「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

籾井NHK会長は政治的公平さに欠けていない 和蘭の”飾り窓”

2014-01-27 06:15:34 | Weblog
NHKの籾井勝人新会長の慰安婦問題についての発言が”政治的公平さ”にかけていると民主党の大畠幹事長や一部のマスコミが大騒ぎしている。籾井会長のこの個人的な見解が、国を揺るがすような問題だろうか。籾井会長は”(慰安婦)は当時の戦争地域には、大体つきものだったと思う。(韓国だけではない)この問題はすでに日韓基本条約(1965年)で解決している。それをなぜ蒸し返すのか”と韓国を批判した。まったく、その通りであって正論である。

籾井会長は記者会見の中で、アムステルダム(オランダ)の”飾り窓”にも触れ、国によっては、いまだに売春が堂々と行われているといったようだ。これが、なぜ”政治的公平さ”にかけているのか。2000年、僕はオランダの美術館で開催されていた日蘭戦時資料展示会を見学した。館内では戦時中の日本軍の性暴力を扱ったVTRが流れていたが、一方では白昼から”飾り窓”がお客で混雑していた。誤解のないように一言言わせてもらえば、僕は友人夫婦と旧和蘭東インド会社跡を見学に行く途中”飾り窓”地区に迷いこんだのだが。

籾井会長は”慰安婦は戦争地域にはつきもの”と言ったそうだが、正しく言えば、昭和33年(1958年)売春禁止法が施行されるまでは、残念ながら戦地だけでなく、日本各地に存在していた。戦前の貧困からくる悲しい現象で、犠牲になった女性には同情の限りだが、当時の社会では当たり前のこととして受け取られていた。南方の日本軍の占領地域にも売春施設ができ、朝鮮人だけでなく日本人女性も働いていた。

どうも売春禁止法以前の「売春制度」を知らない若い世代の中には依然として「従軍慰安婦」の問題点をよく理解していないようだ。村山内閣の経済通産政務次官だった大畠氏もその一人だが、わが国は戦時中といえども軍や政府が直接関与して、女性を強奪して性奴隷行為を強要したことはないのである。このことが理解できないから、問題解決には慰安婦の名誉解決のため、日本政府が世界にむかって謝罪すべきだという暴論まで飛び出し、これを”大新聞”が掲載までするのである。