カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

軍服。

2019-08-30 06:39:29 | Weblog

俳人藤原月彦氏に〈軍服の父のみ燃ゆる夏座敷〉という作品がある。横尾忠則さんのポップな絵画作品のようにイメージ豊かな、好きな作品のひとつだ。この軍服に影響されて、近頃、題詠100首というネットイヴェントの会場で、戦争への道を邁進したくてうずうずしてとんでもない法律ばかりを続々と強行成立させている政権のひとたちに抵抗してひとり黙々と反政権行動を画策実践している〈片目の軍服〉を主人公にした短歌をポツリポツリ作っては投稿するようになった。とはいえ、これは、何らかの立派な現実実践に取材立脚したものではなくて、現下の世の動向への悲哀絶望閉塞感を空想上の世界で憂さ晴らししている戯作に過ぎない。そういえば、むかし産婦人科医から軍医になって満州で亡くなった父方祖父の軍服姿の写真を亡き祖母は持っていたらしいが、結局、誰かがどこかにやってしまったらしくて、ついぞ目にしたことはない。多分これからもないと思う。

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