安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ウェブスター・ヤング FOR LADY

2016-04-24 08:58:51 | トランペット・トロンボーン

隔週刊CDつきマガジンシリーズ「ジャズ・ヴォーカル・コレクション」(全26巻)が小学館から発行され、創刊号が発売されています。ジャズ・ヴォーカルについても出るのかと驚きましたが、試しに創刊号を購入してみました。「奇跡の競演」と題され様々なアーティストによる10曲が収録されていて、その中にビリー・ホリデイの「Yesterdays」が入っていました。彼女は、ミュージシャンから敬愛されていて、彼女にささげる作品もあり、これはその中の一つです。

WEBSTER YOUNG (ウェブスター・ヤング)
FOR LADY (Prestige 1957年録音)

   

ウェブスター・ヤング(tp)は、1950年代後半にプレスティッジ・レーベルにサイドメンとしていくつかの録音があり、リーダー作もここに掲載した一枚はありますが、60年代以降は活動していないので、幻に近いトランぺッターです。当時のマイルス・デイビスからの影響が伺えますが、ヤングは淡々と穏やかな演奏を行っていて、個性的なところもあるトランぺッターです。

メンバーは、ウェブスター・ヤング(tp)、ポール・クイニシェット(ts)、マル・ウォルドロン(p)、ジョー・ピューマ(g)、アール・メイ(b)、エド・シグペン(ds)。テナー・サックスにレスター・ヤング系のクイニシェットが起用されていて、ビリー・ホリデイの伴奏を多く手掛けたレスターのプレイを髣髴させるものとなっています。ウォルドロンは、ちょうどホリデイの伴奏者になったばかりの頃です。

曲は、ウェブスター・ヤング作「The Lady」、あとはスタンダードで「God Bless The Child」、「Moanin' Low」、「Good Morning Heartache」、「Don't Explain」、「Strage Fruit」(奇妙な果実)。ヤングの曲は、ビリー・ホリデイにささげられたものです。他は、ホリデイの歌で知られているものばかりです。

ミディアムテンポくらいで、哀切なテーマや穏やかなソロが演奏されている作品。ウェブスター・ヤング(tp)は、ミュートも使って、「The Lady」、「God Bless The Child」や「Don't Explain」など、それぞれの曲でブルーな雰囲気を出し、特に「God Bless The Child」の中音域を使ったソロが印象に残ります。また、クイニシェット(ts)やウェルドロン(p)もヤングに協調したソロをとっていて、伴奏陣も含め作品全体に統一感があります。

【ジャズ・ヴォーカル・コレクション・インフォメーション】

「ジャズの巨人」(全26巻)に続く隔週刊CDつきマガジンシリーズ第3弾
「ジャズ・ヴォーカル・コレクション」(全26巻)が創刊!

- 世界最高峰のジャズ・ヴォーカリストが、ぜんぶいる。 -
エラ、ホリデイ、サッチモ、シナトラ…美空ひばりまで、史上最強のジャズ歌コレクション!

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創刊号『ジャズ・ヴォーカル・コレクション 1巻 奇跡の競演 2016年5月10日号』

ジャズ・ヴォーカル・コレクション 1巻 奇跡の競演 2016年5月10日号

ジャズ・ヴォーカルの魅力が1枚に凝縮!巨人ルイ・アームストロングやエラ・フィッツジェラルド、魅惑のビリー・ホリデイなど偉大なジャズ・ヴォーカリストたちの名曲をたっぷり味わえます。

〈CD収録曲〉
1.サマータイム/エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング
2.アイ・ラヴ・パリ/エラ・フィッツジェラルド
3.イエスタデイズ/ビリー・ホリデイ
4.バードランドの子守唄/サラ・ヴォーン
5.いつの頃から/カーメン・マクレエ
6.素敵なあなた/アンドリュース・シスターズ
7.恋に恋して/ヘレン・メリル
8.ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー/アニタ・オデイ
9.マイ・バディ/チェット・ベイカー
10.アンフォゲッタブル/ナット・キング・コール