GRAPEVINE＠新木場STUDIO COAST

始まる前は、今回は長いぞーと思っていたバインツアーもいよいよファイナル。個人的には今ツアー6本目となる新木場COASTの日がやってまいりました。COASTってライブじゃ過去1回しか来たことがなくて、それもあまりいい思い出にならなかったので、今回は大丈夫かしらんと少しだけ不安を抱きつつも、今のバインなら心配は無用だと言い聞かせながら今日もTさんと会場へゴー。

入場すると、不慣れな横長フロアで身の置き所に困りつつも、とりあえず上手側の1番目バー後方あたりにスタンバイ。ここらへんなら安全でしょうとタカをくくっていたのですが、これが甘かった。客電が落ちると、我々の後ろからも男子率の高い人波がガーッと押し寄せてくるじゃありませんか。で、これはまずいと数メートル後方に退却したところで、また視界に入ってきたものにびっくり。ええ？下手側にクレーンカメラがあるじゃありませんか！これは・・・もしや、もしやなのか？

そんなわけで、明らかにフロア全体がいつものライブよりハイテンション気味の中、ライブが幕を開けたわけですが。とにかく序盤は視界が阻まれステージがまともに見られず四苦八苦。しかも空調の効きがいまいちでフロアが蒸し暑い。さらに音は・・・うーん悪いってわけじゃないんですが、立ち位置が悪かったのか、なんつーか音が上のほうに抜けちゃう感じで、先週Hatchの音を満喫してきた身としては、いまいち物足りない。そんな悪条件が重なった中、必死で体中のアンテナを駆使して見聞きしたことや感じたことを思い出してみましょう。

4曲終わってのMCでいきなり田中氏、どらえい間違い発言。「120万人の江戸っ子どもよ元気にしてたかー？」とうれしそうに叫んでおられましたが、東京都の人口は1,200万人ですよ。まじめになんかの資料で調べたのかもだけど、完全に１ケタ読み間違ったな。

前半のディープゾーン前のブロックで曲数が大量追加されてました。MC明けから順に放浪フリーク→南行き→Graveyard→MCをはさんで→光について→涙と身体→君を待つ間。これまでのツアーで、毎回曲を入れ替えつつこの辺でやってた曲ほぼ全部じゃないだろか。あ、でも13/0.9はカットされてしまったのか。

Graveyardのあと、いつもはそのまま次の曲に入るところで田中MCが織り込まれたので「？」と思っていたのですが。「デビューして10年、ということは僕らが東京に出てきて10年ですよ。10年経って居心地がいいと思うこともあり、慣れたと思うことも有り、慣れないと思うこともあり・・・」という内容の話をし終えた後、光についてが始まった瞬間「あーそういうことか！」と合点がいきました。「少しはこの場所に慣れた　余計な物まで手に入れた　イメージの違いに気づかなかった」という、この曲の冒頭の歌詞は、個人的にバインの歌詞の中でも5本の指に入るくらい好きなフレーズです。ああもう、また田中にやられたー。

で、その後にGood Bye my world。さすがにこの辺で、「こんなに旧曲ばっかりやって、今日は新アルバム曲どうするつもりだ！？」と心配になってきました。いま改めて振り返ってみたら、3曲目のシスターから11曲目のGood Bye～まで、9曲連続で旧曲（シャレに非ず）ですよ。なんて非常識なレコ発ライブだか。まあだからこそ、私はこのバンドが大好きなんですが。

豚の皿のラストは、ものすごく久しぶりにオリジナル通りでした。あまりに久しぶりすぎて、一瞬「歌詞間違った！？」と本気で思ってしまいました。新木場で気になりだすものが見つからなかったのか田中。まあ確かに、何もないですよねえあそこは。

ディープゾーンを挟んで、I must be high前のMCでは今日もメンバーの一言がありましたー！ええと、確か西川さんが「いっぱい来てくれてありがとう」で、亀ちゃんが「無事に最後まで来れました」的な内容。そして続く金やんですが、いきなりメンバーの方を向いて「10周年おめでとうございます。これからも微力ながら力にならせてください。」と言ったものだからびっくり。そんな他人行儀な、もうその10年の半分以上一緒にやってる仲なのにーと思ったけど、そんなところが金やんの男前たるゆえんなのでしょうたぶん。これからもあのガツガツベースでよろしくです。

終盤まで西川さん方面の視界には泣かされっぱなしだったので（でもGraveyardラストのコーラスのときは必死で背伸びして見た）、Scareでやっとのことであの超絶プレイっぷりが見られた瞬間はえらいうれしかったです。西川さんより亀ちゃんのほうが見えるチャンスの多かったライブなんて、これまであっただろか。いや、あったとしてもその事実に気づいてなかっただろうけども。

