)
ほか

脚本:外村朋子
監督:山本邦彦
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なんで負けた?(2018竜王戦第4局)【追記あり】

2018-11-25 22:09:30 | 将棋
難解な中盤を精密な指し手で必勝近くになったはず……


 将棋は今期竜王戦で4度目(全局とも)の角換わり将棋。
 複雑で微妙な玉や金の動きで互いに間合いを計っていたが、羽生竜王が△4四歩と突くのを待っていたのか、8分の考慮で▲4五歩と開戦。
 これに対し羽生竜王は、先手の攻めを斜にかわす応手で、2筋を屈服する代わりに3筋に成銀を作り対抗。ならばと、広瀬八段が7筋の桂頭を攻め桂得を確保した(第1図……封じ手局面)。


 後手は桂損だが、先手は歩切れと玉が成銀に近いという玉の不安さがあり、バランスが取れているらしい。


 その後も4五の地点を中心とする25升のスクエアで複雑な応酬(角打ちや銀の動き)があり、△4六角と角を打ったのが第2図。

 打ち込まれた6二の銀が後手陣の脅威となっており、5三への飛車の成り込みと、7三の金取りにもなっている。その両狙いを防ぐ△6三金は▲7二角の追撃がある。
 後手ピンチかと思われたが、△4六角(王手)が巧妙だった。
 5七に合駒をすると飛車利きが消え、▲6八玉とかわすのは、飛車利きを遮って打つ△5五桂がピッタリ。なので▲5七角と打ち、4六の角を消そうとしたが、△同角成▲同飛に再度△4六角が飛車の活躍を許してくれない。


 ならばと広瀬八段は▲5三銀不成として△3三玉に▲6二角と絡みつくが、

△5五銀が中央を押さえる好手で後手の優位がはっきりしたように思う。


 第5図以下、▲7八玉△5七角成▲同金寄△6三金▲5一角打△3四玉▲5六歩と進む(第5図)


 後手陣にある先手の角2枚と銀に重複感があるうえ、歩切れも辛そう。事実、図から△2八飛と打たれると対処に悩みそうだ。

 ただし、後手玉も危うさがあり、例えば△2八飛に▲5八金寄に喜んで△5六銀と踏み込むと▲4四銀成の1手詰み!
 △2八飛には他に▲3八桂(ここに桂を打つのは辛そうだが、後に▲4六桂と跳ねる含みもある)や▲58金寄もあり、優勢なのは間違いないが、それほど簡単ではない。(でも、△2八飛が最善で間違いのない指し手だったと思う)

 実戦は△6二金と角を取る。取られそうな金が角と交換になったのも魅力。さらに、▲6二角成とさせることによって2四への角の利きを失くして自玉の安全度が増した。
 そうしておいて△8六桂!

 ▲8六同歩に△同歩と桂を犠牲に先手玉に一気に迫った。
 確かに、一理も二理(2利?)もある指し方だが、私は何となく嫌な予感がしていた。

 広瀬八段は△8六同歩に▲8四桂と飛車利きを遮って頑張る。
 これに対し△7六歩!………なな ろく 歩??

 意図は分かる…▲7六同歩に△7七歩▲同桂△7五歩▲同銀△7六歩が狙いで“羽生竜王の大好きな歩の連続叩きの手筋”だ。
 しかし、“藪をつついて蛇を出す”という感が強く、やり過ぎで危険としか思えない(狙い通りに進んでも寄っているかは怪しい)


 実戦は広瀬八段が歩の叩きを取らず▲6八銀と辛抱した。これは大きな利かしのはずだが、銀を引かせたため△8七角▲6七玉に△7九飛と打てなくなってしまった。
 △7六歩では普通に△8七角と打ち▲6七玉に△7九飛で良かったはずだ。もちろん、これで簡単な勝ちではないが、優勢は維持できていたはずだ。

 しかし、しかし……△7六歩▲6八銀に△8七歩成▲同玉△6九角!

 確かに、▲8七玉と呼び込んで△6九角と打つのは寄せのひとつの形ではある。しかしそれは、上部に抑えがある場合である。
 本局の場合、8一に飛車はいるものの、先手の6二の馬が強力、苦し紛れに打った桂も働いてきそうで、先手の支配エリアといって良い。しかも、後手の持ち駒に入玉戦で必須の金がない。


 この瞬間、羽生竜王の勝利の目は限りなく小さくなった。
 以下は詳しく語る気力もない。

 羽生竜王も何とか寄せようと頑張るが敗色が強くなっていった。
 飛車を8筋に打って勢力を強め、その飛車で桂を取り(桂得)、強力な先手の馬と刺し違えたが、代わりに強力な龍が誕生。しかも、7三は絶好の位置。3段目に利いて後手玉の脅威となり、7筋の防御も果たし、6四へ出て後手玉を寄せる含みもある。
 さらに…

 当たりになっていた5三の銀が4四へ成り返る手が絶好となった。(△4四同玉は詰む)

 ………………………………………………以下省略
 明日、辛い月曜日だなあ。


 痛い敗局だが、まだ2勝2敗の五分。
 それでも、第3局の重すぎる▲5二金の寄せ。さらに、△7五歩(第9図)に対する▲同歩(却って後手玉を寄せにくくしてしまった)……寄せの感覚に狂いが生じている。

 まず、終盤の感覚を取り戻すのが先決であるように思う。


【追記1】
※局後の感想※
羽生は総括として「82手目の△2五銀では△4五角と打ったほうがよかったですかね」と話し、感想戦が終了した。

とあり、棋譜のコメント欄では
問題となった局面。羽生はこの局面を迎えると、開口一番「もう1回打つんでしたかね」とつぶやいた。しかし、(1)△4五角に▲5六金と出られるのを気にして打てなかったと話している。
「かなり迷いました。しかし、打つなら(▲5六金と)出ますよね」(羽生)
「その読みでした」(広瀬)
ほかに(2)△6二銀も検討されたが、羽生は自信を持てなかったようだ。
「△6二銀も考えましたが、清算が持てませんでした」(羽生)



