カームラサンの奥之院興廃記

好きな音楽のこと、惹かれる短歌のことなどを、気の向くままに綴っていきます。

けふのこと。

2016-11-15 23:47:08 | Weblog

喉風邪を養生すべく一日しごと休みを頂いたけふ。昼間、鬼子母神前の、落語の好楽師匠のお嬢さんがやられている美味なたい焼き屋さんでお土産を設え、久々に池袋ジュンク堂へ。短歌ご担当のTさんにご挨拶してしばし読書を話題に雑談。毎日新聞連載終了後に〈マチ・ロス〉のひとが続出したという平野啓一郎さんの小説『マチネの終わりに』の話で盛り上がる。そのあと、音楽棚へ行き、小野光子氏の『武満徹 ある作曲家の肖像』(音楽之友社)をじっくり立ち読み。夕方、家に帰ると、ポストに歌誌『塔』11月号。たまたま付録の会員住所録をぱらぱら見ていると、平日歌会でご一緒のYさんがじつは私の実家近くにお住まいとわかりびっくり。ふだんの歌会では滅多に住まいの話題など出ないので、知らないことが多いなとあらためて思う。ちなみに、今回、連作〈多胡兵衛厠〉を出していたが、三井先生の選歌欄で半分ほどのうたが救われていた。以下は、投稿した9首。


宇宙駅三十八階の厠にあり〈多胡兵衛厠〉の木製看板

草原の古井戸の傍らに自転車一台 三十八年間置かれたるまま

〈赤紙〉に集合場所は〈古井戸〉とあり 髪の長き番人が棲む

草原の古井戸のありたる辺りとふ 宇宙駅三十八階〈多胡兵衛厠〉

〈多胡兵衛厠〉の奥から三十八番目の個室には髪の長き番人が棲む

宇宙駅にその朝も見送りの群れはあり 日章旗振りて〈万歳〉叫びて

群れの後ろに無表情の顔してそつと佇つ その朝も髪の長き番人は

髪の長き番人は全てを知つてゐるらし もそもそイワシサンドを食(は)みて

〈多胡兵衛厠〉の木製看板に夕日当たる頃〈番人〉ゆつくり便座から立つ

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けふ。

2016-11-15 16:35:51 | Weblog
今日の夕空。先日ラジオで放送された指揮者ソヒエフ氏&NHK交響楽団のブラームスの〈交響曲第2番ニ長調〉の演奏録音を繰り返し聴きながらスコアと首っ引きしたり小野光子氏の『武満徹 ある作曲家の肖像』(音楽之友社)をじっくり立ち読みしたり、の休日。作らねばならない短歌はまだ出来ていません。。
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今朝の短歌メモから。

2016-11-15 10:28:58 | Weblog

今朝の短歌メモから。


クロワッサン抱へてロサ会館の角曲がれば〈猫〉は陀羅尼を誦してをりたり


ハイドンの最後のシンフォニー聴くわれの背中に〈マリア〉は乗つかつて来ぬ


何の為に生くるか、と洪水引きたる河原へ降り立ちラーメンに湯を注ぐ犬

 

秋の銀河のふぶける辺りにポスト立つとふ 郵便車は今宵もホームにありて

 

私が死んでしまへばこの秋の谷中の蛙に挨拶するひとなし

 

茹でられてしまつたけれどまだ時刻む石川五右衛門の遺愛の時計


昨日の朝。

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