「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

"比大統領ガムをかまないで” 礼儀知らずの申し出

2016-10-25 05:23:47 | 2012・1・1
デゥテルテ比大統領が今日来日、27日まで滞在、この間安倍総理と首脳会談を持ち、天皇陛下ともお会いになる。これに先立ち、日本側から、大統領が天皇に会う際は、ガムをかまないように申し入れたという(小野寺五典元防衛相のフジテレビ系「新報道2000」での発言)。もし、これが事実としたら、時代がかった随分と失礼な話だ。

昭和18年11月、大東亜共栄圏会議が東京で開かれたさい、スカルノ、ハッタ(のちのインドネシア初代大統領と副大領領)は会議には招待されなかったが、当時の東條首相に招かれ、天皇陛下にも謁見した。この時のことをスカルノが後日、自伝の中で回想し、二人は,日本の役人から、お辞儀の頭の角度など3日間も練習させられた。だが、実際にお会いしたときは、陛下から握手の手を差しのばしてこられた、と書いている。

先日、沖縄の北部ヘリパッド基地建設場に抗議する現地住民に対し、大阪府警から派遣されいた警備の若いお巡りさん二人が住民を土人呼ばわりして訓戒を受けた。土人というと、僕ら昭和1ケタ世代は、子供の時読んだ「少年倶楽部」の島田啓三の漫画「冒険ダン吉」を想い出す。登場人物は、下唇の厚い黒人で、区別がつかないため背番号をつけてきた。

若いお巡りさんが、沖縄県民を今や死語になっていると思っていた”土人”呼ばわりしたのには驚いたが、自民党の政調会長代理の小野寺氏が、他国の元首に対して”ガムをかむな”という忠告は、72年前の大東亜共栄圏時代を想起させるような”傲慢さ”を感じる。国際間には儀典というものがある。