Chance is with the music

音楽を糧にしつつ、日々を過ごしてます(家主:yucca)

Cocco@日本武道館

2006-08-10 23:50:00 | LIVE
普段ほとんど女性ボーカルものは聴かない私。ですが「CD聴きこむわけじゃないけども、でもすごく好きなんだよなあ」な存在として愛するボーカリストを問われるならば、迷わずYUKIちゃん、林檎姫、Coccoちゃんの3人の名前を挙げたい。なので、そのうちのひとり、Coccoちゃんの本格復活ツアーに西川さんが参加すると知った瞬間は、正直かなり取り乱しました。このライブはどう考えても、必見中の必見だろう!そんなわけで、どうにか武道館のチケをネットで譲っていただくことができ、この日のライブに至ったのでありました。

今回の座席は、2階南西J列。ステージから距離はあるけれども、全体がよく見える位置ですね。ステージをぱっと見て驚いたのが、ステージの後ろ側に一切セットを組まず、1階の北ブロック(つまりバックステージ)にもお客を入れてたことです。客席はまさに満員御礼。客層は、20~30代の女性が多数派で、ところどころにやや年配の男性や若者もって感じかなあ。・・・この中で、西川さんのために駆けつけた同志ってどれくらいいるんだろか・・・19人くらい?(←根拠無し)

では今回ここから先は、思い切って西川さんメインのレポでいってみたいと思います。Coccoちゃんファンの方、申し訳ありません。でもCoccoちゃんのすばらしさは、たぶんいろんなファンの方々があちこちで書いてらっしゃると思いますし。私のはアウトローな奴のレポってことでお見逃しいただければと。

客電が落ち、ステージの上にぼんやりと白い影が登場。そしてぱあっとライトが照らされて、真っ白なノースリーブのドレスに身を包んだCoccoちゃんが現れると、そのまま「音速パンチ」でライブがスタート。いきなりカッコいいロックナンバーでの幕開けに、テンションがあがります。さあさあ西川さんはどこですかー?・・・うわ、ほんとにいた(笑)。ステージ下手前方に位置取った西川さんは、テレキャス持ったままたたずんでます。でもって、あれ弾かないの?と思ったら。2コーラスからきました、あの音が!ひゃああ西川さんお得意の入り方じゃないすか、きゃー!(←馬鹿)

今回ギターに関しては、Coccoちゃんを挟んでステージ上手側にいる長田さんがどちらかと言えばメインらしく。なので西川さんは、いつも以上に地味にカッティングをこなしつつも、時々片足を上げたりリズムを取ったりして、遠目に見るといつもの西川さん。あーそう言えば、服装も見覚えのあるグレーっぽい色みのシャツだったんですけども、まさかあれはいつもの・・・いや、さすがにそれは違うと信じたい。つーかそう信じさせてくださいよ(←何)。

SINGER SONGER以来、生で観るのは2度目のCoccoちゃんは、やはりすばらしい歌姫でした。MCでは素朴で親しみやすくて、でもいい感じに毒舌で(笑)。誰からも愛されるような空気を持った女性なのに、歌いだすと、ひりひりするような楽曲の数々を、これでもかという歌唱力と表現力で歌い上げる。正直、タイトルがわからない曲も多くて、自分の予習不足を反省しましたが、それでもじゅうぶんすぎるくらい聴きごたえはありました。

そしてライブも中盤にさしかかった頃。Coccoちゃんより、「ここからはアコースティックコーナーこと、あっちゃん(=Coccoちゃんのことです)の野放しコーナーだからよ。」との話が。「今日はいつもと違って、あっちゃんがバンドのメンバーに歌います。だから、メンバーは真ん中に集まって!」突然の指示に戸惑いつつも、ステージ中央におそるおそる、並んで腰をおろすおっさん5人。しかも「もっと近くに!」と言われ、よりぎゅーっと近づく(笑)。ここで西川さんがねー、最初はひざを抱えてたんですけども数分後には、よっこいせーという感じで手足を伸ばして。さらに、ややつたなくも愛らしくギターを弾きながら、楽しげに歌うCoccoちゃんに合わせて、そのうち根岸さんや長田さんが肩を並べて左右に揺れだしたんだけども、いちばん端にいた西川さんだけは意地でも揺れようとしなくて(爆笑)。その代わり小さく手を叩いてた姿に、西川さんの精一杯を見ましたね。

が、おっさん達の修行はこれだけでは終わらず。次の趣向として、「あっちゃんがライブ前に作った歌をこれから歌うから、バンドのメンバーは紙と鉛筆でコードをメモ取りなさい。でもってすぐ演奏するよー!」という、ものすごい企画が。げええ、何て鬼企画ですかこれ!Coccoちゃんが、姫じゃなく女王様に見えてくるよ・・・(汗)。