 しかし、ある将棋ソフトの解析によると(私は持っていません)
最善手は△3六角と解析している。それに本譜の△2五銀も△4五角よりも高評価らしい。

【追記2】
 △6二金~△8六桂は攻め急ぎで、コメント欄には
代えて△2八飛がまさったか。以下、▲3八桂△5三金▲5五歩△4二銀と進んだ。角を手にすれば△4五角が厳しい。
とある。


【追記3】

 △8七歩成~△6九角は玉を上部に逃がした変調手順だったが、厳密にはまだ羽生竜王が残していたようで、

 図より△5二歩▲5五歩△8五歩▲7六玉に△8六歩と桂を取ったが、△8六歩では△6三桂と打つ手があったようだ。

 以下▲7四金△7五歩▲同金△同桂▲同飛成△9三角が想定さ、本譜の進行よりかなり有望のような気がする。

【追記4】
 以降は後手が勝てない将棋となってしまったが、▲3四銀と縛られた手に対しては、ニコニコ生放送の解説でも推奨していた△3三桂と踏ん張る手があったようだ。

 とにかく、▲2五歩と打たれて玉を1三に押し込まれては勝ち目はない。

 “決め損なった感”“疲労”“時間切迫”など悪条件の中で踏みとどまるのは困難であっただろうが……
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相棒 season17 第6話「ブラックパールの女」

2018-11-23 13:14:26 | ドラマ・映画
今回の脚本は山本むつみ氏
 先入観を持たないためにあらすじや脚本家が誰なのかは見ないで視聴しているが、途中から山本氏の脚本のような気がした。
 山本氏は私が勝手に認定している“要注意脚本家”のひとり(申し訳ありません)。

 山本氏については過去の記事で
「事件はカルト集団に取り込まれたサイバー課の谷崎の誘導による副総監襲撃ということのみでミステリー性は薄い」season16 第12話「暗数」
「薄っぺらでつまらないストーリー」season15 第11話「アンタッチャブル」
「人情的なドラマ性に重きを置いているようだが、今回はその部分が面白かっただけに、事件のミステリー度が低かったのが残念」season15 第4話「出来心」
「今回は面白かった。良かった」season14 第16話「右京の同級生」
「茶番さが充満」season13 第13話「人生最良の日」
「無理やりな世相設定、奇跡的偶然、理解困難な行動」season12 第15話「見知らぬ共犯者」
と評している。

 「アンタッチャブル」、「人生最良の日」、「見知らぬ共犯者」は非常に不満を感じた記憶がある。
 “社会派ドラマ的・心情的要素”に重点を置き、心情ドラマとしては面白いが、“ミステリー要素”は薄く、重点を置く心情的な要素も納得がいかないことが多いので、私の中の評価はかなり低い。(『遺留捜査』(2017・第4シリーズ)第8話、『八重の桜』でも低評価)


 さて、今回は“狡猾でしたたかな女詐欺師”(←番組サイトの表現)が登場
 “危うさをはらんだ拘禁中の連続殺人犯が特命係を翻弄”(←番組サイトの表現)が登場したらしい。

 確かに、遠峰小夜子(西田尚美)が特命係を誘導して、世界的なバイオ技術の研究者の風呂場での溺死の真相を暴かせた形にはなっているが、右京にとっては≪興味を持った事件の真相を追求し、犯罪を明らかにする≫といういつもの行動で、踊らされた感はない捜査も振り回されてもいない。
 もし、弁護士の連城(松尾諭)が特命係ではなく、伊丹たちに小夜子との面会を依頼したら、「何も不審な点はなかったぞ。ただの事故死だ」で終了してしまっただろう。

 小夜子が勝手に≪拘置所の中にいても人を思い通り動かせた≫と思い込んでいるだけにも思える
 このように多少≪ん?≫と思う点もあったが、心情ドラマとしては面白かった。

 この小夜子を演じたのは西田尚美さん。
 怪しげでしたたかな悪女振りはなかなかだった。
 この西田さんに関して私は、内村光良氏(ウッチャン)が主催?するNHKの『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』での“独自の世界観を持つ自己中心的でとぼけた味のある奇妙な女性”がだぶって見えてしまう。
 特に、「あの二人、使える 」とほくそ笑む姿は『LIFE!』そのものだった。

“相貌認識能力”(一度顔を見た人は忘れない)を強力な彼女の特殊能力と扱っていたが、それよりも、やはり人間観察力や話術などの“たらしこみ力”が強力だったのだろう。
 そういえば、脚本の山本氏はseason16 第9話「目撃しない女」では、「相貌失認」という認知機能障害を取り上げていた(今回の“相貌認識能力”とは対照的な症状)。
 
 ミステリー的には突っ込み処が多かった
・浴槽の点検口の蓋のズレやPCの履歴や手袋など殺害の痕跡を放置しすぎ
・長年の夫婦生活で鬱積した不満は他人にはわからず、それが他の女性へのネックレスの贈り物発覚で殺意に及ぶかどうかは判断できないが、問いたださず殺害に走るのは疑問
・賄賂性の高いブラックパールを大っぴらに身に着けるものなのだろうか?


 それはともかく、右京が冠城に「彼女にはうかつに近づかないように」「彼女は危険です」と忠告していたが、今後、冠城が特命係を去る予兆か?
 

第1話「ボディ」第2話「ボディ ~二重の罠」第3話「辞書の神様」第4話「バクハン」第5話「計算違いな男」

【ストーリー】番組サイトより
未決囚の女が世界的研究者の不審死に関与!?
特命係を惑わす妖艶な“平成の毒婦”の狙いとは?


