仕事の出張でタイに行ってきた。ここ数年度々出張しているのだが今回は首都バンコクに住む旧知の音楽仲間、オームさんとミキさん夫妻の自宅に泊めてもらうことになっていた。二人は前に龍ヶ崎では伝説の『スイートハート』というお店をやっていてお店のライブの日にはよく歌わせてもらっていたものだ。3年ほど前に夫妻でご主人オームさんの母国タイに引っ越してきているのだ。
空港で出迎えてくれた夫妻。
オーム(ここから敬称略)はシンガーソングライターなので手土産代わりに友達から譲ってもらった純日本産タカミネのギターを持参した(後ろに背負っている)。
早速バンコク郊外の自宅に案内してもらってその夜、ライブを演っているレストランバーに行こうということになった。タイではこういった生演奏を聴かせるお店が非常に多い、しかも規模がかなりデカいものもある(何千人収容といった)。
この日訪れたのは 40BAR という100人規模のレストランバーだ。久々に本場タイ料理に舌鼓を打って二人との再会を祝していた。
タワー式ビール。もっとデカいのもあるのだ。
そのうちに二人組による演奏が始まった。一晩に数組出演するようだがここはどうやらアコースティック中心のようだ。タイでよく知られる曲をカヴァーしてお客さんのリクエストにも応える、日本でいう流しに近いスタイルか?もちろん歌はタイ語である。
左リードギター&コーラスと右ギター&ヴォーカル
女のコに人気ありそうなイケメンで甘い声のヴォーカル。
バラード調の曲が多くヴォーカルの彼の声質も甘い感じで耳障りな感じは全く無い。ギターとのバランスも良いが音量はお客さんの会話を遮らない程度に程よく調整されている。1ステージ1時間半ほど演っただろうか、結構長いステージだ、彼らはこれで食っているのだろうか?そんなことが気になっていた。
そんな時、オームが彼らに「日本から唄うたいが来ているから1曲歌わせてやってよ」と言ったようだ、「じゃ、後で・・」と答えたらしい・・・。「おい、ちょっと待て!」とオレはくつろいだ気分もどこかへ吹っ飛んでいった。
そして数分後、オレはギターを抱えステージに上がっていた(結局お調子モンなんだな~)。酔いも手伝い片言のタイ語で自己紹介・・・そしておもむろに歌いだした曲はなんとオリジナル「雨の匂い」・・・。
記念すべきタイでのデビューだ
バリバリのフォーク調の曲じゃ~、本当は「LIVESONG」あたりでバシッとやりたかったがオームの「静かな曲のほうがいいよっ」というアドバイスを聞き入れたのだった。
歌い出したら横のリードギターの彼が即興でリードギターを付けてくれ始めた、ありがとう日タイ交流だね!お客さんも遠巻きながら訳の分からない日本語の歌を珍しそうに聴いてくれていた。拍手もありがとう(コップンカップ!タイ語でありがとう)。
リードギターの彼は気さくな人柄、にこやかに弾いていた。
1曲だけの飛び入りだったがタイのステージで歌うのは初めて。この二人組とも固い握手を交わし、(国は違ってもアーティストは波長が同じなのだ)いい思い出になりました~。
客席を見てみると奥に光る目が・・・
タイだからね、ゾウもいるんだぞう。
この翌日に日本でも大きなニュースになったというタイのクーデターが起こったのだ。街でも軍の兵士があちこちで見受けられた、それでも市民の暮らしには大きな影響はなくオレも無事仕事して夜帰るとオーム宅にて近所の人たちと日タイのギター歌合戦の始末・・・忙しくも楽しい出張の日々を過ごしました、オーム&ミキちゃん、ありがとう!。
そして無事帰国しました。