como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

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花燃ゆ 第33回

2015-08-20 21:54:43 | 過去作倉庫15~
 2008年大河ドラマ「篤姫」で、篤姫の父・島津忠剛が、薩摩を去る姫を自宅の庭に出て最後に見送る場面は、涙なしでは見られない名場面としてご記憶の方も多いと思います。
あれですっかり涙腺をやられてしまい、娘を嫁がせる父親に感情移入するあまり、熱烈な「篤姫」応援団となって最終回まで視聴率を支えたお父さんたちが、全国津々浦々に数多おられたようで。大河ドラマの視聴率ってこういうところで支えられてるのね、という意外な事情も明らかにした長塚京三さんの名演技でございました。
 んですが、わたし、あの場面鮮明に覚えてるのですが、目を血走らせてウルウルさせた長塚さんが娘恋いのポエムを歌い上げる姿を、「なんか海亀の産卵みたい…」とおもってしまいました。コテコテに盛り上がれば盛り上がるほど、長塚さんのお顔が海亀にしか見えなくて、もう笑いをこらえるのに必死だった苦しさを、いまでもありあり思い出せます。
 
 ということで今週の「花燃ゆ」、第33回「花となるために」、もとい「帰ってきた海亀の産卵」です。
 いやあ、少し前のトレンディドラマ全盛の頃「上司にしたいナンバーワン」とまで言われた長塚京三さんが、また海亀化して娘恋いのポエムを歌い上げる御姿を拝見し、こんなみっともない見世物を二度もやらされなきゃならないようなどんな悪いことをしたっていうんだ、と、お気の毒に堪えませんでした。もちろん、篤姫のあれがプレイバックして相乗効果で笑いがこみあげて苦しかったこともありますが。

 今週は、お盆休みの最終日、明日の事を考えると気が滅入るので忘れようとしている時間帯に、チョー無神経に「夏休みは終わりでっせ、明日から仕事でっせ、仕事仕事仕事」とはやし立てるような、無性にいらつく内容でございました。それだけでブチ切れてチャンネルを変えた方も多かったのではないでしょうか。
 このタイミングって、わざわざお盆休み最終日に計算して合わせたなら、KYほどがありますよね。共感?は? なんで盆休みで実家帰るのを「帰ったらもう戻ってこれなくなりそうで…」とか言って渋る女に、よりにもよって8月16日の夜に共感しなきゃならんの。

 今週の展開の背景にある事情。穏健派の藩士たちが「鎮静会」という党派を作って中立化し、藩主毛利敬親に献策して、休戦と椋梨藤太らの罷免を要求。内戦の幕引きに困っていた敬親公はその策を容れて、椋梨らを更迭して休戦を命じます。そして支藩の藩主たちも加わった御前会議が開かれ、当面の藩是を「外恭順・内武備充実」と決定。表向きは幕府に恭順したように見せかけて、軍備を整え充実させ、個別的自衛権を行使していつでも戦争に打って出られるように藩論を改定する、ということですね。
 これがまもなく薩長同盟や薩土盟約(薩土密約)によって個別的自衛権から集団的自衛権の行使になっていくわけなんだけど、それは来週以降の話だからいいや。なんかそのあたり昨今の世相とシンクロして、面白いはずなんですけど、せっかくのところをオモシロクする気もないようで、耐えられないくらい生ぬるいよどんだ空気が(いつものように)充満した回でした。
 上記史実の、高杉晋作たち武闘派がクーデターで政権を奪取して藩論をふたたびひっくり返すくだりは、アバンタイトルの5分ほどでチャチャッと終了。そのアバンだってウザいくらい長く感じました。というのは、鎮静会に加わっている吉田松陰の兄・杉民治(梅太郎)が、藩主夫人都美姫様のお口添えで直の献策がかなった、おありがとうごぜえました。いやいやわたくしはそこの娘にしつこく請われて煩いからちょいと手伝っただけなのよ。ああ文ちゃんのおかげだったのね内戦が平和裏に集結したのは…というヒロイン補正の作り話に置換されてたからで、もうホントいらんわこういうのは。
 そのあと美和ちゃんが城内で、お払い箱になった椋梨藤太を捕獲し、水に落ちた犬を叩くみたいに罵倒して積年の憂さを晴らすくだりは、もうホント見ていて胸が痛かった。例によってゴミみたいな悪臭ふんぷんたるセリフすぎて脳内に留め置けないので、再現することができませんのをお許しください。
 この脚本家の人たちって、ヒロイン補正で腕によりをかければかけるほど、なんでこんなに感じの悪いゲスなセリフになっちゃうのかねえ。わざとやってるのかなあ。そこはやっぱ、自爆テロだからさ、制作チームの。