 ある日、右京(水谷豊)は、弁護士の連城(松尾諭)から突然、奇妙な依頼を受ける。
 顧問弁護士を務めている出版社が、連続殺人事件の被告として拘禁中の遠峰小夜子(西田尚美)に、名誉毀損で訴えられているのだが、和解の条件として「有能な刑事と話がしたい」と不可解な要求をしてきたという。小夜子は、真珠養殖詐欺を行い、返金を迫った被害者を自殺や事故に見せかけて殺害した疑いを掛けられている人物。
 亘(反町隆史)と共に面会に出向いた右京は、小夜子から気になる話を聞く。海外に行く飛行機の中で知り合った谷岡という科学者に、若い女性向けの黒真珠のネックレスを紹介したという小夜子。谷岡は、数日前、風呂場で溺死したことが報じられた世界的なバイオ技術の研究者。小夜子がなぜ、わざわざ刑事を呼んでそんな話をしたのか、興味を抱いた右京は、事故死として処理されている谷岡の一件も調べ始める。

特命係を捜査に駆り出した
狡猾でしたたかな女詐欺師の目的とは…!?
危うさをはらんだ拘禁中の連続殺人犯が特命係を翻弄する!


ゲスト:西田尚美 松尾諭

脚本:山本むつみ
監督:権野元
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2018ATPファイナルズ  ~フェデラーは残念だったが~

2018-11-19 15:34:20 | スポーツ
アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)がノバク・ジョコビッチ(セルビア)を、6-4、6-3のストレートで破り、初優勝を遂げた。
 グループリーグを終えて準決勝進出者が決まった時点というか、グループリーグの最中で「ジョコビッチの優勝は堅い」と思ったテニスファンが多かったはずだ。(私もフェデラーファンでありながら、ジョコビッチを破るのは厳しいなあと)

ノバク・ジョコビッチ
 「昨年夏から今年前半」と「今年のウィンブルドン以降」では、“ジョコビッチがふたりいるのではないか”と思えるほどの、天と地ほどの違いがあった。
 右肘の故障が悪化し、昨年のウィンブルドンの途中棄権。その後、今年1月の全豪オープンには復帰したが(4回戦敗退)、その後、手術し休養。3月に復帰したが、BNPパリバ・オープンではダニエル太郎に、マイアミオープンではブノワ・ペールに敗れる(共に初戦)など、世界ランクは22位まで後退してしまった。

 しかし、ジョコビッチはウィンブルドン選手権からパリ・マスターズの決勝でハチャノフに敗れるまで22連勝(この間、全米オープン、シンシナティ・マスターズ、上海マスターズを制覇)と無敵状態であった。
 パリマスターズで敗れたものの、今大会のグループリーグと準決勝(対アンダーソン戦)でも無敵ぶりは健在だった。

 けれども、決勝戦を迎えた時点では、“もしかしたら”という感触があった。
 そう、準決勝でズべレフがロジャー・フェデラーを2-0のストレートで撃破したからだ。



ロジャー・フェデラー
 フェデラーは昨年、全豪とウィンブルドンを制覇、マスターズ1000では3大会で優勝(準優勝1回)と見事な復活を遂げた。今年も全豪制覇はしたが、ウィンブルドンでは準々決勝敗退、全米も4回戦敗退、マスターズ1000も準優勝2回に留まり(マスターズ500での優勝はある)、不本意な成績と言える。
 しかし、100%とは言えないモノの、各大会で上位に進出し、ゲームの内容も高レベルを維持している。パリ・マスターズの準決勝のジョコビッチ戦は、両者の名勝負の中でも上位に入る激闘だった。
 今大会を含めた今年のフェデラーの印象としては、
①ファーストサーブの成功率が低い(これが苦戦の一番の原因)
②ストローク戦でのアンフォーストエラーが多い
③ストロークの威力がやや減少(ストローク戦で圧されることが増えた)
④パッシングショットのミスが若干増えた
⑤ネットプレーは健在で、そのセンス、反応速度、ボールコントロールは素晴らしい
⑥アプローチショットは弱め
⑦相手が執拗にフェデラーのバックを攻めることが多くなった(最近はスライスボールでうまく対応している)

 今大会のフェデラーは、初戦で錦織に敗れたものの、立て直し、ティエム、アンダーソンにストレート勝ちで1位通過を果たしている。正確なショットや絶妙なネットプレーを軸に快勝。スライスボールを効果的に駆使し、アンフォーストエラーも少なかった。ただ、依然、ファーストサーブの成功率は低かった。
 そして、準決勝。
 フェデラーのグループの方が日程を一日早く消化し、ジョコビッチのグループの準決勝進出者を待つ形となった。2試合終了時点では4名全員に2位通過の可能性があった。もちろん、ジョコビッチと準決勝で当たるのは最悪だが、ズべレフも嫌だなと(残る二人はチリッチとイスナー)。

アレクサンダー・ズベレフ
 21歳。次世代を担うであろう逸材。
 昨年5月のBNLイタリア国際で、準々決勝でラオニッチ、準決勝でイスナーに勝利。決勝ではジョコビッチを破り、マスターズ1000で初優勝。ロジャーズ・カップ決勝でもフェデラーを破り優勝。11月には世界ランク3位に。
 ただ、4大大会では目立った成績を残せず、今年も伸び悩みの感があり、今大会前の世界ランクは5位。

 198センチの長身から繰り出すサーブは強力。足も速くコートカバー能力も高い。ストロークも安定しており、ネットプレーもうまい。
 要するに典型的万能タイプ。
 4大大会で勝てないのが不思議なくらいだが、おそらく精神的にムラがあるせいだろう。
 高いポテンシャルなので、当然目指すプレーも高レベル。しかし、それ故、思い描くプレーができないとストレスが溜まり、冷静さを失うことが多い。ラケットをたたき折るシーンも多い。
 プレーへのいら立ち、いらだつ自分への怒りが、さらにプレーを乱す……

