みなさまへ
昨日、大変寒い中、多くの方々が、「君が代」不起立解雇撤回訴訟控訴審第2回弁論の傍聴支援に駆けつけていただき、ありがとうございました。
前回の10月24日第1回弁論で、稲葉高裁裁判長が、早期結審を方針としていることが分かりました。そのため私たちは、慎重・丁寧な審理を要求する方針と同時に、高裁での審理打ち切りに備えた準備書面をも作成して提出することを、この間の活動の中心にしてきました。その結果、今回の弁論に、一審判決を全面的に追認・依拠した府教委側準備書面(1)・(2)に対する全面的な反論を、控訴人側の準備書面(1)としてまとめ、提出することができました。
弁論開始後、提出書面の陳述・確認が終了し、稲葉高裁裁判長が、既定方針のように弁論の終結を確認しようとすると、突然府教委側から反論書の提出の意向が明らかにされました。法廷外での5分以上にわたる裁判官協議の末、裁判長は府教委側の要請を受け入れる形で、次回弁論開催を認めました。
こうした府教委側の対応は、新証拠の提出をも含めた私たちの準備書面での主張が、府教委の従来の主張では対応しきれていないことに危機感を募らせた結果だと思われます。 特に、私たちは控訴理由書で、意向確認の違法性を主張し、大阪府商工労働部が、「意向確認の文言が、厚生労働省が認めている『就職差別につながる14項目』に該当する」と認定し、府教委教職員人事課に「改善要請」した事実を指摘していました。これに対して、府教委側は、この「改善要請」は、「担当職員の誤解又は無理解」に基づく「意味のない『アドバイス』」と一蹴してきましたが、今回の私たちの準備書面で、府教委が今年度から意向確認の文言を変更した事実(従来の意向確認の文言「今後、入学式や卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の職務命令には従います。」から、今年度の意向確認の文言「上司の職務命令に従います」に変更した)を、証拠として提出することによって、府教委側に意向確認の文言についての違法性の認識があり、商工労働部の「改善要請」に対応した措置であると立証・主張しました。
今後、府教委は、再度の全面的な主張を展開してくることが予想されますが、弁護団の先生方の全面的なバックアップの下で、丁寧に繰り返して反論し、高裁側に何が真の争点なのかを理解させ、それを判決に反映させていく努力を続けていくことにしております。
今後とも、みなさまのご支援をよろしくお願いいたします。
「君が代」不起立解雇撤回訴訟 控訴審第3回弁論
日 時 2018年1月26日(金)11時30分
場 所 大阪高等裁判所74号法廷(地裁東隣7階)
2017年12月6日
「君が代」不起立解雇撤回訴訟原告団
(山田肇・菅平和・野村尚)
昨日、大変寒い中、多くの方々が、「君が代」不起立解雇撤回訴訟控訴審第2回弁論の傍聴支援に駆けつけていただき、ありがとうございました。
前回の10月24日第1回弁論で、稲葉高裁裁判長が、早期結審を方針としていることが分かりました。そのため私たちは、慎重・丁寧な審理を要求する方針と同時に、高裁での審理打ち切りに備えた準備書面をも作成して提出することを、この間の活動の中心にしてきました。その結果、今回の弁論に、一審判決を全面的に追認・依拠した府教委側準備書面(1)・(2)に対する全面的な反論を、控訴人側の準備書面(1)としてまとめ、提出することができました。
弁論開始後、提出書面の陳述・確認が終了し、稲葉高裁裁判長が、既定方針のように弁論の終結を確認しようとすると、突然府教委側から反論書の提出の意向が明らかにされました。法廷外での5分以上にわたる裁判官協議の末、裁判長は府教委側の要請を受け入れる形で、次回弁論開催を認めました。
こうした府教委側の対応は、新証拠の提出をも含めた私たちの準備書面での主張が、府教委の従来の主張では対応しきれていないことに危機感を募らせた結果だと思われます。 特に、私たちは控訴理由書で、意向確認の違法性を主張し、大阪府商工労働部が、「意向確認の文言が、厚生労働省が認めている『就職差別につながる14項目』に該当する」と認定し、府教委教職員人事課に「改善要請」した事実を指摘していました。これに対して、府教委側は、この「改善要請」は、「担当職員の誤解又は無理解」に基づく「意味のない『アドバイス』」と一蹴してきましたが、今回の私たちの準備書面で、府教委が今年度から意向確認の文言を変更した事実(従来の意向確認の文言「今後、入学式や卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の職務命令には従います。」から、今年度の意向確認の文言「上司の職務命令に従います」に変更した)を、証拠として提出することによって、府教委側に意向確認の文言についての違法性の認識があり、商工労働部の「改善要請」に対応した措置であると立証・主張しました。
今後、府教委は、再度の全面的な主張を展開してくることが予想されますが、弁護団の先生方の全面的なバックアップの下で、丁寧に繰り返して反論し、高裁側に何が真の争点なのかを理解させ、それを判決に反映させていく努力を続けていくことにしております。
今後とも、みなさまのご支援をよろしくお願いいたします。
「君が代」不起立解雇撤回訴訟 控訴審第3回弁論
日 時 2018年1月26日(金)11時30分
場 所 大阪高等裁判所74号法廷(地裁東隣7階)
2017年12月6日
「君が代」不起立解雇撤回訴訟原告団
(山田肇・菅平和・野村尚)