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必読!「なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日」

2008-10-16 13:31:00 | 日記
 光市母子殺害事件の本村さんの9年の軌跡を追う「なぜ君は絶望と闘えたのか」(門田隆将著、新潮社)を読んだ。
 
 最高裁からの差し戻しで2008年4月22日、当時18歳だったFへの死刑判決が下りた。耳を疑うような荒唐無稽なFの陳述の変化、それを擁護・教唆したのではと思われた弁護団を前に、司法が本村さんの納得する判決を出した瞬間だった。
 
  犯罪を犯したものが擁護され、不遇な環境があれば情状酌量され、加害者は保護もなく放置される状況の中を闘いぬいた本村さん。彼の言葉を通して、本当の人権、死刑制度の意味が、わたし達一人一人に問われます。

  映画、小説に犯罪者サイドからの見方が氾濫する中、私自身も知らずにエセ・ヒューマニズムに捉えられていた時期があったことを、心から反省しました。

  また、彼をこれまで絶望の淵から支え成長させ続けた上司、検事、家族、仲間たちの話しに涙が止まりませんでした。こういう人たちがいる限り、日本はまだ大丈夫と、確信しました。

  最後にもうひとつ、この本の素晴らしさは、死刑囚の言葉も載せていること。
  死刑判決を受けた後のFと筆者の対話には、知らなかっただけに本当に驚かされました。翌日、Fに面会に行った著者は、法廷とは違うFと遭遇する。

  「僕は(自分が殺した)二人の命を軽く思っていました。でも、今は違います」

  「被害者が一人でも死刑に値すると思っています」「僕が奪った命は夕夏ちゃん一人ではない。(父母、祖父母、まわりの)多くの人の命を奪ってしまったんです」
 
  「今朝、ラジオを聴いていると、昨日の記者会見での本村さんの言葉が流れました。”どうしてあんな供述をしたのか、事実を認めて反省の弁を述べていたら死刑を回避できたかもしれないのに”という言葉でした。僕はそれを聞いて、もったいない、と思いました。そして、本村さんが”死刑が回避されたかもしれない”といってくれたその言葉だけで、少し救われた気がしました」

  命の重さを知るために、一人でも多くの人に読んで欲しい本です。

  死刑は廃止されるべきではありません。絶対に。
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