プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

「アスベスト禍」の最高裁判決

2014-10-10 10:21:08 | 日記
 最高裁第1小法廷は(全員一致で)、(泉南の)アスベスト加工工場内での排気装置斧設置に関して、「規制は・・・できる限り速やかに適時・適切に行使されるべき」だった、「1958年には石綿の健康被害は相当深刻だと明らかになって」おり、「速やかに排気装置の設置を(罰則をもって)義務付けるべきだったのに、71年まで行使しなかった」として、健康被害に関する国の責任を初めて認めました。(参照・引用は『朝日新聞』)

 一方で、工場内での防塵マスクの使用に関して、「マスク着用の徹底が不十分だった」との原告の主張に対しては、国の規制の不備を認めませんでした。防塵マスクに関しては、1947年にマスクの設置が義務付けられ、95年に(なってやっと)企業が労働者に使用させるよう義務付けされていますが、如何にも遅過ぎます。防塵マスクをしなければいけないような危険なものを、製造・販売・流通・使用させたことに(この社会の、この世界の根本的な)問題があると思います。

 (原発の使用済燃料の問題や廃炉もそうですが)使用したものは廃棄しなければいけません。バックエンドに出る廃棄の過程と廃棄物の問題が残ります。アスベストによる紡績が始まったのは戦前の約100年前、主なアスベスト製品の製造・使用が「原則」禁止されたのは2004年(2006年に規制強化、原則として全面禁止)、この間に使用されたアスベストは膨大な量で、殆どが未だ日常生活の中に存在しています。全国の建物で使用されていると思われているものだけでも約280万棟もあるそうですが、実際にどれだけ使われているのかの「把握」はできていないとのことです。

 今後の建物の解体のピークは2028年ごろで、完全に解体されるのは55年ごろだそうで、これまでの被害に加え、解体による「アスベスト禍」が本格的に顕在化するのはこれからです。(何度か書きましたが)解体されるビルを迂回して通るSさんの話は「笑い話」などではありません。(これも誇張ではなく)そばを通るなら、防塵マスクを付けて通行するぐらいの「リスク管理」は必要なのです。曝露に「閾値」(いきち)のない中皮腫など、(ある意味)放射性物質より怖いと思うのです・・・

P.S. 東日本大震災後の被災ビルの解体で、仙台市のホテル解体時にアスベスト除去を怠り、環境基準の36倍のアスベストが飛散するなどの事例が相次いで発覚しています。解体によるアスベスト飛散への注意喚起がされていた為に表に顕われたものだと思いますが、それまでも義務付けられた飛散対策をせずに、或いは故意に除去せずに解体されてきた経緯があるものと思っています。(違法投棄もよく耳にします)その後、ビル解体の発注者に事前調査や除去作業の届出などの規制強化となりましたが、実際、どれだけの事業者がこれを守っているのか、甚だ疑問です。肺癌の増加にアスベストが大きく関わっていると疑っている私には、怖ろしいばかりの解体の実態です・・・

P.S.2 解体業者の作業員は、防塵マスクもせずに作業に当たっているのだと思います。原発労働者と同じく、危険に身を晒し、健康被害のリスクをしょって働いているのです。(造る時の)建設労働者の健康被害の訴訟も、現在各地で行なわれていますが、今後は解体作業員の健康被害、訴訟が(残念ながら)続くことになると思うのです・・・

P.S.3 楽しい話題、嬉しい話が一つでもないだろうかと考えるのですが、思い浮かばないのです。逆に憤りを覚えずにはいられない出来事が多過ぎて、(皆さんもそうでしょうが)シンドイです。台風被害で亡くなった方々もおられ、週末の19号も心配です。何とか無事に稲刈りを終え、あと1回籾摺りをすれば、作業が終了するのでほっとしています。有り難いばかりです。そう感謝しながら、今日も過ごそうと思います。(心より)ごきげんよう・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成26年10月10日)