 今大会のグループリーグで、ジョコビッチとの対戦があった。
 第1セットは拮抗した展開で4-4で迎えた第9ゲーム。ズべレフは2度のブレイクポイントを握ったが、モノにできず、逆に第10ゲーム、2度のブレイクポイント(セットポイント)をしのいだが、最後にこの試合初めてのダブルフォルトで第1セットを失った。
 第2セットも第2ゲームのサービスゲームをデュースでブレイクポイントを握られながらも、凌ぐなど踏みとどまった。その直後の第3ゲームのファーストポイントは、フェデラー×ジョコビッチ戦を思わせるようなスーパープレーの連続だった。しかし、前ゲーム(第1セットの最終ゲーム)から、凡ミスが増え始め、このゲーム辺りから、ズべレフに苛立ちが見え始めた。
 第4ゲームで凡ミスを連発し、ゲームを失うと、集中力を失い、堰が切れたように、一気に1-6で第2セットを失ってしまった。

 しかし、このジョコビッチ戦以外は、充実したプレーで、2勝1敗で準決勝に進出した。
 ジョコビッチ戦の第1セットと合わせて考えると、やはり、フェデラーとはもちろん、ジョコビッチにも伍して戦えるポテンシャルを持っている。


準決勝 フェデラー × ズベレフ
 第1ゲーム、ズべレフがダブルフォルトを犯し、15-30。
 次のプレーのストローク戦、フェデラーの強めのストロークがネット。この後、サーブのフリーポイント(相手がボールに当てただけで返球できない)、サービスエースとすんなりサービスキープができ、気分が楽になった。ストロークをネットに掛けたこのプレーが分岐点になった気がしてならない。
 この後は白熱の試合内容。ズべレフがストロークの威力で押していたが、フェデラーはスライスを織り交ぜるなど球種や打点を変えて対抗、時折見事なネットプレーでゲームの流れを渡さなかった。
 しかし、フェデラーはサービスゲームでズべレフにポイントを先行されると苦しくなる。
 フェデラーのファーストサーブはやはり成功率が低く、ファーストサーブ自体も威力が若干弱く、苦戦時を切り抜けてきたサービスエースも取れない。
 第12ゲーム、強烈なリターンを決められ、次のプレーでは、パッシングのスーパーショットを決められ、0-30とリードされると、この後も連取され、ゲームを失うと同時に第1セットを落としてしまった。ズべレフはスーパープレーが出ると強さが2割増しになる。
 しかし、フェデラーもタダでは終わらせない。第2セットの第3ゲーム、40-0とブレイクチャンスをつかむ。このチャンスを30-40と盛り返されるも、バックの強打を決めてブレイクする。
 けれども…直後の第4ゲームをブレイクバックされてしまう。この後は、白熱の展開が続き、タイブレーク(なぜか“タイブレイク”ではなく“タイブレーク”と発音されることが多い)にもつれ込む。
 4-5で迎えてのフェデラーのサービス。深いストロークがアプローチショットになり、チャンスボールが。これをネットに詰めたフェデラーがボレーをネットに掛けてしまう。4-6となり、マッチポイント。1本踏ん張り5-6としたが、サーブはズべレフ。
 これを強打のストロークでフェデラーを揺さぶった後、最後はエースをフェデラーのコートに叩き込み、勝利をものにした。

 フェデラーは無念の準決勝敗退。
 今大会、ストロークは正確で、スライスボールも巧みに駆使していた。ネットプレーも見事だった。質の高いテニスを維持していた。
 惜しむらくは、サーブの威力と成功率が低かったこと。それと、パッシングショットが決まらなかったこと。アプローチショットも緩かった気がした。


 それにしても、フェデラーはファイナルに15回出場して、なんと14回準決勝進出(グループリーグ通過)。優勝6回、準優勝4回。


決勝 ジョコビッチ × ズベレフ
 ツアーファイナル準決勝というビッグゲームでフェデラーを破ったことで、ズべレフはステップアップしたのではないだろうか?そんな期待を持って、決勝戦を観た。
 互いにサービスゲームをキープする淡々とした展開。しかし、ズべレフの方がスンナリキープ、ジョコビッチの方は、“苦労”というほどではないが、ラリーが続くことが多かった。
 奇しくもグループリーグと同様に4-4で迎えた第9ゲームに分岐点を迎える。30-40でズべレフがブレイクポイントを握る。
 ズべレフのリターンをジョコビッチがネット。今回は3球目であっけなくブレイクを決まった。

 第10ゲームは、ズべレフのサーブがビシビシ決まり40-0。ジョコビッチが1本返したが、次のプレー、4球目のジョコビッチのストロークがオーバーになり、すんなりズべレフがサービスキープで第1セットを6-4でズべレフが先取した。
 第1セットの主なスタッツは、ウイナー……ズべレフ13、ジョコビッチ4。アンフォーストエラー……ズべレフ7、ジョコビッチ5。1stサーブ……88%、ジョコビッチ62%。ズべレフのアンフォーストエラーが(いつもより)かなり少なく、1stサーブの入りが非常に良かった。

 第2セットは出だし3ゲームはブレイク合戦。
 ブレイク直後の第2ゲーム、ズべレフは勝ちを急いだのか、2つのダブルフォルトと2つのアンフォーストエラーでゲームを落とす。
 ポイントとなったのは、第3ゲームの15-15からのプレー。28回のラリーの末、ネットに掛けたジョコビッチが、げんなりした表情を見せた後、ボールパーソンの差し出すタオルを受け取らず、3秒ほどしゃがみ込んでしまった。
 ……こんなジョコビッチは初めて観た


