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●《権力をほしいままにし、国家を私物化してきた安倍首相も官邸を出てしまえば“ただの人”…司直の手に落ちることになるのか》?

2020年09月10日 00時00分57秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



琉球新報の【<社説>首相辞任表明 民意尊ぶ政治の復権を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1181527.html)と、
コラム【<金口木舌>この国は「美しい」のか】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1181523.html)。
リテラの記事【「密室談合」による菅官房長官の次期総理就任を許していいのか! GoTo、沖縄いじめ、公文書改ざん、メディア圧力の最大の戦犯】(https://lite-ra.com/2020/09/post-5611.html)。

 《沖縄についてこれまで「県民に寄り添う」と繰り返した。しかし、基地問題を巡り歴代内閣の中で最も民意に寄り添わなかった。「この道しかない」と、数の力で押し切る政治を終わらせ、民意を尊ぶ政治の復権を望みたい》。
 《戦後生まれ初の首相となった政治家が掲げた「美しい国」とはいったい何だったのか。国中が新型コロナウイルスの猛威にさらされている中での安倍晋三首相の辞意表明に接し、湧いてきた疑問である》。
 《菅官房長官は新型コロナの感染拡大の局面で「GoToトラベル」を前倒しして決行させた張本人であるというのに、そうした検証もすっ飛ばして“ポスト安倍”として露骨なヨイショ報道をする……。…その正体は安倍首相とまったく同じだ》。

   『●【金子勝の「天下の逆襲」/野党は「消費減税で戦う」ではなく
      ニューディール議論を】…最悪な税制なんかを導入したが故に…
   『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件
       について真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう
    「2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました
     アベ様が首相辞任を表明しました

   『●斎藤貴男さん【二極化・格差社会の真相】《法令を順守しなければ
     ならないのは、誰よりも貴君ら自身、警察権力なのだと自覚したまえ》
   『●前川喜平さん《数々の政策の失敗…行政の私物化について、納得できる
       説明をし、ちゃんと謝罪し、その責任をとってから、辞めてほしい》
   『●《官邸職員による“腕つかみ質問阻止”》事件…南彰さん《ついに
     質問妨害が、実力行使に発展…安倍晋三首相の記者会見での出来事だ》
   『●浜矩子さん《日本をこの狂った道から正しい道に戻さなくては
     ならない。安倍政権はそれほど激しい歪みを日本経済に遺したのです》
   『●アベ様や財務相は、赤木さんが《残したファイルとか、いま黒塗りに
     なっている夫がうつ病になった経緯であるとか、出すのは簡単なことだ》

 日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え/安倍政権が7年8カ月で「成し遂げた」のは国家と社会の破壊】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/277950)によると、《安倍は「政治においては、何日間在職したかでなく、何を成し遂げたかが問われるんだろうと思うが…」とコメント。え? どこのパラレルワールドの住人か知らないが、成し遂げたのは社会の破壊くらいだし、国民との約束を守らなかったことが現在問題になっているのにね。…乱暴なことは言ってはいけない。…一連の「安倍晋三事件」の追及がうやむやになる可能性もある。安倍が7年8カ月で日本に与えたダメージは凄まじい》。
 「安倍のいない世界」で、今からやるべきことが山積。そんなアベ様政治を次期首相は《継承》するつもりらしい。正気とは思えない。

   『●麻生太郎財務相兼副首相の狙いはどうやら《首相臨時代理》? アベ様や
          麻生氏が<辞めていただくことが、日本の為、復興の為になる>

 サイゾーの記事【安倍晋三首相の“華麗なる生い立ち” テレビ朝日が大河ドラマ仕立てで総括する異常さ】(https://www.cyzo.com/2020/08/post_251364_entry.html)によると、《「華麗なる一族からひも解く 安倍晋三 政界の頂点目指した原点と夢」と題して、その生い立ちからドキュメンタリー仕立てにして見せた。コーナーは2015年に米・議会で安倍首相が行ったスピーチから華々しく始まり、祖父・岸信介、父・安倍晋太郎の紹介。「華麗なる一族で育った安倍晋三総理は何を学び、何を成し遂げたのでしょうか」と、ドラマチックな音楽に乗せて始める。音楽効果ってすごいね。何やらもう、大スターの大河ドラマ的な、もしくは追悼番組かのようだが、あのぉ、辞任発表しただけで、まだ在任してるんですが。》
 《メディアコントロール》下でのマスコミのはしゃぎようときたら。青木理さんの『安倍三代』をドラマ化すれば良かったのにね。 

   『●青木理さん《そこまで政治家に期待するほどウブではない。ただ、
     子どもでもわかる嘘をこれほど連発して恥じない首相がかつていたか》?
    《現首相のルーツや生い立ちを取材して「安倍三代」(朝日文庫)を
     書いた際、成蹊大で現首相を教えた碩学が発した言葉は強烈だった。
     かつての教え子を評して「二つのムチ」に蝕まれていると。それは
     「ignorant」の「無知」と「shameless」の「無恥」だと》

 日刊スポーツ【政界地獄耳/首相辞任会見で労わなかった記者は冷酷か】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202008310000117.html)によると、《でも彼らは自民党の同僚議員ではない。政権の最高責任者に対して、「権力の監視」をする記者が、会見という「公式の場」で、「お疲れさまでした」「ご苦労さまでした」とねぎらいの言葉を発するのは、立ち位置が損なわれるし違和感がある。次の内閣に手渡すまで、職責を全うするという首相には、最後の会見として渡り合う、互いに“公式”の場でなければならなかったはずだ。 ★感想を言うのも意見を言うのも結構だが、新聞記者の中にも、このマナーのないメディア批判に同調する者がいる。それはお門違いも甚だしい。そのなあなあ主義は、記者クラブ制度のあしき慣習から生まれるマナーのない、緊張関係を維持する覚悟のない御用記者の心情だろう》。
 記者クラブの皆さんはとってもお優しいですよ、アベ様に。

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/岸田「継承」で狙う麻生派総裁派閥】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202008290000103.html)によると、《国民のために立ち上がるのか、党内調整でかごに乗って担がれるのか、国民といばらの道を乗り越えたいと訴える候補者はいるのだろうか》。
 《国民といばらの道を…》そんな方が無《責任政党》に居る訳がないでしょ!!

 日刊ゲンダイの記事【総裁選“菅圧勝”ムード…安倍首相「3つの誤算」でさらに窮地】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/278034)によると、《キングメーカー君臨構想は破綻寸前…「官邸官僚に取り込まれた安倍さんは、次第に菅長官を遠ざけ、とりわけコロナ禍をめぐる対応では完全に外していた。屈辱的な扱いをされた菅長官は内心、恨み骨髄のはずです。安倍さんが頼みにする盟友の麻生副総裁も叩き上げの菅長官を見下し、反目し合っている。安倍さんにとって不気味なのは、“モリカケ桜”といったスキャンダルの真相を菅長官が熟知していることです。いつ暴露されるか、安倍さんは心が休まらないでしょう。…」…権力をほしいままにし、国家を私物化してきた安倍首相も官邸を出てしまえば“ただの人”。次期政権に“100倍返し”の恥辱を味わわされ、司直の手に落ちることになるのか。》
 裸の《キング》と、その後を継ぐ最低の官房長官。世も末だ。《その正体は安倍首相とまったく同じだ》。それどころか、より陰湿に、より悪質に、より強権に。独裁、《メディアコントロール》はより強固に。
 特に沖縄にとって。最低の官房長官をはじめ、《悪夢》どころか、沖縄にとって「地獄」のようなアベ様政権でした。そして、最低の官房長官がそれを《継承》するわけです。『報道特集』(2020年8月29日)で金平茂紀さん「…あとは、沖縄ですよね。歴代の政権の中で沖縄に対して最も冷淡な政権だった」と。

 《首相の説明責任は消え》るわけがありません。醜悪な国にしてしまったアベ様の罪はあまりに深い。
 琉球新報の【<社説>「1強」政治 疑惑の説明責任消えない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1182542.html)によると、《その前に歴代最長政権の「1強政治」をきちんと検証することが不可欠である。首相は第1次政権に続き任期半ばに病気で辞任することになるが、7年8カ月に及んだ第2次政権で噴出した数々の疑惑を幕引きにすることは許されない首相の説明責任は消えない。…辺野古新基地建設問題で政権は、選挙で何度も示された民意を無視し、技術的にも財政的にも完成が見通せない工事を強行している。地方自治や法治主義にも反するものだ。地域分断を図るような恣意的な予算制度も創設した。1強政治の反省なくして、後継首相を選ぶべきではない。安倍首相が政権発足時に掲げた言葉になぞらえれば、この長期政権で傷ついた日本の民主主義や立憲主義、法の支配などを取り戻すための歩みが今後求められよう》。

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1181527.html

<社説>首相辞任表明 民意尊ぶ政治の復権を
2020年8月29日 06:01

 安倍晋三首相が辞任を表明した。2012年12月の第2次内閣発足から約7年8カ月。体調が悪化し、職務を継続するのが困難と判断した。

 会見で「政治は結果を出すこと」と強調したが、長期政権にもかかわらず、主要な政策目標は未達成が目立つ。

 沖縄についてこれまで「県民に寄り添う」と繰り返した。しかし、基地問題を巡り歴代内閣の中で最も民意に寄り添わなかった。「この道しかない」と、数の力で押し切る政治を終わらせ、民意を尊ぶ政治の復権を望みたい。

 第2次内閣発足以降、デフレ脱却の経済政策「アベノミクス」を推進した。名目国内総生産(GDP)600兆円の目標を掲げたが、達成していない。財政健全化のための基礎的財政収支(プライマリーバランス)の20年黒字化は先送り。指導的役割を占める女性の割合が20年に「30%」という「女性活躍」目標も達成せず。北方領土問題や拉致問題は解決できなかった。

 国政選挙で連勝し「安倍1強」体制を築く。しかし、17年の衆院選小選挙区で自民党は得票率5割に満たないが7割超の議席を獲得した。現行の小選挙区制のひずみである。

 だが、安倍政権が信任されたと強弁して、集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法特定秘密保護法、「共謀罪」法を国民の根強い反対を無視して成立させてきた。長期政権のおごりは森友・加計問題、首相主催の「桜を見る会」の私物化疑惑に表れた。

 沖縄には国内の米軍専用施設の約7割が集中し、米軍による事件や事故が相次ぐ。今年6月23日の「慰霊の日」に首相はビデオ映像を通じて「基地負担の軽減に向け、確実に結果を出す決意だ」と述べた。「唯一の解決策」として、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を強行する。対米交渉で辺野古以外の解決策を見いだそうとしなかった

 米軍基地問題に対する県政の姿勢によって沖縄関係予算を増減させ、県を通さず国が市町村に直接交付する「沖縄振興特定事業推進費」を創設、地域の分断を図ろうとした。「アメとムチ」の政策である。

 辺野古の問題で昨年12月、埋め立て海域の約70メートルより深い軟弱地盤への対処などのため、総工費が当初計画の約2・7倍の約9300億円とする計画見直し案を発表した。しかし、技術的にも財政的にも完成は見通せない

 安倍首相の大叔父に当たる佐藤栄作首相は、琉球政府の屋良朝苗主席に対し「本土の(基地)負担を沖縄に負わすようなことはしない」(1971年)と明言した。だが約束は今も果たされていない

 安倍政権は、国政選挙や知事選挙、県民投票などで辺野古新基地建設反対の民意が示されても無視してきた。民主主義を形骸化させ、少数の国民に基地の負担を押し付けてはばからない政権として、歴史に名が刻まれるだろう。
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1181523.html

<金口木舌>この国は「美しい」のか
2020年8月29日 06:00
金口木舌 安倍晋三 戦後レジーム 慰霊の日

 戦後生まれ初の首相となった政治家が掲げた 「美しい国」とはいったい何だったのか。国中が新型コロナウイルスの猛威にさらされている中での安倍晋三首相の辞意表明に接し、湧いてきた疑問である

▼憲法改正を信条とし「戦後レジームからの脱却」を唱えた。「国のかたち」を変えたかったのであろう。それは集団的自衛権の行使容認で半ば達成したが、改憲は果たせなかった。安倍政権下の改憲を国民は嫌った

▼今月15日の全国戦没者追悼式で述べた式辞に安倍首相の基本姿勢が表れている。「積極的平和主義」が登場し、「歴史と向き合う」という趣旨の言葉が消えた。過去を顧みることを避ける政治家なのである

▼歴史に翻弄(ほんろう)され、今もなお歴史の重さを県民が感じている沖縄で首相の言葉が響かなかったのは当然のようにも感じる。「慰霊の日」の全戦没者追悼式のあいさつでは、やじが飛ぶこともあった

▼もう一つ、安倍首相が避けてきたことがある。民意を直視することだ。選挙や県民投票を通じて示された辺野古新基地ノーの意思に背を向けてきた。国政への不信感は沖縄で極まっている

▼コロナ禍で国民は疲弊している。沖縄では民意が押しつぶされ続けている。この国は今「美しい」と言えるのか。豊かさで満たされているだろうか。残り少ない任期の中で安倍首相には国民の姿を見つめてほしい。
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https://lite-ra.com/2020/09/post-5611.html

「密室談合」による菅官房長官の次期総理就任を許していいのか! GoTo、沖縄いじめ、公文書改ざん、メディア圧力の最大の戦犯
2020.09.01 01:33

     (首相官邸HPより)

 やっぱり菅義偉官房長官が表に出てきた。細田派・麻生派の支持を取り付けた菅官房長官は明日会見を開いて総裁選出馬を発表すると見られているが、もちろんこれらはすべて「密談」で決定済みの茶番劇だ。

 本サイトでは、菅官房長官が安倍首相の最大の後見人である“極右の女神”櫻井よしこのネット放送『言論テレビ』に出演したときから、“とにかく石破だけは避けたい”安倍首相が菅官房長官を選んだ結果、と分析していたが、そのとおりだったということだろう。

 しかも、安倍首相が菅押しの二階俊博幹事長に「総裁選は一任する」と明言したときから、石破茂氏をつぶすため党員・党友による投票が省略されることも既定路線。党員・党友投票見送り方針には地方組織や若手議員から反対の声があがっていたが、二階幹事長は「両院議員総会」案を主張し、自民党総務会もこれを決定。菅官房長官が次期総裁・首相となることは確実だ。

 そして、こうした動きと合わせてすでにワイドショーも「次期総理最有力」として菅官房長官の特集を組み、昨日放送の『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(CBCテレビ)では「集団就職で秋田から上京してきた苦労人」「段ボール工場で住み込みしていた苦学生」「叩き上げ」「甘いもの好き」「人情家」「意外とお茶目」などと喧伝。コメンテーターが「好きになりそう」などと無邪気なコメントを繰り広げていた。

 菅官房長官は新型コロナの感染拡大の局面で「GoToトラベル」を前倒しして決行させた張本人であるというのに、そうした検証もすっ飛ばして“ポスト安倍”として露骨なヨイショ報道をする……。だが、言うまでもなく、菅官房長官は「令和おじさん」「パンケーキおじさん」などで片付けられるようなものではない。その正体は安倍首相とまったく同じだ

 そもそも、菅官房長官といえば「安倍政権のゲッベルス」として安倍首相の強権的な政治運営を支え、質問に答えない「スガ話法」で記者会見をズタズタにしただけではなく、加計学園問題では「総理のご意向」文書を「怪文書」呼ばわりしたり、前川喜平・元文科事務次官のことを「前川氏は当初は責任者として自ら辞める意向をまったく示さず、地位にレンメン(編集部注・おそらく「恋々」の間違い)としがみついていた」などと虚偽の情報で人格攻撃を展開。さらに、東京新聞の望月衣塑子記者の質問に対しては「あなたに答える必要はありません」「ここは質問に答える場所ではない」などと官房長官としてあるまじき暴言を放ってきた

 しかも、忘れてはならないことは、菅官房長官は安倍政権下で噴出したあらゆる疑惑の当事者”でもある、ということだ。


■森友公文書改ざんは菅官房長官が司令塔、近畿財務局職員・赤木俊夫さんを追い込んだ

 その最たる例が、森友公文書改ざん問題だろう。というのも公文書改ざんは、安倍首相の指示を受けた菅官房長官が、佐川宣寿・理財局長(当時)らに命じてはじまった可能性が高いからだ。

 公文書改ざんは2017年2月17日の「私や妻が関係していたということになれば、私は間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」という安倍首相の国会答弁がすべてのはじまりだったが、安倍首相は「総理を辞める」宣言のあと、菅官房長官に「私の家内の名前も出ましたから、しっかりと徹底的に調べるように」と指示を出していたことを国会でも認めている。

 実際、菅官房長官はこれを受けて、同月22日に財務省の佐川理財局長と中村稔・総務課長、太田充・大臣官房総括審議官(いずれも当時)を呼び出している。ここで佐川氏は、昭恵夫人付職員だった谷査恵子氏が森友学園の小学校に賃料引き下げの優遇措置を適用できないかなどと財務省に照会していたことを報告。そして、この面談から4日後の26日から改ざん作業ははじまり、財務省の指示により真っ先に昭恵夫人や安倍首相の名前が入った箇所がことごとく削除されていく。その作業を強要されたのが、自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんだったのである。

 赤木さんの妻・雅子さんは、安倍首相が辞任の意向を固めた際、「次に総理大臣になる方は、夫がなぜ自死に追い込まれたのかについて、有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施していただきたいと思います」とコメントを公表したが、“改ざんの当事者である疑いが濃厚な菅官房長官が総理大臣となればこの訴えが聞き入れられることはないだろう

 さらに、菅官房長官の強権性を物語るのが、沖縄の辺野古新基地建設問題だ。

 安倍政権は辺野古新基地建設に反対する民意を無視し、基地反対運動に参加する市民たちを暴力で排除したり、繰り返される在沖米軍による事故や事件にも政府として何ひとつ向き合わず沖縄をいじめ抜いてきたが、その先頭に立ってきたのが沖縄担当大臣でもある菅官房長官。しかも、そのやり方は陰湿そのもので、沖縄県知事選では潤沢な選挙資金と組織力にものを言わせたすさまじい物量作戦を展開しただけでなく、街頭演説で「携帯電話料金の4割削減」などというデタラメな公約を打ち出した上、玉城デニー氏を誹謗中傷する大量のデマ喧伝にも間接的にかかわっていたという疑惑もある(詳しくは既報参照 → https://lite-ra.com/2018/09/post-4241.html)。

 2018年に亡くなった翁長雄志・前沖縄県知事と菅官房長官は法政大学の同窓でもあるのだが、翁長氏が講演で明かしたところによると、2015年9月に沖縄県と政府の集中協議が決裂した際、翁長氏が「私の話は通じませんか」と問いかけると、菅官房長官はこう語ったのだという。

「私は戦後生まれなので沖縄の歴史はなかなか分からないが、19年前の日米合同会議の辺野古が唯一というのが私の全てです」


■『クローズアップ現代』『報道ステーション』に圧力、キャスター、コメンテーターの降板に追い込んだ

 また、この集中審議後の会見で菅官房長官は、翁長氏の「戦後の強制接収が普天間問題の原点」という主張に対し、こんなことを言い放っている。

「賛同できない。戦後は日本全国、悲惨ななかでみなさんが大変ご苦労されて今日の豊かで平和で自由な国を築き上げてきた」

 みんな苦労したのだから沖縄だけ文句を言うな──。少しでも沖縄の歴史を知っていれば、とてもじゃないが口にできるはずがない言葉だ。しかし、菅官房長官は「戦後生まれだから」という理由で沖縄を知ろうともしなかったくせに、翁長知事の訃報に際しては「2人になると沖縄の発展について話し合いをよくした」などと発言したのである。

 これでよく「人情家」などという評価が出てくるのか、さっぱり意味がわからないが、しかし菅官房長官を語る上でもっとも重要なのは、安倍政権によるメディア圧力を担ってきた、という点だ。