リズムだけ指示を出して、まずCoccoちゃんがひとりで歌ったその曲は、なんともほのぼのした、温泉を舞台にした歌。ここでさらに姫の容赦ない指示が飛びます。「サビのここのところで、温泉に入って『ホワ~』って感じで合いの手を入れるように。ひとりずつ、指差していくからね!」ええと、この『ホワ~』ですが、Coccoちゃん曰く「自分じゃなく、自分の彼女が温泉に入ってる感じの声」(つまり高音でかわいくってことですね)。でもって何度かのリハーサルの後、いよいよ本番。さすが演奏のほうは、即興とは思えないほどしっかり形になっていましたが・・・。サビの最初でいきなり指名された西川さん、アコギを弾きながら蚊の泣くような声で『ホワ~』とひと声。「声が小さい!」と指摘し、続けて西川さんを指名するCoccoちゃん。一生懸命声を出す西川さん・・・。

ああ、あのクールで頼れる兄貴が、こんな風に姫様の言いなりになってはずかしがりながら声を出している。しかも武道館のど真ん中で。あり得なさすぎるこの光景。笑いと萌えをこらえるあまり上半身が引きつりそうになりながらも、兄貴の超レアな姿を必死で目に焼き付ける自分。そうだ、このへんで確かCoccoちゃんから「西川」と呼び捨てにもされてたなあ・・・西川さん、いったいどんな顔して、どんな思いでやってたんだろう・・・。

最後に、普通にもう1曲やって、あっちゃんの野放しコーナーはやっと終了。こんな危険なコーナーを今ツアー中ずーっとやっていたのかと思うと、想像しただけでおもしろ・・・いやいやいや。

そしてライブは折り返し地点に。後半戦の1曲目はなんと、西川さんイントロで始まる「強く儚い者たち」でした。さっきまでのほんわかムードが嘘のように、ステージ上は再びCoccoちゃんの世界に。前半以上にロック色の強い曲が並び、バンドの音も一層熱くなって目が離せなくなる一方。「カウントダウン」だったか「暗黙情事」の時だったか、やはり西川さんのギターから始まった曲があったんだけども、この時10秒くらいだったか、ピンスポットどころじゃないくらいまぶしいライトが、武道館の中で西川さんだけをぱーっと照らしてて。そこから放たれる西川さんのギターの音。あれはさすがに、西川ファンとしてちょっと感動するものがありました。「暗黙情事」は、最後まで西川さんのギターが炸裂してて鳥肌モノでしたよ。

終盤、「焼け野が原」から「Happy Ending」の流れは、すばらしいの一言に尽きました。あれ、自分がもうちょっと熱いCoccoファンだったら泣いてたんじゃないでしょうか。直前にCoccoちゃん自身もMCで語ってましたが、この歌姫が歌の世界に戻ってこれたことは、ほんとにいろんな意味で幸福な出来事だったのでは、と思ったり。

最後の曲が終わると、バンドメンバーのひとりひとりと笑顔でハグするCoccoちゃん。そして、ステージ中央にいつの間にか置かれていた人数分の花束を、各自手に取る6人。もちろんいちばん大きいのはCoccoちゃんで、西川さんたちは小ぶりのやつ。それを掲げて客席に一礼しながら退場。ハグとか、花束とか、武道館のお客さんに手を挙げるとか、あり得ない行動の連続に「あれは本当に西川さんなのか」とすら思いつつも(←失礼)、とても良いライブを観られたことに、心から大拍手を送らせてもらいました。

ツアーファイナルだったにも関わらず、なんとアンコールはなし。わあ潔いなあCoccoちゃんは。なんか、席を立つのが名残惜しい気分でしたよ。

そんな感じで、Coccoちゃんの世界をしっかり体感させてもらい大満足(でも、大好きな『雲路の果て』は聴けず・・・)。そして遠目ながらも、あり得ないくらいにいろんな西川さんを目と耳で堪能できて、夢のようなひとときでございました。本当にお疲れさまでした、兄貴。慣れない現場で大変なこともあったでしょうが、この出来事が今後、西川さんの作曲やギタープレイにいっそうプラスにればいいなあと、ひそかに思ってます。

いやあそれにしても、私はいつからこんなにも、西川さんの一挙一動から目が離せなくなっていたのだろうか。恐るべし兄貴(笑)。さあバインじゃ観られない西川さんを見てみたい皆さん、この模様は10月にNHK総合でオンエア決定ですよおー!永久保存版だー!


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