庭の花たちと野の花散策記

山野草と梅が大好きの「雑草」。花以外は思考不可の植物人間の庭の花と野の花散策記です。

クチバシの変形したキジバト

2010年01月29日 | まち歩き

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我が家にキジバトが巣を作るようになって久しい。最初の年は犬小屋の真上の庇の屋根裏に作った。その後、柚子やもみの木、蔓の絡まりあったセンダンの茂み、ニシキギやムラサキシキブにも巣を作った。彼らは、もちろん人間は怖い存在であろうが、野生の怖さも大変なもので、蛇、カラスなどが卵やヒナまでも狙っています。猫が親鳥を襲うこともしばしば見かけます。そこで、もっとも安全な場所はというと、野生の天敵が近づけない人間の近くということになります。そこで、人間の中でも信頼できそうなのと、信頼できないのを見分けて、信頼できそうな人間にできるだけ近くて、しかも万一人間に襲われても逃げられる場所に営巣するのでしょう。

昨年5月に二羽の仲のよいハトが庭に来ていました。そのうちの一羽はクチバシが曲がっていて餌を何回もついばむのですが、10回に1回も食べられませんでした。その変形したほうがまもなく来なくなりまして、その後は残った一羽だけがきていました。庭を見下ろす電柱や電線にとまっていて、こちらが鳴声をまねて、手振りで来るように招くと降りてきて、ねむの木にとまり、さらに招くと地面に降りてきます。

昨年12月始めころになると、もう一羽が庭の柿の木などに飛来するようになりました。そうすると、先に来ていたのが近づくのですが、間髪をいれず、すぐに逃げて行ってしまい、残った一羽が餌を食べていました。最初は縄張りを主張して追い払っているのかと思いました。でも、回を重ねるうちに、もしかしたらメスのところへオスが言い寄っているが、まだメスが受け入れていないのではと思われるようになりました。

そのうち、一羽が食べていると、もう一羽も庭に降りるようになりました。それでも、近づくと逃げてしまいますので、餌を二箇所にまいてやるとそれぞれの場所で食べるようになりました。よく見ると、後から来たもののクチバシが曲がっていてうまくついばむことができません。これが昨年5月に来ていたものと同じ固体であるかどうかはわかりません。そのうちに、二羽が同じ場所で食べるようになりました。電線で待っているときは一羽だけのことが多く、一羽が食べ始めるとどこからともなくもう一羽がやってきます。

数日間ですが一羽だけしか来ないことがあり、クチバシの変形したものに何か悪いことでもあったかと心配していました。その間ももう一羽は、待っていましたとばかり、庭に降りてきますので、白い陶器の器に餌を置いてみました。1日目は器のものは食べずに、まわりに落ちたものだけを食べて帰りました。2日目は恐る恐る器の餌をたべました。3日目も同じです。4日目にはついに器の上にのって餌をたべました。そして次の日、ついにもう一羽も久しぶりに姿を見せました。でも、ちょっと様子が違います。あまり元気がんさそうで、餌もたべません。元気なほうも餌を食べるのをやめて、じっとそれを見ているようなそぶりで、まもなく飛び去りました。

そして翌日、いつものように一羽が先に来て食べ始めると、まもなくもう一羽も来ました。そして後から来た一羽が器の餌を一粒食べたときです。もう一羽が近づいてプイと鳴いて、追い払うにはちょっと迫力がないようでしたが近づいてゆきました。近づかれてちょいと歩いて逃げましたが、また餌のところに来ました。そのときです。もとの一羽が首のあたりの羽根を膨らませて、体を上下に動かしながら鳴きますと、これにあわせて鳴き返すではありませんか。どうやらカップルの誕生のようです。

それからは二羽が仲良く陶器の器から餌を食べています。この様子から、はじめから来ていたのがオスで、後から来たのがメスではないかと思うのです。このメスと思われるのがクチバシが変形しています。さらによく見ると、左足の真ん中の指が切れて短いのです。飛ぶ羽根も一部乱れていることから、もしかしたら猫などに襲われて命からがら逃げたのではないでしょうか。そのため、傷がいえるまでしばらく庭に現れなかったのでしょう。

今朝は、晴れの天気予報なのに、今にも降り出しそうな気配でした。今日も一羽が朝8時前には庭を見下ろす電柱の上にいます。でも、降りてきません。昨日もこの時間には降りてきませんでした。それは、地上に降りることは危険なことなので、明るくなって、警戒しやすくなるまで降りてこないのかと思われました。鳩だけに九時にならないと動かないということでしょうか。声をかけて呼んでいましたら、8時40分過ぎに降りてきて、餌を食べ始めると、まもなくもう一羽がどこからか飛んできました。後から来たクチバシの変形したほうは、食べるのが遅いので、先の一羽はねむの木にとまって待っています。そして9時15分ころようやく残りの一羽も食べ終えてねむの木に行きますと、まもなく二羽とも飛び去りました。雨も一時強くなり陶器の器に雨水がたまりました。この二羽が営巣して、子育てを終えることができるよう見守ってやりたいと思っています。

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