【図書室の寅彦】

【図書室の寅彦】

書物の運命はだいたい出てから三十年で決するとしてよい。多くの本はこの関門が越えられないで忘却に委ねられるのである。 一時的にはどんなに人気を博そうとも、三十年の関所が通過できないものは、古典にはなれない。逆に、はじめのうちはさほどでないような本が、ある時がたつと次第に注目されるようになって古典の仲間入りするということもある。(外山滋比古による『意味の意味』の解説より)

外山滋比古は 1947 年東京文理科大学(現筑波大学)文学部英文学科卒業なのだけれど、大学の寮で生活し、そこには小さな開架式の図書室があったという。寮というのは板橋にあった桐花寮だろうか。ひどく古びていたものの、テニスコートまである妙にハイカラな構造の学生寮で、酒を飲んではよく泊めてもらったけれど、残念ながら図書室の存在には気づかなかった。

外山滋比古は中学四年のとき、国語の教科書で、吉村冬彦(寺田寅彦)の「科学者とあたま」を読んでえらく感動していたので、寺田寅彦全集を寮の図書室から借り出して貪るように読んだという。

2008年3月25日の六義園しだれ桜

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