 そんであとはもう、例によってどうでもいい極みの話なんですが、銀姫様が「自分の手で子育てしたい」とかいって赤んぼを手ずから沐浴させて大騒ぎになって、お姑さんにつよく叱られてぶんむくれた勢いで、「じゃあ手伝ってもらうから。このベビーシッターの美和に」と爆弾発言してしまい、なななんで美和なの、とまた騒ぎになります。
 べつに姫さんも勢いで言っただけでもなくって、じつは美和さんの実家の家族愛に密かに憧れていたからだと。自分は深窓育ち、しかも幼い時に藩主の養女として江戸にやられて、実父母の愛というものを知らず寂しかった。そんな自分が子育てするために、愛情いっぱいの家庭でそだったお前の力が必要なのよ、ってなことだそうですが、へーーそーーですか、はあ、がんばってくださいね、としか言いようがねえな、こういう話は。
 江戸時代の深窓の姫君に家族愛なんて概念があるのか、しかも、寂しかっただのなんだのと幼時トラウマを告白したりするかよ、というツッコミは、虚しいので致しませんが、こういうのは、ともに養子としてそだった姉姫と弟若殿が静かに思いを通わせる、それもほんの微かに匂わす程度という、「八重の桜」のあの馥郁たる描写を思い出して比べるとヨロシイのです。田中麗奈さんの顏が、大藩の世子夫人っつうより下流のヤンキー嫁にしか見えなくなるから。それも問題か…?

 で、長州藩の密かな軍事拡張という史実と、美和ちゃん回りの生ぬるい話がかろうじてリンクするとすれば、山口への城移りというイベントだったりします。
 姫の産んだ御世継様の乳母候補という出世レースに乗った上、お城の引っ越しというイベントが重なって、働く女性が輝くチャンス、というところで実家のお父さんが具合が悪い、という知らせをもって、わざわざ兄嫁さんがお城を訪ねてきたりする。美和ちゃんスルーしようとしたのに、同僚がそれを嗅ぎ付けて、「ほんとうは仕事を休んで実家に帰りたいのでは」などと上の方に密告する輩もいるわけです。
 で、銀姫様の耳にも入って、「おまえ家帰って父ちゃんを見舞ってきな。おまえの自慢のあったかい素敵な家族と心行くまでベタベタしてきな。引っ越し当日の朝までに帰れ。ってか帰ってこなくても別にいい。期待してねえから
…と、ここまで言われたら気遣いや心配りではなくて、遠まわしな肩たたきだと気付きませんか、ふつうは。

「職場の愚痴ですが聞いてください。この夏、実家の父がちょっと検査入院したのですが、職場の上司や同僚が、まわりに聞こえるように「大丈夫? 無理しないで」とかいったりするんです。
 最初はありがたかったのですが、そのうち、「お父さんが元気なうちに顔を見せておいたら?」「親孝行も今のうちよ」とかいってくるので、気に障るようになりました。べつに父が余命宣告されたわけでもないんですよ?
 そしたら、先週ですが、上司がかってにわたしの有給申告して、休みを入れていたんです。大きな仕事の準備に入ってテンションが上がっている時だったので、ブチ切れ寸前になりました。これって好意でやっているというよりは、私の仕事を妨害してるとしか思えないんですけど、こう感じるのって捻くれてますかね? どなたかアドバイスお願いします」


…ってな、ヤフー知恵袋の人生相談が目に浮かぶようです。
 いやあ、大河ドラマも朝ドラから少女マンガ、女性週刊誌をへて、ヤフー知恵袋まで落ちましたか…って感じですが、そうとしか見えないんだから仕方ない。

 そんでまあ、美和ちゃんは実家に帰り、おなじみの家族の皆さんと久しぶりに団らんの時を過ごす…というのが今週のメインのイベントでございました。
 心底どうでもいい内容だったんで、右から左へ流れてしまってなんも覚えてないんですけど、覚えてるとすれば、そうですね、体の弱ったお父さんが、娘の久しぶりの帰省に張り切って「ワシが風呂を焚くっ!!」というわけです。そんで家族の制止を振り切って、娘に風呂に入れ早く入れ、と不自然に強く勧め、火吹き竹を手に立ちあがった時に、弱った足腰がグラッ! 
 ああお父さん…! というよりここ、お父さんがとっさにつかまった風呂焚き小屋の柱が、そのまま小屋ごと倒壊しそうにグラッと傾いだほうが怖かった。やばいだろ、要介護の高齢者がいる家でこの安普請は。
 そんで結局最後は「龍馬伝」みたいに、「ふみの父、百合之助さんが息を引き取ったのはそれから半年後じゃった…」的なナレーションが入ってしめるのかとおもったら、そんなこともなくて、このあとお父さんは元気いっぱい、娘恋いのポエムをエンドレスに歌い続けるばかりでした。そう、冒頭に言った「海亀の産卵」がこれです。
 いやあ、篤姫の時も、こういう乙女父ちゃんは勘弁してくれと思ったんですが、あれが最後じゃなかったんですね。長塚京三さんもお気の毒ですが、もう何をもってしても、大河ドラマ界隈では、乙女父ちゃんと海亀というのは上書きできない気がします。
 あんまりお気の毒なので、こんなのやらされる前の、39年前の「花神」で土方歳三だったあの日の勇姿を、ちょっとプレイバックしてみましょう。