 というのも、菅官房長官はニュース番組やワイドショーなどの放送をいちいちチェックしており、気にくわない報道やコメントがあれば、すぐさま上層部にクレームを入れることで圧力を高めてきた張本人だからだ。

 たとえば、2014年7月にNHKの『クローズアップ現代』に出演した際には、閣議決定されたばかりだった集団的自衛権の行使容認についてキャスターの国谷裕子氏が厳しい質問を繰り出し、菅官房長官は激怒。その後、政権側は『クロ現』のやらせ問題を隠れ蓑にして圧力を強め、最終的に国谷氏のキャスター降板まで追い詰めた。

 さらに有名なのが、『報道ステーション』(テレビ朝日)で古賀茂明氏が「I am not ABE」と発言し、レギュラーコメンテーターを降板させられた事件だろう。このとき官邸は古賀発言に大激怒し、本サイトでも当時伝えたように「菅官房長官の秘書官」が放送中から番組編集長に電話をかけまくり、出なかったため、今度はショートメールで猛抗議。その内容は「古賀は万死に値する」というようなもので、恫喝以外の何物でもなかった

 のちに古賀氏は著書『日本中枢の狂謀』(講談社)で、恫喝した菅官房長官の秘書官が警察官僚の中村格氏であったことを明かしている。中村氏といえば、官邸に近いジャーナリスト・山口敬之氏による伊藤詩織さんへの性暴力疑惑をめぐって、直前で山口氏の逮捕取りやめを指示した人物として知られるが、このようにして菅官房長官はマスコミをコントロールしてきたのだ


■会食でメディア関係者、ジャーナリストを手なづけ、懐柔する作戦も

 しかも、菅官房長官は恫喝するだけではなく、マスコミ関係者と会食をしては手懐けるという安倍首相と同じ手法もとっている。そして、その会食相手には、菅官房長官へのヨイショ発言も目立つ『ひるおび!』(TBS)司会の恵俊彰の名が取り沙汰されたこともある。

 菅官房長官のこうした懐柔工作は、政権に批判的なキャスターにも向けられている。毎日新聞の主筆や『NEWS23』(TBS)アンカーなどを務めた故・岸井成格氏は、佐高信氏との対談本『偽りの保守・安倍晋三の正体』(講談社)で菅官房長官の手口を証言している。これによれば、岸井氏は企業の幹部に話をするという勉強会を長くつづけていたのだが、その場に菅官房長官が突然、やってきたというのだ。

「(菅官房長官は)黙って来た。誰かから聞いて知ったんだろう。最初から最後までいたよ。終わると『今日はいい話を聞かせていただいて、ありがとうございました』と言って帰っていった。怖いよな」
「『どこで何を話しているか、全部知っていますよ』ということを見せているわけだ。『人脈も把握しています。岸井さんが動いているところにはいつでも入っていけますよ』というメッセージかもしれない」(『偽りの保守・安倍晋三の正体』より)

 まさに、菅官房長官が陰に陽に繰り広げてきたメディア工作により忖度が広がり、スキャンダルや疑惑が持ち上がっても批判的な報道が徹底してなされず、安倍政権は約8年もの長期政権となったわけだが、当然、菅官房長官が次期総理となれば、メディア圧力はさらに激しさを増し、安倍政権以上に批判が封じ込められることは必至だ

 現に、菅官房長官は“ポスト安倍”を睨んで、安倍首相が辞意表明をおこなう前から積極的なメディア露出を展開。8月だけでも、1日『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ)、2日『日曜討論』(NHK)、7日『櫻LIVE 君の一歩が朝を変える!』(言論テレビ)、18日『深層NEWS』(BS日テレ)、21日『報道ステーション』(テレビ朝日)と、テレビやネットの番組に次々と出演したが、どの番組も菅官房長官の言い分を言わせっぱなしで、たとえば『報ステ』では一応「GoToキャンペーン」や国会を開かない問題を質問したものの、菅話法で返されるとほとんど反論できず、そのインチキな主張を垂れ流した。前述したように『報ステ』はかつて菅官房長官から露骨に圧力をかけられたことがあるが、メディアへの圧力問題にはふれることすらできなかった

 圧力をかけられることを恐れ、総裁・総理になる前から及び腰となり、「安倍政権のゲッベルス」と呼ぶべき人物を「パンケーキおじさん」と実態を覆うための糖衣でくるんでヨイショ報道に終始する──。ようするに、菅総理が誕生するということは、安倍政権の悪夢がこれからもつづいてゆくということにすぎないのである。

(編集部)
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●斎藤貴男さん《だが、無能なネズミをなめてはいけない。ジャパン・アズ・「最低」は、いつの日か「ディストピア」に変わり得る》

2020年08月04日 00時00分49秒 | Weblog

[※ 『国民のしつけ方』(斎藤貴男著、インターナショナル新書010)…《それは調査報道…「番犬(ウォッチ・ドッグ)」としての役割》↑]



日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/窮鼠の指導者がもくろむ AI監視社会の「ディストピア」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/276293

 《「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉をご記憶か。…露骨なまでのチョーチン本だった。褒めて“伸ばす”というか、米国への忠誠心を高める対日戦略だったのだろう。あの呪文をいまだに本気で信じ続けている間抜けが山ほどいる。政財官マスコミ界の指導者連中だ》。

 斎藤貴男さんは《「幸福な監視国家・中国」(NHK出版新書)を読んで、日本もいずれこんなふうにされていくのかもしれないな、と感じた》そうだ。壊憲、先制攻撃できる国、核兵器保有論者超監視社会管理社会、一方で数々の不正なアベ様案件・犯罪、さらには、COVID19人災を引き起こし、無為無策無能ぶりをいかんなく発揮して人々の生命や生活を危機に追いやる…パラノイアなディストピアで何を好き好んでアベ様の奴隷に成り下がりたい人々のなんと多いことか。気が知れない。

   『●斎藤貴男さん「人間が人間であるために、最後まで抗おう」と呼びかけ
                            …コンナ「裸の王様」に負けたくない
    《私は本稿で、監視社会の問題だけを論じたいのではない。安倍政権が
     今なぜ、こうも共謀罪を急いだのか。理由はおそらく大きく二つ。
     ひとつ新自由主義イデオロギーに基づき、連綿と続く“構造改革”が、
     現状にも増して階層間格差の拡大を必然とするから。もうひとつは、
     もはや多くの人々の共通認識となりつつある、戦時体制の構築だ。
     いずれも推進している側の層が、大切なものを片っ端から奪われる層による
     必死の抵抗に怯(おび)えつつ、せせら笑い、あらかじめ排除するためでは
     ないのか(複数の拙著およびJ・ヤング著、青木秀男ら訳『排除型社会』
     洛北出版、2007年など参照)。新自由主義は小泉純一郎政権の頃に
     目立ったが、ここでは現政権の特徴について書く。安倍氏が戦時体制を
     志向するのは、(1)祖父・岸信介元首相が追い求めた大日本帝国の
     “夢”よもう一度の悲願、(2)対米従属だから――。どちらも的を
     射ていると思う。一見矛盾するようでいて、だが少し考えれば、そもそも
     戦前の再現が米国に許されるはずもなく、首相が国内の支持者向けにでも
     それらしい立ち居振る舞いをしたければ、まず米国に「愛い奴」と思って
     いただかなくてはならないということに気付かされる。
     それには彼らの戦争に付き合うのが一番だ。私はこれらと同時に、
     (3)日本の支配層には彼らなりの、戦争を放棄したくない事情がある
     という私の取材の成果と実感を、可能な限り多くの人々に訴えたい》

   『●《「なぜこんな世の中になってしまったのか」とあって、
       その文字に重なるようにして「今だけ 自分だけ 金だけ」》
    《〔週刊 本の発見〕金子勝『平成経済 衰退の本質』…1991年に始まる
     バブル崩壊後の過程を覆ったのは「新自由主義」イデオロギーで、
     市場原理任せの無責任政治が横行したと著者は厳しく批判する。
     小泉・竹中の政策が今日の「格差」の源であることは付け加えるまでも
     ない。そして新自由主義イデオロギーと自己責任論によって人々を縛り、
     無力感に追い込んだのが第二次安倍政権だった。アベノミクス
     デフレ脱却どころか、むしろ危機を広げている。超低金利政策によって、
     日銀の保有する資産が異常に膨らみ、国債市場、株式市場は
     麻痺しかねない。といってこの異常な政策に企業も依存している状態で
     やめることができない。もし金融危機が来たら日銀の抱える国債やETF
     などの資産は巨大な損失と化す》

   『●「文書が不存在」…トファ小池都知事の脳内AIという
           超単純回路な「ブラックボックス」で「政策判断」
   『●キャッシュレス…アベ様の《庶民ぶりっ子にだまされていた日には、
                  私たちは奴隷そのものにされてしまう》
    《進歩についていけない“老害”と嗤わば嗤え。姫田小夏氏の本紙連載
     「AI最先端 中国現地リポート」(1月24日付)に、恐るべき
     事態が書かれていたのをご存じか。かの国では個々人を当局かIT企業が
     スコア付けしており、低ランクの者は列車の予約さえできなくされる
     一方、高い者は空港やホテルでVIP待遇、病院でも待たずに受診できる
     という。権力の腐敗を暴いた記者当然のようにブラックリスト入り
     監視社会とはそうするために企まれる

   『●パラノイアなディストピアで何を好き好んでアベ様の奴隷に
           成り下がりたい?…という人たちの気が知れない
    《衛星プチ帝国主義。…②階級社会の徹底。…③一億総動員体制
     …④メディアをフル活用したアベ絶対王朝の確立。…》


   『●斎藤貴男さん《こうまでわかりやすく、アホらし過ぎる現実を
         突き付けられて、それでも騒然とならない日本社会…》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/276293

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
窮鼠の指導者がもくろむ AI監視社会の「ディストピア」
2020/07/22 06:00 今だけ無料

     (「日本モデルの力」で…(安倍首相)/(C)共同通信社)

 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉をご記憶か。

 米国の社会学者エズラ・F・ヴォーゲルが1979年に日本の社会経済システムを称えた本のタイトルで、以来、長期にわたり日本人の自意識に強い影響を残した。

 露骨なまでのチョーチン本だった。褒めて“伸ばす”というか、米国への忠誠心を高める対日戦略だったのだろう。

 あの呪文をいまだに本気で信じ続けている間抜けが山ほどいる。政財官マスコミ界の指導者連中だ。でなければどうして、明治150年だの東京五輪だの大阪万博だのリニア開業だの札幌冬季五輪招致だの、往年の夢よもう一度的“日本スゴイ”のセンズリ・イベント連発に、挙国一致の血道を上げることができようか。

 彼らの自画像は、しかし、悲しくも現実の対極にある。新型コロナウイルス対策は安倍首相の自慰発言「日本モデルの力」どころか、半年たっても何一つわからないまま。これも挙国一致で症状のある人を放置しておく一方で、ホストには集団検査を受けさせるなどして数字を操作し、災厄を政治利用することしかしてこなかったのだから当然だ。

 そもそも統計は捏造公文書は改ざん会議の議事録は残さない政府であり、それでも与党が支持される社会である。旧ソ連の末期と変わらない。

 もはや崩壊も近い……と断じたくもなるが、あのソ連とて、国民や国土が消え失せたわけではない。怖いのは、キューソがネコを噛んでも生き延びようとする時だ。

 現代中国経済論を専門とする梶谷懐氏とジャーナリスト・高口康太氏の共著「幸福な監視国家・中国」(NHK出版新書)を読んで、日本もいずれこんなふうにされていくのかもしれないな、と感じた。

 個々人の行動も心もスマホとAIで完全に把握され、誘導されて、だけれども大衆の一人一人は便利さと楽チンさにドップリつかって法悦境……。何も考えなければ弾圧もされないわけで。

 共産党一党独裁の中国とは違う? いやいや、日本の神様は新自由主義イデオロギーだが、“成功”のカギを握るのが「功利主義」である点がどちらも共通している。大方が食えて便利なら、人間の魂がどうのこうのなど、取るに足らないこととされるのが、今どきの人間社会というものらしいのだ。

 この領域で私たちは、これまで指導者層の恐るべき無能に救われてきた。だが、無能なネズミをなめてはいけない。ジャパン・アズ・「最低」は、いつの日か「ディストピア」に変わり得る。
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●《「なぜこんな世の中になってしまったのか」とあって、その文字に重なるようにして「今だけ 自分だけ 金だけ」》

2019年09月06日 00時00分08秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



志真秀弘氏による、レーバーネットの書評【〔週刊 本の発見〕「成長している」という嘘を暴く〜金子勝『平成経済 衰退の本質』】(http://www.labornetjp.org/news/2019/0815hon)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/北に鈍感…今は韓国が敵!?】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908260000109.html)。
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/安倍政権がやりたいのはただひとつ「差別」ではないのか】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260895/3)。

 《過去30年の日本経済を分析・総括して、「成長している」というこのを暴いている。たとえばGDPひとつとっても1995年をピークに日本は停滞、アメリカは95年に日本の1.4倍だったのが17年には約4倍、中国は95年に日本の7分の1だったのが17年には日本の2.5倍である。日本企業は1989年に世界50社ランキング中32社(yahooファイナンス)であったのが、2019年ではトヨタ1社のみ(ダイヤモンド社)である》。
 《★約2年前の9月25日、首相・安倍晋三は官邸で会見し、臨時国会の冒頭に衆議院の解散に踏み切ることを表明。北朝鮮が連日のようにミサイル実験を続け緊張が続く中、首相はこの解散を「国難突破解散」と位置付け、「国民の皆様は北朝鮮の度重なる挑発に関しまして大きな不安を持っておられることと思います。…北朝鮮問題への対応について国民に問いたい」とまで語った。…今は韓国が敵で北朝鮮は友好国か》。
 《見ていて目を覆いたくなるのは、この問題を語る時の政権首脳らの面相が、どうにも卑しくてならないことだ。…こんなものは外交でも何でもない。それをまたマスコミ、特にテレビのワイドショーがはやし立てる。過去の過ちなど何もなかったと開き直る、いわゆる“歴史戦”の毒が、官民一体のコラボで日本中に回ってしまった。安倍政権がやりたいのはただひとつ、「差別」ではないのか。…安倍政権における“国家安全保障”とは、どこまでも「戦争ごっこ」であるらしい》。

   『●《経済の素人》ても分かる《無理筋な政策》…
      バ「ズ」ーカたちによるドアホノミクスの《虚像と実像》

 「ズ」抜けたバ「ズ」ーカたちのドアホノミクス(©浜矩子さん)…永遠の道半ば。《「成長している」というこの》。
 2017年10月衆院選に際し、アベ様は「国難突破解散」を宣託。《「国民の皆様は北朝鮮の度重なる挑発に関しまして大きな不安を持っておられることと思います。政府として、いついかなるときであろうとも危機管理に全力を尽くし、国民の生命と財産を守り抜く。むしろ私は、こういう時期にこそ選挙を行うことによって、北朝鮮問題への対応について国民に問いたい」とまで語った》…。《安倍首相という「国難」を突破》するはずが…キトのおかげで…。それら積み重なった「ツケ」が、いま現在のこの無残な有様。日韓関係の、振り上げた拳をお互いが下げられない無残な姿。《今は韓国が敵で北朝鮮は友好国か》。

 《日本は差別を外交に優先》《安倍政権がやりたいのはただひとつ、「差別」ではないのか。…安倍政権における“国家安全保障”とは、どこまでも「戦争ごっこ」であるらしい》。ひたすら醜悪だ…。

   『●《平和なアジアという井戸…先人の掘った井戸の水を
     濁らせている》人々…企画展「表現の不自由展・その後」を破壊
   『●《KKK…20世紀になり移民全体を敵視する組織として復活》
              …《偏狭な世界のその先に何を見るのか。》
   『●中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、
      あの時、何をしていたのか? …《検閲国家》へと一歩一歩
   『●外交音痴な害遊・害交のアベ様ら…《互いの利益を
      考えながら、全身全霊で相手に対峙》したことなんてあるの?
   『●青木理さん《ちょっと冷静になって、
     ちょっと中長期的に考えたら、日韓共に得なことがひとつもない》
   『●《テレビマンも新聞記者も…あなた方が近年、
     国民を政権の意向通りに操ることしかしていないことの罪深さを…》


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http://www.labornetjp.org/news/2019/0815hon

〔週刊 本の発見〕金子勝『平成経済 衰退の本質』
毎木曜掲載・第122回(2019/8/15)

「成長している」という嘘を暴く
『平成経済 衰退の本質』(金子勝、岩波新書、820円、2019年4月刊)/評者:志真秀弘

 8月15日は終戦の日ではなく、やはり敗戦の日である。政府やマスコミが「終戦」と言い慣わしている間に、日本が侵略戦争を起こし連合国に敗北した歴史まで消されかねない。正確に認識することは、歴史であれ、現状であれ大切なことだ。今も日本経済はデフレを脱却して成長軌道に乗りつつあるなどという言説が、まことしやかに流されている。本書は、過去30年の日本経済を分析・総括して、「成長している」というこの嘘を暴いている。

 たとえばGDPひとつとっても1995年をピークに日本は停滞、アメリカは95年に日本の1.4倍だったのが17年には約4倍、中国は95年に日本の7分の1だったのが17年には日本の2.5倍である。日本企業は1989年に世界50社ランキング中32社(yahooファイナンス)であったのが、2019年ではトヨタ1社のみ(ダイヤモンド社)である(手持ち資料による)。産業の衰退はこの数字からもうなずける。他方農業をみても販売農家は05年の265万から15年の132万に半減し、農業従事者は60歳以上が77パーセントで10年後の見通しが立たない。労働者の4割は非正規であり、世帯の平均所得も90年代半ばをピークに下がったままである。「成長」どころかやはり「衰退」だろう。本書は日本経済のこの現状を、世界的な視野からも捉えようとしている。

 この30年間、資本主義は大きく変わった。その特徴はグローバリゼーションと「金融革新」である。グローバリゼーションを著者は「情報通信技術と結びついた金融自由化を軸に展開されたもの」と定義している。実体経済以上に金融が肥大化して、過剰ドルが世界をめぐり、投機対象となった国々を金融危機に陥れる。変質した資本主義はバブルを作り出し、それの破綻を繰り返す「バブル循環」をもたらしている。その結果2008年に「100年に一度」(グリーンスパン)と言われるリーマンショックが引き起こされ、資本主義は長期にわたる停滞の時代に入りつつある。それがトランプに代表される極右・ナショナリズムを登場させている。日本の現状はこの資本主義の変容の産物でもある。

    (*「安倍やめろ!」国会前集会で訴える著者(2018年4月))

 では、日本の政治はどう対応してきたか。1991年に始まるバブル崩壊後の過程を覆ったのは「新自由主義」イデオロギーで、市場原理任せの無責任政治が横行したと著者は厳しく批判する。小泉・竹中の政策が今日の「格差」の源であることは付け加えるまでもない。そして新自由主義イデオロギーと自己責任論によって人々を縛り、無力感に追い込んだのが第二次安倍政権だった。アベノミクスはデフレ脱却どころか、むしろ危機を広げている。超低金利政策によって、日銀の保有する資産が異常に膨らみ、国債市場、株式市場は麻痺しかねない。といってこの異常な政策に企業も依存している状態でやめることができない。もし金融危機が来たら日銀の抱える国債やETFなどの資産は巨大な損失と化す。現在の日本が抱える問題を解き明かそうとした本書は、コンパクトであって、しかも、読み応えのある力作評論である。


 二点付け加えておきたい。タイトルだが経済情勢が「平成」で区切られるとは思わない。が、バブル崩壊後あるいは社会主義崩壊後30年という意味ではひとつの区切りだろう。帯にインパクトがある。シャッター通りと化した商店街の写真の脇に「なぜこんな世の中になってしまったのか」とあって、その文字に重なるようにして「今だけ 自分だけ 金だけ」とある。

*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人・渡辺照子・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美、根岸恵子ほかです。
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201908260000109.html

コラム
政界地獄耳
2019年8月26日7時33分
北に鈍感…今は韓国が敵!?