 この試合、ズべレフは実に辛抱強かった。
 ストローク合戦が何度もあったが、ひたすら来たボールを忠実にヒットし、コートの中央付近に返し続けた。中央付近で打ちあうシーンが多かったが、角度に変化をつけるのは殆どジョコビッチで、ズべレフはそれに対しても逆らわない方向へ返していた(クロスに返すのも、勝負を決めるためではなく、クロスは距離が長いので単に返しやすいだけ)。
 ストローク合戦で焦れて無理に動いたり、堪えきれずネットに掛けるのはジョコビッチ。いつもとは逆の展開だった。
 返球に専念したズべレフのボールがいつもより伸びていたのかもしれないし、ジョコビッチは連勝の反動が来て疲労が出たのかもしれない(トーナメントは勝てば勝つほど試合が増える)。
 
 次のプレーも象徴的だった。
 ズべレフのリターンをバックハンドでドロップショット。これがネットに掛かり、15-40。
 このドロップショットは、ズべレフを揺さぶるという意図ではなく、ジョコビッチが疲れていて、ラリーを避けたように見えた。実際、ボールパーソンからボールを受け取る時のジョコビッチは肩で息をしていて、疲労の表情を隠すこともしなかった。
 次のポイントも3球目を無理に強打し、ネットに掛けてしまった。ズべレフが2-1。(ブレイク数はズべレフが1つ多い)

 
 第4ゲーム、ジョコビッチが30-15とリードするも、ズべレフのセカンドサーブを安易に打ち返しミス。ジョコビッチはゲームでブレイクバックをすることができず、3-1とズべレフがリードをキープ。

 結局、第2セット、ジョコビッチは徐々に打つ手がなくなっていったという感じで、第9ゲームでもブレイクを許し、3-6で押し切られた。
 ズべレフの快勝と言っていいだろう。

 ズべレフがついにビッグタイトルを獲得。
 将棋に例えてしまうが、豊島王位、王座に重なって見えてしまう。
 来年はさらに、しかも、大きく飛躍するのではないだろうか。


 ついでに語らせていただくと、フェデラーが今大会を勝つと、ツアー勝利数が100となっていた。大きな故障をしない限り、来年、マスターズ1000か500シリーズで勝利を上げると思うが、出来ればグランドスラム(4大大会)で勝利して欲しい(100回目になる必要はない)
 でも、今回100回目の優勝を果たせなかったことがどうしても羽生竜王の100タイトル獲得に重なり、不吉さを感じてしまう。
 まあ、私の愛するロジャーが、羽生竜王の厄を払ってくれたと考えておこう。
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相棒 season17 第5話「計算違いな男」

2018-11-17 15:58:08 | ドラマ・映画
天文物理学者・星野(木村了)……≪学問はできるが、ピュアでどこか抜けている≫というドラマによく登場する学者キャラだった。
 博士号通りに天文や物理に精通し、物事を論理的に捉え、深く考察し、計算する努力を惜しまない。
 しかし、人の感情には疎く、世間一般の常識などとは離れた考え方をする。
 学者にも≪人を巻き込んで振り回す迷惑タイプ≫と≪振り回される被害者タイプ≫で、今回の星野は後者。それ故、事件を起こしてしまった?


 そんな星野が殺意を持った相手は高校時代の物理研究部のメンバーの若月(阿部賢一)
 「当時、実験中の爆発事故で物理研究部の部長・南雲千佳(里佳津乃)が亡くなったのは、星野が薬品を取り違えた星野のせいだ」と、若月は星野を強請っていた。
 そんな若月から逃れるため、殺害計画を立て実行しようとしていた。

 2度の計画失敗の後、3度目の計画で若月が亡くなったのを知って≪2度と強請られることはない、2度と≫喜ぶが、「あいつの顔を見なくても済む」=「若月は強請ることができない」=「死んでしまった」と、自分の犯した罪に気づき、自殺しようとする。
 自殺は特命係に阻止され、実は≪南雲の死も星野に原因はなく、若月の殺害にも失敗していた≫と知らされる。しかし、若月殺害を計画、計画を実行していたことは「殺人未遂」の罪。星野もそれを認め裁きを受けることに。
 結局、不起訴にはなったが、イギリス行きはなくなり、天文台はクビになってしまった。

 しかし、右京の言葉
「たとえ(雲などで)星が見えなくても、星は存在している」(←不正確です)
 と言うように、婚約者が寄り添ってくれて、ふたりで夜空を見上げた。

 “星”が婚約者なのか、ふたりで天文学を極めることなのか、は解釈に迷うが(どちらでもいいと思う)、右京の名言と星空を見上げるふたりの姿で“めでたし、めでたし”というラストシーンだった。


 天文物理学者のキャラとそのストーリーは悪くはなかった。
 「よかった」と言わないのが私のひねくれたところだが、突っ込みどころが多かったので、素直に「よかった」と言いたくないというのが実のところ。


1.若月が転落死した階段が壊れなかった星野の計算ミスが大き過ぎ
 若月と真犯人・三田先生(松田洋治)が二人も割と長時間階段に居たのに、階段が壊れなかった。
 ふたりが立っていたのが星野が細工した段より上段だったのかもしれないが、かなりの人数の刑事や鑑識の署員が検証していたにもかかわらず、壊れなかった。
 計算ミスが大き過ぎ?

