「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     オイルマネーを取り込め W杯落選の教訓

2010-12-04 07:26:49 | Weblog
2022年サッカーのワールドカップ(W杯)の開催地に中東の小国、カタールが決まり日本は落選した。10年先の事で、僕はこの世にいるかどうか判らないが、招聘出来なかったのは残念なことだ。敗因の一つには、僕はわが国の中東産油国に対する事前の情報不足もあつたではないかと思う。

約半世紀前の1962年、僕は新聞社の移動特派員として、湾岸諸国を歴訪した関係で先日もUAE(アラブ首長国連邦)の独立記念日の祝典に招かれたが、政府関係者は一人も出席していなかった。福田康夫・元総理が友好協会の会長をしているので遠慮したわけでもあるまい。ご存知のようにUAEの原子力発電所施設の建設は、韓国の李明博大統領のトップセールスが成功して韓国が契約している。

カタールは秋田県ぐらいの面積の小国で人口も少ない。砂漠の灼熱の国で競技環境としては適していない。そこで開催に向けてソーラ発電による空調完備のスタジアムや練習所まで建設する予定だという。そして観客動員のため、アラビア海(ペルシャ湾)を挟んだ隣国バーハレーンとの間(45㌔)の海上の橋をかける青写真もあるらしい。

僕が湾岸諸国を訪れた時代は”アラビア太郎”といわれた山下太郎氏がサウジアラビアとクウエートの中立地帯にあるカフジの海底油田の採掘権を得て"日の丸油田”と騒がれ、官民あげて中東に目が向いていた。李明博大統領は貿易商社員時代、サウジアラビアの港湾建設を手がけたこともある。当然、カタールのW杯施設の建設に向けてすでに目がむいているだろう。調べてみると、民主党政権になってから政府首脳の湾岸諸国への訪問はない。(写真は1962年 カタールの首都ドーハの中古車青空市場。当時高層ビルはなかった)