水無月に入った。独り言を呟いてみる。父母、祖父母、曾祖父母、その先、とご先祖さまがたを遡って辿ってゆくことは、自分の生命の理由を明確で誠実な真実として伝えられ知ること。心も体も安定して幸せに生きる上で、当然の自己肯定感確保のための必要な権利であり、その生存権は誰からも阻害されてはならないのだが、時として、目先の偏狭な己の利権や何らかの恐怖のためにその意味をさっぱり理解しようと努力せずに、ただただ誠実な伝達を妨害しようとしてしまう人たちがいるのも悲しい事実。そして、涙を流して泣いている人の心の悲しみや苦しさに恩着せがましくなく優しくすっと寄り添ってあげられるかどうかは、その人の心の器がいかに磨かれ澄んだ状態であるかどうかの問題。ここ最近、チャイコフスキーの『アンダンテ・カンタービレ』を繰り返し繰り返し心に流している。尾高先生の和声課題集も開いて眺めるたびに優しく深く心に響く。
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