2.16年前の事故の検証が杜撰
 薬品の取り違えが原因と言うのは明白だったのに、警察も三田先生も星野と若月を問い詰めなかったのだろうか?
 南雲が薬品の置き場所について注意喚起の通達を部員全員に出していたという事実もあるにもかかわらず、南雲が爆発事故を起こしてしまったのは、他殺も考えられたはず。
 星野も当時は自分に原因があったのかもしれないとは思わなかったようで、そのことも不思議だが、若月に詰問されて、≪自分が南雲を殺してしまった(爆発事故は自分のせい)≫と思い込んで、強請られてしまうのはお人好し過ぎ

3.事故の真相を知ったのなら、もっと早く若月を問い詰めろよ
 事件の真相を推察したのなら、さっさと若月に行動を仕掛けないと駄目だろう。
 若月と星野の間では「爆発は星野のせい」となってしまったことを察していたはずで、とにかく、星野と話をして爆発の真相を検証するのが普通である。
 三田が何も行動を起こさなかったせいで、星野は苦しみ、強請られ、殺害計画まで実行してしまった。
 若月もクズだが、三田もクズ。


4.階段で相手の身内を冒涜した捨て台詞を吐くのは危険すぎ
 爆発事故をネタに星野を強請っていたのに、三田に事故の真相を認めてしまうのは安易すぎ。
 その上、南雲を冒涜するようなセリフを階段で吐くのは「殺してください」と言っているようなものだ


5.殺害を阻止できなかった特命係
 あれだけおせっかい?を焼いたのなら(警察官の当然の職務?)、もっと星野を監視した方がいいのでは?(結局、計画失敗とは言え、計画を実行させてしまった)
 それに、若月を監視するという手段もあったはず。

6.三田は現場の階段にどうやってたどり着いたのか?
 星野が細工した階段に若月を呼び出したが、その場所を三田はどうやって知ったのだろうか?ずっと若月を見張っていたのだろうか?

 


第1話「ボディ」第2話「ボディ ~二重の罠」第3話「辞書の神様」第4話「バクハン」

【ストーリー】番組サイトより
偶然知り合った天文学者は狡猾な殺人者!?
“完全犯罪の方程式”が導く殺意の行方は!?


 証拠品の捜索のため夜の神社にやってきた右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、不審な行動をしている男(木村了)と遭遇する。慌ててその場を立ち去った男の状況から、右京は、彼が完全犯罪で誰かを殺害しようと動いている可能性に気付く。
 調べると、男は星野という優秀な天体物理学者で、イギリスの研究チームにスカウトされていて、プライベートでも結婚を控えていることが判明。幸せの絶頂にいるはずの彼がなぜ、誰を殺そうとしているのか…。
 さらに捜査を進めると、星野は物理研究部に所属していた高校時代、同級生の少女が亡くなった爆発事故に関与していたという証言がもたらされ…。 


完全犯罪を目論む天才的な天文学者と右京が知恵比べ
16年前に起きた悲劇的な爆発事故との関係は…!?
特命係が時を超えて絡み合った哀しい真実をひも解く!


ゲスト:木村了

脚本:根本ノンジ
監督:橋本一
コメント (4)
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引退すべきだ ~稀勢の里 4連敗~

2018-11-16 17:59:52 | スポーツ
大相撲九州場所4日目、稀勢の里は栃煌山の土俵際の突き落とし気味のすくい投げに敗れた。これで、初日から4連敗。初日からの4連敗は、横綱としては87年ぶり。翌日の5日目に休場届を申し出た。

 初日からの4連敗は非常に不名誉な記録だが、そのことを責めるつもりはない。しかし……

 休場?引退ではないのか!
 「(4日目に)敗れたときは引退」の覚悟をもって4日目の出場を決断しなければならない。
 横綱の初日からの4連敗は、82年ぶりのワースト記録。4日目に負けるということは、その記録に並ぶということ。
 それを分かっていて出場に踏み切ったはずだが、「ああ、負けちゃった。やはり、無理です。休みます」では、あまりにも甘い。

 報道陣の取材に、初日の貴景勝戦で右膝を痛めたことを明かして、「最後まで務めるのが(横綱の)責任だと思っていたが、体が続かなかった」と話したらしいが、それなら2日目に負けた時点、遅くとも3連敗後に休場を決めるべきだ。
 4日間の相撲の取り口を観て、痛めていたようには感じなかったが、負傷が事実だとしてもそれを言い訳にしてはいけない。出場するからには相撲が取れることが前提。横綱だったら「勝つが前提」である。


 心情的には、来場所もう一度、再起を図らせてあげたいが、これを認めることは悪しき前例を残してしまうことになる。
 今後、横綱が4連敗することがあっても、「稀勢の里の例があるから大丈夫」となってしまう。そのうえ、稀勢の里は先々場所まで、8場所連続休場という横綱としての役目を全く果たしていなかったのだから、これを合わせれば、
「8場所連続休場し、かつ、初日から4連敗しても大丈夫」
という理屈が成り立ってしまう。

 稀勢の里、あるいは、稀勢の里の師匠の田子ノ浦親方はそのことを理解していないのだろうか?


 横綱審議委員会も責任を問われるべきだ。
 稀勢の里の場合、横綱昇進も疑問符がついていた。(横綱昇進の甘い基準参照)
 こんな事態を招いてしまったのは、横綱審議委員会の審議力のなさ、無責任さが大きな原因である。
 日馬富士の不祥事と合わせて考えると、横綱審議委員会も解体すべきである。
 現メンバー9人の就任時期は、2009年1月からが1名、2010年3月からが2名、2012年7月からが1名、2013年3月からが3名、2015年3月からが2名と、長期就任者が多い。日馬富士横綱昇進が決定したのは2012年9月で、4名が関わっており、稀勢の里昇進決定は2017年1月で全員が関わっている。
 誰も辞任していないのは大きな驚きだ。ちなみに委員の報酬はなく、定例会や稽古総見、場所総見後に食事の接待ぐらい。稽古総見以外での観覧は各自切符を購入するとのこと。

 横綱審議委員会は稀勢の里に引退勧告を出して、総辞任するべきだ。
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引退した方がいいと思う(稀勢の里)