★22日、韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を発表すると、北朝鮮は間髪入れず24日に弾道ミサイル発射実験を実施。翌25日には北朝鮮の国営朝鮮中央通信社(KCNA)が金正恩朝鮮労働党委員長が「超大型多連装ロケット砲」の実験を指揮したと伝えた。まさにGSOMIA破棄は北朝鮮に利すると言えそうだ。

★約2年前の9月25日、首相・安倍晋三は官邸で会見し、臨時国会の冒頭に衆議院の解散に踏み切ることを表明。北朝鮮が連日のようにミサイル実験を続け緊張が続く中、首相はこの解散を「国難突破解散」と位置付け、「国民の皆様は北朝鮮の度重なる挑発に関しまして大きな不安を持っておられることと思います。政府として、いついかなるときであろうとも危機管理に全力を尽くし、国民の生命と財産を守り抜く。むしろ私は、こういう時期にこそ選挙を行うことによって、北朝鮮問題への対応について国民に問いたい」とまで語った。

★首相は今ではミサイルが発射されてもゴルフに興じているが当時、学校などではミサイル攻撃に避難訓練が行われ、その会見直前の15日には北朝鮮によるミサイル発射でJアラートなる全国瞬時警報システムが発動された。その対応のために購入するとしたイージス・アショアの設置が計画されている秋田の自民党衆院議員、冨樫博之(秋田1区)までもが「防衛省の説明が誠意を欠いた。もうダメだとはっきり言ってある。前に進めることはできない」とインタビューに答えているという。一方、25日、日本政府は韓国軍が島根県の竹島で軍事訓練を始めたことに対して、「極めて遺憾であり訓練の中止を求める」と抗議した。今は韓国が敵で北朝鮮は友好国か。(K)※敬称略
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/260895/3

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
安倍政権がやりたいのはただひとつ「差別」ではないのか
2019/08/28 06:00

     (GSOMIAの破棄とほぼ同時に「竹島」で防衛訓練を始めた
       韓国海軍の特殊部隊/(韓国海軍提供・共同))

 いよいよ末期症状である。日本は差別を外交に優先し、その報いで手痛いしっぺ返しを食らった。

 韓国にGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を一方的に破棄された。大変なことである……はずなのだ。北朝鮮の軍事情報が、彼らを最もよく知る国から直接には入ってこなくなるのだから。

 もともと韓国では日本とのGSOMIAに反対の世論が強い。一度は署名寸前で延期され、2016年に朴槿恵前大統領が締結を強行した経緯もある。当時は野党だった文在寅政権が今回の措置に踏み切る流れは、自然の成り行きでもあった。

 最近の対立の契機は、昨秋の韓国最高裁判決だった。戦時中の徴用工をめぐる裁判で、新日鉄住金(現日本製鉄)と三菱重工業が相次いで賠償を命じられた。1965年の「日韓請求権協定」が個人の請求権まで消滅させたとは言えず、91年8月27日の参院予算委員会でも外務省の柳井俊二条約局長(後に外務事務次官)がそう答弁しているのに、日本政府は「解決済みだ」の一点張り。

 騒動を商取引の領域にまで拡大したやり方は、“どっちもどっち”ではあった。見ていて目を覆いたくなるのは、この問題を語る時の政権首脳らの面相が、どうにも卑しくてならないことだ。

 頭ごなしに相手の責任だけをあげつらうことさらに冷笑してみせ、かと思えば恫喝じみた態度を取る

 「よりよい解決策を」と切り出した駐日大使を「無礼だ!」と怒鳴りつけた7月の河野太郎外相など、弱いくせにほえたがるチンピラ以外の何物でもなかった。こんなものは外交でも何でもない。それをまたマスコミ、特にテレビのワイドショーがはやし立てる過去の過ちなど何もなかったと開き直る、いわゆる“歴史戦”の毒が、官民一体のコラボで日本中に回ってしまった。

 安倍政権がやりたいのはただひとつ、「差別」ではないのか。さすがは“明治150年”。朝鮮半島や中国の人々を蔑むことイコール愛国心とされ、帝国主義への原動力とした近代史を、彼らはまたしても繰り返そうとして、肝心の情報ルートを絶たれてしまうというド醜態。

 困った政府やマスコミが、救いの手を米国に求めているのも恥ずかしく、おぞましい。ポンペオ国務長官が「失望した」と言ったの、ワシントン・ポスト紙が「最大の勝者は北朝鮮」と書いたのと、こんな時まで植民地根性丸出しとは。安倍政権における“国家安全保障”とは、どこまでも「戦争ごっこ」であるらしい。
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●壊れた国…金子勝さん《安倍サン、ひょっとして国会もない、選挙もない国につくり変えたいのですか》!?

2018年12月28日 00時00分19秒 | Weblog

『追及力 権力の暴走を食い止める』(望月衣塑子×森ゆうこ著)…《今、ジャーナリズムと野党の…》↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/見逃さない露 十分に外交敗北】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201812190000175.html)。
リテラの記事【河野太郎外相の横暴「次の質問どうぞ」はマスコミの弱腰が生んだ! 菅官房長官の会見では回答拒否をアシスト】(https://lite-ra.com/2018/12/post-4423.html)。

 《国会は閉会したものの、閣僚たちの不規則発言や傍若無人の振る舞いは続いているなんといっても第4次安倍改造内閣面々のお粗末さは特別だ。最近でも防衛相・岩屋毅が辺野古への移設は「日米同盟のためでなく日本国民のためだ」と発言したことに「日本国民の中に沖縄県民は入っているのか」と突っ込まれた…沖縄に寄り添うという思いがないことのなせる業だろう》。
 《ついに安倍政権の「驕り」はここまできたか──。昨日、河野太郎外務相が定例会見において、記者から受けた日露関係の質問をすべて次の質問どうぞで押し通し、何ひとつ答えなかったのだ》。

   『●トリは災害対応そっちのけで博打合法化案を議論…
      《憲政史上最悪の…「国権の最高機関」という国会》
   『●「掲げた政策の大半が失敗」を反省せよ(金子勝さん)…
          「3本の矢…女性活躍…1億総活躍…働き方改革」
   『●現代の徴用工・奴隷制…外国人労働者の 
      この悲惨な現状を何とかしてから出入国管理法改正案を出せ!
   『●《歴代で最低の外相》だけではない、「最低」「最悪」だらけ
               …貧困な「政」なあまりに不幸な国・ニッポン
   『●適菜収氏《安倍政権の実態は新自由主義の売国グローバリズム路線
                        …首相は保守の対極に位置する政治家》
   『●《ルールを守》っていない代表格は、民主主義を破壊する
                 「選挙妨害を暴力団に発注する」人・アベ様
   『●巨大新基地建設による辺野古破壊…
      プーチン氏に《主権を行使できていない実例》と指摘されてしまう始末
    「一方で、プーチン大統領にまで《急所》を突かれる始末。日刊ゲンダイの
     記事【安倍政権の急所突く プーチン「辺野古問題」に言及の衝撃】…によると、
     《「日本は本当に主権国家なのか」――。ロシアのプーチン大統領から
     仰天発言が飛び出した。…驚いたのはその先で、基地問題で主権を
     行使できていない実例として、ナント、米軍普天間飛行場の辺野古移設に
     ついてこう言及した。「知事が基地拡大に反対しているが、(日本政府は
     何もできない人々が撤去を求めているのに、基地は強化されるみんなが
     反対しているのに計画が進んでいる」》。辺野古破壊への世界の「目」は、
     《日本は本当に主権国家なのか》? プーチン氏に《われるって、
     本土の「ホシュ」の皆さんは平気なの?」

 第4次(続・大惨事)アベ様内閣のお粗末さよ。《五輪相・桜田義孝、地方創生相・片山さつき…法相・山下貴司…。山下の名前は奴隷法強行の山下として歴史に残るだろう。…外相・河野太郎史上最低の外相…。これですでに十分外交敗北だ。…麻生太郎。…今年は官僚の公文書改ざんがあったが、事実を無視し感性に乏しい閣僚》。

 東京新聞のコラム【【私説・論説室から】「次の質問どうぞ」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018121902000156.html)によると、《しかし、外交は国民の理解なくしては成り立たないというのも事実である。ましてや国家主権に関わる領土を巡る交渉だ。主権者たる国民に交渉の状況をまったく知らせず、結論が出た後に国民に認めろと迫るのは、あまりにも乱暴ではないか。「次の質問どうぞ」と繰り返すのは国民への説明は交渉の邪魔としか思っていないからと勘繰りたくもなる》。
 《歴代で最低の外相》だけではない、「最低」「最悪」だらけ…でも、内閣支持率は4割程度だってさ。ニッポンはこのままでいいのですか? そして、《追及力》なきマスコミがニッポンの不幸に輪をかける。

   『●「紙面や番組ではっきりと「嘘つき」…「最悪の返答」と
           批判を浴びせ」る矜持もなく…民主主義の危機

  壊れた国…金子勝さん《安倍サン、ひょっとして国会もない、選挙もない国につくり変えたいのですか》!?
 日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/悪法を次々…安倍は国会もない選挙もない国に変えたいの?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/243482)によると、《結局、安倍政権の成長戦略の柱である原発輸出は壊滅状態だ。成長戦略もダメ、デフレ脱却もダメ、財政再建もダメ。出口のないネズミ講のように異次元緩和を続けているだけなのだ…辺野古新基地建設を巡っては、2度の沖縄県知事選が示した民意を無視し、来年2月末の県民投票前に土砂投入を強行…。地方選や県民投票を完全無視だ。安倍サン、ひょっとして国会もない、選挙もない国につくり変えたいのですか。》
 とんだ「ホシュ」…《安倍政権の実態は新自由主義の売国グローバリズム路線》。

   『●適菜収氏《安倍政権の実態は新自由主義の
      売国グローバリズム路線…首相は保守の対極に位置する政治家》

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201812190000175.html

コラム
政界地獄耳
2018年12月19日8時44分
見逃さない露 十分に外交敗北

★国会は閉会したものの、閣僚たちの不規則発言や傍若無人の振る舞いは続いている。なんといっても第4次安倍改造内閣面々のお粗末さは特別だ。最近でも防衛相・岩屋毅が辺野古への移設は「日米同盟のためでなく日本国民のためだと発言したことに「日本国民の中に沖縄県民は入っているのか」と突っ込まれた。発言自体に瑕疵(かし)はないと感じるかもしれないが、辺野古への土砂強行投入についての会見での発言としては不用意としか言いようがない。沖縄に寄り添うという思いがないことのなせる業だろう

★五輪相・桜田義孝、地方創生相・片山さつきに至っては閣僚の前の段階だろう。法相・山下貴司の抜てきは結構だが地検特捜出身は攻めには強いが守りが弱く、逆切れかと思うほど野党の入管難民法改正案への質問にムキになっていた。自ら法案の出来が悪いことを承知していたのだろう。山下の名前は奴隷法強行の山下として歴史に残るだろう。

★しかし特筆すべきは2人の太郎だろう。外相・河野太郎史上最低の外相といえるが「次の質問どうぞ」と繰り返したことについて「反省している」とブログで謝罪した。書き込まれたのは外遊中だが、反省するぐらいなら最初からやるべきでない。相手側であるロシアに手の内を明かせないからと記者を無視したが、ロシアのラブロフは見逃さない。「ばかげた子どもの遊び『白黒を言わないで、はいもいいえも言わないで』が続いている」と論評した。これですでに十分外交敗北だ

★もう1人の太郎は副総理兼財務相、加えてデフレ脱却担当の肩書がつく麻生太郎。「景気『いざなぎ』超え戦後最長」と内閣府が発表したが14日の会見で賃金上昇ないというのは「感性」の問題と言い放った。今年は官僚の公文書改ざんがあったが、事実を無視し感性に乏しい閣僚は他にもいそうだ。(K)※敬称略
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https://lite-ra.com/2018/12/post-4423.html

河野太郎外相の横暴「次の質問どうぞ」はマスコミの弱腰が生んだ! 菅官房長官の会見では回答拒否をアシスト
2018.12.12

     (河野太郎公式サイトより)

 ついに安倍政権の「驕り」はここまできたか──。昨日、河野太郎外務相が定例会見において、記者から受けた日露関係の質問をすべて次の質問どうぞで押し通し、何ひとつ答えなかったのだ。

 一体、どういうことなのか。外務省が公表している記者会見の書き起こしを、まずはそのまま読んでもらいたい。

〈【時事通信 越後記者】日露関係について伺います。先日,ラヴロフ外務大臣が日露平和条約の締結について,第二次世界大戦の結果を認めることを意味すると,日本が認めることが最初の一歩になるというような発言をされていますけれども,この発言に対する大臣の受け止めをお願いします。

【河野外務大臣】次の質問どうぞ


【読売新聞 梁田記者】今のに関連して伺います。大臣,国会答弁等でも日露関係については交渉に資することはないので,発言は一切控えるというふうにおっしゃってますけれども,今のように,ロシア側ではラヴロフ外相,ペスコフ報道官等々,いろいろな原則的立場の表明があります。これに対して反論を公の場でするおつもりもないということでよろしいんでしょうか。


【河野外務大臣】次の質問どうぞ

【共同通信 田中記者】引き続き,関連の質問なんですけれども,大臣は良い環境を整備したいということで,発言をこれまで抑制的あるいは抑えてこられたと思うんですけれども,一方でロシア側からは,どんどんこれまでとおりの発言が出てきます。こういった端から見たらアンバランスな状況が,実際の協議にも影響を与えるという懸念もあると思うんですが,その点に関してはどうお考えでしょうか。


【河野外務大臣】次の質問どうぞ

 見事なまでの質問無視。動画でも確認したが、この書き起こしのとおり、河野大臣は「次の質問どうぞ」と言うだけで、あとはコップに入った水を啜っていた。

 さすがにここで「共同通信 斎藤記者」が「大臣、何で質問に『次の質問どうぞ』と言うんですか」と質問するが、これに対する河野外相の返答は、やっぱり次の質問どうぞだった

 日露間の北方領土交渉は完全にロシアに手玉にとられている状態にあるとはいえ、なぜ質問に答えないのか、その理由さえ口にせず質問がなかったかのように無視しつづける──。この態度に対し、立憲民主党の辻元清美・国会対策委員長の「記者が質問する後ろには国民がいるわけで、質問にまともに答えず、無視するような姿勢は、国民を無視していることに等しい」と批判したが、まさにそのとおりだろう。

 さすがに今回は外務省記者クラブも黙っておらず、文書で「国民への説明責任を果たしているのか、疑問を禁じ得ない。誠実な会見対応を求める」と申し入れをおこなった。河野外相は“神妙に受け止める”と意味不明な回答をしている。

 しかし、河野外相が図に乗り、醜悪そのものの態度を晒せる状況を生み出した責任は、マスコミにもある

 マスコミはこれまで、安倍政権下で繰り広げられるこうした国民の知る権利をないがしろにした会見を放置するどころか、アシストしてきた

 その典型例菅義偉官房長官の定例記者会見だ。菅官房長官は日々「その指摘はあたらない」などとはぐらかして質問には答えず、ときには「ここは質問に答える場所ではない」と言い放ってきた。

 だが、この菅官房長官に対し、食い下がって質問を重ねる記者は東京新聞の望月衣塑子記者しかいない。そして、菅官房長官の怠慢を、新聞もテレビも直接批判しようとはしてこなかった

 それどころか、質問をぶつけつづける望月記者に対し、官邸側進行役の広報官が制限をかけるだけではなく、記者クラブ幹事社の記者が以上で終わります官邸の意を汲んで打ち切りの号令をかけるような状態だ


■トランプ政権の報道体制に毅然と抗議を続ける米メディアとの差 

 記者として当然の質問をしているだけの記者を排除するかのように、他の記者が官邸と一体化して立ち塞ごうとする──。これがこの国のメディアの姿勢なのである。

 今回は、河野外相が「次の質問どうぞ」としか言わないという露骨にもほどがある質問無視をしたために、外務省記者クラブも抗議をおこなったものの、質問に答えないのは菅官房長官だって同じ。にもかかわらず、記者たちはそれを黙認し、場合によってはアシストさえしてきた。前述したように、記者が質問するうしろには国民がいる。つまり、記者の仕事は、国民の「知る権利」を守ろうとしない権力を監視し、厳しく追及することなのに、それを放棄しつづけているのだ。これは、自分たちの存在意義さえ自ら脅かす、メディアの“自殺行為”である。

 かたやアメリカに目を向ければ、質問に答えないトランプ大統領やホワイトハウスの広報体制に対し、記者たちは怯むことなくガンガン質問を浴びせかけ、責任を追及しつづけている。最近も、中間選挙後にトランプ大統領は記者会見でCNNテレビのジム・アコスタ記者のホワイトハウス入館用の記者証を没収したが、ホワイトハウス記者会はすぐさま強い抗議をおこない、〈われわれはホワイトハウスに対し、弱腰で心得違いの行動をすぐさま撤回するよう強く求める〉と声明を出している(AFP通信、11月8日)。

 また、トランプ政権のホワイトハウス報道官だったショーン・スパイサー氏が政権に批判的なCNNやニューヨーク・タイムズなどを会見から締め出した際には、AP通信やタイム誌は一緒になって会見をボイコット。ホワイトハウス記者会も抗議声明を発表した。

 もちろん、報道官が菅官房長官と同様にまともに質問に答えず、批判的なメディアには強権的な姿勢を見せても、記者たちは食い下がって何度も質問を繰り返し、ときには紙面や番組ではっきりと「嘘つき」「バカ」「大バカ」「最悪の返答」と批判を浴びせている。これこそが不誠実な政権担当者へのジャーナリズムの本来のあり方ではないのか。

 繰り返すが、河野外相や菅官房長官が質問に答えず無視することは、説明責任の放棄であり、国民を馬鹿にした行為だ河野外相にそうしたように、記者たちには質問に答えない菅官房長官にも抗議をおこなうべきだろう。

(編集部)
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●「掲げた政策の大半が失敗」を反省せよ(金子勝さん)…「3本の矢…女性活躍…1億総活躍…働き方改革」

2018年11月11日 00時00分46秒 | Weblog

[※ 《#ケチって火炎瓶》「選挙妨害を暴力団に発注した方は、素直に挙手願います!東京新聞2018年8月27日)↑]



日刊ゲンダインコラム【金子勝の「天下の逆襲」/政策失敗でネタ切れ 鳴り潜めた安倍政権のスローガン政治】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240603

 《“やってる感”を演出してきたスローガン政治が、“ネタ切れ感”に変わったからだ。世論の半数超が反対する改憲案の国会提出をわめく前に、掲げた政策の大半が失敗していることを反省するのが先だ》。

   『●「3本の矢」「女性活躍」「1億総活躍」「働き方改革」
           「人づくり革命」…そんなものを有難がってる…
    「日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/「モリカケよりも」の
     安倍応援団 政策論争で困るのは誰か】…《安倍応援メディアから、
     「モリカケよりも政策論争をやるべきだ」という論調が盛んに聞こえてくる。
     たしかに政策論争は大事だ。では、安倍政権の政策
     一つ一つ見てみよう》」
    《安倍政権の政策ことごとく失敗に終わっている。考えてみると、
     この5年間、安倍政権は、行き詰まるたびにスローガンを変えてきた
     3本の矢」(2013年)→「女性活躍」(2014年)→
     1億総活躍」(2015年)→「働き方改革」(2016年)→
     人づくり革命」(2017年)といった調子だ。失敗を隠すために、
     次の政策目標を掲げるという繰り返しだった》

 3本の矢」「女性活躍」「1億総活躍」「働き方改革」「人づくり革命」「生産性革命…はぁ~ぁ。何か一つでも上手く行ったスローガンってあります、アベ様の「政」で?
 「ドアホノミクス(©浜矩子さん)のアベ様」「害交害遊のアベ様」、フェーク公約「子育て支援」なんてのも含めて、自公お維キト支持者の皆さんがアベ様のどこを評価しているのやら? いまだに内閣支持率は5割ほどですかね。気が知れません。日本会議を中心とした壊憲派・好戦派の皆さんがアベ様のココロの唯一の拠り所。あとは、2/4の選挙に行きもしない眠り猫の皆さんを起こさぬこと、でしょうかね。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240603

