孟郊「登科後」(全文)
半紙
●
登科後
昔日齷齪不足誇 昔日 齷齪(あくせく)として 誇るに足らず
今朝放蕩思無涯 今朝 放蕩(ほうとう)として 思い涯(はて)無し
春風得意馬蹄疾 春風 意を得て 馬蹄(ばてい)疾(はや)く
一日看尽長安花 一日に看(み)尽くす 長安の花
【口語訳】一海知義
かつての日々、それは受験勉強と合否の心配のために、いらいらこせこせとした、まこと自慢にもならぬ味気ない日々であった。
しかし合格の知らせを聞いた今日、しんから解放されて、希望は果てしなく胸に広がってゆく。
春風を全身にうけて得意この上なく、疾風のごとく馬を走らせて、
みやこ長安の名所の花を、一日ですべて見つくしてしまった。
●
詩人孟郊は、科挙に、46歳で初めて合格したそうで、その時の喜びを歌った詩だそうです。
「受験」のことは、思い出したくないけど、
また挑戦の皆さんには、ほんと、頑張ってほしいです。