庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

五浦海岸で旨いもの食べて、珍しい草に出会う コモチシダ ヒメオニヤブソテツ ハチジョウススキ

2019年01月03日 | 野草を訪ねて

五浦海岸の六角堂は明治の岡倉天心が思索の場所にと自ら設計。茨城大学管理。

「関東の松島」ともいわれる景勝地の五浦海岸の中でも最もよい景観の中心に建っています。

正月2日目に旨いものを食べたいと、息子娘に連れられて、この五浦海岸へきて海を見ながらアンコウを食べました。昼時で小さな店は満杯。料理に時間がかかりそうなので、ちょいと外をぶらり。

ハチジョウススキ。関東以西に分布する葉の幅が広いハチジョウススキは、北限近くでは冬は枯葉が目立ちます。
それでも寒風が入りにくい崖の上の窪地などで見ることができます。


コモチシダ。東北南部以南に分布するコモチシダもほぼ北限とあって、寒風の入りにくい崖の上の窪地や日当たりのよい南側斜面によく見られます。


この窪地では幼苗がたくさん見られました。

幼いものは動物でも植物でもかわいいですね。

ここでアンコウ鍋ができたと呼び出し電話があり、散策中断。仕方がないですね。食事が目的ですから。
10年ほど前にも来たことあるが、その時は別の客の多い場所の店だったためか味はいまいちであったように記憶しています。今回は小さなお店ですがアンコウ鍋のファンになりそうなおいしい店でした。

食事が終わって、いざ六角堂見物と行ったものの、天心邸は本日休日で中に入ることができません。何とか六角堂が見える場所はないかとうろうろしていて見つかりました。


ハマギクと左上にヒメオニヤブソテツか。
ここ五浦海岸はいたるところにハマギクがあります。中には見事な大株もみかけますが、ここでは育ちにくいのでしょうか小さな株のハマギクです。そしてもうひとつ、左上小さなオニヤブソテツがありました。ハマギク同様に育ちにくいので小さな株なのでしょうか。このような小さいオニヤブソテツには胞子がありません。もしこの小さい株でも胞子があるなら、・・・・それはヒメオニヤブソテツでしょう。


胞子がついていることを願って小さな株のオニヤブソテツに近づきます。こういう気持ちは何事にも勝る至福の時です。


胞子がついていました。

どの小さな株にも胞子がついています。
これはもうヒメオニヤブソテツに間違いないでしょう。

足元には少し大きい葉の株もありました。

もちろんこの少し大きい葉にも胞子がついていました。

眼下を見下ろすと同じような少し大きい葉があります。その下は満潮時には潮が打ち付ける草のない崖と石ころだらけの浜です。ツワブキだけは頑張っていました。

オニヤブソテツの仲間にはヒメオニヤブソテツ、ムニンオニヤブソテツ、オニヤブソテツとナガバヤブソテツの4種類があります。
そのヒメオニヤブソテツは北海道から四国まで分布しているのに、茨城ではようやく2018年に高萩市で発見されただけでした。いわば茨城は空白地帯だったわけです。
そして2018年12月には我が家からそう遠くない海岸で二つ目の自生地を見つけたのが、12月21日のブログ「ヒメオニヤブソテツ自生地か」です。そして年が明けた1月2日に三番目の自生地が、この五浦海岸となりました。
これで、茨城は空白地帯では無いことがはっきりしました。

六角堂はちゃんと見ることができなかったのにこの満足感。

でも子供らは六角堂が諦めきれずにスマホで調べると、岬から六角堂がよく見える場所があるらしい。
その五浦岬公園からの光景が冒頭の写真です。

五浦岬公園にはたくさんのハマギクが植えてありました。花の時期には見事な白い花の向こうに緑の松。その向こうに見える六角堂。白砂青松ならぬ、白花青松もまた絵になりますね。ハマギクの咲いているときにもう一度。ゆっくり散策したいエリアです。


最後はお茶屋でゆっくりくつろいで、ぜんざいをいただいて、これが程よく焼いた大きな餅と餡子です。昼のアンコウを忘れそうな餡子とお茶に舌鼓を打って気持ちよく高速道路を水戸へと向かいました。

コメント (2)
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