プルサーマル計画を憂慮する有志の会

原発問題に関して投稿します。

口に出せない被曝の不安

2013-04-10 10:25:18 | 日記
 福島市や郡山市の「子ども健康相談会」に参加されている心療内科医の斧澤さんのインタビュー記事(『朝日新聞』)では、「子どもを放射能から守りたいと思い、県や市、地元の医師に訴えても、『安全です。特別なことをする必要はありません。放射能恐怖症のお母さんが増えて困っています』」と門前払いにされるそうです。正に「暴力」以外の何物でもありません。彼らにとって私などは、「放射能恐怖症」の患者を生み出す「悪の元凶」なのかも知れません。しかし、私は、至極まともなこのお母さんたちと同じ思いを抱いて、今尚「安全依存症」に陥っている彼らと(私なりに)闘うしかありません。

 このお母さん達に対しては、「他の母親からも県や市が安全だと言っているのだから大丈夫」、「残っているのに不安を口にするのはおかしい」、夫からも(無慈悲にも)「心配し過ぎ」だと言われるそうです。心配し過ぎなのではなく、きちんと現実を見ていくと、不安にならざるを得ないというのが本当のところではないでしょうか?私は、このお母さんたちの感覚と姿勢は、間違ってはいないと思います。

 このお母さんたちは、(口に出せない状況なので)「不安を隠しながら、地域や家庭の中で孤立」し、「『分の方がおかしいのではないか』と、自らを責めて抑うつ状態になっている母親が多く、相談会に来ること自体が避難される雰囲気」なのだそうです。(現実に)低からぬ放射線量の中で、被害を受けている方が、まともな訴えをしているにも拘らず、行政は「安全だから検査は必要ない、県外避難も勧めない」と突き放すだけだそうです。(被害を受けた人をさらに迫害しているようなものです)

 しかも「子どもたちは実際、喉の痛み、鼻血、下痢、倦怠感、頭痛、発疹などの様々な症状を呈しており」、正しく広島・長崎での被爆された方々、或いは原発労働者の「もやもや病」に近似した症状にも拘わらず、これもまた、ストレスや「母親の心配が病気を作る」などと、非科学的な論理で打ち消されてしまっています。「どんなに訴えても変わらない無力感からか、疲れ果ててしまって、『仕方ない』、『これも運命』、『放射能のことは忘れて暮らした方が楽』と無理やり思い込むことで心のバランスを保とうとしている人が増えている」と斧澤さんは言われます。(私自身も、原発や被曝に関して、強い無力感と罪悪感、そして抑うつ感が、事故後ずっと続いています)

 同じことが東京でも起きているそうで、多くの放射能汚染地域で、声なきお母さんたちの不安は埋もれているのではないかと危惧します。このような状況に斧澤さんは、「リスクがあるのに、『安全です』と言って不安のみを取り去ったら、子どもたちを無防備に被曝させる危険が残るだけ」、「行政やメディアの情報を鵜呑みにせず、自ら考えて行動することを諦めないで欲しい」と訴えられています。(鬱状態の方は、どうか無理をされないで下さい)でも、斧澤さんの言われることは、とてもまっとうで大切なことだと(私自身も)思います。(頑張らずに)できることから、少しのことでも、子どもの為にできることをやっていって欲しいと思うのです・・・

P.S. 東京都西部に住んでいる娘が孫を連れて、友達のお子さんと川沿いの遊びに行って、川で泥遊びをし、その時、放射性物質のことが気になって不安だった、心置きなく子どもたちを遊ばせられなかったと言います。私も不安ですし心配で、適切な言葉を掛けて上げられませんでした。当地の室内の線量は0.07μSv、年間約0.3mSvの低(或いは低低)線量被曝地域に当たります。(私のブログは読んでくれていませんが、自分なりに調べて)低線量被曝の影響も娘は心配しています。将来、何十年後か先に、様々な障害、疾病を発症するんじゃないか、それを避けるのは親の責任ではないかと。できれば、安全な所へ移住したいとも言います。私も同様に、娘そして特に孫の健康が心配ですので、できるならそうして欲しいと思っていますが、そう簡単にはいきません。(娘は測定器を買いましたので)散歩する道の草むらや、川の泥など、測れるものから少しづつ測ってみれば」というのが精一杯でした。正直、何故、(国や自治体、或いは東電でなく)娘が、不安を抱える母親が、このようなことをしなければと思うのですが、そこに放射性物質があるのなら、目を背けず、生きていくしかない、そのようにも思うのです・・・

P.S.2 (責任追及を恐れた民主党政権が設置しなかった)衆議院原子力問題調査特別委員会が初審議を行ないました。参考人として出席し同委員会設置を提言した「国会事故調」の元メンバーからは、原発の新規制基準について「残念ながら極めて不十分」、放射能汚染水漏れの続く状況に「東電や行政(政府)に任せ切りで良いのか」という意見が出されました。(引用は『朝日新聞』)しかし国会としては、現地調査を虚偽の報告で妨害した事件も有耶無耶、真の事故原因追求にも意欲はなく、同委員会のメンバーを原発推進派で固めて、再稼動へと動かしたいというのが現政権の意向です。厳しい意見は(参考人を招いた)今回限りで、後は仲間内で粛々と進めていくということなのでしょう・・・

P.S.3 また貯水槽から汚染水漏れが見つかりました。2号貯水槽から汚染水を移送していた1号貯水槽だそうです。それでも、貯水槽を遣い続けなければならず、今は6号貯水槽へ。それでも、2千トン近くの汚染水は行き場がない、つまり漏れ続ける状態に放置せざるを得ない状況だそうです。放射能汚染水管理の破綻事故です。(自衛隊を投入すべき)国家的緊急事態ではないのでしょうか?・・・

by「プルサーマル計画を憂慮する有志の会」 (平成25年4月10日)

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