都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

早稲田大学大隈講堂 その3

2006-01-25 | 新宿区  

 2Fホワイエの青いガラスの大きな丸窓。これは前に載せた玄関アーチの奥の上部に位置する花模様の窓なのだが、内側から見ても印象的。

 さて、いよいよ時計塔へ。

 時計塔内部には階段室があるが、下層階の階段は比較的ゆったりしていて、ステンドグラスのガラス窓から差し込む光が美しい。

 4階には紀念室という名の小さな部屋がある。時計室の一つ下の階で、三方に小さなバルコニーのある部屋だが、現在はあまり使い道がないようで、がらんとして何もない。数年前に大学を訪れたクリントン元大統領を歓迎する看板が、何故か保管されていた。


写真をクリックすると大きく表示されます。

 時計は、昔は大型の機械を使って動かされていたようだが、現在はクォーツ式で、ムーブメントもかなり小型になっている。人の背丈ほどもある大きな文字盤なのだが、動かしている機械は拍子抜けするほど小さい。文字盤はすりガラスで、12個の電球が文字盤を裏側から照らすようになっている。

 各文字盤の下には、機器類の調整時に使う踏み台が置かれている。塔の四面全てに文字盤があるので、東側の面の文字盤は階段室上部の壁面に取り付けられており、踏み台は階段の上を跨ぐようになっている。時計を動かす機械が当初とは異なるため、仮設的なものになっているのかもしれない。

 大きな機械が無くなったため、こちらも室内はがらがら。天井から裸電球が一つぶら下がっているだけなのがちょっと可笑しい。

 時計室の上には鐘のある屋上があるのだが、残念ながらここは立ち入り不可。海外の教会の鐘塔などは、有料で鐘のすぐそばまで上れたりする。日本には西洋式の鐘塔は少ないので、大隈講堂がそういう営業をしてくれると面白いのだが。それはともかく、普段は入れない時計の裏側に上れるのには大満足。

 さてこの大隈講堂は今後、大規模な改修が予定されている。といっても外観や内装の変更ではないのでご安心を。近年の調査の結果、耐震性に問題があったため、建物を免震化する工事が行われるのだそうだ。現在の建物を一時的に浮かせて、下に免震装置を仕込む工事をするらしい。また同時に、空調、電気設備、音響面も改修されるとも言われる。大隈講堂でイベントなどをしたいという需要は多いのだが、今までは設備面で実現しないケースもあったようだ。現在の要求に応じて、使いながら残していくためには、うまく改修していく知恵と努力がやはり必要だ。

2007.4.23追記:大隈講堂の改修工事に際して、免震工事をするらしいと記しましたが、これは誤りでした。正しくは耐震壁の付加による耐震化だそうです。

早稲田大学大隈講堂 その1
早稲田大学大隈講堂 その2
早稲田大学大隈講堂 その4

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