薫 風 ~KUNPOO~

初夏に薫る爽やかな風に思いをよせ、YukirinとKaorinが日々の出来事などを綴るページです。

夜明け前

2005-05-01 | 本  棚
■ 木曽路はすべて山の中である。このチョー有名な出だしで始まる島崎藤村の力作を、正直なところこれまで読んだことがなかった。某県知事が山口村の越県合併について総務省に申請するとかしないとかマスコミを賑わしていた頃、話題についてゆくため、とりあえず読んでみることにした。

■ 文庫本4冊の長編小説とはいえ、年末年始には読破できるだろうと思って読み始めてはみたものの…甘かった。晩年の文豪の時代小説は大変重厚で、ふだん柔らかめの活字に慣れてしまった私の頭には実に重労働だった。昭和初期の文章って、なんて読みにくいんだろう。だいたい、コトバが難しいよ~。結局、読み終えるまでに1ヶ月近くもかかってしまった。

■ 小説は、幕末から明治への激動の時代、中山道・馬駒の本陣を舞台に、藤村の父をモデルとしてその一生が描かれている(らしい)。当時の宿場町の様子や人々の暮らしぶりが生き生きと描写されている。ちょうど、「新撰組!」とも時代背景が重なったから、結構面白く読めた部分もあったけど、国学とかそういうものにはついてゆけなかったなあ。

■ 代々、木曽地域一帯は、尾張藩の直轄領として山村氏が代官として治めていたが、廃藩置県となり筑摩県(現在の長野県)の管轄となって以来、とたんに人々の暮らしを理解もせぬ圧政に変わったのだとか…。なるほど、山口村もきっとそんなしがらみから、信州には愛想を着かして岐阜県側に行きたかったのね、と妙に納得してしまった。

■ 私たち二人とも、両親の出身は木曽。黄金週間に里帰りした際、せっかくなので木曽福島町の関所跡に寄ってみました。

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