金子勝 慶応義塾大学経済学部教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 博士課程単位取得修了。 法政大学経済学部教授を経て。2000年10月より現職。TBS「サンデーモーニング」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。『資本主義の克服 「共有論」で社会を変える』集英社新書(2015年3月)など著書多数。新聞、雑誌にも多数寄稿している。

金子勝の「天下の逆襲」
政策失敗でネタ切れ 鳴り潜めた安倍政権のスローガン政治
2018/10/31 06:00
片山さつき 宮腰光寛 渡辺博道 柴山昌彦 平井卓也

     (“ネタ切れ感”/(C)日刊ゲンダイ)

 ようやく臨時国会が始まったが、安倍首相は所信表明演説からコケている。“やってる感”を演出してきたスローガン政治が、“ネタ切れ感”に変わったからだ。世論の半数超が反対する改憲案の国会提出をわめく前に、掲げた政策の大半が失敗していることを反省するのが先だ

 国土強靱化を掲げて公共工事を増やしても、西日本豪雨で愛媛の肱川は氾濫。農林水産業を活性化させると言いながら、TPP11や日欧EPAで農産物関税は大幅引き下げ。いくらTAGだと言いつくろっても、日米FTA交渉ではそれ以上を求められるのは必至だ。全世代型社会保障もメチャクチャ。待機児童は3年連続で増加する一方で、株式運用で公的年金はヨタヨタ。支給開始年齢を70歳に引き上げて帳尻合わせ。これでは死ぬまで働けと迫っているも同然だ。

 “デフレ脱却”のアベノミクスはついに口にしなくなり、女性活躍の“目玉”の片山さつき地方創生相に口利きワイロ疑惑が浮上。1億総活躍社会の裏で官公庁では障害者水増し雇用が横行する。生産性革命」は残業代ゼロで働かせ放題の高度プロフェッショナル制度の導入だ。

 モリカケ問題から逃げ回る安倍の下、「全員野球内閣」の本領発揮とばかりに閣僚らの不祥事が噴出している。「政治とカネ」の問題は片山にとどまらず、宮腰沖縄北方担当相、渡辺復興相、柴山文科相、平井科学技術担当相、工藤国交政務官と、まさに「全員野球」で不正疑惑だこの内閣には腐臭が漂っている

 野党は安倍政権が掲げた政策を一つ一つキッチリ検証し、安倍がいかにフェイクな印象操作に終始しているかを暴くことが不可欠だ。公文書やデータを改ざんしてもおとがめナシ。失言や暴言を吐き散らしても責任を問われない日本の社会を根底から破壊するありさまを徹底的に追及し、白日の下にさらしてもらいたい。

 安倍は改憲と同時に愛国心を育てる教育改革にも固執している。世論の反発が強い道徳の教科化は小学校で今年度から始まり、中学校は来年度からだ。まさか首相になれば嘘をついても大丈夫」「約束は守らなくていい」「困ったら公文書を改ざんすると教えるのではないでしょうね
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●「この国は今、とてつもなく恥ずかしい」(斎藤貴男さん)…「倫理観のかけらもない男」が自民党総裁三選

2018年10月04日 00時00分34秒 | Weblog

[※ 《#ケチって火炎瓶》「選挙妨害を暴力団に発注した方は、素直に挙手願います!東京新聞2018年8月27日)↑]



渾身の、そして、必読の日刊ゲンダイの斎藤貴男さんのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/明々白々…アベシンゾー氏の夢は「大日本帝国をもう一度」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/238161)。
アベ様のあまりの酷さに暗澹たる気持ちに突き落とされる、週刊朝日の室井佑月さんのコラム【室井佑月「お口あんぐり」】(https://dot.asahi.com/wa/2018092600006.html)。

 《ミエミエの子供だましを見せつけられて、それでも怒り狂わない、恐ろしくもならなかったらしい自民党員たちが不気味だ…倫理観のかけらもない男が、国家予算や受信料まで乱費して維新の志士気取りとは、ナルシシズムにも程がある…そんな大日本帝国の再現を企む人間が、なおも首相として君臨するというこの国は今、とてつもなく恥ずかしい》。
 《安倍「政治家というのは、学者じゃないし、評論家でもない正しい論理を述べていればいいのではない」…「今の安倍政権がとっているのはトリクルダウンの政策だと石破議員から発言がありましたが、私はそのようなことは一度も申し上げたことはございません」…「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと私がいったことはありません。ご家族でそういう発言をしている方がいるのは承知しておりますが」》。

 自民党総裁選の結果は大変に残念な結果でした。
 「#選挙妨害を暴力団に発注するアベ様」が国会議員どころか、自民党総裁選で三選。そして、今また、首相の座に。これは、世界に向けて《恥》を拡散する行為。《この国は今、とてつもなく恥ずかしい》…《倫理観のかけらもない男》が三選し、首相だってさ…《ミエミエの子供だましを見せつけられて、それでも怒り狂わない、恐ろしくもならなかったらしい自民党員たちが不気味だ》。

 もう一つ重要な指摘は沖縄県知事選。《候補者名を書き込んだ投票用紙の撮影を命じられている人も少なくない》…こんなデタラメに勝てというのだから…。
 でも、おめでとうございます、「#美ら海の色の候補者玉城デニーさん! 支援者、投票して下さった皆さん! 本当に良かった。#新時代沖縄 の知事として、沖縄の皆さんが支え、「本土」からの強力な支援・応援が必要だと思います。

 それにしても、室井佑月さんのコラムに紹介されているアベ様の言動・挙動…支離滅裂である。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/238161

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争のできる国へ 安倍政権の正体」(朝日新書)、「機会不平等」(岩波現代文庫)、「国民のしつけ方」(インターナショナル新書)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
明々白々…アベシンゾー氏の夢は「大日本帝国をもう一度」
2018/09/26 06:00

     (愚かな歴史を繰り返すのか(C)日刊ゲンダイ)

 アベシンゾー氏が今回の総裁選への出馬を表明した時の模様を思い出してもらいたい。鹿児島県の漁港で桜島を背に、子や孫の世代に「誇りある日本を引き渡していくために」立つと言い、それをまたNHKが生中継。この自称公共放送は、さらにその夜の大河ドラマ「西郷どん」に「薩長同盟」のサブタイトルを与えていた(アベ氏の選挙区は山口県)……。

 ミエミエの子供だましを見せつけられて、それでも怒り狂わない、恐ろしくもならなかったらしい自民党員たちが不気味だ。

 折しも“明治150年”の国策キャンペーン中。倫理観のかけらもない男が、国家予算や受信料まで乱費して維新の志士気取りとは、ナルシシズムにも程がある

 振り返ればアベ氏は、あらゆる機会を捉えては、明治の精神に学べと説教を垂れ、「強い日本をと号令をかけてきた。原発輸出を中核とするインフラシステム輸出の“成長戦略”や集団的自衛権の行使容認等々、現実の政策と重ね合わせてみれば明々白々。要は大日本帝国の“夢”よもう一度の絶叫なのである。

 もちろん、明治はバラ色の時代などではまったくない。封建制が打倒され、議会制が始まりはした一方で、近隣諸国への侵略を重ね、国内の庶民を戦争に駆り出しては殺し、殺されを強制した時代でもあった。

 そんな大日本帝国の再現を企む人間が、なおも首相として君臨するという。明治期のそれと決定的に異なるのは、超権力アメリカの存在だ。アベ政権の日本は、彼らの属国でありつつ帝国主義国然と振る舞うスタイルを国家目標としていく。

 はたして今年も広島と長崎で、アベ氏は被爆者団体の訴えに冷笑で応えたジャイアンの威を借りてふんぞり返るスネオの図この国は今、とてつもなく恥ずかしい

 アベ氏の構想する新・大日本帝国が最前線に位置付けているのは沖縄だ。この30日には県知事選が行われるが、報道によると、案の定、告示翌日からのわずか3日間で2万889人もの有権者が期日前投票を済ませたという。前回知事選の2倍のペースで、候補者名を書き込んだ投票用紙の撮影を命じられている人も少なくないそうだ。

 沖縄県内では自民党系の候補を、少なくとも10の経済団体が推している。植民地にされた地域が新たな帝国主義の先兵にされていく。愚かし過ぎる歴史の倣いを、私たちは21世紀にもなって、まだ繰り返そうとしているのか
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https://dot.asahi.com/wa/2018092600006.html

室井佑月お口あんぐり
連載「しがみつく女」
室井佑月 2018.9.27 07:00 週刊朝日 #安倍政権 #室井佑月

室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中

 作家の室井佑月氏はまともな答弁をしない安倍首相に呆れる。

【この記事のイラストはこちら】
(c)小田原ドラゴン
https://dot.asahi.com/print_image/index.html?photo=2018092600006_2

*  *  *

 9月14日、記者クラブ主催の自民党総裁選討論会があった。安倍首相と石破氏。

 あたしの印象に残っている言葉は、こういったものだった。

   石破「記録を全部公開し、国としての方向性を決め、有権者に正面から
       向き合う。その際、自分の立場でものを言わない」

   安倍「政治家というのは、学者じゃないし、評論家でもない正しい論理を
       述べていればいいのではない

 いやいや、安倍さんはもっとびっくりするようなこともいってたな。石破さんにアベノミクスを批判され、

   「今の安倍政権がとっているのはトリクルダウンの政策だと石破議員から発言が
    ありましたが、私はそのようなことは一度も申し上げたことはございません

だって。

 安倍内閣は、アベノミクスによるトリクルダウンで、すべての国民生活が豊かになるって豪語してたじゃん。

 そのほかにも、記者から、

   「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと一貫していいつづけてきたが、
    どうなっているのか?」

と尋ねられ、

   「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと私がいったことはありません
    ご家族でそういう発言をしている方がいるのは承知しておりますが」

だってさ。

 安倍さんは、自分の都合の良い専門家の話をあげ、自分の正当性を訴える。でもって、質問に正面から答えず、相手の言葉尻をとらえて、憤慨してみせたりする。失敗を指摘されると、ほんとは上手くいってるが、まだ話せないという。

 これが一国の総理か? あたしだったら旦那にするのも嫌だけど。

   記者「モリカケ問題、なぜこんなことになったのか?」

   安倍「文書の改ざん、あってはならない。李下に冠を正さず

 あってはならないって答えじゃねーだろ。李下……なんとかの一つ覚え。

   記者「国会答弁でもきちんと誠実に答えていないという声もあるが」

   安倍「今までも誠実に答弁してきたつもり。信頼回復のため、
       ひとつひとつお約束していたことを実行していく」

 自分を客観的に見たことがないらしい。

   記者「(モリカケ問題について)安倍さんの言い方は賄賂をもらったことはない、
       とか意図的に問題の幅を狭めている

   安倍「私は答弁を変えてない。答弁を狭めてもいない」

 お口あんぐり。

   記者「麻生大臣は大臣を辞めず、役人は処分した。こういうことは、
       国民的なモラルハザードを招くのではないか」

   安倍「財務省を立て直し、財務行政を行えるのは麻生さん。
       デフレ脱却のための政策を麻生さんと進めてきた」

 類友ですもんね。

   記者「プーチン・ロシア大統領と22回も会談しながら、無条件で平和条約か」

   安倍「専門家は、あなたと違う考え方が多いんですよ。
       今、交渉の最中だから述べることはできない」

※週刊朝日  2018年10月5日号
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●《愛僕者》アベ様のオトモダチの取巻きが滅私奉「僕」の《詐欺》を公言…県・今治市は返金を要望すべきだ

2018年06月09日 00時00分54秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】



日刊ゲンダイの高橋乗宣さんのコラム【日本経済一歩先の真相/景気と国政の停滞を招く居直り “断言王”にはもうウンザリ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/229726)。
リテラの記事【加計学園が「安倍首相と加計理事長の面談」を自らの捏造と弁明するも嘘がバレバレ! 面談を物語る証拠がこんなに】(http://lite-ra.com/2018/05/post-4034.html)。

 《安倍首相が“腹心の友”である加計学園の理事長と2015年2月25日に面会したとの記録が残る愛媛県の新たな文書が国会に提出…「首相案件」の証拠となり得る「記録」が出てくるたび、断定的に「私は知らない」と関与を否定するのは何度目か。“断言王”が開き直る姿を見るのは、もうウンザリだ》。
 《今回、加計学園側はそれを自分たちがでっち上げた嘘だったと弁明…〈…当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまった…〉…これがほんとうならば、加計学園のやったことは、愛媛県と今治市に対する「詐欺」行為ではないか》。

 《愛僕者》アベ様のオトモダチの取巻きが《詐欺》を公言…滅私奉「僕」の無謀なウソ吐き。

   『●アベ様のオトモダチへの依怙贔屓…
       呆れるほどの「屁理屈」も辞さずの「異例の「滅公奉私」」(東京新聞)

 《この国にとって余計なことばかりしている首相はいい加減、辞めて欲しい》よ、本当に。
 「国家戦略特区諮問会議議長・アベ様は、2017年1月20日まで、オトモダチの関与を知らなかった」…はずがない。

   『●国家戦略特区諮問会議議長・アベ様は、
        2017年1月20日まで、オトモダチの関与を知らなかった?

 東京新聞の記事【加計側コメント「首相面会なかったのに担当者が県へ虚偽情報」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201805/CK2018052702000118.html)によると、《共産党の小池晃書記局長は二十六日、加計学園のコメントについて「安倍首相をかばうために、想像を絶する言い訳をしているとみられる。開いた口がふさがらない」》。
 (かなりの確度で)この虚偽情報がウソで、実際には面会していたら…どうなんの? どう責任をとるの?

 東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018052802000122.html)に興味深いお話が。《ずるとかごまかしなどの不正行為は細菌のようなもので、人から人へと感染するものだそうだ▼行動経済学者でイグ・ノーベル賞受賞者のダン・アリエリー教授の『ずる』(早川書房)の中にこんな実験があった。…▼ずるをやっても、それが見過ごされ、成功するのなら、自分だって…。そんな心理に陥るのか。この説でいけば、わが国における、大規模なずるとごまかしの大感染を疑ったほうがよいかもしれぬ▼気の毒だが、政権中枢と中央官庁は既に菌にやられてしまったのだろう。国民に知られて困る記録はないと隠す政府の主張に沿った曲がったデータを国会に提出する。ここ数カ月の恥知らずなずるとごまかしの連鎖を見れば、その細菌は猛威をふるっている》。
 「Zurugomakasi種」bacteriaの猛威。Z. gomakasiによりニッポンは激しく地盤沈下し、《国ごと底なし沼に沈んでいくような気分》(斎藤美奈子さん)にさせられる。

 リテラの記事【安倍首相「焼肉くらいで」発言のまやかし! 加計理事長の接待は焼肉だけじゃない、年間1億円の報道、昭恵夫人支援も】(http://lite-ra.com/2018/05/post-4039.html)によると、《加計学園のコメントはいわば“安倍首相の名前を使って愛媛県と今治市を騙した”という詐欺行為を告白した内容だ。普通に考えれば、「加計は詐欺師だ!」と激昂しても不思議はないのに、しかし安倍首相は「抗議する理由がない」と知らん顔……。…もうひとつ噴飯モノの話…接待を受けたあとに家でシメのお茶漬けをかき込めば贈収賄にならないって、それはどんな理屈なのだろうか。…新潮、文春が報じた加計理事長の「カネがかかる」「年間一億出してる」発言 いやいや、「焼肉をゴチになったから、そのお返しに」というかたちで特区が決まったなんて誰も言っていないし、思うわけがない。むしろ、「加計さんは長年の友人だ」と強調し、あたかも学生同士のカジュアルな付き合いのなかでおごってもらったかのように「印象操作」しているのは、安倍首相のほうではないか。そして、安倍首相と加計理事長の仲は、そんな「焼肉をおごる・おごられる」というような庶民的なものではけっしてない。「腹心の友」という言葉がもつ清いイメージとは裏腹な、「ズブズブの関係と表現すべき間柄だ…安倍首相のため選挙活動に協力、昭恵夫人が取り組む活動をバックアップ
 どう贔屓目に見ても「供応・饗応を疑われるようなこと」が行われておきながら、平然としていられるアベ様って一体?

   『●国家戦略特区諮問会議議長・アベ様は、 
      2017年1月20日まで、オトモダチの関与を知らなかった?
    《決定権者である安倍首相が加計理事長とゴルフや会食をともに
     しているだけでも常識的に考えて大問題だ。しかも、安倍首相は…
     食事代については「加計氏にごちそうになることもある」と
     饗応を受けたことを、平然と認める発言までした》

   『●「“ぼくたちの友情は潔白”などとよくもまあ言えたものだ」…
                   ズブズブでダークなオトモダチとの友情
    《ここまでくると、“ぼくたちの友情は潔白などとよくもまあ言えたものだ
     と呆れ果ててしまう。現実は、「子飼い議員の面倒を見てもらっている
     「支部の面倒を見てもらっている」「メシを奢ってもらった
     「選挙で動員してもらった」という積もり積もった貸しを、国家戦略特区を
     利用してお返ししたというのが、ふたりの友情の実態なのではないのか》

   『●加計学園を巡る「狸賽」イカサマ話…
       「悪巧み」しておいて「2017年1月20日まで…知らなかった」?
   『●「記憶をつなぐ」、「伝え続けるには、多くの記憶が力となる」、
                      「ただ『忘れない』ということが大切」
    《安倍首相が、「加計学園の獣医学部新設計画を初めて知ったのは
     今年1月20日」って答えたよ。いくらなんでもその嘘は無理
     大胆な嘘つきだな。…だいたい、利害関係者である加計学園理事長に
     (おご)られていたって事実が出てきただけで、アウトな話ではないか?》

 日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/これは深い病だ…文書やデータの改竄に社会が驚かない異常】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/230050)によると、《ただ、一筋の希望が見えるのは、組織の論理に染まらず、圧力にも屈せず、「事実はこうだ」と声を上げる個人が少しずつ出ていることだ。文科省の前事務次官の前川喜平氏、愛媛県の職員と県知事、日大アメフト部の宮川選手、さらにセクハラ被害者として実名で声を上げた狛江市役所の4人の女性職員などである。事実の隠蔽やねじ曲げに対して、意を決して「ノー」の意思表示をした勇気ある者たちが出てきている。モリカケ事件も簡単に終わらないだろう》。
 《愛僕者》らの暴走と無責任さ、それを与党・癒党は見て見ぬふり、放置して平気なのですね?

