新緑の中で、マスクを外して深呼吸すると、肺の中が洗われるようだ。
秩父の蓑山(みのやま・埼玉県皆野町)は、「関東の吉野山」と呼ばれているほどに桜のきれいなところだという。
季節が移り、花が終った今は、人の数も少なく静かな山歩きが出来る。
昨日は雨の心配はなく、おにぎりと水だけの背中の荷も少なく、軽い足取りで出かけた。
秩父鉄道「親鼻」駅を降り、萬福寺前から登山道に入る。
雑木林の中の登山道は歩きやすく、常に聞こえるうぐいすの鳴き声が道連れとなる。
しばらく歩くと、登山者の数を把握する「カウンター」が置いており、ポチっと押す。
1時間ほどで、「みはらし園地」へ到着。
桜をはじめ、つつじ、アジサイなど、それぞれの開花期は素晴らしいはずだ。
今は、木々の間に群生するつつじのオレンジ色が目を引く。
秩父の山並みをバックに咲く八重桜。
さくらはその多くが花期を終わっているが、八重桜のみが咲いている。
「みはらし園地」から蓑山頂上はわずかな距離だった。
展望台からは秩父市街、両神山、武甲山が目の前に広がる。
頂上の「美の山公園」から、今登ってきた斜面を眼下に眺める。
萌える緑が眼にやさしい。
桜の頃には全山ピンクに染まるのだろう。
ゆっくりと周辺を散策した後、お昼の「コンビニおにぎり」を広げる。
他のハイカーたちが、携帯コンロで作っている味噌汁の匂いが鼻をくすぐる。
誰もが、そよ吹く風をホホに当てながら気持ちの良いランチを楽しんでいる。
東京からのアクセスも良く、あごを出すほどの急登もなく、コロナ禍の気分転換に良い一日だった。