プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

安倍バブル「根拠なき熱狂」

2013-05-20 10:39:09 | 日記
 1996年、当時FRB(米国連邦準備理事会)の議長だったグリーンスパン氏が、過熱した株式市場に対して発した警告です。一端市場は急落しますが、金融緩和は続き、バブルは繰り返されていきます。日本も1980年代後半、金融緩和、金余りの状況下で未曾有のバブルを経験しました。その再来でしょうか、安倍バブルが、「根拠」つまり実体経済の回復のないままの熱狂が、始まったのかもしれません。但し、「市場は明らかにゆき過ぎる。必ず調整局面が来る」と言ったのもグリーンスパン氏です。(引用は『朝日新聞』)

 (政府が日銀を通して投資信託を買っているので上がるのも当然ですが、それにしても)株価だけは安倍さんの目論見を超えて、半年で7割強も上昇、日経平均も1万5千円を回復しました。しかし一方で、金融緩和によって下がるはずの金利は急上昇(債権安)、4月の初旬には0.5%ほどだった金利は、1ヶ月余りで一時0.9%を超えるまで上昇しました。それにともなって住宅ローンが5月に次いで6月も上がりそうです。金利の上昇は、回復しない景気をさらに冷やすことになりかねません。

 黒田日銀は、現在持っている国債約100兆円(GDP比で36%、ちなみに米国は約20%)を、14年末には100兆買い増して190兆(GDP比約70%)まで増やすそうです。まさに国の借金を肩代りしているのと同じです。財政規律も何もありません。社債や投資信託も今後26兆買って100兆まで買い増すそうですから、確かにバブル(泡)の「根拠」はあるようです。さらに、年金の運用に株を使う計画まであるそうです。泡(バブル)は弾ければ、何も残りはしないどころか、借金だけが残るというのに・・・

 IMFは、先進各国の大幅金融緩和に関して、「緩和に頼り過ぎて財政再建や構造改革が遅れたり、新興国に大量のお金が流れ込んだりする悪影響を指摘」、今後「(金融)引き締めの際には金利が急上昇することにも懸念を示し」、「国債などの資産が値下がりし、損を被るおそれもある」、「日銀の場合は最大でGDPの7.5%もの損が出かねない」を指摘しています。実際、金利は上昇(債権価格は下落)しているわけで、国の利払いもこの1ヶ月余りで約3,000億円増えた換算です。また、金融機関の持っている債権は含み損を抱えて抱え、国債を売って株にシフトしようとの動きさえあります。

 しかし実体経済に回復の兆しはありません。日本の3月の輸出は、数量ベースで前年同月比で約10%も減っています。円安でも輸出は増えていないのです。電器関連の輸出企業も、既に海外展開しており、その効果は殆どありません。収益の上がった自動車も、円安で為替差益が入っただけで、輸出が増えたわけではないのです。物価の動きを示すGDPデフレーターは前年同期を1.2%下回り、14四半期連続の下落です。(様々に物の値段だけは上がっても)デフレは続いているのです。

 (景気が良くならないのに)これで消費税が上がったら、最早日本中が冷え込んでしまいます。税収は上がるどころか減ってしまうでしょう。にも拘らず、1~3月期のGDPは年換算で3.5%増でした。全体の6割を占める個人消費が堅調だったそうです。この個人消費の「個人」というのは一体誰なのでしょうか?デパートでの高額商品が飛ぶように売れているそうですが、安倍バブルに乗って儲けた人が高い物を買う、そしてGDPが上がり景気が良くなったと判断する、そして消費税が上がる、結果バブルと関係のない多くの国民は、負担と痛みだけを抱えるということなのでしょう・・・

P.S. 年少扶養控除は廃止、子ども手当て縮小、健康保険料の値上げ、年金保険料も上がり、復興増税により所得税も住民税も上がります。電気料金やガソリンも上がりました。これで消費税まであがるのでしょうか?もし仮に(上がらないと思いますが)、給料が少しぐらい上がっても、焼け石に水、大火傷を負うことになりそうです・・・

P.S.2 内容の無い成長戦略第2弾、苦笑してしまったのは、10年で農家の所得を倍増するそうです。10年後には農家はいません。それを見越してか、「農地集積バンク」を作って大規模生産ができるようにするんだそうです。企業参入をさらに緩和するんでしょうか?そして農産物の輸出を1兆円まで倍増させるお積りだそうです。でも私は売りません。中国の富裕層に売る積もりはありません。勿論、安倍バブルに踊る日本の金持ちの方々に食して頂く積もりもありません。家族と友人・知人に食べてもらえれば十分です。有り難いとさえ思います。その喜びの為だけに、少しでも長く農の営みを続けていきたいと思うのです・・・

P.S.3 原子力災害紛争解決センターの調停が進まない大きな原因が、東電の対応・姿勢だそうです。「一度は必ず拒否回答し、被害者の気持ちを萎えさせる」、(煩雑化させ、長期化させるため)「資料の提出を・・・複数回にわたって追加提出を求める」、「被害者の陳述を無視し、資料不備を理由に査定を低くする」やり口です。今でもその姿勢は変わっていないのでしょう。まさに被害者をいたぶっているとしか思えません。極悪非道の私でも、(想像しただけで)怒りと辛さで涙が出てきます。(他人事なのに)赦せないと思うのです・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年5月20日)

コメントを投稿