   『●《愛僕者》らの暴走と無責任さを放置して平気?  
        野党の批判の前に、《愛僕者》や与党・癒党の批判を

 東京新聞の記事【首相と加計氏面会「私が言った」 事務局長、愛媛県に謝罪】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201805/CK2018053102000254.html)によると、《「加計学園」の渡辺良人事務局長…うそが認可につながったのではないかと問われると、「そうは思わない」と苦笑した。だが、新文書には「二月二十五日の首相と加計氏の面会を受け」と明記し、首相面会が実現したことを前提に、学園側が柳瀬唯夫首相秘書官(当時)から資料提出を指示されたとの記載もある。首相面会がなければ、なぜ柳瀬氏の指示につながったか説明がつかないが、渡辺氏は「よく分からない」などと述べ、取材を十数分で一方的に打ち切った》。
 また、【県庁で謝罪もニタニタ 渡辺事務局長は加計の“陰の実力者”】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/230309)によると、《なぜか表情は終始ニタニタ。…どうやら愛媛県や今治市にウソをついて多額の税金を引っ張り出し、国会質疑を空転させた社会的責任はみじんも感じていないらしい》。
 《もはやカルトだ》…《カルト教団の教祖》を守るために何でもアリ。《うそ》がウソだったら、どうするつもり?(多分、《うそ》がウソで、両者は面会しているはずだ) 《うそ》が本当ならば、何百億円にも及ぶお金を県や市から引き出すための切っ掛けとなった大変な詐欺だ。県や市は、直ぐさま返金を求めるべき。

   『●《もはやカルトだ》…《もはやこの国の総理は
       カルト教団の教祖のような絶対的存在となっているらしい》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/229726

高橋乗宣 エコノミスト
1940年広島生まれ。崇徳学園高から東京教育大(現・筑波大)に進学。1970年、同大大学院博士課程を修了。大学講師を経て、73年に三菱総合研究所に入社。主席研究員、参与、研究理事など景気予測チームの主査を長く務める。バブル崩壊後の長期デフレを的確に言い当てるなど、景気予測の実績は多数。三菱総研顧問となった2000年より明海大学大学院教授。01年から崇徳学園理事長。05年から10年まで相愛大学学長を務めた。


日本経済一歩先の真相
景気と国政の停滞を招く居直り断言王にはもうウンザリ
2018年5月25日

     (また開き直る気か(C)日刊ゲンダイ

 「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」――。安倍首相が“腹心の友”である加計学園の理事長と2015年2月25日に面会したとの記録が残る愛媛県の新たな文書が国会に提出された。

 首相本人はご指摘の日に会ったことはない」「獣医学部新設について話をされたこともない。私から話したこともない」「面会記録も残っていないと「ないない尽くしで全面否定だ。「首相案件」の証拠となり得る「記録」が出てくるたび、断定的に「私は知らない」と関与を否定するのは何度目か。“断言王”が開き直る姿を見るのは、もうウンザリだ。

 安倍首相は「加計学園の獣医学部新設を知ったのは17年1月20日」という自分の言葉に縛られ、愛媛県など地方自治体まで巻き込み、混乱を深めている。新文書には、はっきり記録が残っているのに、「ないない」尽くしの全面否定は地方自治体を見下している証拠だ。もはや総理を続ける資格はない

 安倍首相が退陣すべき理由は山ほどあるが、最も深刻なのは経済政策だ。就任直後に「強い経済を取り戻す」と豪語し、「3本の矢」を放ってから5年以上。当初はデフレ脱却への期待を集めたが、日本経済は一向に強さを取り戻せていない。実質GDPはずっと、ほぼゼロ成長のヨチヨチ歩き。今年1~3月期は前期比0.2%減、年率換算0.6%減と、とうとう9四半期ぶりにマイナス成長に陥った。

 財政面でも、消費税増税を2度も先送りした上、もう増税は避けられないとなると、増収分の使途のうち借金返済の充当額を削り、「教育無償化」の人気取りに充てる。さらに買い控え防止策として、住宅と自動車の購入者への減税を検討し、その財源も消費税増税の増収分というから、本末転倒だ。財政健全化は遠のくばかりである。

 日本経済はヨチヨチというより、既にヨレヨレだ。立て直すのはかなり困難な状況であり、すぐに目覚ましい効果が表れないことは理解できる。だが、安倍首相は取るべき対策も取らず、最近は新たな経済政策を全く打ち出していない。「アベノミクスの成果」という決まり文句も、あまり聞かなくなった。成り行きを見ているだけの無為無策は許しがたい。

 もはや安倍首相の仕事といえば、昭恵夫人とお手々つないで外遊に出かけるか、国会でモリカケ疑惑を追及されると、色をなして反論するくらいなものだ。首相の存在自体が景気と国政の停滞を招いている。

 どの世論調査でも、安倍政権の不支持率は50%近くに上る。国民の半数に見放され、この国にとって余計なことばかりしている首相いい加減、辞めて欲しい
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http://lite-ra.com/2018/05/post-4034.html

加計学園が「安倍首相と加計理事長の面談」を自らの捏造と弁明するも嘘がバレバレ! 面談を物語る証拠がこんなに
2018.05.27

     (安倍首相(首相官邸HP)と加計氏(加計学園HP))

 昨日、加計学園が愛媛県の新文書について呆れ果てるようなコメントを発表した。同文書には、加計学園からの報告として、2015年2月25日に加計孝太郎理事長と安倍首相が面談し、安倍首相が「そういう新しい獣医大学はいいね」と発言したことが記載されていたが、今回、加計学園側はそれを自分たちがでっち上げた嘘だったと弁明したのだ。

 加計学園が〈当時の関係者に記憶の範囲で確認出来た事〉として、文書で発表したコメントは以下のとおり。

当時は、獣医学部設置の動きが一時停滞していた時期であり、何らかの打開策を探しておりました。そのような状況の中で、構造改革特区から国家戦略特区を用いた申請にきりかえれば、活路を見いだせるのではないかとの考えから、当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまったように思うとの事でした。その結果、当時の担当者の不適切な発言が関係者の皆様に、ご迷惑をお掛けしてしまったことについて、深くお詫び申し上げます。

 これがほんとうならば、加計学園のやったことは、愛媛県と今治市に対する「詐欺」行為ではないか。

 なぜなら、「誤った情報」などという表現でごまかしているが、加計学園は自ら「獣医学部設置を実現するため、安倍首相と加計孝太郎理事長の面談を担当者がでっち上げ、愛媛県と今治市を騙して動かした」ことを認めたことになるからだ。しかも、この加計学園の「総理と理事長の面会」でっち上げの結果、愛媛県と今治市が緊密な連携をはかり獣医学部新設に向けて動き、それが国家戦略特区として認められ、愛媛県や今治市から合わせて約186億4000万円もの補助金を出す決定をおこない、今年4月の開学へといたっているのだ。

 これはほとんど犯罪だろう。しかも、安倍首相はその詐欺犯罪に名前を利用されたことになる。安倍首相は森友学園問題では籠池泰典理事長のことを「詐欺をはたらく人物」と批判したが、すぐに「加計学園は詐欺をはたらく学校」として抗議するべきだ。

 だが、安倍首相がそんなことをするはずがない。なぜなら、「安倍首相と加計理事長の面談はつくり話とする今回の加計学園のコメントじたいがインチキ、嘘の上塗りでしかないからだ。


愛媛・今治の柳瀬首相秘書官訪問は、安倍・加計会談を受けてのもの

 今回の加計のコメントがインチキであることは、ほかでもない当時、首相秘書官だった柳瀬唯夫氏の行動が証明している。

 参考人招致でも認めたように、柳瀬氏は加計学園側と官邸で3回も面談をしているのだ。しかも、その1度目は、安倍首相と加計理事長の面談があったとされる2015年2月25日からほぼ1カ月後の3月24日のことだった。

 柳瀬氏はこの面談について、参考人招致で「(加計の担当者から)『今度、上京するのでお会いしたい』とアポイントがあってお会いした」と述べた。この答弁は「具体的な案件もなく、『上京するから』なんて理由で首相秘書官と簡単に会えるものなのか」というツッコミが溢れたように、嘘というのがバレバレだ。首相秘書官が独断で一学校法人の担当者の特区指定の相談に乗るなどという、ほかでは絶対にあり得ないことが実現したのは、柳瀬首相秘書官を動かすなんらかのきっかけがあったからだ。

 愛媛県の新文書には、安倍首相の「獣医大学いいね」発言が記された文書とは別に、同年3月15日に今治市と加計側がおこなった協議の内容を記した文書があるのだが、そこにはこんな記述があった。

柳瀬首相秘書官と加計学園の協議日程について(2/25の学園理事長と総理との面会を受け、同秘書官から資料提出の指示あり)(学園)3/24(火)で最終調整中である

 つまり、この文書には、安倍首相と加計理事長の面談がすべての出発点になって、柳瀬首相秘書官が加計学園に資料提出を求め、加計は3月24日に官邸を訪問することになったという経緯が記されているのだ。

 さらに同文書には、「文部科学省の動向について」と題した項目にこんな記述もある。

(学園)文科省から獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議委員に対する意見照会を実施している模様。
 2/25に学園理事長と総理との面会時の学園提供資料のうち、「新しい教育戦略」(別紙p.5-6)に記載の目指すべき大学の姿に関する部分を抜粋したアンケート形式の資料を示して、短期間での回答を求めている。アンケート結果は、柳瀬首相秘書官との面会時に、学園に対し、情報提供されるものと推測。
 なお、委員からの評判は概ね良いとの情報を得ている


 そう。この報告文書には、「2/25に学園理事長と総理との面会時の学園提供資料」と、面談時に加計理事長が安倍首相に資料を提供していたとする記述まで、当たり前のように出てくるのだ。


柳瀬首相秘書官は、安倍と加計の会談について否定していなかった

 加計学園担当者の「総理と理事長が面会したという発言がつくり話ではないことを物語る材料はほかにもある。それは、柳瀬氏と加計学園担当者が官邸で2度目に会うことになった2015年4月2日の会合をめぐるものだ。

 5月10日に行われた柳瀬秘書官の参考人招致でも大きな焦点となったこの会合は、加計学園サイドが柳瀬秘書官に愛媛県、今治市を引き合わせるため、いっしょに官邸を訪問。愛媛県、今治市の複数の職員が同席のもとで会合がおこなわれた。

 この会合が行われたのも、安倍首相と加計理事長の会話がきっかけになっていた。新文書のうち、3月24日の柳瀬首相秘書官と加計関係者の協議について今治市から受けた報告内容をまとめた文書には、こう書かれているのだ。

安倍総理と加計学園理事長が先日会食した際に、獣医師養成系大学の設置について地元の動きが鈍いとの話が出たとのことであり、同学園としては柳瀬首相秘書官に4月2日午後3時から説明したいので、県と今治市にも同行願いたいとの要請があったと今治市から連絡があった

 安倍首相と加計理事長が面談し、獣医学部に関して会話していたのが事実であることは、4月2日の会合における柳瀬氏の対応からもうかがえる。加計学園の担当者はこの会合で、柳瀬氏や愛媛県、今治市職員を前に〈先日安倍総理と同学園理事長が会食した際に、下村文科大臣が加計学園は課題への回答もなくけしからんといっているとの発言があった〉などと報告していた。

 もしこれがつくり話であったら、柳瀬氏は当時、総理のスケジュールや行動をすべて把握している首相秘書官であり、すぐにその嘘を見抜けたはずだ。加計学園が安倍首相の名前を使って嘘をついていたのなら、その場で「そんな事実はない」と指摘していなければおかしい。

 しかし、この会合の報告文書のどこをみても、柳瀬氏のそういった発言はない。柳瀬氏はむしろ、安倍首相・加計理事長の面談が前提であるかのように、建設的なアドバイスをおこなっているのだ。


日大だけでなく、安倍首相の嘘と責任転嫁体質も徹底追及すべきだ!

 いずれにしても、こうした経緯をみれば、安倍首相と加計理事長が面談をおこなったことをいまさら「つくり話」とすることがいかに無理スジかというのがよくわかるだろう。

 にもかかわらず、加計学園はなぜ、自らの詐欺疑惑まで浮上するリスクを冒してまで、こんな嘘をついたのか

 それはやはり、安倍首相を守るためとしか考えられない。

 周知のように、愛媛県新文書の公表以来、安倍応援団たちはしきりに「愛媛県の文書には信用性がない」「新文書の内容は伝聞の伝聞でしかない」と、愛媛県の担当者の誤認であるかのような攻撃をおこなってきた。

 しかし、愛媛県の新文書公開で、会合の同席者で安倍官邸とべったりのスタンスだったはずの今治市も追い詰められ、菅良二市長が、安倍首相と加計理事長の面談について加計学園側から市に伝えられていたことを明らかにせざるをえなくなった。

 そこで、加計理事長との面談を絶対に認めるわけにいかない安倍官邸は、加計学園サイドに言い含めて、話の出所である加計学園の担当者が嘘をついた、ということにしたのだろう。

 保身のために佐川宣寿・前理財局長や柳瀬氏にバレバレの嘘をつかせ、今度は大学担当者に責任を押し付けはじめた安倍首相。マスコミはいま、日本大学アメフト部の悪質タックル問題で、日大の責任転嫁体質を厳しく批判しているが、安倍首相の責任転嫁と嘘についても徹底追及すべきではないか。こちらは、日本の政治の根本的な問題が問われているのだ

(編集部)
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●「3本の矢」「女性活躍」「1億総活躍」「働き方改革」「人づくり革命」…そんなものを有難がってる…

2018年05月29日 00時00分40秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】



日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/「モリカケよりも」の安倍応援団 政策論争で困るのは誰か】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/229076)。
ニッカンスポーツのコラム【政界地獄耳/低次元相次ぐ国会、最後がカジノでいいのか】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805180000214.html)。

 《安倍応援メディアから、「モリカケよりも政策論争をやるべきだ」という論調が盛んに聞こえてくる。たしかに政策論争は大事だ。では、安倍政権の政策を一つ一つ見てみよう》。
 《この中途半端な官製カジノで、海外からの観光客の集客になるのだろうか。公明党が懸念した依存症対策も、どこが万全なのか理解に苦しむ。 ★会期中の国会は…低次元の問題が相次ぎ国民を失望させた。そして、その最後にカジノ法成立では、この国は何を守り何を進めたいのか、どんな国になろうとしているのか、分からなくなる。まさにこの現実が国難といえる…体裁のためのカジノ法案と働き方改革関連法案の抱き合わせは、危険をはらんでいる》。

 アベ様の「政」、何か一つでもマトモなものはあったでしょうか?

   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
       《病的な嘘つき》アベ様…全てのアベ様の「政」のデタラメさ

  今国会だけでも、《森友・加計学園疑惑、財務省公文書改ざん、防衛省日報隠蔽(いんぺい)疑惑、厚労省データ改ざん疑惑、財務事務次官セクハラ辞任と、低次元の問題が相次》いでいます。低次元なアベ様の「政」、次から次に繰り出されるスローガン《「3本の矢」(2013年)→「女性活躍」(2014年)→「1億総活躍」(2015年)→「働き方改革」(2016年)→「人づくり革命」(2017年)》…そんなものを有難がっているのは与党自公や癒党お維キトであり、その支持者たち。低次元なのは《愛僕者》政権であり、与党自公・癒党お維とその支持者たち。こんな《僕難》を放置しているのは、「2/4は選挙にも行かず、絶対得票率1/4で3/4の議席を占める」ようなデタラメな状況の下、救いようの無い「1/4の自公投票者」と「2/4の選挙にも行かない人達」」だ。

   『●選挙制度の不備に加えて、大企業を巻き込みながら
         《極右のタニマチ》が《組織的な選挙運動》を展開…

 《そして、その最後にカジノ法成立では、この国は何を守り何を進めたいのか、どんな国になろうとしているのか、分からなくなる。まさにこの現実が国難といえる》…《僕愛者》アベ様の《僕難》のオカゲで、ニッポンは《国難》。そして、《他人の不幸や不運を踏み台にするような成長戦略は極めて不健全》だというのに、アベ様ら「鹿」さんや「馬」さんらは耳をふさぎ、ロバ耳東風

   『●室井佑月さん「安倍政権の掲げる成長戦略は…
       他人の不幸や不運を踏み台にしたものばかり。ろくでもない」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/229076】 

金子勝 慶応義塾大学経済学部教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 博士課程単位取得修了。 法政大学経済学部教授を経て。2000年10月より現職。TBS「サンデーモーニング」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。『資本主義の克服 「共有論」で社会を変える』集英社新書(2015年3月)など著書多数。新聞、雑誌にも多数寄稿している。


金子勝の「天下の逆襲」
「モリカケよりも」の安倍応援団 政策論争で困るのは誰か
2018年5月16日

     (「外交の安倍」を自負するも…/(C)日刊ゲンダイ)

 安倍応援メディアから、「モリカケよりも政策論争をやるべきだ」という論調が盛んに聞こえてくる。たしかに政策論争は大事だ。では、安倍政権の政策を一つ一つ見てみよう。

 安倍政権が掲げた「経済政策」の最重要課題は「デフレ脱却」だった。黒田日銀は5年前「2年間で物価を2%上げる」と宣言した。ところが、達成時期を6回も延長したうえ、とうとう「物価上昇率2%」の達成時期を撤廃した大失敗だ

 「財政健全化目標」も、2020年から2025年へ5年も先送り。借金は膨れる一方だ。「待機児童ゼロ」も減るどころか、増加の一途をたどっている。「女性活躍」は、財務省の福田淳一前事務次官のセクハラに対して、麻生副総理は「(女性記者に)はめられた」とセカンドレイプのごとき発言を繰り返し、安倍首相本人は口をつぐんだままだ

 さらに、「成長戦略」の柱として何度も「セールス外交」を行った「原発輸出」は、次々に頓挫している。ベトナム、台湾は建設中止、リトアニアは建設凍結、イギリスは事業費が3兆円に膨張し、大手銀行の融資に政府保証をつけても立ち往生。トルコも事業費が4兆円に倍増し、伊藤忠が撤退。この5年間、安倍政権の「成長戦略」で成果を上げたものは、ほとんど見当たらない

 「外交の安倍」を自負しているようだが、外交政策も、北朝鮮問題は「蚊帳の外」に置かれ、北方領土は1ミリも返還されず、TPP離脱の米国には2国間貿易交渉を迫られる始末だ。

 安倍政権の政策ことごとく失敗に終わっている。考えてみると、この5年間、安倍政権は、行き詰まるたびにスローガンを変えてきた3本の矢」(2013年)→「女性活躍」(2014年)→「1億総活躍」(2015年)→「働き方改革」(2016年)→「人づくり革命」(2017年)といった調子だ。失敗を隠すために、次の政策目標を掲げるという繰り返しだった。

 森友・加計疑惑も、嘘がバレるとスリカエと居直りとごまかしに終始し、また嘘が発覚するというパターンである。

 政策論争をして困るのは、実は安倍首相自身だろう。安倍応援団メディアは、このことを分かっているのだろうか
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805180000214.html

政界地獄耳
2018年5月18日8時55分
低次元相次ぐ国会、最後がカジノでいいのか

 ★自民・公明の連立与党は6月20日までの今国会で、統合型リゾート施設整備法案IR法)、いわゆるカジノ法案を成立させる方針を固めた。ギャンブル依存症を懸念する公明党が、同法案に難色を示していたが、依存症対策をまとめ、日本人によるカジノ使用料は1回につき6000円。マイナンバーカードで本人確認した上で、入場回数を週3回、月10回までに制限し、20歳未満や暴力団員も入場を禁じるとした。

 ★だが、週3回、月10回までの制限とはいえ、それほど通うのは十分依存症ではないのか。毎回6000円の入場料の支払いは、10回で6万円に上り、その回収に躍起になるということにはならないのだろうか。この中途半端な官製カジノで、海外からの観光客の集客になるのだろうか。公明党が懸念した依存症対策も、どこが万全なのか理解に苦しむ。

 ★会期中の国会は、森友・加計学園疑惑、財務省公文書改ざん、防衛省日報隠蔽(いんぺい)疑惑、厚労省データ改ざん疑惑、財務事務次官セクハラ辞任と低次元の問題が相次ぎ国民を失望させた。そして、その最後にカジノ法成立では、この国は何を守り何を進めたいのか、どんな国になろうとしているのか、分からなくなる。まさにこの現実が国難といえる

 ★自民党幹部が言う。「確かにこの国会は、働き方改革が主軸になるはずだったが、早々に厚労省のデータ改ざんが発覚し、目玉法案が骨抜きになった。だが、カジノ法案成立で終わるのでは、あまりに情けない。強引に働き方改革関連法案を成立させるのではないか」。専門職などを労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)は、財界の悲願と言われるが、経済界には不要論も根強い。

 ★法案成立の攻防で強引な成立や国会の延長、秋の国会へのずれ込みなどがあれば、自民党総裁選への影響は必至だ。体裁のためのカジノ法案と働き方改革関連法案の抱き合わせは、危険をはらんでいる。(K)※敬称略
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●「この国を動かす役人たちが首相と同じく「賃上げでデフレから抜け出せる」と思っているのだとしたら…」

