電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【ことばと矢印】
【ことばと矢印】
ごろんと横になって本を読み、眠くなったらうとうとし、目が覚めた自分がまだ続きを読む気分でいるなら、また中断した箇所から先を読み始める。
うとうとして目が覚めると「覚えていないことすら覚えていない」というこざっぱりした状態に狭い頭の中が片付いていて、新しい客を招じ入れ「まあどうぞお当てください」と言いながら座布団を出し、新しい話をじっくり聞く余地ができている。役に立たないと判断した記憶を勝手に捨ててくれるありがたい機能が「忘却力」である。
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読んでいる本に「内包と外延」という言葉が出てきて、あれこれ思いついたことをメモしていたら、スマートフォンがなぜか「がいえん」を「外延」と変換しないので、まず辞書登録してやった。
ウィキペディアにこう書いてある。
内包(intension)はある概念がもつ共通な性質のことを指し、外延(extension)は具体的にどんなものがあるかを指すものである。これらは互いに対義語の関係をもつ。
「ある概念がもつ共通な性質」とは「包括的な記号」でありプラトンの言う「イデア」にほかならない。
「犬」と呼ぶ人も、「Dog」と呼ぶ人も、「Hund」と呼ぶ人も、「Chien」と呼ぶ人も、同じ内包(イデア)を共有しながらモフモフの毛で覆われたかわいい四つ足動物を外延に見つけて指差す。
毎度のことながら、内へ(in-)伸ばすからインテンションで内包、外へ(ex-)伸ばすからエクステンションで外延、というぐあいに英語で語源をたどると意味するところがわかりやすい。
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ああ、あのことを思い出すだけでもう!
だがもう、過ぎたことだ。またあとで考えればいい。
(ティムール・ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』河出書房新社より)
2007 年 5 月 14 日 日本橋あたり
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NEW
20 音オルガニート
20 音オルガニート『人形の夢と目覚め』より Dolly's Dreaming and Awakening
第2部「人形の夢」
作曲/T.エステン
20 音オルガニートいい湯だな E Yudana
作曲/いずみたく
20 音オルガニートでCMソング『伊東温泉・ホテル「ハトヤ」』 Hotel Hatoya
作曲/いずみたく
を公開。
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