ニホンムラサキの生育状況については、4月25日に種蒔きからの様子をブログしましたが、連休中に急に大きくなりました。
一部植替えのためと、南高校の特別講座「楽しい自然観察」の皆さんに苗を差し上げるために、種を蒔いた鉢から掘り起こしてみました。
すでに、根が赤く色づいています。この根が染料として用いられて、紫色に染め上がるのでしょう。また薬用にも用いられるようです。
また、万葉集にはムラサキを詠んだ歌が10首ほどあるということです。その中には紫色を詠んだものと、紫草を詠んだものとがあるようです。元号令和で万葉集が注目されるようになりました。難解と敬遠していた万葉集ですが、梅120首を調べて少しなじんできましたので、これからはムラサキをはじめ、万葉の植物にも近づいてみたいとおもいます。とりあえず1首。
巻10 1825 紫之 根延横野之 春野庭 君乎懸管 鴬名雲
むらさきの ねばふよこのの はるのには きみをかけつつ うぐひすなくも
ムラサキの根が伸びている横野の春の庭では あなたを心にかけながらウグイスが鳴いています。といった意味でしょうかね。
私の感じたこの歌の意味は次のようです。
ムラサキの赤い根が伸びてゆくように、私の心はもうあなたのすぐ近くで真っ赤に燃えています。私の心は鶯があなたの心をひくようにと声高に囀っているように昂っています。
庭の畑の隅に数株植えてみました。ここはミニトマトの近くで、ミニトマトが成長すると日陰になります。当地の夏の暑さを考慮すると、紫は冷涼な場所を好むと思われるので、この場所くらいがよいのかもしれません。ここは風通しがいまいちなのが心配です。
鉢植えのムラサキは、家の角などの風の通り道に置いておくつもりです。
ポット苗に植えたムラサキは、特別講座「楽しい自然観察」の皆さんに差し上げます。