2018年02月06日 00時00分10秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



日刊ゲンダイのコラム【高橋乗宣 日本経済一歩先の真相/時代に取り残された安倍首相の「脱デフレ」施政方針演説】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/221896)。

 《12年末の政権返り咲き以来、安倍首相は「デフレ脱却」を最優先課題に掲げて、日銀総裁に黒田氏を送り込んで金融の異次元緩和をやらせるなどしてきたが、いまだに達成できていない。そこで、今年こそ実現させる決意を高らかに宣言したのだ。この自信の源は何なのか…安倍首相が賃上げでデフレから抜け出せると本気で思い込んでいるのなら、あまりにも幼稚だ空疎な「デフレ脱却」宣言は、時代背景を掌握していない証拠である》。

   『●トリクルダウンエフェクト: 如何に市民のことなど考えず、 
             大企業・お金持ちにしか目が行っていないか!
   『●「トリクルダウン理論」:  
      「貧しい者」ではなく「アベ様の自民党」に「お零れ」が!
   『●格差社会を拡大する「トリクルダウン理論」:  
      「したたり落ちているのは、若い世代の悔し涙なのか」?
   『●アベ様の「ドアホノミクス」(©浜矩子さん)で
               空しき「雨乞い」をしても・・・・・・
   『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(2/4)
   『●格差社会を助長するトンデモな「ト」理論=トリクルダウン理論
   『●Dr.トリクルダウン竹中平蔵センセイ、今さら、そりゃぁ~ないでしょ!
   『●アベ(ホ)ノミクスに騙されてはいけない
        ~年金マネーをアベノミクスのサイフに~
   『●「アベドアホノ丸」: 
     ドアホノミクス(©浜矩子さん)という難破船から逃げ出す……
   『●「美学」という名の「醜態」: 
     ドアホノミクスという難破船・泥船から下船する収賄大臣
   『●争点は「壊憲」: 頓挫が明確な「ドアホノミクス」の是非を問う
                    という詐欺的手口…鎧の下の剣「壊憲」
   『●アベノサギのキモ(経済=ドアホノミクス)もサギだった
             という二重のサギな話…壮大な「あとの祭り」
   『●「まん延する差別」な、「御持て成し」どころでない
        「うらあり」だったニッポン…「病んだ空気」が蔓延
   『●《全国民を勝負師に》…「国民にギャンブルを
      奨励するギャンブル国家の道…憲政史上、由々しき法案」
    《景気は上向かず、アベノミクスの失敗をかわすためか、
     ついに国民にギャンブルを奨励するギャンブル国家の道を、
     言論の府とはいいがたい連中のいいかげんな審議によって
     成立させた憲政史上、由々しき法案となった》

   『●《全国民を勝負師に》…「さすがに六時間で可決させるのは
                無理だろうな」「だったら、賭けるか」(筆洗)
   『●室井佑月さん「安倍政権の掲げる成長戦略は…
      他人の不幸や不運を踏み台にしたものばかり。ろくでもない」
   『●永遠の「道半ば」とばかりに、いまさら「ドアホノミクス」を「ふか」す!?
   『●「ズ」抜けたバ「ズ」ーカ達による永遠の「道半ば」…
        「この国の未来や将来が見通せず不安があるから」
   『●室井佑月さん、《税収が足りなくば、法の抜け道を閉ざし、
              適正に課税して金持ちからお金をとったらいい》
   『●与党自公によるデタラメな《行う必要のない政策》の羅列に加えて、
                    国費160億円削減で弱い者イジメ

   『●憲法25条「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されない、
                      血も涙も無い「国費…160億円削減」
   『●散々煽ったトリクルダウンエフェクトを自ら否定、
       あの竹中平蔵氏によるドアホノミクスの「中間総括」
   『●室井佑月さん「いわれるまま武器を大人買いできるほど、
           この国には余裕があるのか?」…トンデモな「大人」

 高橋乗宣さんによると、《この国を動かす役人たちが、首相と同じく「賃上げでデフレから抜け出せる」と思っているのだとしたら、日本の将来は暗い》…そうだ。永遠の「道半ば」なズ抜けたバ「ズ」ーカ達。かつて優秀と言われていた、この国の官僚は正気なのだろうか? 誰も、アベ様らには逆らえないのか? また、与党・自公や癒党・お維キトに投票し続けた結果、あるいは、投票に行きもしない「眠り猫」の皆さんのおかげで、腐臭を放つ政治家ばかりとなり、国の根幹を腐れせてしまっている。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/221896

高橋乗宣 エコノミスト
日本経済一歩先の真相
時代に取り残された安倍首相の「脱デフレ」施政方針演説
2018年1月26日

 通常国会が始まった。施政方針演説に臨んだ安倍首相は「デフレ脱却への道筋を確実に進んでいる」と自信満々で、翌日の日経新聞も「脱デフレ勝負の年」と大きな見出しで伝えていた。

 12年末の政権返り咲き以来、安倍首相は「デフレ脱却」を最優先課題に掲げて、日銀総裁に黒田氏を送り込んで金融の異次元緩和をやらせるなどしてきたが、いまだに達成できていない。そこで、今年こそ実現させる決意を高らかに宣言したのだ。

 この自信の源は何なのか。恐らく首相が財界に要請した「3%の賃上げ」なのだろう。国政のトップが具体的な数値を挙げ、民間企業に賃上げを迫る「強権発動」は前代未聞だが、経団連榊原定征会長は要請をすんなり受け入れ、「3%の賃上げは社会的期待」と言って企業経営者に賃上げを呼びかけている。

 賃上げ3%実現の機運の高まりに気を良くし、安倍首相は「賃金が上がれば、自然と物価が上がる」とデフレ脱却を確信しているに違いない。だが、それは単純極まりない発想だ

 大昔なら、そんな理屈も成り立ったが、今はグローバル経済の時代なのだ。日本には中韓両国や東南アジア諸国などから日々、安価な品物が流入している。日本企業が、安い労働力を目当てに海外に飛び出し、現地生産品を日本国内に持ち込んでくるケースも多い。

 もはや単純に国内企業の賃金が上昇すれば、物価も上昇してデフレから抜け出せる状況ではないのだ。国内経済が低調だから、デフレに陥っているのでもない。「グローバルデフレ」と言える厄介な状況で、もっとスケールの広い構造的な問題なのである。

 安倍首相が賃上げでデフレから抜け出せると本気で思い込んでいるのならあまりにも幼稚だ空疎な「デフレ脱却」宣言は、時代背景を掌握していない証拠である。

 安倍首相は本来、グローバルデフレに打ち勝つという無理難題に取り組むよりも、グローバルデフレを大前提とした上で国民の暮らしをいかに充実させていくかを考えるべきだ無謀とも言えるデフレ脱却を最優先課題に掲げるのは井の中の蛙の発想に過ぎない

 安倍首相の単純な思考通り、「賃上げによるデフレ脱却」を目指すなら、「アンチグローバリズム」を掲げて、海外からの安価な商品の輸入を規制する貿易障壁をつくるしかない。一方ではTPPの結成を推進しながら、他方では保護貿易主義という時代錯誤の施策に打って出れば、国際社会から総スカンを食らうだけである。

 それにしても、時代の流れに逆行するように「脱デフレ」を強調した安倍首相の施政方針演説の作成には、無数の役人が関わっていたはずだこの国を動かす役人たちが、首相と同じく「賃上げでデフレから抜け出せる」と思っているのだとしたら日本の将来は暗い
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●争点は「壊憲」:2016年7月参院選が終われば、自公が争点にもしない「壊憲」へ…三度目のアベノサギ

2016年06月13日 00時00分39秒 | Weblog


サンデーモーニング』(2016年6月12日)の《風をよむ》、テーマは「参院選の“争点”」。冒頭の「街の声」は、「経済でしょうね」「景気」…。自公お維大地の選挙戦略に騙された、あるいは、騙されたふりをしている市民の声。「ドアホノミクス」(©浜矩子さん)がとっくに破綻し、「アベドアホノ丸」は座礁していることに気付いていないらしい。1本の藁にさえならない「アベドアホノ丸」アベ船長に、まだ縋ろうとしている…。そんなモノが争点たり得るか? 反政権派の報道機関や野党は争点を明言すべき。

   『●20XX年、再び戦争が始まった…: 
      立憲主義を否定し、クーデターで壊憲しといて、そりゃぁないでしょ
   『●争点は「壊憲」: 「ドアホノミクス」の頓挫を認めては? 
      …座礁したアベドアホノ丸・船長の虚しき言い訳
   『●争点は「壊憲」:2016年7月参院選で「ネジレ」を
       取り戻さねば、アベ様は「白紙委任状」とばかりに…
   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
   『●争点は「壊憲」: 頓挫が明確な「ドアホノミクス」の
        是非を問うという詐欺的手口…鎧の下の剣「壊憲」


 《風をよむ》、テーマは「参院選の“争点”」によると…:

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■「民進党岡田克也代表 (与党が議席を)3分の2とれば 「憲法改正」はやってくる 前回は「アベノミクスこの道しかない」と 選挙が終われば「安全保障法制」の議論に熱中して経済の“け”の字もなかった

■「共産党志位和夫委員長 選挙戦を「アベノミクス」1本で戦い 選挙が終わると憲法破壊の政治を繰り返す これを2度やって来た 「3度目は通用しない」とはっきり言いたい」

■2013年7月参院選、アベ様「デフレ脱却 10年間で1人当たりの国民総所得を150万円増やしてまいります」。「経済再世」「デフレ脱却」を掲げ、自公で過半数。そしてその5カ月後、2013年12月、国会は、選挙の争点にもならず選挙公約集に記載が無かった特定秘密保護法をめぐる審議一色に。そして、成立

2014年11月衆院解散、アベ様「この解散はアベノミクス解散であります」。「消費税引き上げ先送りの是非」「景気回復」を重点に掲げ、経済をアピールして与党で3分の2の勢力を獲得。その5ヶ月後…

■2015年5月、アベ様は安保法制について、「先の総選挙に於いては、昨年7月1日の閣議決定に基づいて、平和安全法制を速やかに整備することを明確に公約として掲げ、国民のの審判を受けました」。確かに、2014年自民党政権公約集には短く安保法制は記載されていました

■2015年9月、安保関連法案を「衆参それぞれ100時間以上審議し 議論は尽くした」として、採決を強行、成立させました

■2016年6月、自民党のポスターに書かれた「この道を。力強く、前へ。 (政治は国民のもの 自民党)」の文字。「この道」とは一体どんな道なのでしょうか?

岸井成格さん、「カモフラージュという街の声…。2013年参院選と2014年総選挙の後は、特定秘密保護法と安保法制になったわけですよね。これが今回またやられると…宿願の憲法9条改正に着手する、そういうことがあり得るということ。…こう続いてくると、安倍政権のこういうやり方は一つの選挙戦略なのではないか、という気がしますね。つまり、一種の争点隠し。そういう政治そのものが問われなければならない…隠れ蓑にしている。…選挙に勝てば、信任されたと言うんですよね…」
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 「憲法」は生活に関わらず、票にならない?? 絶句。
 「壊憲」し、平和憲法・憲法9条を破壊し、戦争できる国・死の商人の国家になっても、市民の「生活」には何の影響もないのですか? 子や孫を「人殺し」に喜んで送り出す親の気持ちが分からない。「戦争の実態を伝えるために作家になった」城山三郎さんはきっと怒り心頭だと思う。《日本は先の戦争で、ほとんどすべてを失ってしまった。唯一、得られたのは、憲法九条だけだ》《平和憲法こそ生き残る者の夢であり、守ることが使命だ》と言い続けてきた城山三郎さんだから。

 「20XX年、再び戦争が始まった…。2016年、アベ様のあのトンデモ「壊憲」草案が現実のものになり、坂を転げるように、戦争できる国へ…。その時、ジャーナリズムは死に絶え、アベ様の広報機関となり、…。唯一引き返す最後のチャンスは2016年の参院選だった。救世主など必要なく、50%の「眠り猫」が目覚め、ネジレを取り返すことさえできていれば…」。

 「壊憲」という刃を隠すアベノサギに騙されてはいけないのです。三度も騙されてはいけない、「悪夢」から目覚めて下さい!!

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●争点は「壊憲」: 「ドアホノミクス」の頓挫を認めては?…座礁したアベドアホノ丸・船長の虚しき言い訳

2016年06月08日 00時00分11秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016060202000140.html)と、
社説【7月10日参院選へ 「安倍政治」こそ争点だ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016060202000141.html)。

   『●『最後に思わずYESと言わせる最強の交渉術』を
              持つ人達は反省してくれるでしょうか?

   『●「俺様王国」ニッポン、
      「俺様王国」大阪「ト」を造りたい強権的政治手法好きな二人

   『●大阪「ト」構想のその後……元「ト」知事がアベ様へ
        「”うそ”を駆使して「相手を丸め込」む方法」伝授?


 《絶対にやると言っていた約束を一方的に破る場合の対応である…講師によると、まずは絶対に「約束を破った」と認めてはならないという。約束を破るのではなく、新しい判断とか、異なる判断をすると言い換える。なるほど間違いを認めなければ、謝る必要もない》

 座礁したアベドアホノ丸・船長の虚しき言い訳…盟友・橋下徹元大阪「ト」知事とどこか似ている。やはり、2016年7月参議院選、自公お維大地に投票してはいけない。「ネジレ」を意地でも取り戻さないと。


 《第三次安倍内閣にとって初の国政選挙は「安倍政治」こそ争点だ》。

 誰の目にも明らかな「ドアホノミクス」(©浜矩子さん)や辺野古破壊、狂気の核発電推進、明確な公約違反の消費税増税問題・「TPP断固反対」、「知る権利」や「報道の自由」の破壊、自民党議員の数々の不祥事などは、自公が認めるかどうかに関係なく、来る参院選の争点の「そ」の字にもならない。明確な失敗した悪政、それらを認める論理などない。
 争点は明確。クーデターや違法な手法での壊憲こそが争点。平和憲法の破壊を認め、戦争国家・死の商人になることを良しとするかどうか、親として子を「人殺し」に行かせることを是とするかどうか、それが明確な争点。せめて、参院選で投票すべきでない議員たちは明確なはず。

   『●「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた
              国の不作為」…『ビキニ事件』は終わっていない
   『●ナトリウムを取り扱う技術を持つ日本原子力研究開発機構
                 …ナトリウムを使う原子炉の解体技術は?
   『●「日本政府による命の二重基準」にウンザリ:
      「日米両政府の空虚な言葉」は不要、基地撤去が抜本対策
   『●「核兵器のない世界」か?、「核廃絶」「核なき世界」か?
   『●オバマ氏の広島訪問さえも単なる選挙対策…
       自民党は「口だけ」、選挙で同じ過ちを繰り返してはいけない
   『●なぜマスコミや与党・癒党、民進党はバカ騒ぎしないのか?  
                       口利きの御返し・甘い利はOK?
   『●無意味な、裏切りのイセシマサミット:
     「ヒロシマ、ナガサキとフクシマは絶えず伝えている」というのに
   『●オバマ大統領の米国、「核なき世界」にはほど遠く、
         「核兵器のない世界」を唱えつつその現実は?
   『●「今、声を上げなければ」!: 「戦争の実態を
      伝えるために作家になった」城山三郎さんはきっと怒り心頭
   『●異常過ぎる非情な自己責任論者達…安田純平さんの
        「罪は、人々が『お上』と呼ぶ政府に反抗したこと」?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2016060202000140.html

【コラム】
筆洗
2016年6月2日

 昨日の夕方に<自分が悪い場合でも謝らなくても済む方法>というテレビ番組の放送があると聞いて、首を長くしてその時間を待った▼失敗しない人間はいない。それでも謝らなくてもよいとは何とも魅力的な番組ではないか。会社でつまらぬミスをしては上司に叱責(しっせき)される。家庭において生ごみを出し忘れ、妻にうんざりされる。この技術を覚えれば、謝る日々とはおさらばである▼こんな場合を例にその方法を教えていた。絶対にやると言っていた約束を一方的に破る場合の対応である。耳を疑った。そんな場合に謝らないで済む方法などあるはずがない▼ところがである。その方法はあった。講師によると、まずは絶対に「約束を破った」と認めてはならないという。約束を破るのではなく新しい判断とか、異なる判断をすると言い換える。なるほど間違いを認めなければ、謝る必要もない▼もし約束を守れば、世界の破滅が待っていると恐怖を煽(あお)るのも相手を納得させる効果があるそうだ。世界のリーダーや立派な学者も自分を支持していと加えることもお忘れなく。決めぜりふはどっちが正しいか、町の意見を聞いてみよう。これで、そもそも約束を破ったという事実を完全にけむに巻ける。謝らずに済む▼素晴らしい技術である。自信にあふれた講師の顔がわが国の首相に似ていた気がするが、見間違いであろう。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016060202000141.html

【社説】
7月10日参院選へ 「安倍政治」こそ争点だ
2016年6月2日

 消費税率の引き上げ再延期にばかり気を取られてはいられない。七月十日の参院選。第三次安倍内閣にとって初の国政選挙は「安倍政治」こそ争点だ。

 通常国会がきのう閉会し、安倍晋三首相は記者会見で、来年四月に予定されていた消費税率10%への引き上げを二〇一九年十月まで二年半、再び延期することを正式に表明した。

 逆進性が高い消費税の増税を見送ること自体は妥当ではある。

 しかし、首相は増税見送りの根拠を途上国経済の減速など世界経済のリスクに求めているが、無理があるのではないか。


経済「失政」を認めよ

 消費税率は一四年四月に5%から8%に引き上げられた後、一五年十月には10%に二段階で引き上げられることが決まっていたが、首相は予定通り10%に増税すればデフレ脱却が危うくなるとして、再増税の時期を一七年四月に一年半延期する方針を決め、衆院解散・総選挙で国民に信を問うた

 そのとき語っていたのは「(増税を)再び延期することはない。はっきりと断言する。一七年四月の引き上げは確実に実施する。三年間『三本の矢』をさらに前に進めることで、必ずやその(増税を実施する)経済状況をつくり出すことができる」との決意である。

 しかし、結果として、経済成長を重視する首相の経済政策「アベノミクス」では、増税に耐え得る経済状況をつくり出すことはできなかった格差を拡大し、個人消費を低迷させているからだ。

 首相が指摘した世界経済のリスクは、主要国首脳の共通認識とは言えまい。増税延期の根拠とするのは筋違いだろう。

 衆院解散にまで踏み切った「再び延期しない」との約束を違(たが)えるのなら、アベノミクスの誤りを認めることが先決ではないのか。


◆憲法改正の分水嶺に

 首相は会見で「アベノミクスを加速させるのか、後戻りさせるのか」と、経済政策を参院選の最大争点と位置付け、改選議席の過半数獲得を目指すと強調した。

 政権選択選挙とされる衆院選に対し、参院選は政権への中間評価を問う選挙と位置付けられる。

 七月の参院選は、一四年の衆院選を経て発足した第三次安倍内閣には補選を除けば初の国政選挙。失政と批判されるアベノミクスのみならず、他国同士の戦争に加わる集団的自衛権を行使するための安全保障関連法を成立させた強権的な政治手法など「安倍政治」全体の是非が問われるべきだ。

 加えて見過ごせないのは、七月の参院選が憲法改正に道を開くか否かの分水嶺(ぶんすいれい)となり得ることだ。

 衆参同日選挙が見送られたことで自民、公明の与党は衆院で引き続き三分の二以上の議席を維持。七月の参院選で自公両党と「改憲派」とされるおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党が三年前の前回参院選並みの議席を得れば参院でも三分の二以上の議席を確保し、衆参両院で憲法改正の発議に必要な議席に達する。

 首相は一八年九月までの自民党総裁の在任中に憲法改正を成し遂げたい、と明言したことがある。

 どの条文を改正するのか、各党の意見は一致してはいないが、自公両党と改憲派が参院でも三分の二以上に達すれば、現実的な政治課題に浮上するのは間違いない。

 参院選は、政権の中間評価以上に憲法改正に道を開いて「国のかたち」を変えるのか否かを国民に問い掛ける重要な選挙でもあることを、肝に銘じたい。

 民進、共産、社民、生活の野党四党は、選挙戦の行方を左右する三十二の「改選一人区」のすべてで候補者一本化を実現した。

 野党がバラバラに候補者を擁立して戦った前回参院選では、自民党は一人区で二十九勝二敗と圧勝した。批判票が割れて、自民党が「漁夫の利」を得たからだ。

 「自民一強」を変え、安倍首相の下での憲法改正を阻むには、野党の結束が重要だ。政権側は「理念も政策もバラバラ」と批判するが、憲法違反と指摘される安保関連法の廃止や立憲主義の回復は、共闘の大義としては十分だろう。


◆若者の声生かしたい

 七月の参院選は、十八、十九歳の約二百四十万人が有権者に加わる初の国政選挙となる。

 高齢者層は若年層よりも投票率が高く、政治に対する影響力は大きい。年金、介護、医療など高齢者向けの支出は増え、教育や子育てなど若年層に必要な予算は抑制される傾向にある。

 この状況を変えるには、全国民の代表たる国会議員が若者の声を政治に生かすのは当然だが、若者の側も積極的に意思表示することが必要だ。棄権せず、投票所に足を運んでほしい。若者の声が反映されるようになれば、政治はきっと変わるはずだ。
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●アベ王国の「一億総弓矢化社会」、その矢で一体何人の子どもたちを刺し貫くつもりか?

