電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【亀女房】
【亀女房】
異類婚姻譚(いるいこんいんたん)のひとつである『美女と野獣』(1946)を映画で観たついでに、ウィキペディアを読んでいたら、日本における例として浦島太郎のお話が上がっており、なんと
亀女房 - 例:浦島太郎(明治時代になるまで、乙姫は亀であった。)
と書かれている。乙姫が亀であったことを知らなかったのでびっくりした。
むかし【乙姫さまとブヨ女房】と題してこんな日記を書いた。
助けたカメに連れられて竜宮城に行き、乙姫さまの接待を受けて楽しく過ごし、元いた海辺の村に戻ったら驚くほどの歳月が過ぎて見知らぬ人ばかりになっていた、というのが浦島太郎の悲しいお話なのだけれどその逆の話しもある。
若者がたんぼ道を歩いていたらブヨがわいており、そのうちの一匹が美しい女性に姿を変えて女房にして欲しいという。手に手を取って所帯を持ち、子どもももうけ、長年連れ添って幸せに暮らすのだけれど、悲しいことにブヨ女房に先立たれてしまう。泣く泣く元いた村に戻ったら、ブヨの女房と過ごした幸せな歳月は、わずか半時の間の出来事に過ぎなかったという話しだ。
長命なカメと短命なブヨが出てくる二つの話しを並べてみると味わい深く、そんなふうに時間という不思議なものは、一人ひとり気持ちの持ちようで長く感じたり短く感じたり、伸縮自在なのだと昔話は教えている。(2009 年 6 月 21 日)
儚いブヨ女房と長命な亀女房なら伸縮した時間の差は、一人ひとり気持ちの持ちようでは済まされないほど、あまりに大きすぎる!と夢から覚めたように思う。
2009 年 5 月 30 日 港橋から見る巴川下流。この港町には羽衣伝説も浦島伝説もある。
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を公開。
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