   

   
「新選組副長が参謀府に用ありとすれば、斬り込みにゆくだけよ」

 さて、来週は薩長同盟、久しぶりのコゴちゃんの御登場に胸躍るのですが、「薩長同盟!」という「!」つきのサブタイからして終わってる感満載で、しかも、薩長同盟にいたる薩長の軋轢というものがなにも描かれてない状態でどうする気なのかしら。なんかひたすら強引に伊之助無双で押し切るような空気がひしひし感じられるんですけど。
 ま、どこまで無理やりな薩長同盟になるか、見守りたいとは思います。じっくり見守る根気がある自信はないけど、ヒマと気力と体力があったら。
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3 コメント

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Unknown (じゅでぃすみす)
2015-08-22 22:57:45
庵主様、こんばんは

私にとって長塚京三さんは、あの東海ドラマシリーズのお兄様役でしたねえ。あーんな、びっくりする役も丁寧に演じておられて・・・考えてみたら、彼はどんな役でも、きちんと演じておられる。今回のお父さんがどんな風だったか(いや、それ以前に篤姫もみてないんですが)わかりませんが、きっときちんと演じておられたんだろうなと。

先週のところで書いた、司馬遼太郎が書くと歴史的人物が格好良くなるという点。以前、佐藤優氏が「司馬遼太郎の切り口で歴史を知るのはいいが、それはあくまでも、彼の切り口であることを認識しておかないといけない」ということを示唆しておられました。確かに、その通りだと思います。あくまでも司馬遼太郎史観。けれど、「小説家、見てきた様な嘘を書き」ともいえますよね。その見てきた様な嘘で、ワクワクさせるのが、歴史小説家の腕。そう考えると、ドラマだってそうですよ。ダウントンだって、ありそうでなさそなドラマをいっぱい散りばめて丁寧に横糸・経糸紡いでるから、おもしろいドラマになってるし。

そーいえば、ダウントン、本国ではこの間、出演者が集まった最後のバーティーがあったみたいですね~。メアリー&イーディスの2ショットが、とってもかわいかったです。
ブライアン♡アダムス (じゅでぃすみす)
2015-08-22 23:05:49
もう一つ、書くのを忘れていました。

ブライアン、良いですよ~
実は、わたくし、長年のファンでございます。ライブも過去数回行っておりまして、いまだに新譜が出ると購入してしまうんですが(笑)けど、彼があるライブで捕鯨反対を叫んだときには、ちょっとムッときました。「あんたに、日本の捕鯨文化の何がわかんねん!」と。いやいや、太地町も臨時交番を設置して、これからの時期大変なことになるんですが・・・
それはさておき、いまだにCuts like a knifeや、summer of 69などは、聞けばスラスラ歌詞が出てくる条件反射。いやあ、若いとき身についたものは、取り除けないものですねえ。
耳の記憶って不思議。 (庵主)
2015-08-23 22:28:22
じゅでぃすみすさん

>小説家、見てきた様な嘘を書き

ほんとそうですよね。司馬さんの作品も、わりと自由でエンタメ性の強い初期の作品の方が面白いように思うけれど、晩年は、司馬史観とかいわれて歴史のチャンネルのひとつみたいに言われることに、ご本人も心外な思いがあったんじゃないでしょうか。
「翔ぶが如く」の、史実とフィクションをゆらゆらする堂々巡りの迷宮感とか、ちょっと凄いですもんね。

>ブライアン・アダムス

そうでしたか!
わたしは、「Have you ever really loved a woman?」という曲がほんとに好きで、これはわたしの私的なアンセムのひとつといっていいんですけど、ほかは、ちょっとぼんやりしてまして…。
今回、Appleのプレイリストで聴いて、すごい懐かしさにキュンキュンしたのが「Let's make a night to remember」という曲なんですが、この曲にどんな思い出があるのか全然思い出せません…(T_T) ただキュンキュンしてます。記憶って不思議ですね。

クジラとイルカに関する発言は、海外のアーチストにわりと多いですけど、日本人としてはサーッと引いてしまうツボですよね…。

ダウントンアビー、はやく続きが見たいです~~!!!

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