2018-11-14 16:33:34 | スポーツ
 初日から3連敗……相撲へのまじめな姿勢、正攻法な相撲で好きな関取なだけに、残念だ。

 進退を懸けた先場所、久々の土俵で相撲勘も鈍っていたし、何より精神的重圧が大きかった。
 今場所はひとり横綱とは言え、プレッシャーは先場所より小さく、コンディションも良いはず。しかし、初日から3連敗。
 しかもその内容が……

 精神的なもの云々より、横綱としての力量を全く感じることができない。

 北の湖は前進する重圧が半端ではなかった。
 千代の富士は前まわしを掴んでの出足が鋭かった。
 白鵬は硬軟自在な安定感。体力、反射神経が抜群で、勝負勘が素晴らしい。

 とにかく、横綱ならば、立ち合いから圧倒するか、まわしを掴んだり、長くなったら勝ちなど、圧倒的な強さや安定感があり、まず負けない。負けるとしても、相手の大健闘や、自らの油断などによる突発的、偶発的な敗戦だ。

 ところが、稀勢の里の場合、相撲の力量が前頭上位か小結程度まで減退している。
 立ち合いが五分程度なのに(それほど悪くないのに)、相手を押すことができない。かと言って、捕まえることもできず、土俵上で押し合い突き合い……ちょっと前に出たかと思うと、いなされたたらを踏む(腰が高く、身体全体での圧力ではないので、いなしに弱い)。
 そのうち、腰が高くなったり、息が上がってきて、相撲がバタつき始める……押し合いの均衡が崩れ、後退するか、下半身がついていかなくなり……敗れる。

 押す圧力がない。まわしも掴めない。持久力もない……
 対戦相手に、≪立ち合いで圧倒されてしまう怖さはなく、押し合い突き合いで踏ん張り、時々いなせば何とかなる≫と見切られている。

 稀勢の里としては、立ち合いの踏み込みをもう少し強くして(がむしゃらに突進するのではなく)、相手を少し下がらせることが肝心。引き足になれば、攻めている方が有利になので、まわしも取りやすいし、二次的押しも利きやすい。とにかく、相手に圧力を感じさせることが大事。

 私としては、「あなたはもう十分頑張ったから、休んでもいい(引退してもいい)よ」という気持ち。
 でも、本人に闘志があり、まだ相撲を取りたいと思うのなら、とことん頑張ってほしい。
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相棒 season17 第4話「バクハン」

2018-11-11 17:33:24 | ドラマ・映画
「あなたは……味方だと思ったのに」(百田刑事)
「この人は、正義の味方なんです」(冠城)

今話はこの台詞に集約される……と思ったが、それを吹き飛ばすほどの強烈なシーンが(笑)…

 刑事ドラマ、特に『相棒』では時々“正義”がテーマになる。
 この正義について常々不満に思っていることがある。
 最近では『絶対零度 Season3』最終話において長嶋(北大路欣也)が桜木泉(上戸彩)に
「正義に正しいも間違いもない。
 立場が違えば、その正義も変わる。
 おまえの信じる正義を貫けばいい」

と、桜木の行動を後押ししていたが、この“それぞれの正義”論だと何をしても肯定できてしまう。

副総監・衣笠(杉本哲太)の言葉はそれを象徴している
「怖れるならなるな。なるなら怖れるな。警察官とはそういうモノだよ」
「警察官は、みんな覚悟しているんだ。そのうえでそれぞれの正義を貫いている。
 私もこのまま終わらせるつもりはない」



右京の危惧もそこにある
「おまえは、“人材の死神”だな。
 源馬がいなくなれば、組織暴力に対する捜査力は大きく減退する。あいつが押さえている連中が暴れることになるぞ」
(角田課長)
「代わりに“違法捜査”はなくなります」(右京)
「“違法”なんて簡単に言うなよっ!
 俺たち組対が、どういう連中を相手に戦っていると思っている?
 源馬がどういう思いでっ………
 俺たちの捜査はきれいごとでは済まないんだ。
 ネタ元との関係は“必要悪”なんだよ」
「“必要悪”ですか?本当にその悪が必要だというならば、僕が潰したところで、必ず残るでしょう」
「源馬は必要じゃなかったというのか?
 俺にもネタ元はいる。叩けば埃が出るかもしれないぞ。俺のことも挙げるのか?
 俺のことも挙げてみろっ!杉下ぁっ!」
「あなたが罪を犯し、その証拠があれば、その時には」

杉下の胸ぐらを掴む角田課長だが、部下たちに抑えられ、
「じゃあな、警部殿」と言って、去る。


  ………源馬(中野英雄)や角田課長(山西惇)がネタ元などを“必要悪”として、それらを利用して巨悪を取り締まる捜査手法。

 “きれいごとでは済まない捜査”(違法捜査)をしたり、“必要悪”を容認して、巨悪を取り締まる。
 しかし、小さい悪(必要悪)を容認することによって、犯罪や不幸が生じてしまう……歪んだ捜査は歪み(犯罪・悪・不幸)を生む

 なので、右京は「法を守る(守らせる)」「法を犯したものを律する」を絶対とし、「法を守らせる警察は法を犯してはならない」(違法捜査は許さない)を大原則とした。(「右京、おまえが言うな!」という突っ込みはしないでね)
 法律という基準を設け、徹底的に私情・酌量や大義名分を理由とした身勝手さを排除している。

 

≪違法捜査は許さない≫は生活安全部の刑事・百田(長谷川公彦)にも及ぶ
「私と柏崎の関係があったから、源馬を倒すことができた。ネタ元との関係は“必要悪”じゃないですか?」
「“必要悪”ですか、皆さんそうおっしゃいますね。
 しかし僕には、必要な悪があるとは思えません」

(苦い顔をで右京の言葉を聞く角田課長)