2015年10月27日 00時00分35秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015101902000132.html)。


 《デフレ脱却と持続的な経済成長を狙って放った「三本の矢」の的中も定かではないのに、今度は出生率の上昇などを的にした「新三本の矢」を放つという…▼子どもは国家に捧げる弓矢にあらず。政権が掲げる「一億総活躍社会」は、担当大臣自身が活躍できるかどうかも分からぬ奇妙な旗印だが、「一億総弓矢化社会」は願い下げである》。

 《一億総弓矢化社会》の「旧三本の矢」は一体どうなったのか? 「折れた旧「三本の矢」とやらはどこに行ったのか? 首相官邸のゴミ箱の中か? 100万歩譲って、せめて、国民にそのゴミ箱の中身を見せ、処理・処分してからの「夢物語」ではないのか。「夢」は寝てから言ってくれ、ただし、「悪夢」は御免だ」
 「ピーターパン症候群」のアベ様らが語る途方もない「夢物語」では、「新三本の矢」の一つは子どもらを刺し貫くつもりらしい。「タマ除けを産めよ殖やせよ勲章をやろう」(鶴彬さん)、弓矢で一体何人の子どもらを刺し貫くつもりか?


   『●「弱者に厳しく、強者に優しい」ドアホノミクスは
       「一番大切なものをないがしろにしているのです」
   『●「ピーターパン症候群」のアベ様が語る途方もない「夢物語」
                      ~「息吐く様に嘘つく」「ボンクラ」~

   『●いろんな意味で疲れます・・・住民基本台帳活用と
          アイドルによる「番宣」で「果てしない夢」へGO!

   『●血税と赤紙と・・・「主権者である天皇に
     徴兵制に基づき血を納めた」。そして、いま、アベ国王へ血税が
   『●子供たちと赤紙: 「学校保護宣言」に調印しない戦争好き、 
                      侵略戦争マニアな国々はどこ??
   『●「18歳選挙権」にさえ無関心?:  
      血税と赤紙と、そして、(経済的)徴兵制への第一歩か?
   『●「女性が輝く社会」の「女性を愚弄した発言」…
      「タマ除けを産めよ殖やせよ勲章をやろう」(鶴彬さん)

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015101902000132.html

【コラム】
筆洗
2015年10月19日

 「初心の人、二つの矢を持つ事なかれ」とは、『徒然草』に兼好法師が記した、弓の師のいましめである▼最初から二本の矢を持っては、まだ後があるからと、一の矢を射る心に油断が生じてしまう。「毎度ただ得失なく、この一矢に定むべし」と師が諭すように、ただ一本の矢に集中する心構えがあってこそ、事は成るとの教えだ▼さて安倍首相の弓を持つ姿勢は、いかがなものだろうか。デフレ脱却と持続的な経済成長を狙って放った「三本の矢」の的中も定かではないのに、今度は出生率の上昇などを的にした「新三本の矢」を放つという▼一九六〇年の安保闘争で岸内閣が退陣したのを受け、首相の座に就いた池田勇人氏は経済政策を前面に打ち出し、「所得倍増計画」を掲げたが、安保法制を仕上げた安倍さんは、矢の数を三本から六本に一挙に倍増させるのだから、「弓矢倍増計画」か▼子どもを産み育てやすい環境づくりに力を注ぐのは、まことに結構なことだ。しかし官房長官が口にした「ママさんたちが、子どもを産みたいという形で国家に貢献してくれればいいなと思っている」との言葉に、強い違和感を覚えた人は多かろう▼子どもは国家に捧げる弓矢にあらず。政権が掲げる「一億総活躍社会」は、担当大臣自身が活躍できるかどうかも分からぬ奇妙な旗印だが、「一億総弓矢化社会」は願い下げである。
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●「弱者に厳しく、強者に優しい」ドアホノミクスは「一番大切なものをないがしろにしているのです」

2015年01月07日 00時00分33秒 | Weblog


東京新聞の社説【年のはじめに考える 真の強者は弱者に優しい】(
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015010402000123.html)。

 「◆方向違いの三本の矢 翻ってアベノミクスです。なぜ行き詰まり、格差拡大などの問題が生じているのでしょうか・・・・・・大切なのは、社員とその家族ら企業に関わるすべての人の幸せづくり・・・・・・アベノミクスは一番大切なものをないがしろにしているのです」

   『●所得再分配機能が破壊: 「眠り猫」はアベ様を「支持」することで自分の首を絞めている

 「病名は「再分配機能の不全」」なり。「弱者に厳しく強者に優しい」ドアホノミクス(©浜矩子さん)は「一番大切なものをないがしろにしている」。

   『●「資本主義に絶望せよ!? ピケティ」
       『週刊金曜日』(1021号)についてのつぶやき


 「大切なのは、社員とその家族ら企業に関わるすべての人の幸せづくり」・・・・・・それを見失っては「未来」は無いでしょう。

   ●働くとは何か? 生業とは?
   『●「報われない国」の労働環境の「質」の劣化

    「人を大事にする経営で知られる岐阜県の未来工業(電気・ガス設備
     資材)は、全員が正社員で定年も七十歳。昭和四十年の創業以来、
     赤字はなく、社員約八百人の平均年収は六百二十万円(四十三歳)。
     好業績は社員の提案に基づく商品開発力にあるという。かつてと違い、
     大手企業からヒット商品が生まれないのも人件費削減に躍起な経営と
     無縁ではあるまい。/ところが安倍政権は「世界一企業が活動しやすい国」を
     掲げ、解雇しやすい正社員といわれる「限定正社員」など雇用流動
     力を入れる。派遣労働についても規制緩和を一段と進める方針である」


   ●「資本主義の狂気」 『週刊金曜日』
          (12月13日、972号)についてのつぶやき
   『●「報われない国」のこんな労働環境質の悪い中での希望の光
   『●「優しくすれば、社員もここを守りたいと働いてくれる」:
                未来工業の創業者のお一人が亡くなる
   『●「政策をカネで買う」経団連の企業行動憲章には
          「従業員のゆとりと豊かさを実現する」と謳っている
   『●「非正規労働者2000万人時代」
       『週刊金曜日』(2014年11月21日、1017号)について

    「■⑦『週刊金曜日』(2014年11月21日、1017号) / 東海林智氏
     【「正社員ゼロ」「残業代ゼロ」 労働の商品化が加速する 「派遣村」から
     6年、「人間の尊厳」を奪う安倍政権】、「短期化、流動化する雇用・・
     安倍政権・・働く者の尊厳を大事にするという発想が決定的に
     欠けている」。未来工業城南信金経団連
     (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/793d40802e3c432fc29f0b21c17b62db)」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015010402000123.html

【社説】
年のはじめに考える 真の強者は弱者に優しい
2015年1月4日

 アベノミクス「再起動」の年となります。デフレからインフレへの転換を目指すも行き詰まり、むしろ弊害が目立ちます。根底から軌道修正すべきです。

 昨年末、日本のあるビジネス書が日本と中国で同時出版という珍しいケースがありました。もっとも翻訳作業の関係で中国での出版は少し遅れていますが。

 タイトルは「逆風を追い風に変えた企業」。副題に「元気印中小企業のターニングポイント」とあります。円高や構造不況などさまざまな逆境を乗り越えた中小企業十七社の成功例を示していて、そのポイントも分析しています。


◆読まれる徳の経営書

 「中国側からの執筆依頼がきっかけです。それだけ中国企業の多くがターニングポイント(曲がり角)にあるということです」

 著者を代表する法政大学大学院の坂本光司教授が語ります。すでに中国でも二冊の著書が出版され、その「人を大切にする経営哲学」は経済成長にまい進する隣国でもよく知られているのです。

 以前にも坂本教授のもとには、北京からこんな話がありました。

 中国のシンクタンクに勤める女性からの訴えです。「日本に追いつき追い越せと中国の企業は、この数十年がむしゃらに頑張ってきました。確かに国内総生産(GDP)は増えましたが、企業や地域社会からはぬくもりが消え、まるで砂漠のようになってしまいました。幸せになりたいから頑張ってきたのに、やたらギスギスしているのです」。そして中国の経営者組織向けの講演を依頼したのです。

 米国をもしのぎ世界一の経済大国になるであろう中国ですが、経済発展とは裏腹に貧富の格差や都市と農村の落差は同じ国とは思えないほど行き過ぎた成長至上主義、拝金主義ゆえのひずみが国を蝕(むしば)んでいる。反動から日本の徳を勧める経営書が読まれ、代表例は京セラ創業者で日本航空の再建を率いた稲盛和夫氏の著書です。


方向違いの三本の矢

 翻ってアベノミクスです。なぜ行き詰まり、格差拡大などの問題が生じているのでしょうか。

 まず日銀が国債を買いまくって金利を下げる異次元緩和です。金利が異常な低水準になっても企業の投資や生産は伸びません。消費が冷え込んだまま、需要が盛り上がらないのだから当然です。

 よってデフレ脱却も怪しい。想定したシナリオはこうでした。日銀が「二年で2%の物価上昇を実現する」と約束して緩和すれば、物価が上がるとの予想が広がり、そうなる前にと消費や投資が誘発され、物価が上昇する、と。

 しかし、その通りに進みません。日銀の物価上昇目標は消費税増税による分(約2%)を除きます。すると上昇率は1%にも達しない。一方、賃金上昇は物価上昇より低く、消費は誘発されません

 四月で「約束の二年」です。急激な原油安が物価を押し下げた面もあり、物価上昇率や時期の目標を柔軟に修正すべきでしょう。

 次に機動的な財政出動。公共事業を急増させるも建設現場の人手不足や資材高騰で消化不良に陥りました。公共事業が民間から仕事を奪う弊害も指摘されます。そもそも財政は危機的状況だから大盤振る舞いは続けるべきでない。

 最後に成長戦略。この哲学にこそ問題があります。「企業が世界で一番活動しやすい国」といって経営者寄りの、目先の利益しか考えないような政策ばかりです。一時的に株価が上昇しても長続きはしない。

 日本経済にとって必要なのは消費を支え経済社会に安定をもたらす中間層の存在です。勝ち組と負け組をつくり、二極化する分断社会ではありません。

 アベノミクスに最も欠けている視座は、弱者への配慮であり、再分配政策など格差を縮める努力です。真の強者は弱者に優しい弱者に冷たいのは、ただの弱い者いじめでしかないのです。

 世界のトップクラスになった韓国サムスン電子。その幹部はわざわざソウルから坂本教授の自宅を訪ねてきたそうです。「かつて世界の羨望(せんぼう)の的であり、我々の目標でもあった日本の著名企業はなぜつまずいたのか、そうならないためにどうすればいいでしょうか」と危機感いっぱいに尋ねました。


◆一番大切なものとは

 対する答えは、こうでした。
 「大切にすべきことをないがしろにすると組織は必ずおかしくなる。一番大切なのは業績でもシェアでもない。それらは経営の結果としての現象です。大切なのは、社員とその家族ら企業に関わるすべての人の幸せづくり。ご指摘の企業は、残念ながらその視点がいつの間にか欠落してしまったのではないでしょうか」

 アベノミクスは一番大切なものをないがしろにしているのです
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●壊憲、原発推進、平成の治安維持法、TPP、高江・辺野古、カネ、ダーク・・・「アベ様政治」全体が争点

2014年11月21日 00時00分35秒 | Weblog


asahi.comの2つの記事『安倍首相、21日の衆院解散表明 消費増税は先送り』(http://www.asahi.com/articles/ASGCL5TPMGCLUTFK00W.html?iref=comtop_6_04)、
asahi.comの記事【(政治断簡)選挙は社会を考える機会のはず』(http://www.asahi.com/articles/ASGCG4FDKGCGULZU00G.html?iref=comtop_list_pol_n01)。
nikkan-gendaiの記事【政権復帰でやりたい放題 総選挙でサヨナラ「原発推進議員」】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/155003)。
最後に、東京新聞の社説【衆院21日解散へ 「安倍政治」問う機会に】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014111902000130.html)と、
コラム 『筆洗』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014112002000140.html)。

 「首相は争点として、増税先送り判断の是非と自らの経済政策アベノミクスへの評価をあげた」、「消費税再増税の先送り決断の是非にとどまらず、二年間にわたる「安倍政治」を問う機会としたい」・・・・・・。
 消費税やドアホノミクス「だけ」が争点ではなく、「アベ様の政治」全体が争点。壊憲原発推進平成の治安維持法TPP高江辺野古カネダーク・・・・・・こんな自公政権を支持しちゃダメでしょ! 消費税ドアホノミクス「だけ」が争点ではなく、「アベ様の政治」全体が争点。しかも、アベ様の決まり文句「国民には丁寧に説明をしていく」を実行したためしはありません。

   『●アベ様の決まり文句「国民には丁寧に説明をしていく」、
                          でも、そうしたタメシはなし


 「だって、安倍晋三首相が意欲を燃やしているのは、集団的自衛権に関する法整備や憲法改正じゃないの? 民意を問うならそっちだろう・・・・・・もしもそれを狙っているのであれば、ずるい」・・・・・・。
 消費税増税は既定路線と言わんばかりのところが「朝日新聞」らしいけれども、アベ様が「消費税増税」問題に「矮小化」しているのは確か。・・・・・・「ずるい」のは、アベ様は昔からそうです。そして、おまけに「ダーク」。

   『●「暴力団人脈」による「ダーティな政治手法」!?
               またしても、アベ様、ダークすぎます


 「特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、TPP(環太平洋経済連携協定)協議への参加、消費税増税…。安倍政権が世論を無視して強引に推し進めた愚策はキリがない争点はハッキリしている国民を蹂躙し続ける安倍自民をこのまま許すのか――ということだ。中でも絶対「落選」させないとダメなのが原発議員のメンメンだ」・・・・・・。
 誰の眼にも、アベ様は消費税増税に「矮小化」しようとしているのはミエミエで、壊憲や原発推進、辺野古問題等々から目を逸らせる狙いだ。

 一方、消費税大好き朝日新聞らしい。『朝日』の記事は、「「騎馬戦型社会」で、やがて「肩車型社会」に」・・・・・・は分かるが、それを回避する方法が、なぜ、消費税及び消費税再増税なのかサッパリわからん。朝日新聞は、解決策を消費税およびその増税に「矮小化」している。

 もう一つ興味深い記事:  『予想外数値に“演出”の声も GDPショック「仕掛けられた罠」』(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/155063)。この記事によると、

   「民間予測をはるかに下回る数値に、永田町界隈では「年率マイナス
    1.6%は、安倍政権の“演出”じゃないの」と不穏な噂も飛び交って
    ・・・・・・GDPショックで自己チュー解散のおぜん立てが整ったわけですが、
    あくまで、正確性に欠ける1次速報です。来月8日に2次速報が発表
    されますが、そこで上方修正されれば、株価も上昇するでしょうし、
    14日に予定されている投票前に有権者にアピールできます。
    『安倍政権はそれを狙っているんじゃないか』なんてうがった見方を
    する市場関係者も少なくありません・・・・・・安倍首相が昨年秋に
    消費税8%を決めた時を見ても分かる。4-6月期の1次速報は
    2.6%2次速報で3.8%に上方修正され、景気回復を演出して
    消費増税が決定された。その後発表された改定値は1.1%と、
    半分以下まで凋落。“かさ上げ”したことは明々白々」・・・・・・

というもの。消費税やドアホノミクス「だけ」が争点ではないし、その消費税論議でさえ「悪巧み」していたわけだ。しかも、既に、前回の8%増税時は“かさ上げ”という「悪巧み」をしていた模様。

 「クラーク先生のいう「大志」はカネや名声、ましてや選挙とは関係ないが、いくら何でも「大志」のない話である。安倍首相が十二月総選挙の勝敗ラインを自民と公明両党で過半数維持と掲げた▼もちろん謙虚さや野党に対する敬意ではない。大風呂敷の政治家がこと選挙に限って「小志」になるのは達成できなかった時への予防である・・・・・・悪知恵におやつは当分抜きとなる」・・・・・・。
 さて、最後に、アベ様のなんという大志の低さ! でも、絶対に過半数さえも許してはいけないでしょう。選挙に行かないなんて、自公政権を支持したに等しい

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http://www.asahi.com/articles/ASGCL5TPMGCLUTFK00W.html?iref=comtop_6_04

安倍首相、21日の衆院解散表明 消費増税は先送り
2014年11月18日21時09分

 安倍晋三首相は18日夜、首相官邸で記者会見し、来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げを1年半先送りし、21日に衆院解散に踏み切る意向を表明した。衆院選は12月2日公示、14日投開票の日程となる。首相は争点として、増税先送り判断の是非と自らの経済政策アベノミクスへの評価をあげた。

 首相は消費増税先送りに伴って解散・総選挙を行う理由について、「税制こそ議会制民主主義と言っても良い。その税制において大きな変更を行う以上、国民に信を問うべきであると考えた」と述べた。

 消費増税法には、景気が想定以上に悪くなれば増税を先送りしたり、とりやめたりできる「景気条項」がある。首相はこの条項に基づいて先送りを決めたとし、「7~9月のGDP(国内総生産)速報によれば、個人消費は1年前に比べ2%以上減少した。来年10月から引き上げることは個人消費を再び押し下げ、デフレ脱却も危うくなると判断した」と述べ、「再び延期することはない。そう断言する」と強調した。

・・・・・・・・・。
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http://www.asahi.com/articles/ASGCG4FDKGCGULZU00G.html?iref=comtop_list_pol_n01

(政治断簡)選挙は社会を考える機会のはず
2014年11月17日05時41分

■政治断簡 編集委員・松下秀雄

 キツネにつままれたような感じがする。

 だって、安倍晋三首相が意欲を燃やしているのは、集団的自衛権に関する法整備や憲法改正じゃないの? 民意を問うならそっちだろう。集団的自衛権行使を認める閣議決定の前後に衆院を解散すれば、争点は明確になったはずだ

 でも、そこでは踏み切らなかった。首相がどう説明するかはわからないが、消費増税を先送りして解散すると騒がれている。

 だれだって、増税をせずにすむならその方がいい。

 「本音ではみんなやりたくないことで民意を問い、やらないと訴えて選挙を勝ちぬく。その数の力で、意見が分かれる問題で「自分がやりたいこと」を通す

 もしもそれを狙っているのであれば、ずるい

 というと、政治のプロから「子どものようなことを!」と笑われるかもしれない。

 きみきみ、選挙のゆくえを決めるのは「暮らし」だよ。アベノミクスや増税先送りで暮らし向きがよくなれば、有権者は歓迎する。ほかの問題で多少の批判を浴びても、政権はひっくり返らない。それが政治の現実だろう――。

 たぶんその通りだ。でもこの発想は「えさを与えれば喜ぶ」に似て、人への軽蔑が含まれている

 書生論に戻る。選挙は民主主義の一部品でしかない。民主主義の本体は、一人ひとりが社会のあり方を考えること。その機会になりうるから、選挙はとりわけ大切なのだ

 野田佳彦前首相は消費増税を決めて選挙に敗れた。しかし、問いかけは重かった。

 好んだのはこんな説明だ。

 日本はかつて、多くの現役世代で1人のお年寄りを支える「胴上げ型社会」だった。今や3人で1人を支える「騎馬戦型社会」で、やがて「肩車型社会」になる。だからお年寄りを支える費用を、お年寄りを含む全世代で負担しなければならない。支える側の若い世代を支援する財源も要る――。

 ただ、いま振り返ればこの説明はどこか「上から目線」だ。社会と同時に、それぞれの家族も「肩車」化することに目配りが足りなかった。

 昔は兄弟姉妹で老親を支えられた。だがいずれ一人で一人を支えるようになる。介護などで仕事を諦め、食い詰める。すでにそうなっている人、その不安にかられている人にとって負担増は厳しい。

 「肩車」になるから増税と言われても、家族の立場からみれば、だから払えない。増税への反発は当然だ。

 でも、よく考えよう。

 「肩車型家族」にこそ社会の支えが要る。ふだんは多く負担する代わり、介護などの問題を抱えた時にしっかり支えてもらう。それぞれの事情に応じて働き方や働く時間を選べる。そんな社会にしないと、肩車はつぶれかねない。

 家族の変化にあわせて、どうやって社会で支えあうか。正面から論ずるなら、消費増税を問う意味は大きい。

 なのに「先送り」の是非?

