水原秋桜子
滝落ちて群青(ぐんじょう)世界とどろけり
半紙
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季語「滝」夏
「帰心」昭和29年刊所収。
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高校国語の教科書にもよく載っている有名な句です。
秋桜子晩年の傑作と言われます。
なんといっても、「群青世界」の語が印象的。
この語は、中尊寺の僧から聞いた「金色世界」からの連想での造語ということです。
「群青」は日本画の顔料ですが、もちろん青色。
むかしクレパスの色で「ぐんじょういろ」というのがありましたね。
なつかしい。
この滝は、4月に那智の滝を訪れた際に作られたのですが
「滝」が夏の季語であるために、「夏の俳句」となっています。
こういうところがまた俳句の面白いところですね。
実際の風景が、俳句という「装置」の中で、変換するわけです。