いつもの流れで本編が締めくくられ、そしてアンコール。1曲目は・・・おおお、遠くの君へ！今ツアーの個人的開幕戦である長野、そして後半戦初日のAX1日目に聴いたこの曲を、またも節目となるファイナルのこの日にもう1度聴くことになるとは。思わず、耳を傾けながらこの2ヶ月のツアーのことを思い出してしまいました。長野で観たときには、ファイナルにこんな濃いライブが待ち受けているとは、期待はしててもやっぱり本気で予想はできなかったよなあ。続くナツノヒカリ・濃いめバージョンも、聴くの4度目にしてやっと楽しみ方を覚えました。そうだ、このサビに向かうにつれ熱っぽくなっていくギターがいいんだなこのアレンジは。ただやっぱり、赤いライトだけはどうかと思うけども。

ここで再び田中MC。ここで「どうもありがとうー。ほんとにありがとなー。」と、田中ってばいつになく悪態は控えめにして感謝の言葉を繰り返すものだから、えらい素直に感激してしまいました。そういや西川さんも、アンコール登場の時に拍手してたって本当ですか。見逃してしまってすごくショックなんですが。バインがそこまでお客にわかりやすく気持ちをアピールしてくれることって、なかなか貴重だと思うのですが。それだけこのツアーが、そしてこのファイナルが兄さんたちにとっても充実の内容だったのならうれしい限りですよ。

で、ツアー終盤戦からのお約束。いまアンコールでやった曲の曲名と収録アルバムを田中が紹介しようとしたところで、それをわざと遮るように亀ちゃんのドラム・・・じゃなくて、今日は西川さんのギターがうなる！きゃああああ、このイントロ！マダカレー！！

死ぬほど好きなマダカレーで狂喜したあとに、さらになだれ込むようにHEAD。さあ今日のソロコーナーは誰に行くんだ？とわくわくして待ち構えていると「じゃあ今日は最終日やから、かめいー、アンド西川さん！」とまさかの2人コールですよ。慌てて背伸びしてステージに目を凝らすと、西川さんと亀ちゃんが向き合ってナイスなセッションを披露。わああああこんないいモノが観られるとは！

しかしこれだけでは終わりません。サビを1度挟んでから、再び田中が口を開きコールしたのは「それじゃ次は金やんと、イサオスキー！」うおおおお、サポート2人のセッションなんて、これこそレア！田中ありがとう、今日はオレー！って言うの我慢してくれてありがとう！！（←何）

そんな感じで、完全にバカモードでアンコール終了。あまりにも一気に終わってしまったので、拍子抜けしてしまいました。が、田中はTシャツを脱いで去ったものの、そのあとも客電は点かなかったので、よっしゃ今日はダブルアンコールありでいいのだなとひと安心。さあ、最後は何の曲をやるのかしら、できれば予想もつかないような曲が来てほしいところだけど。でも予想するとしたら・・・あの曲か？

ずいぶん長い手拍子が続いた後、メンバー再登場。おお、田中氏なんと今ツアー初（たぶん）の、緑ランチェロT着用で登場ですよ。さすがこれまで着てなかっただけあって、似合わないなあ（笑）。

そして、もう1度「ありがとう」と口にした田中が、ギターで鳴らし始めたそのイントロは・・・あ、やっぱり。Everyman～で来ましたね。あまりにも予想通りだったものだから「うわあああ！」という感激こそありませんでしたが、それでもこの曲を最後に歌い上げられてしまうと、もう何も言えなくなるのであり。ラストの田中の突き抜けるような声を聴きつつ、ああこれでツアーも終わってしまうのだなあと思うと、余計にぐっとくるものがありました。

終わってみれば、きっかり3時間。久々の超長時間ワンマンで、さすがに体は正直ぐったりしてしまいました。実は相方Tさんが途中で体調不良によりフロアの外に出てしまったのですが、Tさん曰く他にもリタイヤして出てきてた人が、何人もいたそうです。みなさん本当にお疲れさまでした。でも、間違いなく疲れ果ててでも見る価値のあるライブでしたあれは。

ああ、ついにバインツアーが終わってしまった。思い返せばこの2ヶ月間は兄さんたちの虜になりっぱなしで、そして惚れっぷりにまた拍車がかかってしまった、そんな日々だったような気がします。そんなすごいライブを見せてくれた兄さんたちに、心から拍手を。そして、次はライジングのステージで再会できるのを楽しみにしてますんで。その時はぜひ、あのものすごいライブをバインファン以外にもめいっぱい堪能してもらってください。死ぬほど期待してますんで。