ヴァイオリニスト、ワディム・グルズマン氏の使用しているストラディバリウスは、かつての名ヴァイオリニスト、レオポルド・アウアーが所有し愛奏していた楽器との由。ということは、そのヴァイオリンの音色は、チャイコフスキーがあの素晴らしい〈ヴァイオリン協奏曲ニ長調〉を書いたときに頭の中で思い描いた音色であり、グラズノフが名曲〈ヴァイオリン協奏曲イ短調〉を書いたときに想像した音色、ということになる。グルズマン氏によるチャイコフスキーやグラズノフのヴァイオリン演奏を聴きながら彼ら作曲家の頭の中をいろいろ想像してみるのも面白い。
レオポルド・アウアーの弾く、チャイコフスキー作曲『メロディ』