 それで私たちに、何を考えよというのだろうか。
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/155003

政権復帰でやりたい放題 総選挙でサヨナラ「原発推進議員
2014年11月16日

     (細川博之会長を筆頭に疑惑大臣、うちわ前大臣も/(C)日刊ゲンダイ)

細川博之会長を筆頭に疑惑大臣、うちわ前大臣も/(C)日刊ゲンダイ

[↑ブログ主注: すいませんが、勝手にコピペさせて頂いております
http://static.nikkan-gendai.com/img/article/000/155/003/0301a3567300bf12797b419c3131f28c20141115141617442_262_262.jpg)]

 国民のドッチラケムードとは正反対に、永田町は解散・総選挙に向かって突っ走り始めた。安倍自民は選挙の争点を「増税先送り」「アベノミクスの成否」なんて言っているが冗談じゃない

 特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、TPP(環太平洋経済連携協定)協議への参加、消費税増税…。安倍政権が世論を無視して強引に推し進めた愚策はキリがない。争点はハッキリしている。国民を蹂躙し続ける安倍自民をこのまま許すのか――ということだ。中でも絶対「落選」させないとダメなのが原発議員のメンメンだ。

 福島原発事故を受けて急激に国民の間で高まった「脱原発」の動き。前回(2012年)の総選挙で争点に浮上したが、「脱原発」候補が乱立。全300小選挙区のうち、自民候補者と3党以上の脱原発候補者が争った「乱立区」は約7割の220区に上った。その結果、「脱原発票」は分散し、組織票を持つ自民候補を当選させることになったのである。

 選挙では原発政策について「電源構成のベストミックスを確立する」なんてボカしていた自民は政権に返り咲いた途端、やりたい放題。「日本の原発は世界一厳しい基準がある」と大ボラを吹き、全国の原発再稼働に向けてまっしぐらだ。旗振り役となっているのは、昨年5月に発足した自民党の「電力安定供給推進議員連盟」(細田博之会長)だ。


■自民で衆参約140人

   「原発の早期再稼働や審査の迅速化などを繰り返し政府に
    働きかけている議連で、衆参で約140人が参加しています。
    今年2月の都知事選では、脱原発に目覚めた小泉元首相が
    細川元首相の応援演説で<核のゴミは捨て場がない>と
    訴えていたことに対し、すぐに<使用済み燃料は容量が
    小さいから大丈夫>という内容のリポートで反論しました」
    (経済ジャーナリスト)

 そんな「原発議員」は別表の通り。「政治とカネ」問題が発覚した江渡聡徳防衛相や、うちわ問題で辞任に追い込まれた松島みどり前法務相のほか、選挙区に原発を抱えていたり、パーティー券を購入してもらったりしている電力会社とズブズブ関係の議員ばかりだ。総選挙でも「脱原発なんてコワくない」と高をくくっているのだろうが、対立候補の一本化が進めばどう転ぶか分からない。脱原発活動などを支援している「脱原発政治連盟(緑茶会)」の竹村英明代表はこう言う。

   「脱原発支持の裾野は確実に広がっています。あとは有権者が
    選挙で投票行動に移せばいい。民主党が躍進した前々回(09年)
    から前回(12年)の総選挙は約1000万人の有権者が
    棄権しましたが、棄権は原発推進議員を増やすだけ。原発候補を
    落選させるためには、少しぐらい未熟でも対立候補に一票を
    投じるべきです。そうすれば日本の原発政策は必ず変わります」

 いよいよ原発議員にトドメを刺す時だ
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014111902000130.html

【社説】
衆院21日解散へ 「安倍政治」問う機会に
2014年11月19日

 安倍晋三首相が衆院を解散することを表明した。消費税再増税の先送り決断の是非にとどまらず、二年間にわたる「安倍政治」を問う機会としたい。

 二〇〇五年、郵政民営化を掲げて衆院を解散、圧勝した小泉純一郎元首相を意識したのだろうか。

 安倍首相がきのう夜、首相官邸で記者会見し、一五年十月に予定されていた消費税率の10%への再増税を一七年四月に延期することを決断し、衆院を二十一日に解散すると表明した。

 総選挙は十二月二日公示、十四日投開票の日程で行われる。


◆増税先送りを大義に

 税は民主主義の根幹だ。首相の「重い決断をする以上、速やかに国民に信を問うべきだ」との説明も理解できなくはない。

 ただ今回は増税ではなく増税先送りの決断だ。消費税増税を決めた当事者である民主党も先送りに賛成で、あえて国民に是か非かを問うにしては切迫性は乏しい

 政治空白をつくるべきでないとの主張にも一定の説得力はある。

 とすれば、首相がこの時期に解散する理由は、むしろ別にあると考えた方がいいのではないか。

 九月の内閣改造で入閣した小渕優子前経済産業相と松島みどり前法相が有権者への利益供与疑惑で同じ日に引責辞任した。ほかにも閣僚の政治資金問題が取り沙汰され、内閣支持率は下落傾向だ。

 来年以降、集団的自衛権の行使容認を受けた安全保障法制整備や原発再稼働など、国民の反発が必至の課題が続く。さらなる支持率低下は避けられまい

 その一方、野党側は選挙態勢を十分整えているとは言い難い。

 自民党にとって年内解散の方が議席減を最小限にとどめられる。与党で過半数を維持すれば来年九月の自民党総裁選での再選、政権延命を確実にできる-首相側はそう考えたのだろう。


格差拡大は経済失政

 増税先送りという「解散の大義」は政権側の言い分にすぎない。私たち有権者は大義に惑わされず、二年にわたる安倍政治を冷静に検証し、貴重な一票を投じたい。

 まずは、経済政策である。

 消費税再増税の先送りは当然としても、そもそも首相の経済政策「アベノミクス」の内側に誤りがあったのではないか。それを継続するか否かは大きな争点だ。

 経営者寄りの政策は企業や富裕層を富ませたが、雇用者の平均年収や正規雇用者数は減り続け、経済格差は拡大している。

 経済弱者に冷たい雇用、社会保障政策も、消費活動を支える中間層を細らせた。個人消費に支えられる国内総生産(GDP)が落ち込むのは当然だ。消費税増税後の反動減対策である五・五兆円の経済対策の効果も十分でなかった。

 経済だけではない。

 安倍内閣の二年間を振り返ると特定秘密保護法の成立強行や原発再稼働の推進、歴代内閣が積み重ねてきた憲法解釈を、一内閣の判断で変えた集団的自衛権の行使容認などが、やはり思い浮かぶ。

 いずれも国民の反対意見を顧みず、強権的手法で推し進めたものばかりだ。

 その一方、国民と約束した「身を切る改革」は手付かずだ。

 私たちは、国民代表である国会議員の安易な削減には反対だが、年間三百二十億円の政党交付金や議員一人当たり年間千二百万円が支給される文書通信交通滞在費など、削れる部分はあったはずだ

 国会に加えて、行政改革や歳出削減など政府の「身を切る改革」にも、首相は指導力を発揮したと胸を張って言えるだろうか。

 今開かれている臨時国会はどうだろう。

 地方創生と女性の活躍推進が最大の課題と言いながら、女性活躍推進法案は廃案となる見通しだ。

 政権が重要法案と位置付けていたものを棚上げしてまで解散を急ぐのは、政権の成果よりも解散時期を優先させた証左でもある。

 今回の衆院選では、自らの「延命」を優先する首相の政治姿勢も含めて、問われるべきだろう。


すぎる勝敗ライン

 今回の衆院選は過去二回のように、政権交代が現実味を帯びるような世論の盛り上がりは感じられない。その中で、首相は「勝敗ライン」を自民、公明両党での過半数獲得とした。政権維持優先のあまりにも低い設定である。

 そんな政権側の思惑に動じることなく、安倍内閣の二年間をしっかり検証し、各党が掲げる公約と比較検討することが必要だ。

 首相が信を問うとした経済政策はもちろん、私たちの命と暮らしにかかわる社会保障、安全保障や原発政策にも特に注目したい。

 各党の公約を整理・吟味し、有権者の選択に資する判断材料を提供するのは新聞の役割だ。その責任を果たすことが、揺らぐ新聞の信頼を回復する道と信じる。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2014112002000140.html

【コラム】
筆洗
2014年11月20日

 「少年よ、大志を抱け」。北海道大学の前身、札幌農学校のクラーク博士が帰国の際、学生に残した言葉には諸説ある。学生と握手をかわした後、ひらりと馬にまたがり、そう叫んだという状況は共通しているが、内容や趣がどれもやや異なる▼「この老人の如(ごと)く大志を抱け」「人間として当然なすべきことをすべて達成せんと望め」「金、利己、はかなき名声を求める野心を燃やすことなく、人間の本分をなすべく大望を抱け」という説もある。ジョン・エム・マキ著『W・S・クラーク その栄光と挫折』に教わった▼クラーク先生のいう「大志」はカネや名声、ましてや選挙とは関係ないが、いくら何でも「大志」のない話である。安倍首相が十二月総選挙の勝敗ラインを自民と公明両党で過半数維持と掲げた▼もちろん謙虚さや野党に対する敬意ではない。大風呂敷の政治家がこと選挙に限って「小志」になるのは達成できなかった時への予防である▼両党で過半数維持とは現有勢力から九十議席近く減らそうともその身は安泰。「(両党で)過半数を維持できなければ、私は退陣する」と首相は真面目な顔をしていたが、なかなかの演技派である▼前回のテストで満点近い成績をとった子が「明日のテストで五十点を切ったら一生おやつはいらない」と悲壮な顔を浮かべても親は喜ぶまい。悪知恵におやつは当分抜きとなる
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●「ベア」「倍安」「べあ」の本質とは? 大企業さえ潤えばよいという消費税増税

2014年04月04日 00時00分57秒 | Weblog


asahi.comの記事【トヨタ下請け企業「消費増税転嫁難しい」 愛労連調査】(http://www.asahi.com/articles/ASG3D54Z7G3DOIPE013.html?iref=comtop_list_biz_n01)と、
東京新聞の記事【2014春闘 本物の賃上げを目指せ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014031302000163.html)、
最後に、gendai.netの記事【中高年に恩恵なし 春闘「ベアラッシュ」騒ぎのカラクリ】(http://gendai.net/articles/view/news/148678)。

   『●消費税増税: 大企業は「不労所得」を得て、
                    メディアは「火事場泥棒」の助っ人


 「トヨタ自動車の下請け企業は消費増税分の価格転嫁に四苦八苦――。愛知県労働組合総連合(愛労連)がこんな調査結果をまとめた。値下げ要求が厳しいことなどを理由に、回答した企業の約3割は「転嫁できない」と答えた」、「賃上げ実現は望ましいが、あるべき賃金交渉の姿をゆがめていないか。禍根を残さぬよう労使で検証すべきだ」・・・・・・「ベア」「倍安」「べあ」と騒いでいるが、大企業は「不労所得」を得るだけでなく、下請けにシワ寄せ

 しかも、「ベア」「倍安」「べあ」の本質といえば・・・・・・「“ベアラッシュ”だった。ドーカツしてまで企業に賃上げを求めていた安倍政権は“戦果”に大喜びだ。しかし、今回のベアにはカラクリが隠されている。恩恵にあずかることができるサラリーマンは一握り・・・・・・これから中小企業の回答が始まるが、とても期待できそうにない・・・・・・今回のベアは安倍政権の要請に協力した“特例”です。来年以降はまったくの白紙で、<ゼロ回答>に逆戻りでしょう・・・・・・そもそも、労働者の4割に達している非正規にはベアは無関係の話だ。「ベアラッシュ」と騒いでいる大新聞・テレビは、きちんと実態を報じるべきだ」。中小企業、個人事業者、非正規労働者・・・・・・「ベア」様の頭の中には存在しないらしい。大企業さえ潤えばよいという消費税増税の本質が透けて見える。それを支える、「アベ様」のNHKや朝日新聞といったマスメディア。

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http://www.asahi.com/articles/ASG3D54Z7G3DOIPE013.html?iref=comtop_list_biz_n01

トヨタ下請け企業「消費増税転嫁難しい」 愛労連調査
2014年3月13日08時15分

 トヨタ自動車の下請け企業は消費増税分の価格転嫁に四苦八苦――。愛知県労働組合総連合(愛労連)がこんな調査結果をまとめた。値下げ要求が厳しいことなどを理由に、回答した企業の約3割は「転嫁できない」と答えた。

 愛労連は先月中旬から、愛知県豊田市、刈谷市、岡崎市などトヨタの下請け企業の多い地域の自動車部品メーカーや金属加工会社などにアンケートを実施。今月11日までに約150社が回答した。消費増税分を価格転嫁できるかとの問いに、30・3%が「できない(しない)」と回答。「できる」と答えた企業は34・9%にとどまった。転嫁できない理由としては「親企業からの要請がある」が最も多く、5割を超えた。

 トヨタは12日、月2700円のベースアップ(ベア)実施を発表したが、アンケートでは「ベアする余裕があるなら下請けにも恩恵を」「度重なる単価値下げによって社員の賃上げはとてもできない」といった声が寄せられたという。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014031302000163.html

【社説】
2014春闘 本物の賃上げを目指せ
2014年3月13日

 政労使会議や復興特別法人税の前倒し廃止など政府介入が目立った異例の春闘である。賃上げ実現は望ましいが、あるべき賃金交渉の姿をゆがめていないか。禍根を残さぬよう労使で検証すべきだ。

 自動車や電機大手の集中回答で六年ぶりのベア回答が目立った。一時金の満額回答も相次ぎ、久しぶりの「賃上げ春闘」となった。相場形成に影響力がある、これら業種の回答から、後に続く流通などサービス業や中小企業への波及期待も膨らむ。関連企業が多いトヨタが非正規社員の賃上げを決めた意義も大きい

 一見すれば、消費税増税を前にして歓迎すべき流れといえるかもしれない。

 ただ、手放しでは喜べない割り切れなさも残る。今春闘に向けて、政府は経団連連合とともに政労使会議を重ね、賃上げを再三要請した。「賃上げ原資」として復興特別法人税の一年前倒しでの廃止も決めた。さらに賃上げの実施状況について企業名を挙げて公表すると圧力もかけてきた。いわば「官製の賃上げ」なのである。

 アベノミクスで物価を上昇させデフレ脱却を目指す安倍政権は、消費税増税を決めたこともあり、物価ばかり上がって賃金上昇が伴わなければ景気が腰折れしかねないとの危機感があるためだ。

 本来であれば、賃金は労使の協議で決めるのが原則である。しかし、経営側は業績が改善しても株主への還元や内部留保を優先させ、賃上げを後回しにするかたくなな姿勢を続けてきた。一方の労組も、そんな経営側の論理を崩せず、組織率低下など存在感も薄くなった。労使ともに政府介入は望んでいないはずなのに、労使間の議論が深まらないうちに、半ば強引な形で「官製賃上げ」の流れが決まってしまったといえる。

 消費税増税を前に賃上げが欠かせないのは事実である。動かない賃上げの「歯車」を政府が進めたと評価する声もある。だからといって政府が賃金の行方を左右できるとの前例を認めてしまえば、今後も「官製賃下げ」など政府が介入して思いのままに賃金を操作できる余地を残しかねない。今回の春闘の過程を労使で十分に検証し、あしき前例とならないよう賃金交渉の原則をあらためて確認すべきである。

 デフレ脱却の実現には、賃上げを一過性でなく持続させていくこと、何より働き手の大部分を占める中小企業や非正規の底上げが大事であることは言うまでもない。
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http://gendai.net/articles/view/news/148678

中高年に恩恵なし 春闘「ベアラッシュ」騒ぎのカラクリ
2014年3月13日 掲載

 2014年春闘の集中回答日だった12日は、“ベアラッシュ”だった。ドーカツしてまで企業に賃上げを求めていた安倍政権は“戦果”に大喜びだ。しかし、今回のベアにはカラクリが隠されている。恩恵にあずかることができるサラリーマンは一握りしかいない。


■実施はたった16%

 日産は組合要求の月3500円に対して満額回答。トヨタ、ホンダはそれぞれ2700円、2200円で妥結した。日立、パナソニック、東芝、富士通など電機メーカーは2000円、新日鉄住金、三菱重工、IHIなども賃上げに踏み切った。

 この一斉回答を受けて、甘利経財相は「期待以上に経営側が応えてくれた」と大ハシャギ。菅官房長官も「近年にない賃上げが実現しつつある」と胸を張った。

 しかし、今年の春闘、華々しいのは、12日限りになりそうだ。これから中小企業の回答が始まるが、とても期待できそうにない。東証1部、2部の労働組合と人事・労務の責任者にアンケートした財団法人「労務行政研究所」の調査にはビックリだ。担当者が言う。

   「新聞には<賃上げラッシュ>という見出しが躍っていましたが、
    ものすごく違和感を持ちました。われわれの調査では、回答があった
    161社のうち<ベアを実施する>と答えた企業は26社。
    たったの16.1%です。恐らく、きのうの自動車、電機、鉄鋼で
    打ち止めになるでしょう。しかも、久々のベアなのに、ほとんどの企業が
    2000円、3000円と金額自体は小さい。平均すると800円台に
    とどまると試算しています」

 ベアの中身も、野村ホールディングスや大和証券のように全従業員が対象ではなく、20代の若手社員に限定する企業が大半だ。12日ダイハツ工業とスズキも若手の賃金是正分として月800円の賃金改善を実施すると発表した。中高年サラリーマンには恩恵のないケースが多いのだ。


■来年は「ゼロ回答」

 東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏が言う。

   「今回の春闘で賃金が上がるのは限られた人だけです。40~50代だと
    ベアがないケースがある。しかも、円安で利益をあげた一部の大企業が
    中心だから、トータルの賃上げ率は0.2%程度にしかならないでしょう。
    消費増税で3~4%の物価上昇が予想されているのに、これでは
    実質マイナスです。おまけに、ベアは今年だけの可能性が高い。
    今回のベアは安倍政権の要請に協力した“特例”です。来年以降は
    まったくの白紙で、<ゼロ回答>に逆戻りでしょう

 そもそも、労働者の4割に達している非正規にはベアは無関係の話だ。「ベアラッシュ」と騒いでいる大新聞・テレビは、きちんと実態を報じるべきだ
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