 で、冒頭の“正義の見方”に至る。
 右京にとって正義は法であり、法を守るのが絶対。法(正義)を守る……まさに正義の味方である



当然、源馬に対しても容赦はなかったが、彼の最後の“挨拶”に対しても厳しかった
「親が子を復讐に巻き込むことが正義ですか?
 和氣はあなたとの秘密を守るために、自ら命を断とうとした」
「おまえが余計な真似をしたせいでな!」
「和氣をそこまで追い詰めたのはあなたです。
 あなたのために命を捨てようとした……それがあなたが犯した一番の罪です」

思いつめた顔で言葉に詰まり……冠城の方を向き
「参ったぜ冠城ぃ、俺一発かましに来たのによぉ、説教されちまったよ。
 どうもこいつと話していると、自分が悪かったような気がしてくる」


源馬も一矢報いる
「でもよぅ杉下、俺にはこの道しか選べなかったんだよ。
 あと少し、もう一歩だったんだよ。おまえのせいで、武輝会壊滅作戦をふいにしちまった。
 落とし前つけねえとな」
杉下に殴りかかる源馬、制止しようとする冠城と角田だが間に合いそうもない。
杉下は現場の拳を甘受しようと動かない。寸前で拳を止める源馬。
「なぜ、止めたのですか?」
「俺も警察官なんだよ」と言い、特命係に和氣への伝言『二度とお前には会わない。しあわせにな』を頼む



ラストシーン近くの右京と冠城の会話は、源馬の言葉を受けている
「どんなに法律で取り締まっても、組織暴力はなくならない」
「皆殺しにでもしますか?」
「それができないから、警察官なんですね」



ツンデレの角田課長
部屋に入ってきて、コーヒーを入れる角田。
「あれ?直っている?」
「俺が(コーヒーメーカーの)修理を頼んだ。ここが俺の休憩室だからな」
源馬の暴走を止めたことを杉下に礼を言い、
「おまえは最後まで、俺につき合えよ」
「わかりました」


角田課長との衝突が今回の大見所
 今話の最初の方で、コーヒーメーカーが壊れていたのを挿入し、自らがそれを修理したことで、自分も特命係に所在する意思を示した。……うまい脚本、感心。
 桃田刑事が右京に必要悪について説教?されているのを、バツが悪そうに苦い顔をして聞いていた。そしてこのラストシーン。
 角田課長が右京の信念を認めたと私は考える。


大活躍の冠城
 右京の行動を予測し、右京と別行動をとることで、孤立した右京に手を差し伸べた(右京も冠城の真意を察知していた)
ただし……
「俺は人に踊らされるのが嫌なんです。自分で思うように踊りたい」
「思うままに僕が走り、キミが踊るわけですね」

 粋なセリフだが、今回とズレているような気がする。


右京の正義、角田課長との衝突、冠城の活躍、警視総監の暗躍などが絡み、(多少、突っ込み所はあったが、それは全く気にならないほど)非常に面白かった
脚本の真野勝成氏だが、“要注意脚本家”と評価していたが、いったいどうしたことか?(ごめんなさい)
(ただ、相棒 season16 第16話「さっちゃん」で少しだけ評価を訂正してはいます)

でも………
「シャブ山シャブ子です。17歳でふっ」
“非日常な存在”が徐々に近づいてくる……ホラーそのものの惨殺シーン。
………これに、すべてを吹き飛ばされてしまった……

 それにしても、殺害される直前に百田刑事がスマホで話していた相手は誰だったのだろう?→ゲームセンター経営者の背後にいた情報提供者で、実は武輝会の人間
 正体がキャリアの久我(崎本大海)だったら凄いのになあ。
 しかし、百田殺害にビビって副総監に異動を懇願する様子はそうとは思えない。部屋から下がるとき、逆光でわかりにくかったが、表情は怯えたままだったように見えた。

【補足・些細な突っ込み】
①和氣がかなりの利益を上げていたが、「その利益の分だが苦しむ者がいる」という旨の指摘を右京にして欲しかった
②組対4課は和氣の資金をばらまき過ぎ。(「その資金が悪事に使われる」という指摘も欲しかった)
③シャブ山シャブ子を登場させるために、百田と謎の人物との決別を描いたのだとしたら、残念

 
第1話「ボディ」第2話「ボディ ~二重の罠」第3話「辞書の神様」

【ストーリー】番組サイトより
賭博捜査をめぐって右京と角田が一触即発!
正義の暴走が取り返しのつかない悲劇を招く


 組織犯罪対策四課の賭博担当、通称バクハンの課長・源馬(中野英雄)の指揮の下、過去最大規模の裏カジノ一斉摘発が行われ、広域指定暴力団・武輝会の資金源に大ダメージを与えた。
 右京(水谷豊)と亘(反町隆史)も摘発に駆り出されたのだが、右京はその際、摘発を逃れた店があったことに気づき、源馬が裏で手引きしているのではないかと疑う。組対五課の角田(山西惇)は、戦友のような源馬をかばい、手を引くよう釘を刺すが、右京は捜査を続ける。
 そんな中、賭博業者との癒着で源馬をマークしているという生活安全部の刑事・百田(長谷川公彦)と久我(崎本大海)が、特命係に協力を要請してくる。
 右京は、二人への協力を約束するが、亘は「角田課長を裏切れない」と言って、源馬の内定捜査から降りる。さらに、裏では特命係の廃止を目論む副総監の衣笠(杉本哲太)も暗躍していて…!?


亘や角田とも不協和音が生じ孤立を深める右京
それでも信念に従い賭博をめぐる不正の真相を追究
信頼できる仲間を失った右京が行き着く先は…!?


ゲスト:中野英雄 長谷川公彦 崎本大海

脚本:真野勝成
監督:橋本一
コメント (6)
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