「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「空の新兵」 歴史への独断 傲慢さ

2006-10-23 06:16:06 | Weblog
きのう多摩パルテノン大ホールで多摩第20回童謡コンサートがあり、友人から
切符を頂戴したので夫婦で聴きにいった。会場は僕ら同様、昭和の激動の時代
を生きてきた老人たち(女性が7割)で一杯だった。
会場で貰ったパンフレットを見てふきだした。僕らが少年時代愛唱した名曲「空の
神兵」(梅木三郎作詞 高木東六作曲)が「空の新兵」になっている。パソコンで
「shinnpei」を転換すると”新兵”しか出てこない単純ミスなことは判っている。


ところがパートⅡ特別企画「激動の昭和に響いた歌声」を聴いているうちになん
だか”新兵”があながち単純ミスではなく意識的な演出ではないかと思った。
構成演出者の歴史観が独断的で歴史に無神経なのだ。この時代を精一杯生き
てきた僕らにとっては、かりにそれが過ちであっても正面きって悪口をいわれれ
れば気持ちの好いものではない。


歴史に対する無神経さの一例。「空の神兵」を最初にメナドに降下した海軍部
隊(昭和17年1月11日)の歌と紹介していたが、正確にはクーパン(2月20日=
海軍)パレンバン(3月14日=陸軍)三つの落下傘部隊への賛歌である。むしろ
その後つくられた同名の映画が陸軍落下傘部隊を扱っているためパレンバンの
歌と思っている人のほうが多い。

「お山の杉の木」の時代、大人も子供も一生懸命”お国のために”働いていた。
その時代を知らない構成演出者が、ちゃかすようにこれを紹介するのは傲慢無礼
である。童謡は昔を偲んで歌うもの。下手な解釈はいらない。