村上春樹さんの『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(上)〔新潮文庫〕p185よりメモです。
(前略)
「俺にもあんたの辛いのはそりゃわかるさ。でもな、これはみんなが通りすぎていくことなんだ。だからあんたも耐えなくちゃならん。しかしそのあとには救いがくる。そうなればあんたはもう何を思い悩み、苦しむこともなくなるんだ。みんな消えてしまう。束の間の気持なんてものには何の値打もないんだ。悪いことはいわんから影のことは忘れちまいな。ここは世界の終りなんだ。ここで世界は終り、もうどこへもいかん。だからあんたももうどこにもいけんのだよ」
門番はそう言って、僕の背中をもう一度叩いた。
僕はその帰りみち、旧橋のまん中あたりで橋の手すりにもたれ、川を眺めながら門番の言ったことについて考えてみた。
世界の終り。
(後略)
☆
ヴィオラから真白き花は咲きており世界の終りの門番小屋に
(前略)
「俺にもあんたの辛いのはそりゃわかるさ。でもな、これはみんなが通りすぎていくことなんだ。だからあんたも耐えなくちゃならん。しかしそのあとには救いがくる。そうなればあんたはもう何を思い悩み、苦しむこともなくなるんだ。みんな消えてしまう。束の間の気持なんてものには何の値打もないんだ。悪いことはいわんから影のことは忘れちまいな。ここは世界の終りなんだ。ここで世界は終り、もうどこへもいかん。だからあんたももうどこにもいけんのだよ」
門番はそう言って、僕の背中をもう一度叩いた。
僕はその帰りみち、旧橋のまん中あたりで橋の手すりにもたれ、川を眺めながら門番の言ったことについて考えてみた。
世界の終り。
(後略)
☆
ヴィオラから真白き花は咲きており世界の終りの門番小屋に