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一日一書 1547 滝落ちて群青世界とどろけり・水原秋桜子

2019-07-03 14:08:12 | 一日一書

 

水原秋桜子

 

滝落ちて群青(ぐんじょう)世界とどろけり

 

半紙

 

 

季語「滝」夏

「帰心」昭和29年刊所収。

 

 

高校国語の教科書にもよく載っている有名な句です。

秋桜子晩年の傑作と言われます。

 

なんといっても、「群青世界」の語が印象的。

この語は、中尊寺の僧から聞いた「金色世界」からの連想での造語ということです。

「群青」は日本画の顔料ですが、もちろん青色。

むかしクレパスの色で「ぐんじょういろ」というのがありましたね。

なつかしい。

 

この滝は、4月に那智の滝を訪れた際に作られたのですが

「滝」が夏の季語であるために、「夏の俳句」となっています。

こういうところがまた俳句の面白いところですね。

 

実際の風景が、俳句という「装置」の中で、変換するわけです。

 

 

 

 

 

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