「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

枇杷、イチゴ、夏みかん

2006-06-08 05:27:26 | Weblog
きのう散歩の途中、たわわに実った枇杷の古木を見つけた。皇太子妃
雅子さまの実家の近くである。このあたりは昭和の初めに住宅地として
開発された地域だが、まだむかしの農家が古民家として保存されたり
している。枇杷の実は僕を少年時代の記憶に呼び戻した。

僕の生まれた昭和の初期,山手線の内側でも、むかし農家だった広い
敷地の屋敷があった。僕の母方の本家もそうで、広い敷地内には、
いろんな果物の樹があり勝手にもいで食べられた。枇杷もその一つ
で素朴な味が忘れられない。

ハウス栽培以前、6月は果物の端境期だった。店頭には枇杷、イチゴ
夏みかんぐらいしかなかった。どれも露地栽培、むかしはこの季節
だけしか収穫できなかった。いまはハウス栽培で、ものによっては
1年中食べられるものさえある。完全に季節感の喪失である。品種の
改良で味も形もとても良くなったが、年寄りの郷愁なのだろう。口が
まがるほど酸っぱかった夏みかんに、重曹や塩をかけて食べた味も
おいしかった。